R4,「島根文芸」55号発行と入選者表彰式

12月10日(土)、松江で今年度の「島根文芸」入選者表彰式が行われました。県民文化祭の文芸部門で毎年俳句、単価、川柳、詩、散文の作品を募集。入選作品を掲載した「島根文芸」も55号になりました。ジュニアー部門の作品集も刊行されました。市町村の図書館や学校には寄贈しています。購入したい人は、県の文化振興室へ問い合あせてください。表紙は県総合美術展で知事賞を受賞された田中作夫さんの写真です。ステキですね。
​写真は詩部門の入賞者表彰です。久しぶりに高校生の新鮮ないい作品が入選しました。高校では高文連の文芸部門で毎年募集し「作品集」を発行しています。いい作品が毎年あります。この島根文芸にも応募してほしい。午後は分科会を開き、詩部門では川辺さんと僕が出席、入選されたみなさんと率直な感想を述べて有意義な時間を持ちました。自分の作品がどのように読まれたかを知るこの会はとても貴重な機会です。今年の応募者は少なかったので、来年はぜひもっと多くの人達の応募を期待しています。
(ブログ:詩の散歩道 本の紹介 県民文化祭 20221217洲浜)

R4,「大田高校百周年記念史誌」完成

2021年(令和3)は、島根県立大田高校創立100周年記念の年でした。普通なら盛大に祝典が開催されるところですが、コロナ禍のため関係者を中心に市民会館で行われたそうです。その重要な記念事業の一つである、「100周年記念史誌」が、2022年8月に完成しました。686ページの労作です。

100年の記録をどのようにまとめるか。大変な仕事です。歴史記録中心では面白くありません。この本では「コラム」というページをたくさん設け、生徒や先生、先輩、部活、学校行事など生きた声を沢山収録してあります。生きた百年史誌です。中心になって執筆されたのは卒業生で母校の教員でもある川上恭介先生や土居先生、柳浦先生。大役、ご苦労さまでした。いい本が出来ました。
演劇部関係やぼくが関係したページを抜き刷りして持参して頂きました。それを何回かに渡って紹介しましょう。先ず、演劇部の「星空の卒業式」です。2ページに渡って紹介されています。とてもうまく紹介されているので、読み応えがあります。

ぼくも「邇摩高等学校史」「川本高60年誌」(共著)を担当しましたが、授業と部活で忙しい上に、資料集めや執筆は大変な仕事でした。それを思うと今回の「100年史誌」執筆、完成に心底より「おつかれさまでした」と言いたいと思います。本当なら「かんぱーい!」と盛大に慰労したいところです。
(ブログ:詩の散歩道 演劇だより 本の紹介  20221112洲浜)

R4,「大田ウインドオーケストラ」結成30周年記念コンサート

10月8日、大田市民会館で大田ウインドオーケストラの第27回定期演奏会が開催されました。結成30周年。節目のコンサートでした。昨年10月の演奏会では創立からの常任指揮者・谷口栄一先生へ感謝状が渡されました。川本高、出雲工業高、大田高で顧問をされ、素晴らしい実績を残されました。僕も川本と大田高では音楽・演劇で文化祭などお互いに協力し合いました。これからは竹下克敏先生が常任指揮者です。竹下先生もまた実績のある音楽家で、大田一中在職時にはブラスバンド部が全国大会へ出場しています。

第2部では、30年を振り返って、会長の田原将士さん、谷本隆臣さん、山根佳也先生、3人のトークがありました。
心地よい演奏会でした。島根の音楽のレベルは高く裾野も広いと言われます。県内各地に素晴らしい指導者がおられるからです。社会人になっても好きな楽器を演奏して楽しみ、それを市民も楽しめる・・素敵ですね。音楽、演劇、文芸、等々、いろいろな文化活動があることが、郷土の豊かさ、心の豊かさに通じます。年末にはクリスマスコンサート。楽しみにしています。
(ブログ:詩の散歩道 地域情報 演奏会 20221020洲浜)

R4, 講演「山陰の古事記の謎解き旅」好評裏に終了(しまね文芸フェスタ9/23)

第20回「しまね文芸フェスタ」は県民会館中ホールで開催されました。今年度は散文部門が担当。開会式では環境部長竹内さん、会長の額 重利さん、松江市長(代理)松江文化協会会長の挨拶がありました。
全体会では、「山陰の古事記の謎解き旅~日本史上初の王はイズモの地で誕生した~」をテーマに、『山陰文芸』に、古代の出雲やスサノオなどをテーマに歴史小説やエッセイ、俳句を書かれた宮本よしえ、草野慎一、寺井敏夫、沢村俊介、米澤達夫各氏の作品紹介と朗読がありました。寺井さんは数年前に他界されましたが、意欲的に郷土の人物を取り上げて書き、出版されました。
講師は多羅尾整治氏。1047年米子市生まれ、慶応大卒、金融業界を経て地域振興、観光開発、ビジネスホテル開業。大山スキー場開発時の地理歴史調査をきっかけに古代史の研究をライフワークにするようになったと紹介された。
文献を何度も読み、現地へ足を運び、神社の歴史や伝承を詳しく調べて来られた上に達した見解なので説得力がありました。青銅器と鉄との関係、大陸、九州、岡山、奈良との関係、スサノオの位置づけなどとても興味がありました。
大和中心に大和から見た出雲を解説した古代史の本が多いのですが、多羅尾さんは青銅器や鉄を産するイズモの地から見た古代史です。定説はありませんが、説得力があり触発されました。本も売るためではなく読んでもらうために定価も安く抑えて出版したそうです。読んでみたいと思いました。
午後の詩の分科会は川辺、稲田、洲浜、それに新しく渡邉さんが詩を持参、朗読されました。自作詩を朗読、合評しました。詩に興味がある人をどうして増やすか。課題、難題、ドウスリャイインダイ。
全体会は十数年前は200人前後でしたが(7年前、詩部門が担当したときは講師・谷川さんで600人!満員)ここ数年は100人弱。今回はコロナ禍もあり約60人。高齢化、人口減、若い人の文学離れetc. 関係がなければ、ヒトゴト、どうでもいいことですが、30数年関わっていますので、ナヤミのタネです。
(ブログ:詩の散歩道 しまね文芸フェスタ 島根県詩人連合              劇研「空」20220925洲浜)

R4,「しまね文芸フェスタ2022」県民会館で開催(9/23)

第20回島根県民文化祭の文芸部門「しまね文芸フェスタ」は23日(秋分の日)県民会館で予定通り開催されます。一昨年はコロナ禍で中止、昨年は無観客で動画・「島根の風物~詩と映像~」を撮影し「しまねっこCH」で発信しました。

詩部門を担当して、2年間コロナに翻弄されましたが、今年は散文部門が担当です。「山陰の古事記の謎解き旅」と題して多羅尾整治氏が講演されます。午後は分科会です。詩部門は「自作時朗読と詩和会」。朗読する詩を15部持参してください。
散文部門では、会長、額さんの「小説・随筆をどう書くか」という問題提起の後、創作について話し合いです。

(ブログ:しまね文芸フェスタ  詩の散歩道  お知らせ 20220916すはま)

R4, 「何をどのように書くか(小説)」

島根県高等学校文化連盟の文学部門では、長年「小説・随筆コンクール」を実施し、入賞作品を『作品集」として刊行しています。16年間選考に関わってきましたが、短期間に多い時は80編余、普通でも30~40編の作品が集まります。やっと選評も書き終わって担当校の先生へ送りました。俳句、短歌、川柳、詩もすばらしい作品がありますが、新聞などで一度も紹介されたことがないので、関係者しか知らないでしょう。4年分の表紙を紹介します。この中からきっと優れた文筆家が出てくるでしょう。
さて、「小説で何をどのように書くか」今年の島根文芸フェスタ散文部門のテーマでもありますが、平成元年に同じテーマで高文連から依頼されて高校で講演したことがあります。その時の資料の一部を何かの参考になればと思い、紹介します。興味のある人はPDFを開いてみてください。
R1, 講演資料 何をどのように書くか(小説) 20200730

詩でも、小説でも脚本でも短歌でも(なんでもじゃ!)「書く」ということは、「何をどのように書くか」という問に対する答えを求め模索していく長い旅でもあります。参考になればと思い紹介しました。

8,9月は、今年は特に多忙。やっと上記の選考、選評書き、「山陰文藝」の小説26枚、朗読劇「あの夏 校舎は原爆病院だった」、朗読会のテキスト作成、アンソロジーのエッセイ・・・やっとこさ!完了!。これから10月1日の第11回「朗読を楽しむ」の舞台進行プラン、パンフレット作成準備です。
(ブログ:劇研「空」 詩の散歩道 高文連文学部門 本の紹介 20220912洲浜)

R4,英詩「The position of the universe」(「石見詩人」148号より)

短詩を英訳していますが、発表したことはありませんでした。今回始めて「石見詩人」148号に掲載してもらいました。

The position of the universe
by』Shozo Suhama       

While I was busily crawling around
Forgetting the seasons,
You seem to have been moving silently
Without showing yourself up.

Over the fresh snows of the mountain ranges,
Over the young leaves of the fresh greenery,
Over the pebble of the bright riverbed,
Over the cosmos swaying in the wind.

One morning as I stepped out the front door,
You are standing there in a beautiful appearance.

A deep pure white  peony.

Nature always remains in silence,
telling my position of the universe.

宇宙の位置                   洲 浜 昌 三

季節を忘れて
這いずり回っている間に
あなたは 静かに
移動していたらしい

連山の新雪の上を
新緑の若葉の上を
明るい河原の小石の上を
風にゆれる秋桜の上を

ある朝 玄関を出ると
美しい姿で そこに立っている

純白の一輪の牡丹

自然は いつも黙って
宇宙の中の ぼくの位置を
教えてくれる

最近、山陰中央新報が文化欄で郷土出版トピックと題して同人誌などを紹介し関係者には好評です。他分野のことはこのような記事がないと全くわかりません。とても貴重だと思っています。
(ブログ:詩の散歩道 詩作品紹介  20220811洲浜)

 

R4,井上嘉明詩集「背嚢」新聞書評紹介

鳥取の詩人、井上嘉明さんが昨年11月に詩集を「編集工房ノア」から刊行されました。2000年に土曜美術社出版販売から発行された現代詩文庫「井上嘉明詩集」を含めると第12詩集になります。書評を依頼され山陰中央新報に掲載されましたので、紹介します。
1982年に発行された詩集「汽水域」から書棚にありますが、一貫して言葉に対峙する姿勢が変わらないのは、詩表現への信頼があるからでしょう。「詩ノート」が何冊もあり、古いノートを何冊も広げて、言葉をほじくっている ー とあとがきにあります。「最新のノートは記憶も新しいし、よい〈獲物〉に当たりそうなものだが、そうともいえない。言葉は新しくて、古いのだ。古くて投げていたものが、急に蘇ることもある」と続きます。高齢になっても衰えない詩魂に拍手を贈りたいと思います。
(ブログ:詩の散歩道 詩集紹介 地域情報 20220730洲浜)

R4,short poem 「Treasure」短詩「たからもの」(石見詩人138号)

Treasure                              by   Shozo    Suhama

“Hands off!”

The moment I reached my hand to the basket,
She made a mad dash and gave it a tight hug.
With searching eyes she glared at me.

Even when playing outside with her friends,
Even when going shopping with us by car,
She carried with care that wisteria vine-basket.

If someone knows what I have, it turns out no value –
I feel I used to have that kind of treasure.

At night, when Aya-chan is sleeping soundly,
Secretly I opened the basket.

Inside were five pebbles,
and three maple leaves.
「石見詩人」138号に英語に翻訳した短詩を寄稿しました。英詩が載るなんて、創刊以の珍事で、読んだ人はびっくりされたことでしょう。いろいろな詩を書いてきましたが、子供などを素材にした短詩も書いてきました。それを東京にいるgrandsonの一暁クンと一緒に英訳していますが、その中の一編です。写真は詩と直接関係ありませんが、eldest sonが撮したものです。いい写真です。もとの日本語の詩も書いておきます。

たからもの                  洲浜 昌三

「だめ!」

バスケットへ手を伸ばした途端
猛然と走って来て抱きしめ
鋭い目で僕をにらみつける

みんなで外で遊ぶときも
車で町へ買物に行くときも
大切に持ち運ぶ藤つるのバスケット

見られたら価値がなくなるもの
そんな宝物が僕にもあった気がする

夜 あやちゃんが
ぐっすり眠っているすきに
こっそりバスケットを開けてみると

小石が五つ
もみじの葉が三枚

(ブログ:誌の散歩道 詩作品紹介 短詩 20220726洲浜)

R3,「広島県の高校演劇60年のあゆみ」発行

この本は、令和3年(2021)に発行されました。それ依然には「40年のあゆみ」が刊行されています。多数の顧問の先生方が高校演劇との取り組みの様子を書いておられ、熱い思いが伝わってきます。それは未来へのエネルギーにもなります。

41回大会の時に行った写真です。顧問の先生と講師の堀江幸雄先生、洲浜が安佐区民センター道具搬入口で写したものです。原稿依頼がありましたので、50、51,54回(2014)大会の原稿を紹介します。必要なときがあれば読んでみてください。
R2,「広島の高校演劇60周年」50回・51回講師 洲浜 昌三
R2,54回講師 洲浜 昌三
岡山県もDVDで高校演劇の歴史を発行しています。先輩たちの歩みが記録されると共に、そこから伝承されていくものが、きっとあることと思います。
(ブログ:詩の散歩道 演劇だより高校演劇 20220715洲浜)