「昌ちゃんの詩の散歩道」カテゴリーアーカイブ

R4,二つの音楽公演、「夢育美コンサート」、田中公道リサイタル

若葉薫る5月1日、大田市民会館中ホールでコンサートが開かれました。長坂先生作詞作曲の歌を中心に、語りを挟んで2時間近く、楽しい時間を過ごしました。語りの中で歌になるきっかけや創作の過程などを聞いて歌を聞くと、歌の背景や景色の陰影が深まり、込められた思いも一段深く共感できます。いつものように、温かい心が伝わってくるのは、長坂コンサートの特徴です。
4月28日には、大畑音楽スタジオで、大田市出身のオペラ歌手・田中公道先生のコンサートを聞きました。迫力のあるテノールを間近で聴き圧倒されました。公道先生の「語り」も、とても楽しく,学ぶことが多々ありました。イタリア、フランス、ブラジルの人たちによる感情表現や恋の受けとめ方など、正にオペラの歌と一体だと思いました。85歳であの声量!40歳を超えたら衰えていく発声には、研究と工夫と練習が欠かせないとのこと。ピアノの奥様と一緒に、気軽に出かけて歌われる姿に感銘を受けます。夫婦二人だけだから、世界中どこへでも気軽に行けるのです。素敵な羨ましい稀有なペアーです。

ペアーという点では、「ながさかゆきひろ&れいこ」もおなじです。長坂先生が作詞、作曲、ギターで独唱、奥様はピアノやキーボード、今回は、「涙そうそう」では、沖縄の三線まで弾かれました。そして「ここは石見  馬路の浜」ではコーラスも。夫婦二人だから練習も修正も意見交換も自由にでき、身軽にどこへでも出かけて発表できます。若い時には一時的に出来ても、何十年も続くということはレア(稀有)ですね。見習いたい!(もう遅いわい!)

この歌は音楽劇「琴の鳴る浜」の中で歌われた長坂作曲、洲浜歌詞のオリジナルですが、いい歌ですね(・・・)。歌の前に、この劇の話もされましたが、戦争に対する話の内容も深く、歌も一段と引き立ちました。地域で生まれたいい歌や音楽、演劇、創作などは、こうして伝えていきたいものだと思いました。豊かな時間を、ありがとうございました。おつかれさまでした。
(ブログ:地域情報 詩の散歩道 観劇 20220505洲浜)

R4,動画 詩の朗読「島根の風物詩」(しまね文芸フェスタ2021)

2021年の「しまね文芸フェスタ」はコロナ禍のために無観客で行い舞台発表を動画撮影し「しまねっこCH」で発信しました。動画は「マンマ ヴォ―チェ益田」の合唱、詩の朗読、大田市演劇サークル劇研「空」の創作民話朗読「サヒメの大使命」の三部で構成されています。合唱と朗読を紹介します。

詩の朗読「島根の風物詩」16篇の詩の朗読と映像があります。
朗読しているのは作者自身(栗田好子、川辺 真、洲浜昌三)、劇研「空」(松本領太、田中和子、堤 隆浩、山本和之)、ジュニアーミュジカル風花(岩谷正枝、山内理緒)の皆さんです。

次は「マンマヴォ―チェ益田」の合唱です。島根県民歌もあり、懐かしかったという感想が多数ありました。

いろいろと手数がかかり、動画発信、DVD作製という文芸フェスタ初めての発表形式になりましたが、関係者以外の多くの人たちにも見て頂くことができ、たくさん好評の声を頂きました。参加してくださったみなさん、ご協力ありがとうございました。DVDは今後も何かの機会に活用したいと思います。
(ブログ:劇研「空」詩の散歩道 詩作品紹介 20220427洲浜)

R4,短詩「馬酔木の花」

                  馬酔木の花  洲浜昌三
牛は家族だった
夕方の餌やりは 子どもの仕事だった

散歩に連れ出すとき
父が言ったことがある
「アセビにゃ毒があるけぇ 牛に食わすなよ」

国語で「馬酔木」という短歌雑誌の名前を見たとき
「馬が酔う木?」と不思議に思ったが
その木を見たことはなかった

50年以上たって苗木を注文した
「足がしびれる」とか「悪実(あしみ)」と言われた木に
春 小さい釣鐘状の花が鈴生りになって咲いた

アセビの白い花の前に立つと 父の声が聞こえてくる
母牛の優しい眼差しが浮かんでくる

学校から帰って、牛や羊のために、草を刈りに行くのは我が家では子供の仕事でした。押切で稲わらや草を細断し米糠や煮た麦を混ぜて食べさせることや、時々散歩に連れていきました。アセビには毒があるけぇ、牛に食わすなよ、と一度父が言ったことは今も鮮明に記憶に残っています。でも馬酔木を見たことはなかった。興味や関心はいつもあったので、50年以上過ぎてどんな木か、苗木を買って植えておいたのです。日本の固有種だそうです。馬が酔っぱらったようになったことから漢字を当てたようです。アセボトキシンという毒があるので、昔はシラミ、ウジ、害虫駆除に使用されたそうです。一連の賀状短詩に手をいれました。
(ブログ: 詩の散歩道 詩作品紹介 短詩 20220328洲浜)

R4,郷土の歴史文化と創作ー詩と演劇ー(講演)

コロナ禍で1月から劇研「空」の文化活動も控えていますが、たまたま「湯里まちセン」で講演を頼まれ、表題の題で話しましたが、映像を使って地域の歴史を素材にした詩の朗読や演劇の話をしました。劇研「空」での公演は何度もありますが、一人でもうまく映像を使えば効果的に楽しんで頂けるとを体験しました。

地元を素材にして作った詩「古代へ帰った港  古龍」や「江戸から来た人ー井戸平左衛門ー」や「石見銀山街道 降路坂」など映像を投影しエピソードを話して朗読すると共感も増します。福光小学校が閉校になったとき頼まれて書いた劇「吉川経家最後の手紙」の鳥取公演前の経緯や経家、鳥取城のことを話して映像や動画を見ると、ライブ感があり効果的でした。
これこれからも映像をうまく使う方法を考えていものです。昨年は高文連で「何をどう書くか」の演題で話し浜田で「地域の演劇活動」という題で話しました。映像をうまく使えば話す方も楽ですし聞く方も飽きがこないのではないかと思います。
(ブログ:劇研「空」詩の散歩道 講演 地域活動 20220318すはま)

R3,多彩な作品「山陰文藝」54号発行(2021/11)

令和3年秋、「山陰文藝」54号が発行されました。20余名の会員が小説、エッセイ、俳句、短歌、詩を発表。個性に溢れた多彩な作品が掲載されています。
目次を紹介します。
僕は、創刊時からの会員ですが、53号に久しぶりに「オリオンは高く」という短編小説を書きました。今号の「思いは彼方に」も短編ですが、水中眼鏡で鱒を見たいという幼い時の夢を、母との関連で、ふるさを舞台に書いたものです。55号にも短編で「祖母のふるさと」を書きました。5月に発刊予定です。山陰文芸協会事務局は松江市外中原町15-1額 重敏(0859-33-7850)です。会員も募集中です。本を購入したい人は書店か事務局へどうぞ。
(ブログ:昌ちゃんの詩の散歩道 詩集や本の紹介 地域情報2022、3洲浜)

R4,北京オリンピック スキー 懐かしい張家口で

張家口(ジャンジャコウ・ちょうかこう)は、2000年5月に行ったことがあります。ツマの父が満州鉄道に勤めていて、ツマは終戦直後の7月25日にそこで生まれ、命からがら日本へ帰ってきました。退職したら是非、義母とツマを張家口へ連れて行きたいというのが長年の夢でした。大きな北京西駅から張家口南駅まで約150キロ、約3時間半、84元。汽車で、なつかしい千昌夫の「北国の春」が何度も流れてきました。中国でもヒットしていたのですね。まだ日本jから来る旅行客はあまりない時代です。写真は張家口市内です。観光客はほとんどいないので、土産物に買いたくても紹興酒くらいしかありませんでした。
人口は約400万でしたが、義母が住んでいた当時の宿舎などは見当たらず、満州鉄道病院もわずかに崩れたレンガが残っているだけでした。「あの橋を通って買い物に行ったんだけど」と義母が言う橋も新しく、昔の建物もありませんでした。
張家口は北京の北門といわれ、昔から防衛の要の町です。万里の長城の大境門があり、登ってみました。そこから見た街の風景ですが、今はビルが建っているのかもしれません。

この時にできた詩があります。「張家口の崩れたレンガ塀」
詩「張家口の崩れたレンガ塀」15,1(島根年間詩集)詩集「春の残像」

中国語も日本語も英語もペラペラの冠明さん、北京の大学で中国語を勉強していたヒロシ君も一緒でしたので、上海、北京、張家口、モンゴルの旅を何不自由なく楽しむことができました。ビデオでもしっかり撮影し義母と妻への感謝の記録にしました。(ブログ:昌ちゃんの詩の散歩道 詩作品紹介 20220202洲浜)

R3,アンソロジー『あの日から 明日へ』東日本大震災と詩歌

2021年3月、岩手県北上市にある「日本現代詩歌文学館」から、東日本大震災10年、開館30周年を記念して出版されました。俳句、短歌、川柳、詩、展示図録を284ページに収録。全国から800人以上の詩人や歌人、俳人の作品が掲載された記念すべきアンソロジーです。
未曽有の大災害に大きなショックや悲しみを受けながら、詩に書こうと思っても書けませんでした。どんな言葉も軽くなり浮き上がってしまうのです。祈りのような詩が一編でき、詩集『春の残像』へ載せました。詩歌文学館ではそれを読まれたのでしょう。掲載依頼文書がきました。「桜前線みちのく北上」です。
その後「花美術館」からも掲載の誘いがあり、11月に立派な美術書が刊行されました。
詩の解説には、東日本大震災のことは触れておられませんが、町に押し寄せた大津波、死者、原発事故・・・その痛ましい風景が背景になければ、この詩は成り立ちません。
(ブログ:昌ちゃんの詩の散歩道 本の紹介 詩の紹介202201)

 

R3,島根県民文化祭文芸部門 表彰式,『島根文芸』刊行

12月11日、松江で第19回県民文化祭、文芸部門の作品入賞者表彰式が行われました。作品は『島根文芸』54号とジュニアーの『作品集』に掲載されています。県の文化振興室で購入できます。千円です。(TEL 0852-22-5586)
今年はジュニアーの部で詩は132編の応募があり過去最高でした。幼稚園から中学生まで全県に渡っています。石見西部の学校が多かったのも特徴です。興味を持っておられる先生の指導の賜物です。更に学童保育で取り組み応募された作品もあり、今後が楽しみです。今まで学童保育の応募は視野にありませんでした。(ジュニアー俳句は487句、短歌139,川柳142,散文3)
受賞後の詩の分科会では、詩人連合から、審査員の川辺真、栗田好子、稲田忠德と、会長役の洲浜昌三、会員有原一三五、受賞者では、有原脩二さん、渋谷紀さん、多田納力さん、三代雄一さん、ジュニアーで益田中の野崎はるかさんが出席。自作詩を朗読。感想を自由に述べあって充実した時間を過ごしました。
写真は詩部門の受賞場面です。佐田光子さんは、退院直後だったとか。家族の運転で邑南町から来られました。病中病後のことを詩にされた「私のみた夢」は体験者でないと書けないリアリティがあり、胸にせまる切実感がありました。
新型コロナ禍のため、詩人連合が二年連続担当し事務局川辺、文芸協会会長として僕が努めましたが、どうにか今年度の二つの行事(「しまね文芸フェスタ」「文芸作品選考、表彰式、作品発行」が終わりました。来年後は散文部門の担当です。額さん、よろしくお願いしま~す。
(ブログ:劇研「空」  島根県詩人連合  詩集や本の紹介 詩の散歩道 「島根文芸」島根県文芸協会 20211213洲浜)

R3,三瓶ダム 「サヒメ湖」名前の由来

11/20「さんべ縄文の森ミュージアム」で「月イチガク」の講座に参加。中村さんの「火山が埋めた森」を聞いての帰り道。いつものように農産物直売センターで、元気のいいおばさんと大話をして、おみやげをたくさん買って、ダムを見下ろしました。
三瓶ダムというけど、「さひめ湖」という名前だったんだ。近くの銅板を見ると、名前の由来が書いてありました。益田では「サヒメ」の伝承は童話や漫画や本になっていますが、大田ではこの伝承を話す人に出会ったことがありません。写真をパチリ。
今、島根県の「しまねっこCH」、益田、浜田のケーブルテレビや劇研「空」のホームページで、しまね文芸フェスタ・舞台発表の動画(合唱、詩の朗読、「サヒメの大冒険~海を越え石見の大地へ」)を発信していますが、この伝承から朗読劇形式に創作したものです。DVDや脚本もあります。好評です。
(ブログ:詩の散歩道 演劇だより 島根文芸フェスタ 地域情報 島根県詩人連合 劇研「空」 20211126すはま)

R3,紙芝居「吉川経家しあわせものがたり」おくむらのりこ作

表題の紙芝居が完成したというメールが、製作者おくむらのりこさんから届きました。原画展が開かれるそうです。

経家は温泉津町福光の不言城の城主でしたが、毛利氏から命を受けて鳥取城の城代になるのですが、秀吉の飢え殺し作戦で城を明け渡します。切腹の前に不言城の子供たちへ遺書を書きました。それを基に脚本「吉川経家最後の手紙」を書き、廃校記念に福光小学校が全校劇として発表。頼まれて鳥取の本郷小学校でも発表しました。
昨年、東京のおくむらさんから、ぼくが書いた脚本を読ませてほしいと連絡があり、メールで送っておきました。どれくらい参考にされたか分かりませんが、お役に立ったとすれば幸せです。

「紙芝居は講演会講師の岡村吉彦氏に校閲していただきました。悲惨な籠城戦の描写を避けて「毛利織田の境目の戦争」に焦点を当てました」とのことです。いつか見る機会があるかもしれません。劇研「空」も朗読劇として3回くらい公演しています。

*吉川会記念講演会:10月24日(日) 産業会館(智頭街道)
*原画展は:10月24日〜30日 旧島根銀行(若桜街道)
(ブログ:地域情報 本の紹介 劇研「空」20211023洲浜)