「地域情報」カテゴリーアーカイブ

H30 大田市文化祭(11/3,4) 長久町文化祭(11/4)

文化芸術の秋です。あちこちで文化行事がや公演があり、重なっています。見に行きたいけど、行けば八つ裂きになります。3日9時から大田市民会館前で恒例のテープカットがありました。
副市長、教育長、議長、石賀文化協会会長がテープカット。文化祭の開催を告げました。それぞれの会場でいろいろな展示があります。ホールでは芸能大会が開かれます。
長久町の文化祭は4日(日)です。山内朗報さんが、タブロイド版新聞を毎年発行しておられますが、長久の文化祭のチラシも一緒に持参されましたので紹介します。

久利町文化祭は11日です。みなさんが精魂込めて作られた作品や展示品をぜひ鑑賞してください。

H30 北 雅行版画展 成功裏に終わる

松江の「タウンプラザしまね」で開催されていた北 雅行先生の版画展へ8月31日に行ってきました。連日80人以上の人が来られたとか。ぼくらが言ったときには熊本から夫婦で来ておられました。

約100点展示してあり、ふるさとの風景を彫った作品がたくさんありました。教員になってから一貫してふるさとを描いてきたそうです。素晴らしい作品がたくさんありました。ぜひ行きたいと思ったのは、作品鑑賞と激励もありますが、11月末を目指して詩集発行のために出版社と作品を選考していて、表紙やカットにいい作品はないか偵察も兼ねていたのです。北さんからは、どうぞ自由に使ってください、とOKが出ました。ありがたいことです。そのつもりで見て回りました。いい出会いがありました。北さんは松江の出身ですから、どうしても松江の作品が多く、石見は限られています。でも石見銀山や石見の海岸風景もありました。石見銀山羅漢寺の反り橋です。力強い作品ですね。どの様な本にするか、カットや表紙はどうするか。これからですが、コールサック社とやり取り中。激励をのためでしょうか、3冊予約します、という人が現れました。さて実現するかどうか。今度は有言実行しなければ信用失墜です。チェスト!(ブログ 詩の散歩道 すはま )

H30 松江で「木版スケッチ-故郷を描くー」北雅行展

松江市の北 雅行さんの木版スケッチ展「郷園(ふるさと)」が、島根県庁前の「タウンプラザしまね」で開かれています。期間は、8月25日~9月1日(土)です。
北さんは美術の先生で、邇摩高校で一緒でした。バスケット部の顧問もしておられました。お互いに若かったのでよく飲む機会もあり芸術論など交わしたものです。年賀状にはいつも故郷を素材にした味のある版画が印刷されていて、毎年の賀状を、何十年も大切に保存しています。いつか詩とコラボをしたいものだと長い間憧れていました。故郷の魅力を、版画で目にすると新しい発見もあります。芸術家の目や心を通して具体化された版画から、今まで気がつかなかった美しさや懐かしさが、そこにあります。北さんをご存知の人は、松江に行かれたら、寄ってみてください。「そういうお前さんは行ったのかい?」。いやぁぁ、まだです。行きます、行きまする。行かねばならぬ訳があるのです。楽しみです。(ブログ 詩の散歩道 お知らせ 地域情報 すはま)

H30,「木でつなごう 人と森との縁の輪」(’20全国植樹祭)

2020年に三瓶北の原で第71回全国植樹祭が開催されます。昭和46年に22回植樹祭が同じ場所で開かれました。当時植えられた松も大きくなっています。大会テーマのキャッチフレーズを植樹祭島根県実行委員会で募集していましたが、724点集まり、数回の審査の結果「木でつなごう 人と森との縁(えにし)の輪」に決定しました。蓋をあけてみると、作者は大田市の吉田隆博さん!
「伐って、使って、植えて、育てる」という人と木と森との関係や循環をとてもうまく表現されました。いいフレーズがたくさんありましたが、選考委員会でも高い評価で決定しました。先日テレビで受賞式が報道されました。おめでとうございます!現在はシンボルマークの募集が終わり、審査が始まります。

また三瓶が全国的に注目されます。楽しみですね。
(ブログ 詩の散歩道 地域情報 すはま)

H30,大田ミュージカル講習会の成果「フレンズ」発表(1/21) 

大田市民会館の主催事業として今年も「ミュージカルスクール」が、昨年12月から土曜、日曜に6回開かれ、7回目の最終日、21日に中ホールで成果が発表されました。会館スタッフの全面的なバックアップがあり、音響や照明器具などもフル活用。ライトは50台くらい釣込んであり、楽しそうに歌い踊る19人の舞台を彩り浮かびあがらせました。
わずか20分の上演ですから、あっという間におわりましたが、充実した舞台でした。初心者も多いのですが、笑顔を見せ楽しそうに演じていましたので、観客も安心して楽しむことができました。いつものように「風花」の卒業生や現役の経験者たちがしっかりとリードし、中心を固めていました。

講習の成果発表が目的で、わずか20分の上演なので、ストーリーの骨格披露、という感じでしたが、あちこちでプロのヒラメキを感じました。神話の人物が現在によみがるとき、ホリゾントへ時計を投影して何千年の距離を一瞬の身近な時間として暗示したり、浮き布の池の大蛇が人間に変身する場面では、太鼓と和楽器の演奏とても活きていました。終演後、作曲・編曲を担当された川崎さんと話し、作曲の一端をうかがいました。短期講習とはいえ、3人のプロ(脚本・佐藤万里、演出・三浦克也、音楽・川崎絵都夫)が関わった舞台。超贅沢舞台、超受恵舞台です。短時間の舞台ですが見事に出来上がっています。

現地指導者として、いつものように「レイココンビ」を忘れてはいけません。。歌唱指導は中村玲子さん、振り付け指導は岩根礼子さん。礼子さんは「S3-1」出身なのだ。(わかる人にしかわかりませぬ)当日も動き回って世話をしていました。オツカレ!
山陰中央新報も二回紹介しています。記録として遠景で紹介します。読みたい人は購入するか、1/23,1/25日の石見版を図書館で見てください。こういう舞台での子供さんたちの経験が、内面を豊かにし、いろいろな場面で必ず活きてくることを確信しています。みなさん、おつかれさまでした。(ブログ 詩の散歩道 地域情報 観劇 すはま)

〆切 1/31、「家族の思い出フォトエッセイ」募集(青少年育成島根県民会議)

青少年育成島根県民会議が昨年の11月から「家族の思い出フォトエッセイ」の原稿と写真を募集しています。子育てで苦労し頑張っている人たちを励まし応援するため、入選作品をまとめて、メッセージ集を作成するそうです。〆切は1月31日です。苦しんでいた時に父や母のひと言で、救われた思い出。あなたの言葉や行動をきっかけに、あなたの子供たちが自立して頑張るようになった思い出。あの時、言えばよかった。あの時、してあげればよかた。取り返せない過去の苦い思い出……その貴重な宝を400字にまとめてみてください。

写真も必要ですが、文章の場面を示す写真など撮影できませんから、文章と直接関係なくてもいいそうです。過去の写真から、適当に選んで送るか、デジカメで風景写真で写して送るしかないでしょうね。詳しいことは、青少年育成島根県民会議を検索して読んでください。協力依頼があり、大いに賛同して紹介しました。知り合いで応募してくれそうな人がありましたら、勧めてみてください。(ブログ 詩の散歩道 すはま)

募集要項です。クリックしてください。島根県内在住、20歳以上が対象です。、

家族の思い出「フォトエッセイ」募集要項d0cecad7b083d483730a552c3bad0657

H29, 8,14 サンレディで風花 ミュージカル上演

8月14日は恒例の大田高卒業生総会(瓶陵会総会)ですが、今年は記念イベントで「風花」が、ミュージカル「石見銀山物語」を上演します。次のような案内をいただいています。誰でも観劇できます。
 (サンレディ大田のふれあいホール。可動式座席で約450人のキャパ)

9:00~総会(サンレディ)
10:30~12:00 記念イベント 仲野先生の講演・「風花」ミュージカル
12:30~16:00 懇親会・同窓会 (大田パストラル)
17:00~19:00 クラス会(二次会)

実行委委員は昭和63年3月(62年度)卒業生のみなさんです。この年はぼくが理数科の担任でした。実行委員長のナカオくんから出欠確認のハガキがきました。盆で多用な時で予定もありましたが、ミュージカルでは劇研「空」の山本、松本くんが照明を頼まれていますし、風花の佐藤さんからも「よろしく」とありましたので、終日というハードスケジュールですが、行くことにしました。

劇研「空」はこのイベントで2回公演させていただきました。平成20年は、天領太鼓とのコラボレーションで「石見銀山歴史ものがたり」。語りと太鼓演奏と劇の勇壮な構成舞台でした。瓶陵会幹事さんも多数舞台で演じていただきました!その中に3人も当時の演劇部員がおられました。今も「空」との縁がつづいています。神屋寿禎役で出演していただいたハナダさんは中学校でも全校生の演劇を今年も計画しておられます。すごいですね。うれしいことです。

平成27年は、同じ演目ですが、卒業生で生年劇場の女優・福原美佳さんの語りと講談、大畑茂樹夫妻の生演奏、和樹さんの歌、と多彩な舞台でした。上演後に東京の会長さんが近づいて来られて、「感動のことば」をいただいたのを覚えています。映像も使って銀山の歴史を、歌、語り、講談、民謡、劇で楽しく面白く伝える舞台でした。こういうコラボは簡単にはできません。

今年は風花の「石見銀山物語」です。何度も上演して完成度が高い舞台になっていますので、初めて見る卒業生のみなさんは、驚かれることでしょう。「大田も捨てたもんじゃないね」(ソウナライイネ)芸術文化は心を育て豊かにしてくれます。それが「ふるさとの宝」です。

ハンセイからひとこと:一般の市民のみなさんは、大田高校卒業生に見せるためのミュージカルだと思っていますし、卒業生は、朝からサンレディへいくのは大変なので、午後の懇親会から出席する人が多数です。チラシをいっぱい配ったのにガラガラポン、という可能性もありますので、風花のみなさん、そのつもりでPRしてください。では、楽しみにしています。(ブログ 詩の散歩道 すはま)

H29, 第24回Milky-Wayコンサート

7月15日、大田市民会館で「Milky-Wayコンサート」が開かれ聞きに行きました。市内のコーラスグループが懐かしい歌やオペラ「石見銀山」で歌われた曲を披露されました。(フィナーレで「花が咲く」を全員で合唱、夏の夜のさわやかなひとときを閉じました)

出演団体:「オペラ「石見銀山」を歌う会有志・大田市少年少女合唱団」「コーラスなでしこ・きれんげ・コールシエスタ」「フレンズ”彩”」「ヴォーカル ディスコース」(唯一の貴重な男性合唱団です)「サウンド・コラージュ」「女性コーラス花音」(今年も全国大会へいかれるそうです)

二部は琴、篠笛、ギター、ピアノ、コントラバスの演奏で、テノール歌手・大畑和樹さんの語りと歌で構成された舞台でした。琴がハープに近い音を奏で、篠笛がフルートのように聞こえ、西洋音楽のオペラ「蝶々夫人」なども違和感がなく、大畑さんの力強いテノールを引き立てました。

この定例コンサートも24回目です。今まで何回かこのブログで紹介しています。今年はちょっと地味な感じがしましたが、でも地に着いたさわやかな印象を受けて会館をあとにしました。
(ブログ 詩の散歩道 地域情報 すはま)

H29, 独創的な新作オペラ「石見銀山」大田で誕生(観劇記)

7月2日、大田市民会館大ホールでオペラ「石見銀山」が昼夜2回上演されました。いずれも満席、終わると何度もカーテンコール、お客さんは大きな拍手とスタンディングオベーションで感動と感謝を舞台へ届けました。(ここで感動的な舞台写真を紹介したいところですが、できないので、世間に流布済みのチラシでどうぞ!)

石見銀山世界遺産登録10周年記念事業として実行委員会が結成され、オペラユニット「レジェンド」の皆さんの絶大な協力によって生まれたオペラです。日本で生まれたオペラは多くありません。作曲、脚本、オーケストラ、舞台美術、歌手、ホール、経費等々、難問の山だからです。それだけに作曲家、脚本家にとってオペラ創作は悲願だそうです。その悲願が石見銀山を舞台にして実現したわけですから、大田市にとっても大きなcultural heritageです。

昨年、オペラに石見神楽を取り入れる、と聞いた時、どうなるかと危惧しました。今まで劇に神楽を取り入れた舞台を見たことがありますが、みな付け添えでした。しかしこのオペラは神楽を中心に据えて創作されました。テーマの中心や周辺で神楽が重要な働きをしていました。この点について大屋神楽代表の松原さんも感心しておられました。脚本の吉田知明さんは真正面から堂々と取り組まれたのです。(神楽の場面は、銀山の鉱夫たちがお祭りで石見神楽を観て楽しむ、という場面だけと思っていた人が多いのではないでしょうか。制作者にも練習にも、その方がはるかに楽です)

事務局長の谷本さんから電話があって、4月初旬から演技やセリフに関してほんの少し係わったのですが、学ぶことがたくさんありました。台本は385ページ!楽譜や歌詞や総てのことが書き込まれています。あちこちにあるセリフや時間の流れも、すべて音節最優先です。「ここでもっと間をとってください」などと言ったら、流れやテンポが台無しです。花音の皆さんを中心にした合唱はかなり仕上がっていました。しかしあちこちにある劇に近いセリフ、40人近い鉱夫たちの舞台での集団演技。それは単純で簡単そうに見えても、とても難しい。振り付けの嘉田さんは東京の中村さんとメールでやりとりしながらノートにメモして頑張っておられました。現地にこういう人がいないと、積み重ねた練習が振り出しのもどります。音楽の指導者をはじめスタッフの皆さんの大奮闘に頭が下がりました。

(練習中の舞台。手前は山陰フィルハーモニー管弦楽団 指揮は中村匡宏さん)

練習中の中村匡宏さんの「一瞬一瞬を、つまらないとは思わせないようにする」といわれた言葉が、度重なる練習を通して本番の舞台で実現したのを目の当たりにしました。
石見銀山の民謡やそれを基調にした音楽や歌も素敵でした。今でもふと気がつけば、メロディや歌が耳で響いていて、驚くことがあります。衣装や舞台装置も素敵でした。最初、鉱山の女性労働者に白い衣装?と一瞬思いましたが、ナールホド、とその舞台上での効果に感心しました。

オペラがクライマックスを過ぎると、何故か「魂の救済」という心情が伝わってきました。古来からの純粋に日本的な魂の救済ですが、オペラの本家である西洋の人たちの目には不思議な魅力があるのではないかと思いました。科学的、合理的ではない未知の不思議な世界です。9月25日には新国立劇場で上演予定で、チケットは完売だそうです。今後の発展が楽しみです。すばらしいオペラをありがとうございました。おつかれさまでした。東京公演、成功を確信しています。

追記 参考までに:
脚本について数名の人から疑問や質問がありましたので、参考までに記しておきます。
島根県史資料編に「おべに孫右衛門ゑんき」が掲載されています。その中に次のように書かれています。(「清水寺天地院縁起」にもほぼ同様な記述があります。「石見八重葎」にも)

『おべに孫右衛門ゑんき』(一名『銀山旧記』)
石州仁万郡佐摩村白銀掘り初る事
大永六年丁亥三月廿三日ニ山人仕候、
此白銀仕始る者ハ、雲州田儀三島清右衛門殿、大工をつれ来る事、
雲州杵築の内鷺の銅山より下り申候、
大工吉田与三右衛門殿、同藤左衛門殿、おべに孫右衛門殿三人頭として銀を掘申候
大永八年八月十八日おべに孫右衛門殿事を山の敷ニて打果し候、然ル処に吉田与三右衛門殿、同藤左衛門殿、両大工に罷成候、左様二候処、孫右衛門両大工に種々崇をなし候而、 今の山神の脇ニ社を立置候、妻の山神と申すハ是なり、

大屋神楽の創作神楽「於紅谷」のあらすじ:
与三右衛門の妻・「お高」は、孫右衛門に恋心を抱いた。そのため孫左衛門は吉田兄弟に殺され、お高も自害。怨念から竜蛇になって祟(たた)り、銀山には災いがつづき銀の産出量も減少。見かねた大山津見命が竜蛇を退治し、お高の怨念を払い孫右衛門の御霊を土山津見命と讃え、お高と共に祀り、銀山に平穏がもどった。

「孫右衛門縁起」には「お高」という女性は出て来ません。『新 石見銀山物語』を執筆された故・石村勝郎さんが、原典からイメージをふくらませ、お高という女性を創作、6ページにわたって悲恋と怨念、救済の物語を書かれました。大屋神樂の「於紅谷」は、これを参考にして創作されたものです。男女の怨念という普遍性や現代性もあり、魅力的な創作神楽です。

石村勝郎さんの本は十数冊本棚にありますが、いつも利用させてもらっています。新聞記者で郷土史家でもありましたが、詩人でもありましたので、歴史的記述のなかに、あちこちで空想的な物語が入り込んでいます。実証的でないという人もいますが、僕には石村さんの自由な発想がとても面白く、物語の核となり、広がっていきます。石村さんの功績を忘れてはいけない、という思いで、長々と書きました。たいくつさまでした。(e? taikutusinai? kokomade yomu hitowa oran. souka, soudane)(ブログ 詩の散歩道 観劇記 地域情報  20170708すはま)

H29 大田市波根で現代劇『ちゃんぽん』上演(観劇記)

5/14、波根町で『ちゃんぽん』(ユン・ジョンファン作、津川泉訳、演出・金築秀幸)が上演されました。チラシに「ニルソンカフェ」で上演とありましたが、旧石原旅館の舞台付き広間でした。カフェは同じ屋敷内にあります。旧旅館は、以前何回か行ったことのある懐かしい場所ですが、久しぶりに行ったので行きすぎて迷い、引き返して人に尋ねて、やっとたどり着きました。波根駅のすぐ近くでした。

なんといっても嬉しかったのは、劇場やホールではなく、普通の広間で現代劇を上演されたことです。会場を貸し出されたヒラタさん、上演を決意された劇団フレンズ装置の皆さんの心意気に感銘を受けました。ホールなどで上演すれば大金が必要です。前売り券も何千円になり、事務的な仕事や苦労も倍増。長続きしません。気軽に発表出来る場が必要です。「飲み物や食べ物は厳禁です」ではなく、「ビールでも飲みながら観劇してください」と、入口で飲み物や菓子類も販売されていました。いいですね。本来日本の地芝居は石見神楽と同じです。観客と共に楽しむ場です。うまく演じれば自ずと観客は静かになります。

脚本は韓国戯曲作家協会戯曲部門新人文学賞を受賞した作品で、多数の死傷者がでた1980年5月の光州事件を素材にした劇ですが、政治的な大事件を、「春来園」という小さな料理店で働く庶民の立場で、うまく絡ませて描いていました。店主ジャンノと恋人ミラン、ジャンノの妹で店員ジナ、その恋人マンシク。ケンカもしながら、みな普通のささやかな夢を持って生きていますが、次々と大事件に巻き込まれていきます。突拍子もないマンガチックな場面も多いのですが、それを重ねて、「普通の夢が失われていく悲しさ」を舞台にあぶり出していきます。三人を失った店主のジャンノが回想するラストシーンは感動的でした。ジャンノの目にも涙があふれていました。好演でした!

劇というものは、あくまでフィクションで作り物で嘘ですが、その「嘘」から「真実」(うそからまこと)を創り出すのも劇です。おもしろおかしく奇想天外なフィクションを積み重ねてお客さんを楽しませて引っ張り、その中から一つの真実を紡ぎ出し突きつける ー そのうまさを見た気がしました。

劇では、劇への切り換えがなんとなく進んだことや、出だしの演技やセリフにも日常性がありすぎて、普通の人が劇じみたことをしている感じがしましたが、ストーリーが展開しテーマとのからみが見えてくるにつれて、だんだん迫真力が出てきて、それぞれの人物にも血の通った人間性が見えてきて、展開とともにそれが統合され、最後は感動的でした。発声や滑舌にはちょっと個人差がありましたが、スピーデーにセリフ喋り、言葉がわかる点ではかなり練習を積み重ねておられると思いました。

出雲や雲南では、最近特に、若い人たちの演劇活動が活発になりましたね。その余波が津波のように波根まできたのでしょう。大田よ!どがするだ。

帰るときに、ヒラタさんが、「ここで朗読をやりませんか」と声をかけられました。そのうちニルソンカフェへ行ってゆっくりコヒーでもビールでも味わいながら話してみましょう。

みなさん、おつかれさまでした。いろいろな意味でとても刺激になりました。ありがとうございました。
(ブログ 詩の散歩道 観劇記 すはま)