R3,『中島資喜の記録』昭和初期地方の貴重な文学資料

大正末期から昭和初期にかけて、島根でも同人誌による文学活動は盛んだった。プロレタリア文学も勢いがありましたが、厳しい弾圧を受けました。石見地方ではどうだったのか。ほとんど残っている書物などはほとんどありません。当時の様子を日記や創作などで残した大田市出身の中島資喜の記録集が本とCDで陽の目を見ることになりました。長男の中島鐵也さんが、作成されました。何度も弾圧を受けながら真摯に文学活動をつづけた青年の貴重な記録です。
8月13日の山陰中央新報で、うまくまとめて掲載されましたので、紹介させていただきます。
以前、このブログで中島雷太郎さんの詩集『磯松』を紹介しましたが、資喜さんと雷太郎さんは家が近所で一緒に同人誌活動をされた竹馬の友です。幼かった資喜さんの子供さんたちは、父親のことはほとんど知らず(資喜さんは晩年は結核で自宅隔離、子供さんたちは祖母の家で暮らしたとか。初めて、誠実に真実を求めて苦闘し生きた父親の真の姿を知り、感動で涙が流れた、と先日、我が家へ来られた長女さんが語っておられました。
田村のり子さんの『出雲石見地方詩史50年』それを読んで、「島根の文学運動 詩」を山陰中央新報に書き、それをブログに載せ、それを読んだ中島信夫さんからメールが届き・・・・静間公民館で劇研「空」が詩を朗読発表・・・それを知って詩集を復刻・・・・いろいろな切っ掛けや繋がり縁が糸を引いて実現した一連の刊行でした。田村のり子さんも大変喜んで手紙を頂きました。蒔かれた種が、何十年過ぎて芽を出し実をつけた、かの様です。
(ブログ:詩集や本の紹介 地域情報 昌ちゃんの詩の散歩道 20210822 洲浜)

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