「島根文芸フェスタなど」カテゴリーアーカイブ

H28 「しまね文芸フェスタ2016」終了(9/18江津)

第14回県民文化祭の一環行事、文芸フェスタが江津で開催されました。前日の夜は講師の難波利三さん歓迎会、翌日は講演と分科会。演題は「石見文学の可能性ー『石見小説集』について」難波さんは大田市湯里の生まれ、邇摩高校商業科第1期生。大阪で5年半の闘病中に小説を書き、『地虫』は直木賞に落ちましたが、撰者の座長だった大佛次郎さんから、「貴君の作品にはフランスのシャルル フィリップに似たところがあり、日本にはそういう作家はいない」という手紙をもらい励みになったそうです。
h28-%e9%9b%a3%e6%b3%a2%e5%88%a9%e4%b8%89-%e6%96%87%e8%8a%b8%e3%83%95%e3%82%a7%e3%82%b9%e3%82%bf%e6%b1%9f%e6%b4%a5また、藤岡大拙先生が島根での講演で、「大坂に難波という新人作家がいてそのうち直木賞をとるだろう」と言われたことをお母さんから聞いて励みになり、「島根のことを書こう」と思ったそうです。『てんのじ村』で直木賞を受賞されましたが、優れた批評家の励ましはガソリンになるのですね。石見を素材にした小説の提言もありましたが、ここでは省略します。

講演が終わって講師控室へ行き、「大田の洲浜です」と言うと、「ああ、文化協会の会報『きれんげ』にいろいろな詩を書いておられますね」と言われました。隣にいた短歌の人が、「大田の『きれんげ』はレベルが高いですね。いつも勉強になり参考にしています」。思わぬ展開と二人の言葉に驚きましたが、とても嬉しい言葉でした。まさか難波さんが読んでおられるとは思ってもいませんでした。

「第7回朗読を楽しむ」のパンフレットを渡し、大田出身の別所真紀子さんが読売文学賞を受賞されたこと、朗読で文学作品を紹介していることなどを話しました。「いいことをしておられますね。文字だけでは読んでもらえない時代ですからね」。「難波さんの石見の作品もそのうち朗読したと思っています。明治の石見の雰囲気がとてもよく出ていると思いました」というと、「そうですか。どうぞ自由に使ってください」という温かい言葉が返ってきました。

%e6%b1%9f%e6%b4%a5%e7%b7%8f%e5%90%88%e6%96%87%e5%8c%96%e3%82%bb%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%bc-1

(写真は江津市総合市民センター。おもしろいデザインですね。)

午後の詩の分科会では自作詩の朗読と合評をしました。9名(川辺、有原、洲浜、高田頼、高田節、くりす、閤田、植木、松浦)でしたが、松浦さんは出版された詩集『てっちゃんの自作歌唱集CD&松浦てつお青春詩詞』を皆さんに贈呈されました。コンサートもあちこちで開いておられます。

来年度の開催地は安来市が候補にあがっていましたが、まだ未決定です。(blog 詩の散歩道 SS)

H28 『イルティッシュ号の来た日』の難波利三氏 江津へ(9/18)

「しまね文芸フェスタ2016」は9月18日(日)江津市総合市民センターで開催されます。講演は大田市温泉津町出身の直木賞受賞作家、難波利三さんです。難波さんには『石見小説集』があり、その中には「天を突く喇叭」「イルティッシュ号の来た日」「夏の谺」など、石見を舞台にした感動的な小説が載っています。イルティッシュ号は「日露戦争の日本海海戦中、江津市の沖で難破。地元の人たちは多くのロシア兵を救助。ここには人類愛の原点があります。今でも和木ではロシアとの交流があります。

DSC07388
講演は10時30分から、午後は散文、詩、俳句、短歌、川柳各部門別の交流会です。8月22日に現地実行委員会が開かれました。市長、教育長、文化協会会長も開会式に列席予定とのこと。大勢の人に来てほしいとPRにも力を入れています。どうぞ、誘い合っておいでください。前日夜は前夜祭(歓迎会)が和光ホテルで開かれます。(ブログ「詩の散歩道」「島根文芸フェスタ」すはま)

H28 「わたしのことばさがし」谷川俊太郎さんと対談(石見詩人135号)

「石見詩人」135号が発行されたのは昨年12月末でした。昨年9月、「しまね文芸フェスタ2015」で谷川俊太郎さんと対談し、劇研「空」も詩を10数編朗読しました。その記録をエッセイとして書きました。新聞にも紹介されましたので、あちこちから編集者の高田賴昌さんのところへ問い合わせや注文があったそうです。滅多にないことです。

目次 135号 (2)目次 135号 (1)

この号は、ぼくも20部近く購入して関係者へ贈りました。しかし字数が限られていましたので、簡単にしか書けませんでした。対談の記録が欲しいという人がありますので、文章を追加したり写真を入れたりして10ページにまとめてみました。これは劇研「空」の会報18号の一部にもなります。(おーい、空よ!ゲンコウヲダシテクナンショ)いつか出来上がったら、欲しい人に送ります。

では、「わたしのことばさがし」詩人 谷川俊さんとの対談を紹介します。10ページありますので、好きなところを読んでください。
H27 対談「わたしのことばさがし」 「谷川俊太郎&洲浜昌三(島根文芸フェスタ2015)

H28 文芸フェスタは江津市、講師は難波利三氏予定

3月15日、松江で平成27年度県民文化祭文芸部門第2回運営委員会と島根県文芸協会第2回理事会が開かれ、行事報告、決算、予算、行事計画など審議し了承しました。

28年度は散文部門が担当で会長は池野誠さん。「しまね文芸フェスタ2016」は9月18日(日)江津市総合市民センターで開催予定です。講師は大田市出身の直木賞受賞作家、難波利三さん。演題は「石見文学の可能性ー『石見小説集』について」。午後は分科会、前日夜は歓迎会の予定です。

文芸作品の募集は7月1日~9月5日。小説、詩、短歌、俳句、川柳の作品を募集します。表彰式は12月11日、入選作品は『島根文芸49号』に掲載されます。

以上報告です。予定の中に入れておいてください。

H27 島根県民文化祭文芸部門表彰式・分科会

2015年12月13日、松江で『島根文芸』入賞者の表彰式が行われました。出席者は入賞者以外に関係者など約80人。最初に島根文芸協会会長(洲浜昌三)が挨拶、県環境生活部部長から俳句、短歌、川柳、詩、散文の入賞者に賞状が手渡されました。作品は「島根文芸」に掲載されています。今年の表紙は国宝に指定された松江城です。

島根文芸 表紙

この本は県の環境生活部国際文化課でも販売しています。千円です。県のホームページにも掲載されています。選評なども載っていてとても参考になります。是非お読みください。図書館には置いてあります。

H27 入賞者名

H27 詩部門

詩部門の表彰式です。表彰式が終わって、各部門毎に分科会が開かれました。詩部門では選者だった閤田さん、山城さんも出席され、事務局長の川辺、理事の有原さん、洲浜が出席しました。

川辺さんの司会で入選者に入賞作品を朗読していただき、感想を述べ合いました。他の部門へ出席された方もあるので、参加者は佐田さん、舛田さん、小村さん、持田さん、柳楽さんなど12名でした。

応募作品は一般が21編、ジュニア-の部が12編でした。普通の募集の仕方だけだと年々数が減っていきます。PRや個人的な接触、指導など工夫をしないと先細りになります。高校生や中学生など、大いに応募してほしいものです。

H27 文芸フェスタで谷川俊太郎さん新作披露

今年度の「しまね文芸フェスタ2015」は9月22日無事に終了しました。劇研空のブログ、stage boxでも「空」の活動報告として紹介していますが、ここではちょっと違った角度から紹介します。前夜祭「谷川俊太郎さん歓迎会」は各分野の代表と県の担当者など20数名でしたが、楽しい会でした。谷川さんの隣に座って、いろいろ話しました。どんな質問にも旧友かのように自由に答えていただき、次の日の対談もその延長で行うことができたのは大きな収穫でした。格式張らない自由な対応がとても豊に思えました。

フェスタ客席谷川さんも

会場の県民会館中ホールはほぼ満員でした。文芸フェスタでは滅多にないことです。このところずっと文芸関係者だけでしかも女性中心で高齢化していたのですが、初めて参加した人、若い人、男性などとても多彩な人たちがこられました。そのこともあったのでしょう、対談中の反応がとても伸び伸びとして笑いなども起こり、いい雰囲気でした。朗読した空のメンバーも同じことをいっていました。上の写真は開会式ですが、谷川さんは、「様子を見てみたい」といわれて一階席の最後部に立って見ておられました。そういうところにも谷川さんの心配りが感じられました。

洲浜・谷川対談
劇研「空」のメンバー6人による谷川さんの詩の朗読(初期の詩・ことばあそびの詩・最近の詩と3部に分けて朗読)を挟んで対談しました。対談の最後に、「ここでサプライズを披露します」といって谷川さんに新作を朗読していただきました。大きな拍手がありました。

事前に、もし可能なら「島根」か「松江」という題で詩をお願いできませんか、とお願いしておいたのです。谷川さんは「しまねまつえ」を行頭にいれたアクロスティック形式の詩を朗読されました。題は「詩」です。この対談のテーマをしっかり見据えて書かれたことがよく分かります。紹介します。

谷川さんの新作

午後は詩の分科会でした。今までになく多くの人が参加してくださいました。事前に朗読詩を提出していた人も多く朗読されて、谷川さんも感想を述べ批評されました。とても貴重な時間でした。なーるほど、と思うことが度々ありました。

谷川さんの了解も得て、石見銀山テレビが撮影しました。11月21日に放映します。大田市にいないと見られません。見たい人は大田へきてください。

後日、谷川さんへ礼状をだしました。谷川さんから返事がきました。その中に次のような一節がありました。「島根の日々は私にとっても楽しく充実したものでした。詩が全体的に力を失ってきている感じなので、文芸フェスタがずっと元気でいてほしいと願っています」

その後、大田から松江まで聞きに行ったという人たちに何人も会いました。「とてもたのしかった」「分かり安くてとても勉強になりました」などという言葉をいただきました。

谷川さん、お忙しいなかをはるばる島根まで来ていただき、ありがとうございました。参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

H27年度 島根文芸協会の行事について(お知らせ)

4月22日、松江で今年度第1回目の「島根県民文化祭文芸部門運営委委員会」と「島根文芸協会」理事会が開かれました。昨年度の行事や決算を審議して承認、27年度の予算や行事計画を話し合いました。今年度は詩人連合が担当です。会長を出し詩人連合で講師の決定や交渉、歓迎会など計画、運営しなければいけません。各部門の理事や役員は次のように決まりましたのでお知らせします。

IMG_20150426_0002

事業の主なものは二つです。一つは、9月22日に開催される文芸フェスタと文芸作品の募集、選考、そして「島根文芸」の発行です。今年は文芸フェスタの講師に谷川俊太郎さんをお願いし、OKをいただいています。要望により講演ではなく対談形式とし、劇研「空」が谷川さんの詩を朗読することになっています。大詩人を前にして本人のしを朗読するのですからしぬほど緊張するかもしれませんがしっかり準備してしめいをはたしたいと思います。
IMG_20150426_0001

天気がよかったので途中下車。海を眺めました。歌とメロディがでてきました。「はるかに霞む日御碕」「石見銀山歴史ものがたり」の劇中歌のワンフレーズ。いい歌だね。

DSC06420

ふと南へふりむけば、きれいなバンガローの屋根、屋根、屋根。ここはどこ?地中海?きっとそうだよ。むかし田儀は何もないところでしたが、ここ数十年、魅力的な道の駅をはじめ、いろいろな建物ができて、運転していても、ちょっと寄ってみようか、という気が起こります。プールやバイキングなど人気があって大田からも行く人が多いようですね。タギのバンガローなどにまけないようにガンバロー、オオダ!ミチクサをするな!本題へもどれ!はい。
DSC06422

文芸作品の公募は7月からです。俳句、短歌、川柳、散文、詩もぜひ応募してください。詳しいチラシは6月初旬にできます。県内各地に配布されますのでご覧ください。

H26 「島根文芸」42号 12回県民文化祭文芸作品集

2014年度の県民文化祭文芸部門の行事は終わりました。今年度は川柳部門が担当で竹治会長を中心に大田での文芸フェスタを行いました。また短歌、俳句、川柳、詩、散文を公募し、入選作品と選評、招待作品を掲載した「島根文芸」42号が刊行されました。この本は千円で、希望者は購入することができます。表紙を紹介します。立派な本です。
H26 「島根文芸」

12月14日に松江で表彰式が行われました。表紙の写真は海士町後鳥羽院資料館にある後鳥羽天皇像です。今までの表紙には、小泉八雲、森鴎外、柿本人麻呂の表紙もありました。島根は中央から遠い僻地ですが、文学では日本を代表する人物がいるのですね。こうして表紙になると、改めて島根を見直します。来年は誰でしょう。

DSC06183

上の写真は詩部門の入賞者へ賞状授与が行われているところです。表彰式のあとは各部門に分かれて入賞作品の合評会が開かれました。

DSC06271

DSC06272

詩の応募作品は年々減っています。ぜひ多くの人に参加して頂きたいものです。小中学生の場合は自分から応募することはまずありません。学校の先生や親、地域の指導者の声掛けや指導によって応募することがほとんどです。

その点では、学校で読み聞かせをしておられる出雲市の金築雨学さんの指導は大変参考になります。今年も一年間指導されて、冊子にまとめられた作品集を送っていただきましたが、感服しました。

今年度は詩の選考を川辺、有原、洲浜の三人で行いました。選評も書きましたので参考までに紹介します。どんな批評をしているか関心があれば開いてみてください。

H26 選評 「島根文芸」2014 詩部門

来年度(2015、平成27)は詩部門が担当です。文芸フェスタでは詩の講師を呼ばなければいけません。目下、念願の大詩人に当たっています。ほぼ実現しそうです。名前を聞いたら、行きたい!という人がたくさんいることでしょう。楽しみです。会場は松江の県民会館の予定です。

 

H26 しまね文芸フェスタ’14(大田)

2014年度のしまね文芸フェスタは、大田市のあすてらすで9月28日に開催されました。午前中は、児童文学者、童謡詩人の矢崎節夫先生の「みんなちがって、みんないい」と題した講演がありました。ホールはほぼ8割の入りで、情熱を込めた先生の話に耳を傾けました。

DSC06033

金子みすゞの文学的な側面よりも、生き方や、現代との対比、道徳的な側面に力点を置いた講演でした。現代の社会や人間関係などに危機感を覚えておられることや、参加者が高齢者という配慮があったのではないかと勝手に推測しました。

前日の夜には前夜祭として歓迎会が行われ、大田市教育長、文化協会会長なども参加され、楽しい歓迎会になりました。アトラクションとして大田の女性天領太鼓のみなさんの熱演もありました。文芸協会会長・川柳協会の竹治さんのサービス精神の発露とでもいうところです。行き届いた配慮があちこちにありました。

 

劇研空は平成5年に「詩の朗読と語り劇」を開催し、金子みすゞの詩の朗読や歌を取り上げました。その時、矢崎先生の著作がとても参考になったことを、歓迎会の席で述べました。当時は金子みすゞが世に広く紹介される一歩前のころで、大田市内で名前を知っていた人はわずかだったと思います。金子みすゞが世に広く知られるようになったのは、ひとえに矢崎先生の功績です。

紹介記事を読んでいたら、矢崎先生は、早稲田の大学生のときから「まど・みちおに師事」と書いてありましたので、そのことも尋ねてみました。8月30日に、劇研空でまど・みちおの詩の朗読をやったことも話しました。不思議なつながりを感じました。

DSC05702

午後の分科会で、詩の部門では約10名参加しました。洲浜君が、郷土の詩人として、石村勝郎さんの詩歴を紹介し、石村さんの詩を朗読しました。そのあと、参加者が詩を朗読、感想を述べ合いました。久しぶりに小林さんも参加され、とても良い詩を書いて朗読されました。隠岐の流人を書いた詩で、今までにない洗練されたスタイルで、早速石見詩人への復帰の手紙を書き、OKの返事をいただきました。石見詩人は11月初旬が〆切です。

 

さてさてさて、来年は詩部門が担当です。講師に誰を呼ぶか話し合いました。びっくりするような大物詩人を考えています。可能性も大いにあります。誰かって? それは・ひ・み・つ・top secret でーす。

H26 島根県民文化祭、文芸作品募集

平成26年度の県民文化祭の文芸部門の運営委員会が開かれ、今年度の予定などが決定しました。文芸作品(短歌、俳句、川柳、詩、散文)の募集要項ができあがりました。各市町村の文化施設や学校などには届いているはずです。手にとって見てください。

作品募集は7月1日~9月5日です。ぜひ多数のみなさんに応募していただきたいものです。ぼくは詩の部門ですが、ここ数年30編前後で停滞気味です。小中学生が参加できるジュニア-部門は年々応募者が増えています。

DSC05684

表彰は12月14日、松江の島根県職員会館で行われます。入賞作品は「島根文芸」に掲載されます。

DSC05685
DSC05686

電子メールでの応募もOKです。bunkashinko@pref.shimane.lg.jp
「島根県民文化祭」とういうホームページもありますので、どうぞ。

DSC05687

小中学生は自分から応募する者は少なくて、学校の先生の指導によって作品を書き、それをまとめて送ってこられる場合がほとんどです。ぜひ参加してください。