H27、2/22 「石見神楽・創作神樂の解説と実演」 講座

2月22日に大田市観光協会主催で「石見神楽ガイド養成講座」が大田商工会議所3階ホールで開かれます。
13:00 ~「意外と知らない!?石見神楽の基礎知識」小林工房代表 小林泰三氏
14:10 ~「作家が語る、創作神楽」(劇研空代表 洲浜昌三氏)

その後、土江子ども神楽団の「金山姫銀山勧請」と大屋神楽社中の「於紅谷」の神楽があります。両方とも創作神楽です。

DSC06316伝統的な神楽は、五穀豊穣を祈り、収穫を感謝して神に捧げる「舞い」です。ぼくが子供の頃には秋祭りにしか舞われませんでした。夕方から夜明けまで神社の境内のムシロに座って見ました。ホールなどで舞われるようになり「見せる神樂」に人気があつまり、演出も工夫され、創作神樂が生まれました。現在大田市でも4~5演目の創作神楽があります。神とは関係ない歴史上の人物を素材にした神楽もたくさん生まれています。限りなく歌舞伎や芝居に近い神楽もあります。そうなると舞手の魅力が重要になります。数年前から「追っかけ」が生まれているほどです。

伝統演目もしっかり守りながら、新しい表現にも挑戦していくのはいいことです。安易なものは時代の中で淘汰され、いいものだけが残って行くことでしょう。try こそ重要です。

平成22 神楽 金山姫銀山勧請(平成22年、大田市民会館「白銀の舞」で土江子ども神楽団の「金山姫銀山勧請」)

「金山姫銀山勧請」は石見銀山世界遺産登録記念に頼まれて書いた創作神楽です。どのように考えて創ったか、小林泰三さんの後で、すはまくんが話すことになりました。この神楽は大田市神樂団有志が舞う、ということで書きました。ある神楽を見た時、和歌を歌いながら太鼓をたたいた人がとてもうまかったので感動して、その人に歌ってほしいと願いながら、たくさん和歌を取り入れました。子どもの時から意味は分からなくても、神楽で歌われる和歌が大好きでしたし、和歌の優雅さや奥深さ象徴性を意識的に取り入れて「品」のある神楽にしたいと願いました。また鬼は、単なる鬼ではなく、深山に住む「鬼神」として登場させ、開発され崩されていく大自然を守る存在として象徴させました。(こんなことを感じながらこの神楽を見た人はあるかな。ないない。そうだろうね。でも100人の内3人はおられたかもね)

22日の当日には資料として台本を用意しました。神樂の台本を読む機会は一般の人にはまずありません。参考までにここでも紹介しましょう。興味がある人はどうぞ。台本はあくまで台本ですから、演出者は台本を基に自分の考えて料理されますので、この通りに舞われるとはかぎりません。劇もおなじですが、いい演出、いい役者に出会えば、60%の台本でも90%になります。「逆も真なり」

神樂台本「金山姫銀山勧請」A4縦書き11ポ下部空白,解説後に3P

H27 第22回「サンレディフェスタ」開催 2/21,22

2015年2月21,22日、2日間サンレディフェスタが開催されます。22回にもなるんですね。サンレディを利用しておられるサークルのみなさんが、舞台発表や展示、バザー、お茶席、サロン、講演など多彩な発表を企画しておられます。記念公演は作家の落合恵子さんです。今年も案内をいただきましたので紹介します。誰でも自由に参加できます。どうぞお出かけください。お茶やコーヒーなどもあります。

DSC06320サンレディの講座はいろいろなものがあり、みなさん生き生きと活動しておられます。ホールは今まで何度も利用させていただきました。スタッフのみなさんも快く対応してくださるので、助かります。今年も8月には劇研空がお世話になります。よろしくお願いします。大田の重要な文化の拠点になっています。

一度、「表現」をテーマにした講座の講師を依頼され月に1回実施したことがありました。詩やエッセイの講座でしたから参加者がどれくらいあるか心配しましたが、毎回数人ではありましたが、詩やエッセイを書いてきて、お互いに批評しあいました。味のあるいい作品もたくさん生まれましたので、そのうち冊子でもつくればと思っていましたが、講座は一年で終わりました。積極的に参加者を誘えばよかったかな、と反省しました。書くことが好きな人が5,6人いれば意義のある講座になると思うのですが、なかなか書きたいとう希望者がいないようです。

石見銀山の講座には3年くらい出席しましたが、ある年に申し込んだら満員でだめでした。それ以来、つい足が遠くなってしまいました。とても勉強になるいい講座でした。いただいた資料は今も大切にして活用しています。仲野先生の講座は今もつづいています。あるときには、寸劇の手伝いに行ったこともありました。

 

以上フェスタに関係ない蛇足でした。「蛇足」?何じゃそれ?「蛇の絵を早く描く競争で、最初に書き上げた者が、つい足まで書き添えたために失敗した、という故事から生まれたことば、だそく、じゃそく」

つまり:「余計なもの」「なくてもよいもの」でした。

H27 2月の「発声と朗読の基礎」大田市民会館

2015年2月の大田市民会館カルチュア-講座「発声と朗読の基礎」についてお知らせします。月に2~3回、水曜日、大田市民会館の第3会議室で実施ということになっていますが、2月は、18日と25日を予定して市民会館へ届けています。

先日、市民会館から電話がありました。2月からこの講座を受講したいと、中学生二人から、受講届が提出されたそうです。そこで、19:30~20:30までは、基礎的な発声や呼吸法、その演習、応用などを段階的に実施します。費用は会場費+資料代として1回100円です。ぼくも含め全員です。

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希望がある毎に受け入れていますので、人数が一定しない不便さがあります。毎回テキストをつくり、発展的に積み上げていきますので、当初から人数は10人とか、6人とか定まっていれば都合がいいのですが、仕方がありません。空のみなさんもできるだけ時間厳守で出席して参加してください。20:30からは空の朗読や劇の話し会いや練習をしましょう。よろしくおねがいします。

(写真はこの講座と関係ありません。青原小学校での詩の朗読です。)

H27、2 浜田でミュージカル『島村抱月』上演

浜田の石央文化ホールと実行委員会の連名で、劇研「空」へ公演の案内がきましたので紹介します。
2015年2月1日、住民参加型創作ミュージカル『島村抱月』が昼夜2回上演されます。

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脚本は浜田市出身で演出家の木島 恭さん、作曲も浜田出身の安藤由布樹さん。原案・演出は岩町 功先生です。岩町先生は、若い演出家を育てたいと手紙に書いておられましたので、岩上弘史さんも演出として加わっておられます。

今年度は、島村抱月が芸術座を創立して100年だそうです。昨年はそれを記念して東京でも講演会があり、会長の岩町先生は何度か東京へ行き講演もされました。昨年の2月に「石見演劇フェスティバル」反省会でも一緒になりましたが、80余歳にして元気溌剌、頭脳明晰。「郷土石見」の編集長、そして執筆。簡潔で的を射た文章は昔と全く変わりがありません。そして今回の上演!情熱と実行力には脱帽です。総勢100人以上、浜田の文化の総力を挙げての企画上演です。

前回の抱月も観劇に行き、このブログでも紹介しましたが、今回はかなり書き直してあるのでしょう。前回にはなかった大田の相生座が舞台として登場します。抱月は全国や海外まで公演して回りましたが、故郷の浜田では上演していません。何故?

浜田でも上演するつもりで、松江、出雲と下り、大田の相生座で上演していたとき、妹のイチがきて、浜田へ行くことを止めたのです。「浜田へ帰ると借金取りが待ち構えている」。父の一平はたたら製鉄業に従事していましたが相場に手を出し莫大な借金を負っていたからです。しかも抱月は早稲田大学教授を捨てて、演劇に没頭、松井須磨子との関係も評判になり、故郷では「あんな人間になるんじゃない」とまでいわれた人です。

実に多くの人物が出てきます。有名人もたくさん。例えば、森鴎外、島村抱月、相馬御風、中山晋平、松井須磨子、与謝野晶子、沢田正次郎、中村吉蔵・・・・。これを演じるキャストは大変ですね。でも前回は違和感なく見ましたので、大したもんです。

今回は主人公・抱月に、なんと!河村匡敏先生!名前を見たとたん、ベストチョイス!と微笑みました。松江でも、石見演劇フェスタでも、とてもシャープな演技をみせてもらいました。ぼくも大いに買っていた人です。鹿森さんは一平、イチは服部冨士美さん・・・ベテランもたくさん出演されます。

大田ではチケットを販売している所はないようです。電話をして予約してみてください。見応えのある舞台を楽しむことができること間違いなしです。

DSC06290ミュージカル「島村抱月」を観劇しました。舞台は写してはいけないとアナウンスされましたので、これならいいだろうと、パチリ。カミサマと車を運転して浜田に着き、ホールへ入ったら1階、2階ともに満席で、3階まで上るはめになりました。3階で見るのは初めてですが、雲の上から地上を見下ろす感じで、高所恐怖症患者には足が震えました。上の写真は開幕前のホールです。この高い所からは役者の顔の表情はもちろん見えません。役者も3階席までは意識して演じていませんから、声は主に天井にあるスピーカーを通して聞こえてきます。

場所としては最悪でしたが、舞台は十分堪能しました。ストリー展開に沿ってダンスや歌、合唱、詩吟など多彩な舞台が繰り広げられました。とても楽しく見ることができました。生演奏の効果が十分発揮されていました。あちこちで感動的な場面に胸を熱くしましたが、抱月の母チセが死ぬ場面は実に感動的でした。東京から抱月が汽車やバス、徒歩や走って故郷の金城へ帰ってくるのですが、その場面も工夫されていました。プロの森田麗子さんが「いのち短し、恋いせよ乙女、熱きくちびるあせぬ間に~」と松井須磨子の「ゴンドラの歌」を透き通るような声で歌われる中での無言の演技が胸に迫ってきました。演出のすばらしさですね。当時東京から浜田の奥まで帰るということは何日もかかる大変な旅程だったのです。

この劇では故郷ということを大きなテーマに作成されていました。大田の相生座まできて、明日は故郷の浜田で公演、というとき妹のイチ(大田市温泉津町の安楽寺に嫁いでいた)がきて、故郷には借金取りが待っていること、松井須磨子と帰って公演してもお客さんは来ないこと、さらに須磨子本人も厳しく叱責しました。抱月は結局中止して東京へ帰りました。妹のイチの演技や発声も光っていましたね。抱月の演技も力みがなく自然で、ことばもよく分かり、聡明で冷静な学者風の抱月の姿がよく伝わってきました。台詞も多いし歌もたくさんあるし大変だったことでしょうが、台詞についてはさすがは浜田高校演劇部で鍛えていた発声が生かされました。早口で喋っても歯切れ良くことばが分かる。訓練がなければでないことです。

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劇が終わってカーテンコールの時に、抱月は舞台奥から出てきました。父一平や母、妹、弟も出てきて、抱き合って涙を流しました。ちょっと興ざめがしました。ここまでやると完全に感動の押しつけになります。舞台奥の高い所に表れて立っているだけで十分故郷への思いは伝わったのではないかと思いました。説明し過ぎない、感動を演出しない、空想の余地を大いに残す・・・ラストは前回の方がはるかに感動的でした。

坪内逍遙は早稲田文学の象徴的存在ですが、よくがんばって逍遙を演じておられました。ぼくは大学時代に、五十嵐新治郎先生に音声学を習いました。先生は音声学の大家で、口の構造や音素を研究してマスターしておられ、アメリカやイギリスの英語の方言も自由に喋ることができ、文化放送のラジオ講座やテレビでも当時大人気でした。先生がある日授業でいわれました。「私は坪内逍遙先生に習ったのですが、先生の講義の時には町の人たちがたくさん聞きに来るので教室はいっぱいでした。先生は教室に入って来られる時から、こうゆう風に、芝居の演技をしながら入って来られました」。逍遙先生はきっと単なる学者風の人ではなかったのですね。姿や動作まで浮かんできます。

おっとととと、横道にそれました。すばらしい舞台でした。はるばる観に行った甲斐がありました。みなさん、おつかれさまでした。ありがとうございました。

(抱月の上演があったので、ブログで抱月関係の記事を多くの人が読んでおられる様子がグラフからわかります。岩町功先生の著作「島村抱月」を以前このブログで紹介していますが、それも多くの検索で読まれています。本に書いたものは、本棚にしまったらまず出すことはほとんどありませんが、ブログはこう言うときに価値を発揮するんですね。郷土の文学、演劇、文化を紹介することも目標にしている劇研空としてはうれしいことです)

抱月について検索して読む人が多いので、改めて岩町先生の名著「島村抱月」の書評を紹介します。平成21年8月3日の山陰中央新報に載ったものです。資料も豊富な上下2巻の膨大な本を原稿用紙3枚くらいにまとめるのは大変でしたが、ポイントは押さえて書いたつもりです。本を読みたい人は県内の主な図書館にはあるはずです。

書評 岩町功著「島村抱月」上下巻 (2段縦書)

 

H27, 「大田文化プロデユースネットワーク」結成準備会

2015年1月15日、大田市民会館で表記の結成準備会が開かれました。都合がつかず欠席だった人もいますので、概要と次回開催日をお知らせします。次回は2月5日19時から市民会館会議室で開かれる予定です。都合をつけ、友達を誘ってきてください。

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(写真はこの記事とまったく関係ありませぬ。淋しいので飾りに入れただけです)

ぼくは少し遅れて出席しましたが、原案文書に基づいて、目的、活動内容、参加者、今年度の予定などが話し合われました。

目的には次のように書かれています。
「ネットワークは、人と人との繋がりをつよめ大田市内・市外の個人や各団体と協力し、地域文化を高めるとともに新たな文化の創作公演を実施し、文化芸術によって元気な町づくりを推進することを目的とする」

事業:「1.文化芸術創造事業 2.文化による地域コミュニティの推進事業 3.地域の歴史・伝統文化の継承事業 4.その他目的達成に必要な事業」

質疑応答などがあり、できるだけ多くの人に声をかけて参加してもらう事になりましたが、具体的には「何を、どのようにするのか」まだ姿が見えてきません。これから煮詰める必要があります。出席者は約20人(会館側が4人を含む)。案内は二次文化プロデューサー講座の受講者だけだったそうですが、対象は広く開かれています。

H27 今年もよろしくお願いします

2015年は早くも10日過ぎました。今頃になって、新年おめでとうございます、というのも色褪せていますが、節目ですので、新年の挨拶がないと締まりませぬ。「今年もよろしくお願いします」 目下ほぼ決まっている予定をお知らせします。

1.大田市民会館のカルチュア-講座「発声と表現の基礎」は昨年につづいて月に2~3回行います。1月は14日(水)、28(水)です。2月は18(水)25(水)の予定です。基本的には水曜日に実施します。発声の基礎を勉強しつつ、実際の朗読や語り台詞の練習をします。現在空のメンバーが主体ですが、2,3人の方が主席されることもあります。会場費は1人100円です。プリントなど資料を準備します。どなたでもどうぞ。 P10801692.8月14日、大田高校卒業生会「瓶陵会総会」のとき「石見銀山旅日記」を上演予定。幹事さんと同期で演劇部で活躍し、東京のプロ劇団で活躍中の福原美佳さんも劇に参加する予定です。劇研空と共演です。そのために台本を修正します。

3.6月~8月ごろ「第6回 朗読を楽しむ」詩人の特集を考えています。具体的には検討して後日発表しますが、戦後70年ということで、「原爆詩特集」とか、多くの人に愛読されている谷川俊太郎詩特集、「ふるさと島根の詩」などなどです。

4.9月22日(休日)、松江の県民会館で、「しまね文芸フェスタ2015」が予定されています。担当は詩部門です。となれば島根県詩人連合が先頭になって動かなければいけません。詩の講師で誰を呼ぶか。難題ですが、すでに9月から動いています。 昨日、(1/9)岡山で中四国詩人会の理事会がありましたが、電話がかかり打合せをしました。そして同席していた川辺事務局長とも話し合いました。劇研空は舞台で詩の朗読を打診され、勝手に引き受けています。空のみなさん、覚悟をしてくだされ。誰の詩を読むかは1月14日の会合で発表します。 DSC006205.10月24か25日、朗読劇「吉川経家最後の手紙」を温泉津で上演予定です。経家が鳥取城で秀吉の兵糧攻め作戦(餓え殺し作戦)を受けて自決したのは1581年10月25日(天正9年)です。今年は没後記念行事を温泉津で開催するそうです。鳥取、岩国はもちろん、全国から関係者が参加されます。劇にすると衣装など大変ですから、朗読劇として上演します。以前の脚本もかなり歴史を尊重して書きましたが、省略したこともたくさんありますので、更に史実に近い迫力のある歴史劇ものにするつもりです。 DSC00625(みんなよくがんばったよね。保護者や先生方のすばらしい協力があってみんなの力が発揮されました。地元で3回も上演して、その上に鳥取まで行って、鳥取城のそばにある中の郷小学校体育館に集まった400人近い観客の前で上演したのだからね。生涯の思い出になることでしょう。もう中学生だね。どうしてるかな。みんながんばってるだろね。・・・なんのことですか?分かる人は分かり分からない人はわからない) 上の上演計画は空のメンバーが中心になって行いますが、なにしろ、いつもほぼ確実に参加出来る空のメンバーは1,2,3,4,5、・・・・あああ、アアアア、これでは出来ませぬ。いつも呼びかけて参加していただいています。興味のある人はぜひ一緒にやりましょう。 ひとりごとー 劇団「空」にせず、劇研「空」にしたのは、大田で劇団は無理と当初から考え、2,3人、いや、1人になっても、脚本書きや劇評などは出来ると考えたからです。企画を中心にして、「このゆび、とーまれ」方式でないと、この地域では長続きしないことが予見されたからです。でも自分から飛んで来て「とまる人」はなかなかいませんね。15年以上やってきましたけど。

H26, 「お芋博覧会」 職業訓練センターで 12/7

~みんなでやろう!「代官いもでまちづくり」~をスローガンに、12月7日(日)島根中央職業訓練センターで「お芋博覧会」が開かれます。お店もたくさん出て、面白いイベントもたくさんあって、楽しいお祭りです。

9時からオープニング、石見神楽、10時からの「芋代官まつり」では、劇研「空」も出演しま~す。詩の群読、「はるかな時を越え ー江戸からきた人ー」。芋代官・井戸平左衛門を詩で紹介します。5人で群読します。その後には歌やダンスなどなどなど、15時まで楽しい出し物があります。チラシを紹介します。どうぞ、足を運んでくださいませ。

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H26 大田市民会館カルチャー講座「発声と表現の基礎」

平成25年度から、大田市民会館でカルチュア-講座が開かれています。講師と講座内容を会館へ届けてOKとなれば、一定の使用料を納め会議室を借りて講座を開くことができます。25年度は大畑さんのギター教室、大畑蘭さんのアニメが開講し、26年度は大野典子先生の書道教室と、劇研「空」の「発声と表現の基礎」が開講しました。

「発声と表現の基礎」についてチラシ(大田市民会館に置いてあります)から、主なところを転載して紹介します。劇研「空」もこの日に、発声や朗読などの練習もしていますので、来てください。当面は、水曜日の19:30~21:30です。7月からスタートしています。会場費、テキスト代として一人1回、100円必要です。
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「発声と表現の基礎」(大田市民会館カルチュア-講座)
 「正しい発声とは何んですか? 」と聞かれたら、どう答えますか。
劇作家の鴻上尚史さんは、ある著書で、こう書いています。                  「あなたの感情やイメージがちゃんと表現できる声を手に入れること」
そのためには発声や表現の基本を知り、意識的に訓練することが必要です。
呼吸法、発声、発音、滑舌、リズム、間、強弱、感情の表現の仕方・・・。

このワークショップでは、毎回作成したテキストに基づいて発声や表現の
 基礎を学び、実際に練習します。詩、随筆、童話、古典、名作、戯曲などを読
 んで、お互いに学びます。他の講師をお招きして指導を受けることもあります。

場 所:大田市民会館会議室
日 時:水曜日19:30~21:00(月2~3回、水曜日を基本。変更もありますので注意
7/16、 7/24、 7/30     8/6、  8/27、   9/3,   9/10,
10/ 1,   10/15,  10/29      11/12,   11/26           12/10, 12/17     1/7,   1/28
対 象:中学生・高校生・一般
参加料:一回ごとに100円(会場費、資料代)
講 師:洲浜昌三
(劇研「空」代表、日本劇作家協会会員、全国高校演劇協議会顧問、日本詩人クラブ会員、島根県詩人連合理事長)
他の専門家を招いたり、劇研「空」のメンバーが指導を補助することもあります              問い合わせ:TELL 0854-82-3040 洲浜

H26 大田市出身の南画家・西 晴雲特別典開催

2014年9月26日から28日まで、大田市文化協会創立40周年記念事業として、西 晴雲の作品展が大田市民会館で開催中です。中ホールに92展の作品が展示されています。晴雲は大田市波根町の生まれで、南画の大家。大田の宝です。これだけの作品を見ることは滅多にできません。DSC06025

初日の26日は午後から会場係りで、会場の片隅の椅子に座っていましたが、平日にもかかわらず、切れ目なくお客様がこられました。さすがですね。

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サントリーウィスキーの「寿」の字を知っている人は多いことでしょう。その字は晴雲が頼まれて書いたものです。サントリーの創始者・鳥井信次郎は晴雲をバックアップしました。詳しく知りたい人は次をどうぞ。(大田市文化協会作成パンフレットより)

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年代まで知りたい人は年表をどうぞ。(大田市文化協会作成パンフレットより)

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一点一点が貴重な宝物ですから取り外し、持ち運び、出し入れなど取扱も大変だったそうです。会場には警備員を配置し、二人の監視員がいます。

監視員をしていると、いろいろな人が話しかけて来られます。ある有名人は、「郷土資料館や美術館がないのは大田市だけです。文化の谷間です。図書館の一角に資料室を作れ、と言ったのですがだめです。かなり前のことですが晴雲の作品の寄贈を申し込まれたのに断ったのです。県立美術館は喜んで50点を購入しました。どうにかしないと大田の宝が消えてしまいます」

確かにそうですね。書籍でも美術品でも陶芸品でも歴史的に貴重なものを持っている人は市内にもおられます。子孫が後を守ればいいのですが、膨大な書籍などは価値を知らない者には粗大ゴミどころか邪魔物です。しかしそれを保管してくれるところはありません。美術品などは保存状態が悪いと虫に喰われたり、シミができたりして、価値は半減してしまいます。どうにかしなければ… どうにかしましょう。ほんとうですか。ああどうにかしましょう。

H26,9/21 永井隆の劇「Takashi」益田で上演(観劇記)

雲南市演劇によるまちづくりプロジェクト実行委員会から、案内が来ました。チラシなど後日渡しますが、ひとまず簡単に紹介します。

9/14   18:00~
9/15    13:00~        17:00 ~ チェリヴァホール

9/21(日)14:00 ~  益田市グラントワ
DSC05930亀尾さんの創作、演出です。この初春には「ふることふみ」を雲南市まで観劇にいきましたが、すばらしい舞台でした。(このぶログのどこかで観劇記を書いています)

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永井博士は、飯石郡飯石村(今の雲南市)で育ち、旧制松江高校を卒業、長崎で医学に献身されていましたが、あの原子爆弾で被爆、それでも最後まで平和のために命を燃やしました。長崎へ行ったとき、最後の住居「如己堂」へ行きましたが、畳が3枚か、4枚くらいの狭い狭い部屋でした。ここで数々の有名な著作を書かれたのかと思うと身が引き締まる思いがしました。

その永井隆博士をどのように舞台で表現されるか、楽しみですね。

 

9/21,はるばる益田へカミサマと観劇に行ってきました。劇研空の山本君も来ていました。久しぶりに会う人たちがたくさんありました。劇が終わってこっそりパチリとしました。スミマセン。力作舞台でした。迫力がありました。以下、観劇記です。

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集まった70人以上の人たちをどのように舞台へ登場させるのか。難問題です。単なるコロスとして扱えば、参加した人たちには不満足感が残ります。脚本、演出の亀尾さんはこの難問題をうまく処理しています。さすがです。今までに高校演劇で積み上げてきた手法がみごとに生きていました。多くのキャストが次々と多くの場面を構成していくので、ある意味で劇は度々脇道にそれ、遊びが多くなり、同時に楽しく豊かになります。永井隆という一人の主人公を忘れてはいませんか、と思うころにストリーの軸は一気に展開、本筋に戻ってきます。この緩急の展開が美事でしたね。さすがです。

劇中劇形式になっていて、劇が終わると全員が舞台に集まり、演出役が客席から登場します。演出は、問いかけます。「この劇をやってどう思ったか」。沈黙のあと、二,三人が感想を述べます。

この場面は、劇を客観化することを狙うなら面白い設定です。しかし観客の目には半分、「やらせ」場面に写ります。演じた人間の視点でしか感想は述べられないからです。観客に問いかけるのは価値がありそうですが、これも「感動しました」などという絶賛の感想しか出てこないでしょう。

ぼくならどうするか?と帰りの車中で考えつづけました。結論は「沈黙」です。誰も何も言わない。いや、言えない。

最も感心したのは、永井博士の著述から、永井博士の言葉をそのまま何度も喋らせたことです。脚本家が自分の言葉で現在の時勢を激しく批判すると、観客のこころに反感も生まれる可能性もあります。プロパガンダ性の強い劇になる可能性もあります。しかし永井博士の警告は正に現在の社会を鋭く突き刺します。何十年前の永井博士の言葉を、そのまま舞台で喋っても全く色褪せない。それどころか実にリアルに迫ってきます。真実は時代を超えて具体を貫くのです。

劇が終わって、観客席には熱い思いが充満していました。客席にいるとはっきりわかります。迫力のある感動的な劇でした。

ホールをでるとき、亀尾さんの姿を見かけました。感動した人たちが次々と話しかけていましたので、邪魔をしないようにそのまま帰ろうかと思いましたが、挨拶だけでもと思い、しっかり握手をしてホールをでました。

グラントワの近くで写真店を開いているキタウラ君の家へ寄ってみました。そのむかし、県立益田工業高校が久城の丘に聳えていたころ、担任をした機械科の生徒でした。元気でがんばっていました。剣道を通した社会貢献で数々の表彰を受け、賞状が壁に掲げてありました。来年は卒業して50年になるので同窓会を開きたいと、出来上がった案内のハガキを見せてくれました。「日にちはいつがいいですか?」と聞かれました。なんかこのために久しぶりに益田へきたような感覚に襲われました。劇とは全く無関係ない脇道でした。

みなさん、おつかれさまでした。いい劇がまた島根に生まれましたね。