R4,短詩「馬酔木の花」

                  馬酔木の花  洲浜昌三
牛は家族だった
夕方の餌やりは 子どもの仕事だった

散歩に連れ出すとき
父が言ったことがある
「アセビにゃ毒があるけぇ 牛に食わすなよ」

国語で「馬酔木」という短歌雑誌の名前を見たとき
「馬が酔う木?」と不思議に思ったが
その木を見たことはなかった

50年以上たって苗木を注文した
「足がしびれる」とか「悪実(あしみ)」と言われた木に
春 小さい釣鐘状の花が鈴生りになって咲いた

アセビの白い花の前に立つと 父の声が聞こえてくる
母牛の優しい眼差しが浮かんでくる

学校から帰って、牛や羊のために、草を刈りに行くのは我が家では子供の仕事でした。押切で稲わらや草を細断し米糠や煮た麦を混ぜて食べさせることや、時々散歩に連れていきました。アセビには毒があるけぇ、牛に食わすなよ、と一度父が言ったことは今も鮮明に記憶に残っています。でも馬酔木を見たことはなかった。興味や関心はいつもあったので、50年以上過ぎてどんな木か、苗木を買って植えておいたのです。日本の固有種だそうです。馬が酔っぱらったようになったことから漢字を当てたようです。アセボトキシンという毒があるので、昔はシラミ、ウジ、害虫駆除に使用されたそうです。一連の賀状短詩に手をいれました。
(ブログ: 詩の散歩道 詩作品紹介 短詩 20220328洲浜)

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