「昌ちゃんの詩の散歩道」カテゴリーアーカイブ

R6, 詩「あの雲の下」「Under Those Clouds』ー8月6日の記憶

1945年8月6日午前8時15分ー広島市内に住んでいた人たちは直接被爆を体験されましたが、島根に住んでいた人であの瞬間、何か感じたことや目にしたことがありますか。中国山脈の盆地、田所村に住んでいたましたが、あの時刻のことは今もはっきり記憶に刻まれています。詩にしていましたので、日本語と英文で紹介します。

 あの雲の下       洲 浜 昌 三

さわやかな八月の朝
二人で陣取りごっこをしていた
中国山脈の盆地の小さな村の農家の庭

ドォーーーーン

大地から湧き出たような重く鈍い音

家の中へ駆け込み
二人で居間の片隅にうずくまった
五歳のぼくと 四歳のノブちゃん

雲ひとつないの上空に
灰色の雲が 滲むように広がりはじめた

「入道雲たぁ違うで」
大人も集まって 遠い雲を眺めていた

異様な音
異様な雲

あのとき見えなかったものが
今 はっきり見えてくる

雲の下に広がる生き地獄
山の彼方の無数の断末魔の叫び
戦争の構図
(詩集『春の残像』より) (この雲は原子雲ではありませぬ。普通の入道雲です)

Under Those Clouds        by Shozo Suhama

On a refreshing morning in August
We two were playing the game of Jintori
In the yard of a farmhouse in a small village
Lying in the basin of the Chugoku Mountains

Dooooon!

A heavy, dull sound, as if welling up from the earth.

Rushing back to the house,
We two cowered in the corner of the living room
Me, five years old, and Nobu, four.

Above the cloudless skies of Mt. Agehira
Gray clouds began to spread as if seeping

“They look different from thunderclouds. ”
Adults began to gather around, gazing at the clouds in the distance

Strange sounds
Strange clouds

What I couldn’t see at that time
Now I can see clearly

The living hell spreading out under the clouds,
The innumerable groans of death throes beyond the mountains
And the composition of the war

(ブログ:詩の散歩道 英文の詩 短詩 20240806洲浜昌三)

R6,第22回島根県民文化祭『島根文芸』作品募集開始(7/1~9/13)

県民文化祭の一分野・『島根文芸』の作品募集が7月1日からは始まっています。〆切は9月13日です。詩の分野でも沢山の応募を期待しています。島根出身者であれば県外も海外の人もOKです。ジュニアーの部(中学生以下)は毎年、学校単位で沢山の応募があり、生き生きとした作品が楽しみです。児童生徒が自分から応募することはないでしょうから、詩や俳句、短歌など表現活動に関心がある先生方の協力をお願いしたいと思います。入賞作品は立派な本になります。昨年の表紙です。例年表彰式は12月でしたが、島根文芸協会理事会で今年度は1月18日に決まりました。県文化団体連合会の理事会でも(今年度末まで文芸協会代表で3年間理事)活動報告、決算、予算、活動予定などが決定しました。この県文団連には県内の45団体が加盟しています。特に次世代育成事業では補助金もあり活発に活動している団体も沢山あります。文芸の分野でも活用して児童生徒の皆さんに創作の楽しさや魅力を体験してほしいけど、まだ実施したことはありません(演劇ネットでは、劇研「空」が詩の朗読のワークショップを小学校で実施したことがありますが、Yプロやあしぶえは毎年積極的に小中高などで実施しています)全県を網羅した文化組織があり県の全面的なバックアップがあるのはとてもありがたいことです。(大田市はどうなってる?)
詳しいことは県の環境生活部文化国際課のホームページを見てください。電話:0852・22・6464
(ブログ:島根県詩人連合 島根文芸フェスタ 20240718洲浜)

R6,第48回中四国詩人会理事会,中四国詩人賞選考会(7/13)・・高知大会は(9/21)

7月6日岡山国際交流センターで表題の会が開かれました。10時から第24回詩人賞選考会が開かれ5人の選考委員(小野田、瀬崎、橘、八木、洲浜)が10冊の詩集について感想や意見を述べたあと2回の投票で最終決定しました。それぞれ特徴と味のある作品で、いつものことながら苦渋、苦痛、苦労の多い選考でした。発表は後日、事務局(川辺真)からマスコミなどを通して行われます。ここでは、素晴らしい詩集の背表紙だけ紹介します。興味の或る人は是非、読んでみてください。
参考までに事務局作成の1回から23回までの受賞詩集一覧を紹介します。

今年度の大会は9月21日(土)高知会館で開催予定で、実行委員長にの国友さんが着々と準備を進めておられます。その大会で中四国詩人賞の授賞式が行われ、選考委員長洲浜から選考経過報告が行われます。宿泊ホテルは早めに予約してほしいとのことでした。

理事会では、予算、決算、行事予定、高知大会、中四国詩人集刊行、その他、様々な問題が審議され承認されました。高齢化、会員数減少、活動の仕方等々、抱えている問題は多々あり、様々な意見が出されました。詳細は後日、事務局から送られてくる「ニューズレター」を御覧ください。
(ブログ:中四国詩人会 詩の散歩道 20240715洲浜昌三)

R6,国史跡、邑南町「久喜銀山遺跡」について(月イチガク講演)

15日「さんべ縄文の森ミュージアム」で表題の学習会がありました。今回は邑南町の「久喜・大林・岩屋銀山遺跡」発掘調査を基に、邑南町教育委員会の大野芳典さんが講演されました。コンパクトにまとめた写真入りの資料集も配布されましたので、とても便利でありがたい。國指定の鉱山遺跡は全国で9箇所しかなく、国指定になっている石見銀山を構成する遺跡として、この鉱山は歴史的に重要な遺跡だと強調さてました。資料から引用してみます。
1190年代・・・久喜銀山が発見される(伝承)
1500年代頃・・毛利氏による開発、支配
1600年代初め・江戸幕府の直轄地お大森代官所による支配
18~19世紀・・衰退~再開発(床屋吹所跡)
1900年代前後・津和野の堀家による操業(久喜精錬所跡)田所小学校にいたころ、遠足で「志都岩屋」(しずがいわや)へ行った記憶があります。小高い岩の多い山ですが当時はちょっとした名所でした。ここも鉱山があった所です。この一体は「久喜、大林、岩屋」銀鉱山だったのです。広島側から見た写真があります。こういう方角から見たこともないので目からウロコでした。写真の上部が出羽の町です。更に左側に行くと田所です。この角度から見ると毛利氏にとっては目の前の宝です。更に調査が進み、記録や資料が発見されることを期待したいものです。砂鉄についても石見にはまだ未発掘なものがあるのではないかと思います。子供の頃、父と山へ薪取りにいくと、ここは砂鉄を取るために水を流したところだ、などと説明してくれたことがあります。大陸に近い石見には、当時の先進的な遺跡が眠っている気がします。新しく発見された川合の遺跡も、仁万の遺跡も貴重です。新発見がありそうで楽しみです。講演、勉強になりました。ありがとうございました。
(ブログ:地域情報 久喜銀鉱山遺跡  20240616洲浜昌三)

R6,創作音楽劇「琴の鳴る浜」 馬路まちづくりセンターで公演(6/9)

「馬路まちづくりセンター」新築を記念して、表題の公演が6月9日14時から開催されます。生演奏と合唱、独唱、朗読で織成する約40分の短縮版です。4月から毎週練習してきた合唱団と演奏も佳境に入ってきました。8日19時から馬路でリハ、当日は10時から最後のリハ。14時開演です。濃縮された感動的な舞台になりそうです。ソプラノ歌手、松浦麗さんの歌を生で間近に聞かれるなんで、最高!しかも無料とは!

上の市写真は4月の練習風景です。次は合唱の一部の歌詞です。
当日は一緒に歌いましょう。

「空」のメンバーも歌と朗読で出演します。一つのストーリーを十数曲の合唱と独唱、朗読で40分で構成した舞台は画期的な試みです。しかもプロ歌手が参加されるのですから、もったいない!公演です。どうぞお楽しみください。
(ブログ:詩の散歩道 劇研「空」20240608洲浜昌三)

R6,朗読詩「はるかな時を越え~江戸から来たひと、井戸平左衛門」(『山陰文藝』58号)

6月26日は、石見銀山代官、井戸平左衛門の命日です。1733年、60歳のとき大森の代官に任命され、1735年5月26日に笠岡の代官所で亡くなりました。短い期間でしたが、享保の飢饉に遭遇し、精力的に村々を巡検、租税を減免、薩摩芋を取り寄せ、その後の度重なる飢饉に庶民は助けられました。庶民は感謝の印に村々に頌徳碑が建てました。大田市文化協会の調査では533基が見つかっています。昨日、新聞に例大祭チラシが織り込んでありました

その井戸平左衛門の一生を1995年に依頼され、朗読詩として書きました。、当時の山陰中央テレビアナウンサー芝田瞳子さんが朗読し、妹尾哲巳さんの作曲で大田ウィンドオーケストラと共演、大田市民会館で盛大に発表されました。当時としては画期的な挑戦でした。今回、『山陰文藝」58号に掲載した最新作を命日に合せて紹介することにしました。かなり史実に忠実に書いています。一人で朗読、数人で群読も可です。劇研「空」では数回群読発表しています。PDFで紹介します。興味がある人はどうぞ。


R56,5,, 詩 「はるかな時を超え~江戸から来たひと、井戸平左衛門~」jtd

このコンサートのときの録音がないかと探したのですが、まだ見つかりません。誰か持っていませんか?目下、鳥取の吉川経家の朗読とオーケストラのコラボの企画が水面下で進行中です。参考にしたいのですが、貴重な過去の文化遺産を保存するところはここにはないようです。ここってどこだ。ここだ。hereだ。
(ブログ:詩作品紹介 詩の散歩道  20240526洲浜昌三)

 

 

R6,音楽朗読劇「琴の鳴る浜」馬路まちセン公演用脚本

6月9日、馬路まちづくりセンターで完成記念公演のために、毎週木曜日に市民会館で練習しています。18日は2回目ですが、やっとこさ、さきほど脚本が出来上がりました。明日は約束通り皆さんにお渡しできます。歌10曲を中心に朗読と会話でストーリー展開します。表紙です。

「馬路まちセン」新築記念公演について(脚本より)
「馬路町まちづくりセンター」が、旧馬路中学校の跡地に新築され、3月28日に竣工式が行われました。
完成をお祝いして、地元馬路の伝承から生まれた音楽朗読劇「琴の鳴る浜」を公演することになりました。「馬路まちセン」の集会所には、照明や音響、舞台設備はなく、縦約十五、横約十メートルくらいの板張りです。劇形式の発表は無理なので、歌を中心にして朗読と短い会話形式でストリーを展開できるように脚本に手を入れました。時間的な制限があり、すべての歌を入れることはできませんでした。
「琴の鳴る浜」は短縮版を含め六回公演されています。
平成22、23年市民会館、23年馬路小体育館、24年大田小体育館(県音研、仁摩小、中発表)31年市民会館、令和2年県民会館。
発表者や発表場所に応じて、歌を中心にしたり、松江の芸能祭のように盆踊りを中心に舞台を構成しましたり、時間に応じて脚本に手を入れたりすることができるのも、市民の手で作成、上演できる強みといえるでしょう。住んでいる土地の伝承が芸術作品として客観的に味わえる喜びと感動は何物にも代えがたいものです。地元出身のソプラノ歌手、松浦麗さんに今回も参加して頂きます。共に発表できる喜びと素晴らしい舞台を確信しています。(以上脚本の見開きページより)
(ブログ:お知らせ  劇研「空」 地域情報20240418洲浜昌三)

R5,「この土地に生きて~島根で出会った詩人たち~」(「詩と思想」11月号より)

月刊詩誌「詩と思想」が、「この土地に生きて」というタイトルで各県の詩人を取り上げています。島根の詩人について執筆依頼があり、11月号に掲載されました。書店にもなく、読めない人が多いので紹介します。
編集部から与えられたテーマは次のとおりです:
「心に残っている詩人」「現代の詩に重要な貢献をしているが、一般には広く知られていない詩人」「ご当地で出会い印象に残っている詩人などの功績」
いろいろ考え悩みましたが、「現代の詩に重要な貢献」「詩人の功績」などという観点で取り上げるのには荷が重すぎますし、勝手な評価をして誤解を生む可能性もあります。そこで、「心に残っている島根の詩人」「印象に残った詩人の詩」という観点から執筆しました。限られたスペースなので、取り上げる詩人の数も限りがあり、紹介する文章も十分意を尽くせないものになりましたが、現在の詩誌、「石見詩人」「山陰詩人」「践草詩社」から印象に残っている詩人を紹介しました。

『 詩と思想 』は土曜美術社出版販売 が発行している 月刊 の詩 の 雑誌 。 1972年(昭和47)の創刊で、ぼくは創刊号からの会員です。総合商業詩誌であると同時に、編集は詩人たちが行うことで一貫しており、全国の詩人・詩愛好者のための共同の詩の広場作りを意図する運動誌的性格をも持っています。PRでした。
(ブログ:詩の散歩道  詩集や本の紹介  島根県詩人連合 20240328洲浜昌三)

R6,藤原規生先生指導「歌のワークショップ」好評裏に終了

2月25日大田市民センター4階で「みんなで楽しく歌って・・・うまくなる」というワークショップが開催されました。大田市の委託を受け文化協会が主催。定員50人でしたが、子どもたちを含め90人以上の参加者があり、藤原先生の指導で三曲を歌いました。伸び伸びとした明るい雰囲気の中で、ベテラン指導者の的を射た助言に明るい笑いも絶えず、充実した2時間でした。僕は受付係でしたが少し一緒に歌いました。藤原君は僕が大田高校に赴任した時の二年生。合唱部部長、生徒会長でした。打てば響く楽しいクラスでした。僕は演劇部顧問でしたが、1984年に僕が創作劇「エメラルドグリーン~おれたちのふる里~」を書き、劇中歌として藤原君に作曲をお願いしました。この曲はその後の創作劇「また夏がきて」の中でも劇中歌として使用しました。季刊脚本雑誌「高校演劇」や「高校演劇selection」にも掲載されたので、全国あちこちの演劇部やサークルなどで上演されています。昨年令和5年には愛知県の高校が上演しましたので、劇中歌作曲者・藤原君にもお知らせしましました。更に昨年、日本劇作家協会が誰でも読めるように戯曲アーカイブ、電子版を作成しましたが、その中に「また夏がきて」も入っています。藤原君との高校時代のコラボがこのような形で発展するとは「縁は異なもの味なもの」・・・嬉しい発展ですね。
縁といえば、藤原君のお父さんは医者で歌人、素晴らしい歌集も受贈しました。アソカ幼稚園のPTA会長でしたが、文集「アソカ」に詩を依頼され毎号書きました。

閑話休題;一昨日、久しぶりに規生君と再会し昔話に花が咲きました。藤原先生は世界的な活躍をしておられます。その一端をチラシから紹介します。

今後計画している市民参加の創作音楽劇にも協力して頂く予定です。このようにし、この故郷で育った世界的な音楽家がふるさとの子供たちや市民の文化活動の推進者として活躍して頂けるのは最高の姿ですね。素晴らしい文化芸術活動の循環です
(ブログ:地域情報 詩の散歩道 20240227洲浜昌三)

R6,アンソロジー『現代生活語詩集2024 風、土、水』原稿募集

隔年ごとに発行されている『現代生活語詩集』(発行所・竹林館 代表・永井ますみ)の原稿募集要項が届きました。「生活に根ざした人々の心に届く詩は、閉塞し混迷を深める現代に置いて、自立し共生を願う詩としてますます要請されることでしょう」と文中にあります。
この生活語詩集は昨年他界された京都の有馬敲さんが提唱され、2006年に全国の詩人へ呼びかけて発行されました。ぼくは第2集から参加しています。今回の〆切は3月末です。希望される人は要項を読んでみてください。

北海道から沖縄まで、方言なども使用した個性的な詩があります。難しい言葉ではなく、日常生活で使用する言葉を使って書かれた詩が多いのが特徴です。代表の永井さんは、この詩集に基づいて意欲的に朗読発表会も開催しておられます。希望があれば、募集要項や応募用紙、振込用紙をお送りします。
(ブログ:詩の散歩道 お知らせ 全国生活語詩集 202402洲浜)