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1940年、島根県邑智郡邑南町下亀谷生まれ・現在、大田市久利町行恒397在住・早稲田大学教育学部英語英文科卒・邇摩高校、川本高校、大田高校で演劇部を担当、ほぼ毎年創作脚本を執筆。県大会20回、中国大会10回出場(創作脚本賞3度受賞)主な作品「廃校式まで」「それぞれの夏」「母のおくりもの」「星空の卒業式」「僕たちの戦争」「峠の食堂」「また夏がきて」「琴の鳴る浜」「石見銀山旅日記」「吉川経家最後の手紙」「父の宝もの」など。 著作:「洲浜昌三脚本集」(門土社)、「劇作百花」(2,3巻門土社) 詩集「キャンパスの木陰へ」「ひばりよ大地で休め」など。 「邇摩高校60年誌」「川本高校70年誌」「人物しまね文学館」など共著 所属・役職など: 「石見詩人」同人、「島根文藝」会員、大田市演劇サークル劇研「空」代表、島根県文芸協会理事、大田市体育・公園・文化事業団理事、 全国高校演劇協議会顧問、日本劇作家協会会員、季刊「高校演劇」同人、日本詩人クラブ会員、中四国詩人会理事、島根県詩人連合理事長、大田市文化協会理事

R4,「しまね文芸フェスタ2022」県民会館で開催(9/23)

第20回島根県民文化祭の文芸部門「しまね文芸フェスタ」は23日(秋分の日)県民会館で予定通り開催されます。一昨年はコロナ禍で中止、昨年は無観客で動画・「島根の風物~詩と映像~」を撮影し「しまねっこCH」で発信しました。

詩部門を担当して、2年間コロナに翻弄されましたが、今年は散文部門が担当です。「山陰の古事記の謎解き旅」と題して多羅尾整治氏が講演されます。午後は分科会です。詩部門は「自作時朗読と詩和会」。朗読する詩を15部持参してください。
散文部門では、会長、額さんの「小説・随筆をどう書くか」という問題提起の後、創作について話し合いです。

(ブログ:しまね文芸フェスタ  詩の散歩道  お知らせ 20220916すはま)

R4, 「何をどのように書くか(小説)」

島根県高等学校文化連盟の文学部門では、長年「小説・随筆コンクール」を実施し、入賞作品を『作品集」として刊行しています。16年間選考に関わってきましたが、短期間に多い時は80編余、普通でも30~40編の作品が集まります。やっと選評も書き終わって担当校の先生へ送りました。俳句、短歌、川柳、詩もすばらしい作品がありますが、新聞などで一度も紹介されたことがないので、関係者しか知らないでしょう。4年分の表紙を紹介します。この中からきっと優れた文筆家が出てくるでしょう。
さて、「小説で何をどのように書くか」今年の島根文芸フェスタ散文部門のテーマでもありますが、平成元年に同じテーマで高文連から依頼されて高校で講演したことがあります。その時の資料の一部を何かの参考になればと思い、紹介します。興味のある人はPDFを開いてみてください。
R1, 講演資料 何をどのように書くか(小説) 20200730

詩でも、小説でも脚本でも短歌でも(なんでもじゃ!)「書く」ということは、「何をどのように書くか」という問に対する答えを求め模索していく長い旅でもあります。参考になればと思い紹介しました。

8,9月は、今年は特に多忙。やっと上記の選考、選評書き、「山陰文藝」の小説26枚、朗読劇「あの夏 校舎は原爆病院だった」、朗読会のテキスト作成、アンソロジーのエッセイ・・・やっとこさ!完了!。これから10月1日の第11回「朗読を楽しむ」の舞台進行プラン、パンフレット作成準備です。
(ブログ:劇研「空」 詩の散歩道 高文連文学部門 本の紹介 20220912洲浜)

R4,英詩「The position of the universe」(「石見詩人」148号より)

短詩を英訳していますが、発表したことはありませんでした。今回始めて「石見詩人」148号に掲載してもらいました。

The position of the universe
by』Shozo Suhama       

While I was busily crawling around
Forgetting the seasons,
You seem to have been moving silently
Without showing yourself up.

Over the fresh snows of the mountain ranges,
Over the young leaves of the fresh greenery,
Over the pebble of the bright riverbed,
Over the cosmos swaying in the wind.

One morning as I stepped out the front door,
You are standing there in a beautiful appearance.

A deep pure white  peony.

Nature always remains in silence,
telling my position of the universe.

宇宙の位置                   洲 浜 昌 三

季節を忘れて
這いずり回っている間に
あなたは 静かに
移動していたらしい

連山の新雪の上を
新緑の若葉の上を
明るい河原の小石の上を
風にゆれる秋桜の上を

ある朝 玄関を出ると
美しい姿で そこに立っている

純白の一輪の牡丹

自然は いつも黙って
宇宙の中の ぼくの位置を
教えてくれる

最近、山陰中央新報が文化欄で郷土出版トピックと題して同人誌などを紹介し関係者には好評です。他分野のことはこのような記事がないと全くわかりません。とても貴重だと思っています。
(ブログ:詩の散歩道 詩作品紹介  20220811洲浜)

 

R4,井上嘉明詩集「背嚢」新聞書評紹介

鳥取の詩人、井上嘉明さんが昨年11月に詩集を「編集工房ノア」から刊行されました。2000年に土曜美術社出版販売から発行された現代詩文庫「井上嘉明詩集」を含めると第12詩集になります。書評を依頼され山陰中央新報に掲載されましたので、紹介します。
1982年に発行された詩集「汽水域」から書棚にありますが、一貫して言葉に対峙する姿勢が変わらないのは、詩表現への信頼があるからでしょう。「詩ノート」が何冊もあり、古いノートを何冊も広げて、言葉をほじくっている ー とあとがきにあります。「最新のノートは記憶も新しいし、よい〈獲物〉に当たりそうなものだが、そうともいえない。言葉は新しくて、古いのだ。古くて投げていたものが、急に蘇ることもある」と続きます。高齢になっても衰えない詩魂に拍手を贈りたいと思います。
(ブログ:詩の散歩道 詩集紹介 地域情報 20220730洲浜)

R4,short poem 「Treasure」短詩「たからもの」(石見詩人138号)

Treasure                              by   Shozo    Suhama

“Hands off!”

The moment I reached my hand to the basket,
She made a mad dash and gave it a tight hug.
With searching eyes she glared at me.

Even when playing outside with her friends,
Even when going shopping with us by car,
She carried with care that wisteria vine-basket.

If someone knows what I have, it turns out no value –
I feel I used to have that kind of treasure.

At night, when Aya-chan is sleeping soundly,
Secretly I opened the basket.

Inside were five pebbles,
and three maple leaves.
「石見詩人」138号に英語に翻訳した短詩を寄稿しました。英詩が載るなんて、創刊以の珍事で、読んだ人はびっくりされたことでしょう。いろいろな詩を書いてきましたが、子供などを素材にした短詩も書いてきました。それを東京にいるgrandsonの一暁クンと一緒に英訳していますが、その中の一編です。写真は詩と直接関係ありませんが、eldest sonが撮したものです。いい写真です。もとの日本語の詩も書いておきます。

たからもの                  洲浜 昌三

「だめ!」

バスケットへ手を伸ばした途端
猛然と走って来て抱きしめ
鋭い目で僕をにらみつける

みんなで外で遊ぶときも
車で町へ買物に行くときも
大切に持ち運ぶ藤つるのバスケット

見られたら価値がなくなるもの
そんな宝物が僕にもあった気がする

夜 あやちゃんが
ぐっすり眠っているすきに
こっそりバスケットを開けてみると

小石が五つ
もみじの葉が三枚

(ブログ:誌の散歩道 詩作品紹介 短詩 20220726洲浜)

R3,「広島県の高校演劇60年のあゆみ」発行

この本は、令和3年(2021)に発行されました。それ依然には「40年のあゆみ」が刊行されています。多数の顧問の先生方が高校演劇との取り組みの様子を書いておられ、熱い思いが伝わってきます。それは未来へのエネルギーにもなります。

41回大会の時に行った写真です。顧問の先生と講師の堀江幸雄先生、洲浜が安佐区民センター道具搬入口で写したものです。原稿依頼がありましたので、50、51,54回(2014)大会の原稿を紹介します。必要なときがあれば読んでみてください。
R2,「広島の高校演劇60周年」50回・51回講師 洲浜 昌三
R2,54回講師 洲浜 昌三
岡山県もDVDで高校演劇の歴史を発行しています。先輩たちの歩みが記録されると共に、そこから伝承されていくものが、きっとあることと思います。
(ブログ:詩の散歩道 演劇だより高校演劇 20220715洲浜)

R4,第68回高校演劇全国大会、三刀屋高出場

中国地区大会で最優秀賞を受賞した三刀屋高校は7月31日から東京の「なかのZERO」で開催される全校大会に出場します。作品は亀尾佳宏作『永井隆物語』。事務局からフライヤーが届き、参加するかどうか問い合わせがきましたので、紹介します。
R4,フライヤー とうきょう総文フライヤー (2) (1)三刀屋高 

予約制なのでもう間に合わないと思いますが、コロナ感染者がまた急増しています。どうなることでしょう。三刀屋高演劇部の発表は8月2日9時40からです。三刀屋高校の皆さんの健闘を祈っています。
(ブログ:詩の散歩道 高校演劇 お知らせ 20220712洲浜)

R4,長尾英明著『石見銀山物語』より井戸平左衛門のこと

6月22日の「朗読で楽しむ郷土の作品」で、井戸平左衛門の小説二編を輪読しました。時間がなくて表題の『石見銀山物語』を取り上げられませんでしたので紹介します。
この本は長年ガイドをされている大田市の長尾英明さんが2月に出版されました。Ⅰ話から158話まであり、石見銀山ガイドの会のブログで掲載された記事を再編集して刊行されました。とても読みやすく、石見銀山の歴史や当時の状況がよく分かります。学問的な本ではありませんが、最新の資料や調査に基づいて書かれているのも特徴です。不確実なことや、伝説、作り話などは区別して説明されているのも特徴で信頼が置けます。
この本によると、平左衛門は享保16年11月に大森へ着任し,20日ばかりいて27日に江戸へ帰り、翌年の7月末まで江戸に居ました。息子の病気や死と関係があるかもしれないと推測しておられます。8月に大森へ来てから精力的に領内を巡検しています。笠岡や上下町、四国の伊予まで実に活動的です。薩摩の僧、泰永のことや、伊達金四郎を遣わして、さつま芋を鹿児島から取り寄せたという記録はなく、作り話だろうと推測しておられます。とても参考になります。
[閑話]・・・長尾さんは昭和41年大田高卒ですが、不思議なめぐり会わせで、同期の塩田さん、竹治さん、中島さん、佐々木さん、中村さん、西村さん、石田さんなどよく知っています。みな音楽や文学に精通した文化人であることも共通しています。不思議なことですね。時代的に共通するものがあるのでしょうか。
(ブログ:詩の散歩道 本の紹介 地域情報 20220625洲浜)

R4,鳥取の詩誌『菱』213号紹介(日本海新聞)

『菱』は1968年(昭和43)1月創刊された鳥取の伝統のある同人詩誌です。この3月に213号を発行。編集者の手皮小四郎さんから書評を頼まれ、日本海新聞に掲載されました。
同じものですがPDFの書評も紹介します。
R4,5,詩誌評 「菱」213号を読む.」 日本海新聞へ、洲浜昌三jtd

手皮さんは福波小学校の児童が鳥取の本郷小学校で創作劇「吉川経家最後の手紙」(洲浜作)を公演したときに観劇され、日本海新聞へ観劇記を寄稿。その新聞を送って頂きました。日本海新聞を読むのは二度目です。「日本海詩壇」というコラムがあり、県内から詩を募集し月に一回掲載しています。詩を掲載する新聞は少なくなりましたが、同紙の伝統文化に対する見識にyellを送りたくなりました。高齢化の荒波は同人誌にも押し寄せ、若い人の参加がほとんどなく、どの詩誌も困難な時代を迎えていますが、創意工夫して伝統を生かし行きたいものです。
(ブログ:詩の散歩道 中四国詩人会 詩誌紹介 20220624洲浜)