第37回島根県高校演劇発表大会が10月26(土),27(日)加茂町文化ホール・ラメールで開催されます。
発表校は7校。石見部からは浜田高校が参加します。三刀屋高校、出雲高校は顧問の創作劇です。
当日のパンフレットへ寄稿した文章を紹介します。劇研空は島根の高校演劇の応援団です。修平さん管理で発足したこのブログも当初の目的の1つは大田高校の演劇部の支援、高校演劇の応援でした。
島根の高校演劇は今
全国(中国、島根)高校演劇協議会顧問 劇研「空」代表、日本劇作家協会会員 洲浜昌三
今年の春、一通のメールがぼくのパソコンへ届いた。そこには久しぶりに見るなつかしい名前があった。 概略こんなことが書いてあった。「以前大会などで大変お世話になった○○です。ある学校で勤務することになり、演劇同好会を作りました。生まれた島根でまた演劇に関わることができ大変うれしく感じます。またよろしくお願いします」
まだ島根高校演劇石西大会があった頃、ぼくは講師として参加していた。ある年T校が久しぶりに参加し、とても楽しい創作劇を上演した。劇が好きな仲のいい3人が創意工夫して創りあげた高校生らしい新鮮な劇だった。次の年には代表に選ばれて県大会へ出場した。3人とも3年生で受験を目の前に控え、周囲の反対もあった。それを説得し乗り越えての参加だった。県大会で最後の舞台を観ながら、「この高校生たちもみんな県外へ出ていくんだろうな」と思うと、ふと淋しさが胸に広がった。 そんな経緯があったから、一条の希望の光が届いたようでうれしかった。困難なことは多いけど、がんばって欲しい。困難を切り開き乗り越えて行くのは、一人の人間の情熱とそこから生まれてくる創意工夫である。
多い時には10校あった石見地区の演劇部は一校になった。しかし出雲、松江地区のがんばりのお陰で、島根の高校演劇はここ数年輝かしい成果をあげている。三刀屋高校が連続して全国大会へ出場し、今年は出雲高校が長崎大会へ行った。春の全国大会には昨年は安来高校、今年は松江工業高校が選ばれて出場した。
ぼくが現役のころは広島県の高校、特に舟入高校が常に完成度高い創作劇を上演し全国大会の常連だった。ぼくが川本高校演劇部を担当していたとき、一度中国大会で二位の成績があったが、その上には舟入が高く輝いていた。山陽勢はいつも「高嶺の花」だった。
最近は山陰の島根がそう見られている。「出雲高校、とてもよかったですよ。島根県、中国ブロックで輝いていますね」と全国高校演劇事務局長の阿部順先生の追記が文書の末尾にあった。 全国から見れば島根の峯は輝いて見えるのだろう。その裾野に、熱心で力量のある先生たちとそれに応えて努力している部員たちがいる。
そして○○先生の学校の同好会がいつか部になり、石見の一校が2校になり、やがて3校、4校・・・そんな日を期待している。
石見が一校になったのは残念ですが、そのうち上記の○○校が参加してくれるのを楽しみにしています。