9/23 出雲で「しまね文芸フェスタ2013」

2013年のしまね文芸フェスタは出雲市の「ビッグハート出雲」で開催されます。俳句、短歌、川柳、詩、散文の5部門で運営委員会、実行委員会を何度か開いて準備を重ねてきました。今年の担当は俳句部門で会長は月森遊子さんです。講師は「ホトトギス」同人会会長、安原 葉先生。演題は「花鳥諷詠のこころ」。島根にいても、毎年第一線で活躍されている人の講演を聴けるのはありがたいことです。

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前日の夜は例年どおり前夜祭として講師先生の歓迎会があります。ニューウエルシティ出雲、18時からです。

大会当日の午後は分科会です。その内容は次のとおりです。見えにくいけど見たい人は見てください。

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詩の分科会では自作詩の朗読・鑑賞と感想会です。事前に作品を30部事務局へ送るか、当日持参してください。

今年は神戸の永井ますみさん、京都の有馬さん、米子の中村さんが参加される予定です。神戸の宮川さん、白石さんも来られるかもしれません。永井さんは米子の出身で現在神戸で活躍中です。詩も随筆も書かれますが、朗読をビデオに収めてDVDにするために数年前から全国を走り回っておられます。有馬 敲さんもキャリアのある大ベテラン。中村さんは一日一作を課して詩をブログで発表し、過日詩集を出版されました。

こんなに一度に県外の詩人が参加されるのは初めてです。県内の詩人のみなさん、また参加されるみなさん、大いに楽しみにして参加してください。

9/21 NHK・Eテレで高校演劇全国大会放映

2013年度の第59回全国高校演劇長崎大会は8月4日におわりました。中国地区からは出雲高校と広島の沼田高校が出場しました。事務局長の阿部順先生から届いた報告書に「出雲高校、とてもよかったです」と添え書きがしてありました。

さて、例年どおり、今年も「青春舞台2013」がNHK、Eテレで放映される予定です。9月21日15時から17時です。大会のドキュメンタリだと書いてありましたが、最優秀賞を受賞した大阪市立鶴見商業高校の「ROCK U!」(趙  清香作)は放映されるようです。趙さんは演劇部員で創作脚本賞も受賞されました。

優秀賞は長野県丸子修学館高校、北海道北見北斗高校、沖縄県立八重山高校でした。

ぜひこの日にはテレビの前に座ってください。座らなかったら横になってもいいですが、それもできなかったら録音してあとでじっくりみてください。

http://stagebox.sakura.ne.jp/wp/apoetinohda/2014/01/04/出雲高校「ガッコの階段」/

ついでにおしらせです。今年度の39回島根県高校演劇発表大会は10月26,27日、ラメールで行われます。暇をつくってちょっとでも見に行ってください。すはま君は講師で行くことになっています。

H25 出雲校演劇部全国大会前に浜田で上演

出雲高校演劇部が創作劇「ガッコの階段」(伊藤靖之作)で、8月上旬に長崎で開催される全国大会で上演することはこのブログでも紹介しました。今年度は特別枠があり、沼田高校も中国地区代表として参加します。

8月13日に第8回島根県高校文化フェステバル(高文連主催)が浜田の石央文化ホールで開催され、出雲高の劇も上演されると聞き、楽しみに出かけました。前日には季刊「高校演劇」でじっくりと伊藤さんの脚本を読みました。2時過ぎから上演だと聞いたので、12時半に出発。1時間10分あれば十分、と余裕綽々、風景を楽しみながらゆっくり運転し、途中でも道草を食ったり、到着してもゆっくりと絵画や写真などの展示を鑑賞しました。2時過ぎになったのでホールへ入ろうとしたとき・・・

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キムラさんとばったり。「出雲高は何時から?」と聞いたら、「1時半から始まっていますよ」!!!なんというこっちゃ・・・

終わりの20分ばかり見ました。舞台中央に高い階段があり、それをのぼるかどうか、のぼってどこへいくのか、のぼれば何が見えるのか、のぼりたかったにのぼれなかった大勢の人たち・・・・

のぼろうとして波に流されていった大勢の人たち・・・劇はその場面でした。なかなか工夫し象徴的な舞台から訴えてくるものがありました。(いつものことながら高校生が声を張り上げると、キンキン声になり、言葉が聞き取りにくく、キンキンが耳に響くのが難点でしたが・・・)

「高校演劇 長崎大会上演特集号」から出雲高の舞台写真が載っているページを紹介させていただきます。
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poetic でsuggestiveな舞台でした。イメージをどう表現するかということは詩や演劇の基本的な要素です。しかし劇は人間や舞台など具体を通して表現しますから、抽象的なイメージだけでは観客の心に届かないことがあります。そこが難しいところです。脚本の前半にも、「階段を必死でのぼろうとして登れなかった人たち」のイメージを布石として置いておけば、各場面のイメージがバラバラにならずもっと統一されるかもしれません。(終わり20分しか見てないのに勝手なことをいうな!そうでした。すみません)

同じく、広島県立沼田高校の写真を紹介します。顧問の黒瀬貴之先生が翻案された脚本です。沼田高校も久しぶりの全国大会ですね。

H25 長崎大会沼田高校写真

 

H25 長崎全国大会

出雲高の劇が終わって、ロビーで亀尾先生と出会い、いろいろ話しました。

亀尾先生の劇や脚本のことはこのブログで何回も取り上げていますが、「脚本「三月記」』を読む」はコンスタントに検索して読まれ、グラフの上位を占めています。なんでかな、なんでだろう、といつも思います。「創作について」もよく読まれています。役に立てば、このブログも喜んでいることでしょう。(グラフは毎日ごとにでるようになっています。普通は全体で毎日40から80くらいアクセスがあります)

長崎大会の時には劇作研究会の総会や、高校演劇研究協議会の総会もあり、案内がきましたが、残念ながら欠席通知をだしました。島根の顧問の先生方からじっくり聞くことにしましょう。

出雲高校演劇部のみなさん、沼田高校演劇部のみなさん、「肩の力を抜いて伸び伸びと」がんばってください。イトウさん、電話ありがとうございました。観客や講師の先生方の感想を楽しみにしています。

H25 「島根年刊詩集」第41集刊行

2013年3月、「島根年刊詩集」第41集を刊行しました。92ページ、31人が参加しています。
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島根県の川本町生まれで長崎に在住のH賞受賞詩人・高塚かづ子さんも参加されました。「ケリケリナ・コンストリクタ」という深みがあり示唆に富む素敵な詩です。中村梨々さんも初めて参加、「父の庭」という随筆を書いておられます。中村さんは現在は益田市在住で、昨年詩集「たくさんの窓から手を振る」を出版されました。

長年「山陰詩人」で詩を書き、年刊詩集にも欠かさず参加された松田勇さんが逝去され、田村のり子さんが心のこもった追悼記を、川辺さんが心に沁みる追悼詩を書いておられます。

個性的で多様な作品があるので、楽しく読めます。定価は1500円。希望があればお送りします。

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劇作家協会会報で亀尾さん紹介

日本劇作家協会は会報として「ト書き」を発行しています。その50号に島根の亀尾佳宏先生が「高校演劇の創り手たち」として4ページにわたって紹介されています。インタビユーは工藤千夏さん。

 

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亀尾先生が松江工業高校の演劇部顧問になってからのことはだいたい知っていますが、それ以前のことはぼんやりとしか知りませんでした。大学時代に演劇をやっていたことが大きな財産になっているようです。大変おもしろく読みました。

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このブログでコンスタントに高率でよまれているのは、亀尾さんが書いた創作劇・「三月記を読む」です。いつもグラフで上位に頭を出しています。また「創作劇について」もよくグラフで頭をだします。高校演劇の脚本選定時期になると余計、検索する人が多いようです。何かの役に立てば幸せです。

日本劇作家協会は現在会員が500名ばかりです。僕も会員の一人ですが、会員は「自らを劇作家と認めた人」です。その条件さえ満たせば、誰でも入会できます。劇作家集団らしいく自由でいいですね。入会金は3千円、年会費はⅠ万2千円です。

中国地区の支部もあり、以前鳥取市でシンポジュームを開いたことがあります。東京は遠いので総会や新人戯曲賞授賞式、リーディングなど様々な催しに参加していませんが、会報やインターネットなどで情報を得られるのが目下の特典です。あなたもどうぞ。

「竹久夢二特集号」出版 花美術館

竹久夢二のファンは全国にいます。昨年夏、中四国詩人会大会の翌日、文学訪問で詩人の正富汪洋と夢二のふるさとを訪ねました。二人は幼友達で、家の裏の低い丘をこえれば、汪洋の家が当時はありました。夢二の家の庭から瀬戸内海方面の広大な田園風景風景に明治時代を重ねる、夢二の少年時代を想像すると、見えてくる懐かしい風景がありました。
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瀬戸内海が見下ろせる牛窓神社へいくと、夢二がよく来て、じっと見つめていたという江戸時代の絵馬・旅芸人の絵も見ました。

数ヶ月後に花美術館が、夢二の特集号を出すというので詩の誘いがありました。当初はまったく乗り気ではなく断ったのですが、ある朝、ふと「夢二の詩をかたらどうだ」という啓示のようなものがあり、書いてみました。出来るだけ、夢二が本や日記などの中で使った言葉を使って書いてみました。
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本はたくさん写真や資料がある豪華本で、3千円してもおかしくないほどですが、1200円です。夢二ファンには手や足がでそうな魅力があります。大田では昭和堂書店に少しだけあります。

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その詩を紹介してみます。普通、詩は詩人仲間で読まれるだけで一般の人はほとんど現代詩を読むことはありません。この本は現代詩とは関係無いので詩人で読む人はほとんどいないはずです。分かりやすい詩ですから読んだ思わぬ人から電話などがあり驚きました。

 

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さて、上記の詩は一行の字数や全体の字数に制限がありましたので、ちょっと自由な気持ちで手を加えてみました。これは「石見詩人」130号に載る予定です。

どこかにあったなつかしいもの
ー 竹久夢二によせて ー   

洲 浜 昌 三

太古からつづいた木と草と土と紙の家が
鉄とコンクリートと電気の騒音の街になり
新しい思想が流れ込み夢が語られ自由が叫ばれ
気がつけば集団の軍靴の音が近づいてきて
あっという間に菫(すみれ)や女郎花(おみなえし)を踏みにじって行った
そのむかし

「詩はパンにならず画家になった」
あなたの美人画や草画は飛ぶように売れ
多くの名前がつけられた
「大正ロマンのシンボル」
「大正の歌麿」
「叙情の詩人画家」

夢と美を求めて自由奔放に生きた
あなたに送られたもう一つの名前
「華やかな女性遍歴の芸術家」

哀愁や憂いや哀しみを湛えた夢見るような大きな瞳
着物を着崩した身体をしなやかにくねらせた肉感的な姿態
伏し目がちに誰かを待っている弱々しくやつれた女
木の下に座わり遠くを眺めている少年と少女の後ろ姿

どこかにあったなつかしいもの
きえていくなつかしいもの

格子窓の彼方に広がる緑の水田と遠い山並み
海へつづく街道を往来する巡礼や旅芸人や薬売り
神社で見上げた江戸の絵馬「お陰参りの図」の旅姿
泣く時にいた優しい母 遊ぶ時にいたよき姉
蔵の二階の書物にあった平安朝の雅(みやび)な宮廷生活
姉の小箪笥からこっそり懐へ忍ばせた美しい布キレ
土蔵の前の椿の下で聞いた紡車(つむぎくるま)の音

きこえてくる忍びなき き
こえてくる勇ましいこえ

骸骨になった夫が白衣姿で立つそばに
悲しみに泣く妻のコマ絵を描いたこともあった
「自由や革命を低唱し伏し目がちに銀座を歩いた」ことも
秋水らの処刑を知ったときには衝撃を受け下宿で通夜をした
「絵筆折りてゴルキーの手をとらんに
はあまりにも細き腕とわびぬ」
と新聞に書いたこともあった

将軍や立身出世を鼓舞する絵は一枚も描かなかった
凱旋する楽隊を描いても後に負傷兵と泣く女がつづいた
本格的な油絵も描いたが生涯どこにも属さなかった
軍靴はあなたの叙情など踏みつぶし
「軟弱な色道画家」を吹き飛ばしていった

「ありがとう」
と信州の療養所で遠い世界へ旅立つまで
あなたは庶民を通して描きつづけた

どこかにあったなつかしいもの
きえていくうつくしいもの
ここにはないどこかにあるもの

夢二が書いた詩や日記や小説を読み、夢二を論じた本を読んでこの詩を書いたのですが、夢二の心情が僕なりによく理解できた気がしました。ドイツへ行ったとき、ナチスの軍隊の鉄兜に不気味な未来を見、同時にドイツとの盟友日本に不安を感じたと日記に書いています。単なる叙情詩人画家ではないところに夢二の絵の人物の「哀しさ」がただよい出ているのではないかと思いました。

 

詩 「礼節」  (現代生活語詩集2012)

 

           礼 節                               洲 浜 昌 三

道ばたじゃ三回唾(つば)ぁ吐ぁて
ちょっとごめんなさい いうて シッコをせにゃいけんよ
川へ小便(しよんべん)をすりゃ目がつぶれるけぇな

迷信だと思いながら
何故か子どもの時から守ってきた

 

世界一豊かな国の高層ビルディングが
あっという間に地上に崩れ落ち

 

世界一貧しい国の大地が連日爆撃されはじめ
神と神が正義を高く掲げて真正面から衝突し
泥沼の戦いが始まったさわやかな日本の九月

 

自然に優しく安上がりで安全と一億二千万を
越える人がひしめく小さな島に創りあげた
原 発神話が吹き飛んださわやかな若葉の春三月

 

正義のために
人を神に仕立てて戦った国の子孫であり
豊かさのために 科学を神のように信じてきた国の住人である
ぼくはますます無神論者になる

 

ー 目に見えぬ神は何処(いづこ)と人問(と)わば
神は水なり火なり土なり ー

 

中国山脈の紅葉に囲まれた盆地
ふるさとの晩秋の森の社(やしろ)で
目にした短歌一首

 

縄文人と弥生人の混血児であるぼくには
これこそ懐(なつ)かしい

 

母の言葉は
太古の昔から 命を生み
命を育んできた
大地への礼節だったのだ

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2012年10月に大阪の竹林館から出版されました。北海道から沖縄まで153名の詩人が詩を寄せています。編集者の一人、永井ますみさんは、直接本人の朗読する映像を撮影するために、今回も全国へ足を伸ばしておられます。そのうちDVDが完成することでしょう。

上の詩は冒頭だけ、島根県邑智郡邑南町田所で使われている生活語で書いています。方言は文字では10パーセントも方言の特徴を出せません。声でないと味がでません。そこが難しいところです。

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H25 「しまねの風物詩」Ⅱ刊行計画 ー詩人連合総会で決定ー

2013年5月26日、大田市のパストラルで島根県詩人連合総会を開きました。午前10時30分からは理事会、午後は総会と「島根年刊詩集」第41集の合評会を開き、16時30分に閉会しました。参加者は10名前後ですが、中身の濃い一日でした。

行事報告や決算、予算などと共に大きな議題は「しまねの風物詩」Ⅱの刊行計画案の審議でした。いろいろな意見がでましたが、詩人だけではなく、多くの人に詩に親しんでもらうことを目標にして、まず過去の作品で自薦他薦を含めふさわしい作品を集めてみよう、ということになりました。もちろん新作も大歓迎です。

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(パストラルの玄関でパチリ。益田の高田夫妻は都合があり途中で帰られました。2年前には90歳を過ぎた肥後敏雄さんや松田勇さんも参加されました。杖をついてゆっくりと歩いて帰られる姿は今も脳裏を離れません。詩を書いて徳をすることなど何もありませんが、その「志の高さ」には頭がさがります)

「しまねの風物詩」は1995年に刊行しました。益田市の画家・金本裕行さんのスケッチをたくさん挿入して読みやすい詩集になりとても好評でした。道の駅や大森銀山の店などにもおかせてまらい、かなりうれました。1000円という手軽さもよかったのでしょう。

先日はシンガポールと千葉から娘の友人が石見銀山に来られ、娘の依頼で案内しましたが、おみやげに「しまねの風物詩」を贈呈しました。菓子などに添えて一緒におみやげにするのもいいなぁ、と思った次第です。多くの人に参加していただきたいものです。事前に購入数予定を調べて、発行資金の一部にすることになっています。一冊1000円です。10冊でも20冊でも予約して強力してくだい。

次に最初に刊行した「しまねの風物詩」の表紙を紹介します。今でもすこしですが残部がありますので欲しい人は申し出てください。書店にはもうありませんが、毎年数冊は購入希望があります。

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    「しまねの風物詩Ⅱ」の刊行について                             (事業の内容)

1.刊行の目的    県内の詩人の県内での発表の場としては詩誌「山陰詩人」、「石見詩人」、「光年」 アンソロジー「島根年刊詩集」などがあるが、読者はそれらの詩誌等に属している詩 人にほぼ限られている状況です。一般県民の人たちにもわかりやすい「しまねの風物」 という視点から作品を収録し、刊行することによって詩人以外の人たちにも詩に親し んでもらう機会とするものです。

2.作品の募集
(1)島根県詩人連合の会員だけではなく、県内、県外の一般の人も対象にして募集する。
(2) 自薦他薦も含め過去の作品からふさわしい作品を選ぶ。「島根文芸」の入選作品や過去の個人詩集からも選んで推薦する。
(3)募集要項を作り関係者やマスコミ、図書館、公共機関などに送りPRする。
(4)小中学生や高校生の作品でも(既成を含む)ふさわしい作品は対象にする。
(5) 募集期間は、平成25年4月~25年8月(予定)とする。

3.作品の内容    島根の風景や、行事、歴史、地名、人物、事件、文化、精神的な風土、伝承、神話、   民俗、風習などあらゆるものを対象にした詩を対象にする。名前にこだわって狭い意  味の「風物」に限定しない。

4.本の内容
(1) 詩の作品が中心になるが、前回のようにスケッチを入れるか、あるいは写真を入れるかは編集段階での検討課題とする。
(2)本の体裁は前回のものをベースに検討する。総頁数は概ね100頁とし、作品数は     40~50篇とする。
(3)地域別の編集とし、方言詩やこどもの詩などを別に編集することも検討。

5.作品の選考
(
1)理事を中心とした選考委員会を作り、応募・推薦作品の中からふさわしい作品を選考する。
(2)選考作業期間は、平成25年10月~11月(予定)とする。

6.刊行予定       刊行時期は平成26年2月(予定)とする。

 

総会では、いかにして若い人を増やすかも議論しました。インターネットに自由に詩を書く若い人から、高いお金を出して同人誌に書く意味があるのか、といわれると明快な言葉は返せません。どの文化団体でも切実な問題です。発行毎に一編の詩のために5千円、8千円という負担を若い人に要求することは無理です。難しい問題ですね。

 

詩「空にそびえる草原」

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空にそびえる草原   

洲 浜 昌 三

広大な草原の海原が 目の中に飛び込んできたとき
山育ちのぼくの世界は砕け散った
ー草原(くさはら)が空までつづいているー
昭和三十年高校生の時のこと

その後この山は国立公園に指定された
「全山が芝 根笹でおおわれわれ
世界的にも貴重な草原風景の美しさ」
それが指定の根拠になったという
昭和三十八年のこと

この美しい山を再び訪れた
国立公園指定審議委員の沼田氏は
「昔の面影はまったくない 指定を外すべきだ」
と語ったという
平成三年のこと

30年の間に何があったのか

牛の姿が広い草原から消え
雑草や雑木が自由に伸び伸びと育ち
山頂近くまで杉やカラ松が植えられ

貧しかったこの国は
世界第二位の経済大国になった

牛の放牧は江戸の初期に始まるという

明治元年 3000頭
昭和33年 1766頭
昭和41年 743頭

標高1126メートル 山頂までつづいた
美しい風景は
牛と大地が生み育てた草原だったのだ
350年の歳月をかけて

写真は北ノ原です。後ろの親三瓶は木が密集していますが、昔の三瓶の写真をみれば一面きれいな草原です。

島根県詩人連合では、続「しまねの風物詩」刊行を計画しています。平成25年5月26日の総会へ提案します。島根の風物や歴史などを詩にし一般の人たちに読んでもらおうという企画です。誰でも応募できますが編集委員会で審査します。

短詩 急流を遠くに眺め

急流を遠くに眺め

久利町  洲 浜 昌 三

「おかえりなさい ごくろうさん」
明るい声で玄関まで出迎え
「きょうもがんばったね」
と高々と抱き上げる

おしめが汚れると
「またでたねぇ よかった よかった」
歌うように話しかけて取り替える

広告の紙が鶴になり
空を舞って雪のヒマラヤを越え
風呂の船で銀河を渡る

外へ出ると靴が鳴って歌になり
手をつないで野道を行くと
二羽の小鳥になり
夕焼けの空が歌になる

「はやくはやくはやくはやく」
あのころそれが子供たちへの言葉ではなかったか

時間の激流の中であえいでいたころ
流れに沿って共に泳ぐのが精一杯だった

今 急流を遠くに眺め
じいちゃん ばあちゃん と呼ばれる
遠く離れた丘の上に立ち
見えてくる時間と景色がある

 

大田市文化協会が発行している会報「きれんげ」106号に掲載された詩です。

我が子を育てるときにはいつも時間に追われていました。特に朝は戦争です。食べさせながら「はやくはやく」、着替えをさせながら「はやくはやく」、靴をはかせながら「はやくはやく」。

退職し、孫との距離になると、まったく違う時間が流れます。ワイフさまが一歳の孫のオシメを替えながら、ウンチがでているのを見て「よかったね、よかった、よかった」と言っているのを聞いたとき、感動が走りました。こんな豊かな言葉があるとは!

お互いに勤めながら4人の子供を育てていたころは、「またウンチをして」という言葉が出ていたんじゃないだろうか。

自分が書いた詩は見る度にいやになるところがあり、削除修正の手がでます。困ったものです。上の詩も少し手が入っています。次に見ればまた手がでそうです。

詩誌でもないのに詩を載せてくれる会報や雑誌はほとんどありません。「きれんげ」はその点で編集者の見識を感じます。読んで見たい人があれば送ります。8ページの冊子ですが、大田市の文化行事、石見銀山の歴史などとても読み応えがある会報で好評です。