2月3日、今日は節分です。子供たちを見ていて、ふと浮かんだ状況を書いた短詩2篇を、立春に当たり、紹介しましょう。
鬼だぞ ! 洲浜昌三
「ウオー ウオー 悪い子は どこじゃー」
生まれて初めて迎えた一歳の節分
真っ赤な顔の鬼が 部屋へ入ってきた
裂けた口 吊り上がった目 尖った角
「鬼 だぞー」
一人で人形と遊んでいたユーちゃんは
急に ニコニコ笑って 大喜び
顔をユーちゃんの目の前に近づけて
声を太く低く ドスをきかせ
「ほんとうの鬼だぞ !」
「フフフフフフフフフフ」
目を二つの弓にして笑うユーちゃん
鬼の父さん 作戦大失敗
すごすごと退散したあと
ユーちゃんが何か言った気がする
「メン ガ ナイ ホウガ コワイヨ」
次は、保育園の先生の指導で、子どもたちは毎日「豆の歌」を練習し、本番に備えました。いざ節分の日到来。二匹の鬼が入ってきました。
がんばれ まめ戦士 洲 浜 昌 三
「さあ 元気よく歌いながら豆をまいて
オニを退治しましょうね
もう一度大きな声で練習しましょう」
おには そと ふくはうち
ぱらっ ぱらっ ぱらっ ぱら まめのおと
おには こっそり にげていく ※
頭に白い鉢巻きをキリリと締め
ふるさとを守る戦士のように目を輝かして
幼い子どもたちは声を張り上げる
ウオー オニダゾ ワルイコハ タベルゾ
ギヤオー アカオニダゾ ナキムシハ ドコダ
二ひきの鬼が飛び出してくると
戦陣はたちまち総崩れ
真っ先に逃げていく男性戦士
恐怖でその場にうずくまる女性戦士
一歩も退かず勇敢に立ち向かう数名の豆戦士
悲鳴や泣き声が戦場に響きわたる
さあ 子どもたちよ
あの歌を歌うんだ!
みんな一緒に 大きな声で
何度も練習したじゃないか!
※童謡「豆のうた」より
子どもたちを見ていると、ふと浮かんでくるものがあります。そんな情景を詩形式で書いたものがたくさんあります。いつか冊子にまとめてみたいと思いますが、いつか、いつか、どっちが先に現実になるかわかりませんね。
(ブログ:詩の散歩道 詩作品紹介 20230203洲浜)