R4,英詩「The position of the universe」(「石見詩人」148号より)

短詩を英訳していますが、発表したことはありませんでした。今回始めて「石見詩人」148号に掲載してもらいました。

The position of the universe
by』Shozo Suhama       

While I was busily crawling around
Forgetting the seasons,
You seem to have been moving silently
Without showing yourself up.

Over the fresh snows of the mountain ranges,
Over the young leaves of the fresh greenery,
Over the pebble of the bright riverbed,
Over the cosmos swaying in the wind.

One morning as I stepped out the front door,
You are standing there in a beautiful appearance.

A deep pure white  peony.

Nature always remains in silence,
telling my position of the universe.

宇宙の位置                   洲 浜 昌 三

季節を忘れて
這いずり回っている間に
あなたは 静かに
移動していたらしい

連山の新雪の上を
新緑の若葉の上を
明るい河原の小石の上を
風にゆれる秋桜の上を

ある朝 玄関を出ると
美しい姿で そこに立っている

純白の一輪の牡丹

自然は いつも黙って
宇宙の中の ぼくの位置を
教えてくれる

最近、山陰中央新報が文化欄で郷土出版トピックと題して同人誌などを紹介し関係者には好評です。他分野のことはこのような記事がないと全くわかりません。とても貴重だと思っています。
(ブログ:詩の散歩道 詩作品紹介  20220811洲浜)

 

R4,井上嘉明詩集「背嚢」新聞書評紹介

鳥取の詩人、井上嘉明さんが昨年11月に詩集を「編集工房ノア」から刊行されました。2000年に土曜美術社出版販売から発行された現代詩文庫「井上嘉明詩集」を含めると第12詩集になります。書評を依頼され山陰中央新報に掲載されましたので、紹介します。
1982年に発行された詩集「汽水域」から書棚にありますが、一貫して言葉に対峙する姿勢が変わらないのは、詩表現への信頼があるからでしょう。「詩ノート」が何冊もあり、古いノートを何冊も広げて、言葉をほじくっている ー とあとがきにあります。「最新のノートは記憶も新しいし、よい〈獲物〉に当たりそうなものだが、そうともいえない。言葉は新しくて、古いのだ。古くて投げていたものが、急に蘇ることもある」と続きます。高齢になっても衰えない詩魂に拍手を贈りたいと思います。
(ブログ:詩の散歩道 詩集紹介 地域情報 20220730洲浜)

R4,short poem 「Treasure」短詩「たからもの」(石見詩人138号)

Treasure                              by   Shozo    Suhama

“Hands off!”

The moment I reached my hand to the basket,
She made a mad dash and gave it a tight hug.
With searching eyes she glared at me.

Even when playing outside with her friends,
Even when going shopping with us by car,
She carried with care that wisteria vine-basket.

If someone knows what I have, it turns out no value –
I feel I used to have that kind of treasure.

At night, when Aya-chan is sleeping soundly,
Secretly I opened the basket.

Inside were five pebbles,
and three maple leaves.
「石見詩人」138号に英語に翻訳した短詩を寄稿しました。英詩が載るなんて、創刊以の珍事で、読んだ人はびっくりされたことでしょう。いろいろな詩を書いてきましたが、子供などを素材にした短詩も書いてきました。それを東京にいるgrandsonの一暁クンと一緒に英訳していますが、その中の一編です。写真は詩と直接関係ありませんが、eldest sonが撮したものです。いい写真です。もとの日本語の詩も書いておきます。

たからもの                  洲浜 昌三

「だめ!」

バスケットへ手を伸ばした途端
猛然と走って来て抱きしめ
鋭い目で僕をにらみつける

みんなで外で遊ぶときも
車で町へ買物に行くときも
大切に持ち運ぶ藤つるのバスケット

見られたら価値がなくなるもの
そんな宝物が僕にもあった気がする

夜 あやちゃんが
ぐっすり眠っているすきに
こっそりバスケットを開けてみると

小石が五つ
もみじの葉が三枚

(ブログ:誌の散歩道 詩作品紹介 短詩 20220726洲浜)

R3,「広島県の高校演劇60年のあゆみ」発行

この本は、令和3年(2021)に発行されました。それ依然には「40年のあゆみ」が刊行されています。多数の顧問の先生方が高校演劇との取り組みの様子を書いておられ、熱い思いが伝わってきます。それは未来へのエネルギーにもなります。

41回大会の時に行った写真です。顧問の先生と講師の堀江幸雄先生、洲浜が安佐区民センター道具搬入口で写したものです。原稿依頼がありましたので、50、51,54回(2014)大会の原稿を紹介します。必要なときがあれば読んでみてください。
R2,「広島の高校演劇60周年」50回・51回講師 洲浜 昌三
R2,54回講師 洲浜 昌三
岡山県もDVDで高校演劇の歴史を発行しています。先輩たちの歩みが記録されると共に、そこから伝承されていくものが、きっとあることと思います。
(ブログ:詩の散歩道 演劇だより高校演劇 20220715洲浜)

R4,第68回高校演劇全国大会、三刀屋高出場

中国地区大会で最優秀賞を受賞した三刀屋高校は7月31日から東京の「なかのZERO」で開催される全校大会に出場します。作品は亀尾佳宏作『永井隆物語』。事務局からフライヤーが届き、参加するかどうか問い合わせがきましたので、紹介します。
R4,フライヤー とうきょう総文フライヤー (2) (1)三刀屋高 

予約制なのでもう間に合わないと思いますが、コロナ感染者がまた急増しています。どうなることでしょう。三刀屋高演劇部の発表は8月2日9時40からです。三刀屋高校の皆さんの健闘を祈っています。
(ブログ:詩の散歩道 高校演劇 お知らせ 20220712洲浜)

R4,長尾英明著『石見銀山物語』より井戸平左衛門のこと

6月22日の「朗読で楽しむ郷土の作品」で、井戸平左衛門の小説二編を輪読しました。時間がなくて表題の『石見銀山物語』を取り上げられませんでしたので紹介します。
この本は長年ガイドをされている大田市の長尾英明さんが2月に出版されました。Ⅰ話から158話まであり、石見銀山ガイドの会のブログで掲載された記事を再編集して刊行されました。とても読みやすく、石見銀山の歴史や当時の状況がよく分かります。学問的な本ではありませんが、最新の資料や調査に基づいて書かれているのも特徴です。不確実なことや、伝説、作り話などは区別して説明されているのも特徴で信頼が置けます。
この本によると、平左衛門は享保16年11月に大森へ着任し,20日ばかりいて27日に江戸へ帰り、翌年の7月末まで江戸に居ました。息子の病気や死と関係があるかもしれないと推測しておられます。8月に大森へ来てから精力的に領内を巡検しています。笠岡や上下町、四国の伊予まで実に活動的です。薩摩の僧、泰永のことや、伊達金四郎を遣わして、さつま芋を鹿児島から取り寄せたという記録はなく、作り話だろうと推測しておられます。とても参考になります。
[閑話]・・・長尾さんは昭和41年大田高卒ですが、不思議なめぐり会わせで、同期の塩田さん、竹治さん、中島さん、佐々木さん、中村さん、西村さん、石田さんなどよく知っています。みな音楽や文学に精通した文化人であることも共通しています。不思議なことですね。時代的に共通するものがあるのでしょうか。
(ブログ:詩の散歩道 本の紹介 地域情報 20220625洲浜)

R4,鳥取の詩誌『菱』213号紹介(日本海新聞)

『菱』は1968年(昭和43)1月創刊された鳥取の伝統のある同人詩誌です。この3月に213号を発行。編集者の手皮小四郎さんから書評を頼まれ、日本海新聞に掲載されました。
同じものですがPDFの書評も紹介します。
R4,5,詩誌評 「菱」213号を読む.」 日本海新聞へ、洲浜昌三jtd

手皮さんは福波小学校の児童が鳥取の本郷小学校で創作劇「吉川経家最後の手紙」(洲浜作)を公演したときに観劇され、日本海新聞へ観劇記を寄稿。その新聞を送って頂きました。日本海新聞を読むのは二度目です。「日本海詩壇」というコラムがあり、県内から詩を募集し月に一回掲載しています。詩を掲載する新聞は少なくなりましたが、同紙の伝統文化に対する見識にyellを送りたくなりました。高齢化の荒波は同人誌にも押し寄せ、若い人の参加がほとんどなく、どの詩誌も困難な時代を迎えていますが、創意工夫して伝統を生かし行きたいものです。
(ブログ:詩の散歩道 中四国詩人会 詩誌紹介 20220624洲浜)

R4,「山陰文藝」55号紹介・ 松江で合評会開催

「山陰文藝」55号が5月初旬に発行され、29日に松江で理事会と合評会,文芸フェスタ打ち合わせ会が開かれ8名が参加しました。今号では22人の作品が載っています。席上で日本海新聞と山陰中央新報が配られ、簡潔にまとめてありましたので日本海新聞の記事を紹介させて頂きます。

「学者大名 池田冠山」(内藤丈二)鳥取の若桜藩の大名に、こんな素晴らしい人がいたことは驚きです。よく調べて書かれています。毎号、山陰の人物を取り上げ力作を発表しておられます。「布都外伝」(沢村俊介)は連載4回目ですが、古代出雲の歴史に独自の視点で肉付けをした意欲的な小説です。

「祖母のふるさと」(洲浜昌三)は短編小説。東京で不登校になった小学生の絵梨を見かねて、祖父の武留が、コロナ禍なのに両親の反対も押し切って、車に載せて故郷へ連れて行き、様々なことに出会う話です。絵梨が会いたかった「大きいばあちゃん」は入院していましたが、満州で子供を亡くしていた「大きいばあちゃん」は、感動的な短歌を農事日記張に書いていました。「魂は蘇るなり と人の言う 産声あげし子あり 関東の地で」。書いた日付けは絵梨の誕生日でした。短編を読んだ人たちから、感動した、とか涙が出た、などと感想を頂いています。(not  fake)
本は県内の書店にあります。購入したい人は次の所へ申し込んでください。
690ー0875 松江市外中原町15ー1 額 重敏
(0859ー33-7850)
作品も募集しています。どうぞエッセイでも、記録でも、小説でも書いて送ってみてください。詳細は本に書いてあります。
(ブログ:詩の散歩道 詩集や本の紹介    20220602suhama)

 

R4,島根県民文化祭 文芸作品募集要項

県民文化祭の一環の活動ですが、令和4年度の「文芸作品募集要項」ができました。例年通り、俳句、短歌、川柳、詩、散文(随筆、小説、評論)で、募集期間は7月1日~9月2日です。表彰式は12月10日(土)松江。チラシは公民館、市民会館、学校など公的な場所には置いてあります。多くの人たちの応募を期待しています。詩部門にも是非!ジュニアーの部もありますので、幼、小、中学生のみなさんも参加してください。
島根県内へ通勤、通学している人、島根出身者で海外県外在住の人も応募できます。電子メール応募もOKです。応募先、問い合わせ先はチラシの下の方にあります。島根県文化国際課(TEL 0852-22-5586)です。
(ブログ:劇研「空」詩の散歩道 島根文芸フェスタ 島根県詩人連合 詩の散歩道 20220516洲浜)