詩 リラの花咲くころ

リラの花咲くころ 洲 浜 昌 三

高校生だったころ
ラジオで覚えた大好きな歌があった
「リラの花咲くころ」

リラ リラ リラ
なんというさわやかな響きなんだろう

ぼくの村にはどこにもなかったので
どんな花なのか見当がつかなかったが
花開いた美しい姿がふくらんでいった

リラはライラックともいう と知ったのは
何十年もたってからだった

ライラック ライラック ライラック
なんというきれいな響きなんだろう

何十年もたったある日
ふとしたことでその苗木が手に入った
関西以西では育たないと聞いたが
家の前に植えておいたら初夏に花が咲いた

あたりに漂う高貴な香り
品のある薄紫の豊かな花房
庭に浮かんだ華やかでつつましい白い雲

どこまでも沈んで行く悲しい日
青春の日のあこがれの少女のように
リラは軒下ですっくりと立っている

「詩 リラの花咲くころ」への2件のフィードバック

  1. リラの花咲く頃」は岡本敦夫さんの歌唱です。 津村謙さんが歌ってるのは上海帰りのリル」。「♬ リルリルリル 上海帰りのリルリル」のフレーズと近藤なさってるんではありませんか。

    1. あっ!と思い、確認しました。
      ご指摘の通りです。
      大好きだった岡本敦夫さんと混同するようでは、いけませんね。
      名前はカットすることにしました。
      ご指摘、ありがとうございました。

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