「地域情報」カテゴリーアーカイブ

9/23 出雲で「しまね文芸フェスタ2013」

2013年のしまね文芸フェスタは出雲市の「ビッグハート出雲」で開催されます。俳句、短歌、川柳、詩、散文の5部門で運営委員会、実行委員会を何度か開いて準備を重ねてきました。今年の担当は俳句部門で会長は月森遊子さんです。講師は「ホトトギス」同人会会長、安原 葉先生。演題は「花鳥諷詠のこころ」。島根にいても、毎年第一線で活躍されている人の講演を聴けるのはありがたいことです。

DSC04945

前日の夜は例年どおり前夜祭として講師先生の歓迎会があります。ニューウエルシティ出雲、18時からです。

大会当日の午後は分科会です。その内容は次のとおりです。見えにくいけど見たい人は見てください。

DSC04946

詩の分科会では自作詩の朗読・鑑賞と感想会です。事前に作品を30部事務局へ送るか、当日持参してください。

今年は神戸の永井ますみさん、京都の有馬さん、米子の中村さんが参加される予定です。神戸の宮川さん、白石さんも来られるかもしれません。永井さんは米子の出身で現在神戸で活躍中です。詩も随筆も書かれますが、朗読をビデオに収めてDVDにするために数年前から全国を走り回っておられます。有馬 敲さんもキャリアのある大ベテラン。中村さんは一日一作を課して詩をブログで発表し、過日詩集を出版されました。

こんなに一度に県外の詩人が参加されるのは初めてです。県内の詩人のみなさん、また参加されるみなさん、大いに楽しみにして参加してください。

H25 「しまねの風物詩」Ⅱ刊行計画 ー詩人連合総会で決定ー

2013年5月26日、大田市のパストラルで島根県詩人連合総会を開きました。午前10時30分からは理事会、午後は総会と「島根年刊詩集」第41集の合評会を開き、16時30分に閉会しました。参加者は10名前後ですが、中身の濃い一日でした。

行事報告や決算、予算などと共に大きな議題は「しまねの風物詩」Ⅱの刊行計画案の審議でした。いろいろな意見がでましたが、詩人だけではなく、多くの人に詩に親しんでもらうことを目標にして、まず過去の作品で自薦他薦を含めふさわしい作品を集めてみよう、ということになりました。もちろん新作も大歓迎です。

DSC04655

(パストラルの玄関でパチリ。益田の高田夫妻は都合があり途中で帰られました。2年前には90歳を過ぎた肥後敏雄さんや松田勇さんも参加されました。杖をついてゆっくりと歩いて帰られる姿は今も脳裏を離れません。詩を書いて徳をすることなど何もありませんが、その「志の高さ」には頭がさがります)

「しまねの風物詩」は1995年に刊行しました。益田市の画家・金本裕行さんのスケッチをたくさん挿入して読みやすい詩集になりとても好評でした。道の駅や大森銀山の店などにもおかせてまらい、かなりうれました。1000円という手軽さもよかったのでしょう。

先日はシンガポールと千葉から娘の友人が石見銀山に来られ、娘の依頼で案内しましたが、おみやげに「しまねの風物詩」を贈呈しました。菓子などに添えて一緒におみやげにするのもいいなぁ、と思った次第です。多くの人に参加していただきたいものです。事前に購入数予定を調べて、発行資金の一部にすることになっています。一冊1000円です。10冊でも20冊でも予約して強力してくだい。

次に最初に刊行した「しまねの風物詩」の表紙を紹介します。今でもすこしですが残部がありますので欲しい人は申し出てください。書店にはもうありませんが、毎年数冊は購入希望があります。

DSC04661

    「しまねの風物詩Ⅱ」の刊行について                             (事業の内容)

1.刊行の目的    県内の詩人の県内での発表の場としては詩誌「山陰詩人」、「石見詩人」、「光年」 アンソロジー「島根年刊詩集」などがあるが、読者はそれらの詩誌等に属している詩 人にほぼ限られている状況です。一般県民の人たちにもわかりやすい「しまねの風物」 という視点から作品を収録し、刊行することによって詩人以外の人たちにも詩に親し んでもらう機会とするものです。

2.作品の募集
(1)島根県詩人連合の会員だけではなく、県内、県外の一般の人も対象にして募集する。
(2) 自薦他薦も含め過去の作品からふさわしい作品を選ぶ。「島根文芸」の入選作品や過去の個人詩集からも選んで推薦する。
(3)募集要項を作り関係者やマスコミ、図書館、公共機関などに送りPRする。
(4)小中学生や高校生の作品でも(既成を含む)ふさわしい作品は対象にする。
(5) 募集期間は、平成25年4月~25年8月(予定)とする。

3.作品の内容    島根の風景や、行事、歴史、地名、人物、事件、文化、精神的な風土、伝承、神話、   民俗、風習などあらゆるものを対象にした詩を対象にする。名前にこだわって狭い意  味の「風物」に限定しない。

4.本の内容
(1) 詩の作品が中心になるが、前回のようにスケッチを入れるか、あるいは写真を入れるかは編集段階での検討課題とする。
(2)本の体裁は前回のものをベースに検討する。総頁数は概ね100頁とし、作品数は     40~50篇とする。
(3)地域別の編集とし、方言詩やこどもの詩などを別に編集することも検討。

5.作品の選考
(
1)理事を中心とした選考委員会を作り、応募・推薦作品の中からふさわしい作品を選考する。
(2)選考作業期間は、平成25年10月~11月(予定)とする。

6.刊行予定       刊行時期は平成26年2月(予定)とする。

 

総会では、いかにして若い人を増やすかも議論しました。インターネットに自由に詩を書く若い人から、高いお金を出して同人誌に書く意味があるのか、といわれると明快な言葉は返せません。どの文化団体でも切実な問題です。発行毎に一編の詩のために5千円、8千円という負担を若い人に要求することは無理です。難しい問題ですね。

 

高田賴昌さん『埋み火』を刊行

島根県益田市で発行されている「石見詩人」の編集者・高田賴昌さんが本を出版されました。2012年(平成24)11月です。今までに新聞や雑誌などに書いてこられたものをまとめたものです。たくさん写真もあり、貴重な記録なども載っていて参考になります。

DSC04461

あとがきの冒頭に「自らのパソコンで試行錯誤しながらも、75年の記憶の断片を小冊にすることができた。不思議な気持ちで眺めている。採録できなかった貴重な資料がある。出来得ることならばこの小冊をもとにさらなる夢を広げてみたいと思う」とあります。2弾、3弾がありそうです。

目次は次のとおりです。

1.田畑修一郎(作家)
1.赤川武助(児童文学作家)
1.右田朝子(日本初の眼科女医)
1.折戸徳三郎(小泉八雲のアシスタンツ)
1.大谷嘉助(歌人)
1.高田敏子(詩人)
1.キムラフジオ(詩人)
1.岡崎澄衛(詩人・医師)
1.益田糸あやつり人形
1.アメリカ東部とパールハーバーの旅 (176〜191ページ)

高田敏子さんは昭和49年11月23日に斐川町の「湯の川温泉」にお招きして懇親会が開かれたとき、ぼくも参加したことがあります。高田正七さんが中心になって第一回の「島根の詩祭」を企画された時のことです。昭和52年12月には高田賴昌さんなど石見詩人同人が中心になって高田敏子さんをお招きしたそうです。三度目は昭和54年で益田市の仏教会が招待し、賴昌さんの自宅で歓迎会を開いたそうです。

この本の中に高田敏子さんの言葉として次のように書かれています。
「いい詩ね、といわれる詩には何があるかと言えば、ほめることばがあること。しっかりとものをみて、そのものの中からどこがいいかを探し出す。そのいいところを引き出し、また作り出して、よい思い方をして、ことばにしたとき、よい詩が生まれる。〜もののよさを引き出すのが詩です。以下略」

とても参考になります。現在こんな姿勢で詩を書いている現代詩人はほとんどいないでしょう。一般の人が詩から離れてしまったのもここら辺に一つの原因がありそうです。高田敏子さんが朝日新聞に詩を連載されていたとき、いつも目が洗われるような思いで愛読していましたが、こういう姿勢で書いておられたのでしょうね。

この『埋み火』では高田敏子さん以外は益田に関係のある有名人です。いい本を出されました。長い間文章を書いているとたくさん溜まります。正式な本にして出版すれば金がかかります。記録として本にして残すことに徹して最小限の費用で実現する。一つの方法ですね。ぼく自身も以前からその点で考えることがあります。参考になりました。

本に定価は書いてありませんが、欲しい人は益田市東町17-15へ問い合わせてみてください。

H24 しまね文芸フェスタ 三枝昴之先生の講演

2012年9月23日、益田市のグラントワで、第10回島根県民文化祭「しまね文芸フェスタ2012」が開催されました。今年は短歌部門が担当、津和野の水津正夫さんが会長で前日の夜には島田屋で講師の三枝先生の歓迎会が開かれました。

グラントワはとても広くゆったりとしています。廊下を歩いてもその広さに圧倒されますし、部屋数の多さにもびっくりします。(大田とクラベルナ!)

中庭です。真ん中に水が張ってあります。回り廊下を歩きながら眺めることができます。中央の高い建物は中ホール。大ホールは左手にありますが、見えません。みな石見の赤瓦が使われています。石見特産のものを誇りを持って堂々と生かす。いいですね。

横道にそれました。前夜祭の写真です。当選されたばかりの山本浩章市長や益田の文化協会会長・中野傅さん市会議員も出席。月森遊子俳句協会会長、竹治ちかし川柳協会会長、洲浜詩人連合理事長、高田賴昌「石見詩人」編集者、川辺真島根県詩人連合事務局長も。散文の池野会長などが別の講師の接待で欠席でした。初めてのことで、ちょっと寂しい会になりました。短歌の加藤さんが講師紹介をされましたが、講師の三枝先生からの挨拶がなかったのも初めてのことでちょっと残念でした。(月森、竹治、洲浜3人が大田人とは、ドウシタコトデショウ)

若いさわやかな山本市長や講師の三枝先生のところへ挨拶に行き、立ち話をしました。先生は早稲田の政経学部卒ですが、教育学部のぼくと「2年間在籍がダブっているかもしれませんね」と言われました。何も知らずに大学のキャッンパスですれ違ったことがあったかもしれません。短歌での先生の経歴や受賞歴は数知れません。日本短歌会の重鎮です。昨年は紫綬褒章を受章しておられます。

さて、23日の三枝先生の講演はとてもいい講演で学ぶことがありました。演題は「短歌、1300年の魅力」深い内容の話しでしたが、筋の建て方も明確で、資料も用意され、とても分かりやすかった。短歌で例をあげて具体的に講演されたのですが、5つに単純化してまとめておきます。

1.短歌は日々の暮らしを詠う日記代わりの詩型である。

2.短歌は独特の力を持った表現である。

3.短歌発生の諸説の一つ、折口信夫の「まれ人信仰」

4.短歌は日本人の感受性の基本を作ってきた。

5.短歌は人生を反映した長距離ランナーの詩型である。

どの講演でもそのすばらしさは、具体例とその説明や講演者独自の感性による解説にありますが、ここでそんなことを書く暇はありません。5本の骨だけです。美味しい肉は想像してください。

ぼくは講演を、詩に置き換えて聞いていました。1や2、5については正に詩にも当てはまります。長い間書いていけば、だらだら日常を書いた日記より、遙かにエッセンスが凝縮した日記になります。日記は私的なもので公表できませんが、詩や短歌なら本にしたり、雑誌に発表し第三者の厳しい目にさらして批評され、さらに高みを目指す動機にもなり、客観性や普遍性を持った文学にもなります。

2についても同様です。短い言葉は長い説明より遙かに力(人の心を動かし感動させる)を持っています。詩の朗読などは短歌よりも力があるでしょう。

講演の中で河野裕子さんの短歌を紹介されました。他界されたそうですが、永田和宏さんが夫で三枝さんの友人だそうです。永田さんの県民会館での講演も素敵でした。

午後は詩の分科会へ出ないといけないのですが、浜田の「石見演劇フェスタ」で上演する『石見銀山旅日記』の初めてのリハと打ち合わせがあり、やむなく浜田へ行きました。

浜田へ行こうと急いでいると、グラントワの廊下で三枝先生にばったり会いました。「とてもいい講演でした。ありがとうございました。講演の中で話された永田先生には数年前に松江で素晴らしい講演を聴かせていただきました」とsuhama said.

益田の駅前が大きく変わっていてびっくりしました。昭和40年から6年間住んでいたのですが、いまは北欧のどこかの街へ行ったかのようです。タクシーの運転手に「街がかわりましたね」と言うと、「駅からグラントワまではね。道は広くなって立派になったけど、人はほとんど歩いちゃおりません」とthe taxi driver said to me.

H24 9/23 益田でしまね文芸フェスタ

2012年のしまね文芸フェスタは益田市のグラントワで開催されます。午前中は「短歌、1300年の魅力」というタイトルで三枝雄昴之先生の講演があります。午後は短歌、俳句、川柳、詩、散文の分科会です。詩部門では自作詩の朗読と合評会を計画しています。

 

誰でも自由に参加できます。島根にいて三枝先生の講演を聴く機会など滅多にありません。きっと得るものがたくさんあることでしょう。楽しみです。22日には益田の島田屋で三枝先生の歓迎会があり出席します。

 

 

 

 

H24 三刀屋高演劇部 全国大会(富山)で上演

2012年度の高校演劇全国大会は富山市で開催されます。中国地区からは三刀屋高校が代表に選ばれて出演します。顧問の亀尾先生の創作で「ヤマタノオロチ外伝」。神話をもとにした異色作です。昨年の島根県大会で講師として審査に関わりましたが、劇作りのうまさは圧倒的でした。観客を巻き込んでいく力とでもいうのでしょう。富山大会でもきっと観客を惹きつけることでしょう。

全国高校演劇協議会(事務局長・吉田美彦 大阪府立北摂つばさ高校内)が発行している新聞・「演劇創造」124号から紹介させていただきました。

高校演劇劇作研究会(事務局長・柳本博、獨協高校内)が発行している季刊「高校演劇」も富山大会上演作品特集号を発行しています。各校の脚本を読むことができます。定期購読すれば一年分で6千円、大会 特集号だけ購入する場合は1500円です。毎年大会会場で販売しています。高校演劇に関わる人はこれを読まないと全国の様子が分かりません。

そこでPRもかねてパチリ!310ページもあります。劇作研究会は元顧問や現役の先生が中心です。モトコモはほとんど脚本を書いて載せることはありませんが、15000円の年会費を払って発行を支えています。編集委員や事務局の人たちは錚錚たる脚本家たちばかりですが、まったくボランティアでこの本の発行に献身しつづけておられます。高校演劇への愛着が為せる奉仕でしょう。継続的な雑誌の編集は時間や労力などとても大変なことです。よくやられるなぁ、と遠くにいて何もしないぼくはだだ敬服し届かない感謝の言葉をいつもつぶやくのみです。せめてPRだけでも、とコウカのない文字を打っています。

その本には上演校の地区大会での写真も掲載されています。三刀屋高校の劇が載っているページをちょっと紹介させていただきます。
各校とも独創的でおもしろそうですね。

劇作研究会の総会と懇親会も毎年開催されますし、三刀屋が上演するのではるばる富山まで行くつもりでいましたが、盆前後は俗人には世俗のつきあいもあり遠いしトマルトコモナイシ残念ながらあきらめました。現役の時のように6月頃から参加者を募り宿泊の申し込みも一任して車で一緒に行く、などという大昔の話しは遠くなりました。シカタナイカ、トシダシヒトリダシトオイイシ。はるか石見の地から健闘を祈ることにしましょう。そして例年8月末ごろNHKで放映される東京公演の4校の劇を寝転んで見ることにしましょう。

8/7 関西外語大で三刀屋高「ヤマタノオロチ」公演

2012年8月7日(火)13時30分から関西外国語大学谷本記念講堂(大阪府枚方市中宮東之町16-1)で三刀屋高校演劇部が「ヤマタノオロチ外伝」を上演します。富山で高校演劇全国大会が10,11,12日行われ、それに参加する途中、大阪で公演することになりました。考古学者・佐古和枝先生の講演や落語家・桂 九雀さんの「異伝 ヤマタノオロチ」の朗読もあります。

大阪に住んでいるみなさーん!ぜひこの劇を観に行ってください。島根から大阪に出て働いているみなさーん。あの素朴な島根の高校生がこんな本格的な劇を公演するとは!!!と島根への誇りが積乱雲のようにむくむくと湧き上がってきますよ。ぜひ友達と、家族と、恋人と、いない人は一人で出かけてくださーい。きと満足されるはずです。新鮮な感動があるはずです。


顧問の亀尾先生の手紙によると、「平日の昼間、高校生による有料公演・・・。お客さんが来ない条件はそろいますが、自分たちの主催でこんなイベントをやる恐ろしさと楽しさが同居しています。こんな無茶な演劇部があると紹介していただければ幸せです」とあります。確かに無茶!No,No。大冒険、大挑戦です。雲南大阪支部も後援していますから大丈夫!このブログを見て行く人たちもたくさん!!イルかイナイカ!イナイトオモッテイルナ!

(ところがどっこい、亀尾佳宏、三刀屋高校演劇部、ヤマタノオロチ、高校演劇、神話などで検索に引っかかりグラフがキューンと高くなるのはいつものこと。亀尾さんの創作「三月記」のブログは当初から常に読む人がいる。おもしろい現象。)

希望者は上記のところへ申し込んでください。もちろん当日不意に来られても大歓迎!!山陰中央新報は次のように報道しています。ちょっと紹介させていただきます。

ありがとうございました。きちんと大切なことを押さえて書いてあるので新聞は便利がいいですね。大いに新聞を読みましょう。

三刀屋高校演劇部のみなさーん!カメオさーん!いつもの堂々とした演技と素晴らしい舞台で浪速人の度肝を抜き、2000人の大講堂(大きい!)の屋根が吹っ飛ぶような感動と拍手を楽しみにしています。

富山の全国大会は11日の13時からが三刀屋高校の上演。がんばってください。

 

H24 写真集「石見の昭和」発刊

この8月に「石見の昭和」が発売されます。津和野から大田まで、石見の風物など約800枚の写真を収録し解説をつけた大判の写真集です。その写真を大きく載せたチラシの新聞折り込みが4回あり、書店へ行くと何枚も窓や壁に貼りつけてPR中。本をこのように大々的に宣伝するのは珍しいことです。

発行は新潟県長岡市にある株式会社いき出版。発売元は島根県教科図書販売株式会社。A4版、上製本、280パージ(カラー写真8ページ)、9990円。市内では昭和堂やジャスト、江藤商会、仁万のたぐち文弘堂などで予約中。ある書店で聞くと好評で予約も多いとか。確かに記憶からも消えていく懐かしい昭和の風景がふんだんに出てきますので、手元に置いておきたい気がします。

5月のある日、ある大先輩から手紙がきて、「石見の昭和」という本をだすのでその中の大田の写真約70枚の解説を書いてくれとのこと。忙しいとか歴史学徒ではないとか大田生まれではないとか写した写真の意図が分からないとかいろいろ電話でも抵抗したのですが、説得に負け書く羽目になりました。いろいろ資料を集め、人に聞き現地へ行って写真に撮り、どうにかそれぞれの写真へ約100字前後の解説を書きました。第一校正、第二校正が6月末に終わりました。次の写真は第二校正のゲラです。

さて、次の写真は大田市内のどこでしょうか。現在は車の往来が多い大田市内の主要道路です。昭和40年頃にはあった風景ですが、今はまったくその面影も見えません。変わらないのは泰然自若とした山だけです。

ぼくはいくら考えても分かりませんでしたが、長久のどこかではないかと思いました。ある人に聞いたら、稲用だ、ある人は久利の行恒付近だ、と喧々諤々。あるときマイサンがいいました。「○○○じゃないかな。山の形からそうじゃないかと思う」。でも手前の川や木橋などから考えると自信が揺らいできます。決定的な手がかりは見つからないのです。

ある日管理人修平さんに見てもらうと、稲用かな、という返事。ところが2日後メールがきました。決定的な資料でした。

さてそれはどこか?写真をどうぞ。市民会館のそばにある宮崎橋の南詰め付近でパチリ。通称は産業道路です。
  昭和も遠くなりにけり、です。

活躍した郷土の人々『大田市人物伝』紹介

2009年9月(11月に改訂版)『大田市人物伝』が発行されました。発行所は聴聲会(大田町大田イ44-2)。37人の大田市出身の有名な人物を取り上げてその生涯や活躍の様子を分かりやすくまとめています。よく調べかたよることなく、分かりやすい簡潔な文章で書かれています。その人物の全体像をつかむためには格好の本です。小学生から大人まで幅広い層を対象にしていますが、大人が読んでもとても参考になります。読み物、朗読、集団討議にも最適ですが、人物百科事典として利用するのにも便利です。

選ばれた人物は37人ですがみな立派な業績を残している人たちです。大田の人たちでも名前を知らない人がかなりあると思いますが、その道の第一線を歩いた人たちや、独自の個性的な生き方をした人、地域に大きな貢献をした人たちだということがわかります。目次を紹介してみましょう。

 

 人物を取りあげる際に市内で片寄らないように人選されています。また物故者に限定されていますから作詞家の岩谷時子さんやヴァレーの石田種夫さんなどは日本のトップクラスの人ですが載っていません。たくさんの候補をリストアップされ、厳選して37人にしぼり込まれたそうです。続編が欲しいところです。

文学の分野では詩人の木島俊太郎氏(山陰中央新報連載中の「人物しまね文学館」でも取り上げた)が載っています。偏りがなくその業績を客観的に紹介されていて感心しました。テレビや歌謡の世界で活躍された林 春生氏(昭和12~平成7年)は大田市大屋町の出身だとは知りませんでした。作曲は400以上、その中にはたくさんのヒット曲があります。「思い出のカフェテラス」(淺田美代子)、「雨の御堂筋」(欧陽菲菲)、「白いギター」(チェリッシ)、あげたらきりがありません。「サザエサン」の主題歌も林さんです。廃校になった大屋小学校や久利町の久屋小学校の校歌も作詩しておられます。

編集委員は白石政登、松本宗一郎、郷原実朗、児島光明、山内俊雄、和田秀夫のみなさん。長い間小、中学校で教育に関わってこられたベテランの教育者です。

編集委員長の山内俊雄先生は「あとがき」で次のように期待を書いておられます。
「~ この人物伝が、幅広い年齢層で活用され、なおその上に、子どもとと大人の共通の話題、学習の場になることを願い、なかんずく若者の将来への生き方に役立ちことを期待します。~」

ぜひ活用してほしいものです。市内の人に限らず日本中のどこに住んでいる人たちにも大きなものを心に残してくれる本です。

 

(購入したのは発行直後でしたが、紹介が遅くなりました。この中の人物についていつか紹介してみたいものです。郷土を知ってもらういい教材になります。「人の生き方」に触れるこは最高の教育です)

 

H23 島根県民文化祭文芸作品入賞者表彰式

2010年12月11日、平成23年度の島根県民文化祭文芸作品入賞者の表彰式が松江で行われました。表彰式のあとには例年のように各部門で入賞者との懇談会が開かれました。

 各部門の応募作品数は次の通りです。短歌・一般の部413首 ジュニアの部96首  俳句・一般部611句 ジュニアの部89句  川柳・一般部521句 ジュニアの部582句  詩・一般部55編 ジュニアの部77編 散文・17編 ジュニアの部の応募作品はなし。

今年の大きな傾向はジュニア-の部(中学生まで)で多くの応募者があったことです。これは小・中学校の先生などで熱心な方が生徒に書かせた作品を応募されたからだと考えられます。詩では77編も作品が集まり、びっくりしました。これも熱心な先生の指導の賜です。文芸でも高齢化が進み、若い人たちを育てて行く必要性を文芸フェスタの運営委員会でも何度も話し会いました。その結果ジュニア-の部を設けたわけです。ますます応募者が増えることを期待しています。

入賞者の作品は毎年本になっています。「島根文芸」44号です。図書館などにはあると思います。島根県の国際文化課に問い合わせると購入もできます。

詩の分科会では入賞者に作品を朗読していただき参加者で感想等を述べあい貴重な2時間を過ごしました。島根県詩人連合で出席したのは、撰者の田村のり子さん、閤田真太郎さん、事務局長の川辺真さん、理事長の洲浜昌三の3人でした。

今年の入賞者の大きな特徴は高校生たちが上位に入ったということです。今までもそういうことはありましたが、銀賞や銅賞にたまーに1名か2名に過ぎませんでした。金賞の『僕』を書いた竹下奈緒子さんは出雲商業高校生、銀賞『ハロウイン』の中島千尋さんは松江高専の学生、同じく銀賞『純』の青木茂美さんは出雲商業高校、銅賞『おばあさん』の勝部椋子さんも出雲商業高校。

高齢者の作品はどうしても過去の回想になったり、記録だったり、若々しい感性は欠けています。しかし上記の若い人たちの作品には脆いところはあっても新鮮な感性が息づいています。確かに魅力的です。

小林さんの『としをとると』、持田俶子さんの『まあちゃんの自転車』は若い人にはかけない分厚い時間の堆積から滲み出てくるような哀感がありました。本来なら優劣をつけることはできません。

みなさん、おつかれさまでした。来年もまた参加してください。