Monthly Archive for 10月, 2013

H25 しまね文芸フェスタで 安原 葉先生講演

9月23日、出雲市のビッグハートで「しまね文芸フェスタ2013」が開かれました。開会式では出雲市長も挨拶されました。今年度は俳句が担当になっていて月森遊子さんが会長として挨拶されました。

講演は「ホトトギス」同人の会長・安原 葉先生。「花鳥諷詠のこころ」と題してとてもいい話をされました。1932年生まれですが背筋は伸びシャキッとしておられます。虚子などを実際にご存知なので、エピソードの中身も濃厚で貴重な歴史が含まれています。「虚子は寡黙な人でしたが、人の心を見据えるような力を感じた」そうです。H25 安原 葉先生

花鳥諷詠は単なる自然を読むことではなくもっと深いものがある。「虚子が晩年によく説いた存問とは、相手の心を深く察し、謙虚に素直に相手との心を通わせる心持ちが込められている。自身との存問、人との存問、自然との存問、宇宙との存問、超自然との存問。その存問の心を持って客観写生の技を磨き、花鳥諷詠を実践するのが俳句の道であることを虚子は示した」と語られました。例にあげられた有名な俳句の解釈はとても深く虚子の宗教観や宇宙観が背後にあることを説かれました。

前日の夜は歓迎会があり、終わって俳句の人たちと二次会へ行き大いに語り楽しい時を過ごしました。

23日の午後は分科会で、詩の参加者は少なかったのですが、京都から有馬矯さん、神戸から永井ますみさん米子の中村さんなども参加され、楽しい詩作詩朗読会になりました。

有馬敲

有馬さんの「せみ」は同じことばのくり返しですが、とても素敵でした。ちょっと誰も真似ができませんね。音をやリズム重視して詩をつくられる有馬さんならでは異色な詩であり朗読でした。一度聞いたら耳から離れません。

永井さん (1)

永井さんの朗読は微妙な音やリズムの変化も表現される力量があり、これまた素敵でした。きっと発声や発音の訓練も積んでおられるのでしょう。詩も深みがありました。島根の詩人の詩もそれぞれ個性的でよかったと思います。
H25 文芸フェスタ 詩

小林さん岩田さん中村さんは都合で帰られました。有馬さん、奥さま、永井さん、中村さん、シライシさん、ありがとうございました。おつかれさまでした。

(一昨日、有馬さんの最新詩集「晩年」を拝受しました。一気に読みました。京都弁の詩、いいですね。抵抗がありません。晩年を迎えた有馬さんのとらわれのない自由な精神が印象に残りました)

10/26,27ラメールで島根県高校演劇大会

第37回島根県高校演劇発表大会が10月26(土),27(日)加茂町文化ホール・ラメールで開催されます。

DSC05036

発表校は7校。石見部からは浜田高校が参加します。三刀屋高校、出雲高校は顧問の創作劇です。DSC05037

当日のパンフレットへ寄稿した文章を紹介します。劇研空は島根の高校演劇の応援団です。修平さん管理で発足したこのブログも当初の目的の1つは大田高校の演劇部の支援、高校演劇の応援でした。

  島根の高校演劇は今

全国(中国、島根)高校演劇協議会顧問                                                                                                               劇研「空」代表、日本劇作家協会会員     洲浜昌三

今年の春、一通のメールがぼくのパソコンへ届いた。そこには久しぶりに見るなつかしい名前があった。   概略こんなことが書いてあった。「以前大会などで大変お世話になった○○です。ある学校で勤務することになり、演劇同好会を作りました。生まれた島根でまた演劇に関わることができ大変うれしく感じます。またよろしくお願いします」

まだ島根高校演劇石西大会があった頃、ぼくは講師として参加していた。ある年T校が久しぶりに参加し、とても楽しい創作劇を上演した。劇が好きな仲のいい3人が創意工夫して創りあげた高校生らしい新鮮な劇だった。次の年には代表に選ばれて県大会へ出場した。3人とも3年生で受験を目の前に控え、周囲の反対もあった。それを説得し乗り越えての参加だった。県大会で最後の舞台を観ながら、「この高校生たちもみんな県外へ出ていくんだろうな」と思うと、ふと淋しさが胸に広がった。  そんな経緯があったから、一条の希望の光が届いたようでうれしかった。困難なことは多いけど、がんばって欲しい。困難を切り開き乗り越えて行くのは、一人の人間の情熱とそこから生まれてくる創意工夫である。

多い時には10校あった石見地区の演劇部は一校になった。しかし出雲、松江地区のがんばりのお陰で、島根の高校演劇はここ数年輝かしい成果をあげている。三刀屋高校が連続して全国大会へ出場し、今年は出雲高校が長崎大会へ行った。春の全国大会には昨年は安来高校、今年は松江工業高校が選ばれて出場した。

ぼくが現役のころは広島県の高校、特に舟入高校が常に完成度高い創作劇を上演し全国大会の常連だった。ぼくが川本高校演劇部を担当していたとき、一度中国大会で二位の成績があったが、その上には舟入が高く輝いていた。山陽勢はいつも「高嶺の花」だった。

最近は山陰の島根がそう見られている。「出雲高校、とてもよかったですよ。島根県、中国ブロックで輝いていますね」と全国高校演劇事務局長の阿部順先生の追記が文書の末尾にあった。  全国から見れば島根の峯は輝いて見えるのだろう。その裾野に、熱心で力量のある先生たちとそれに応えて努力している部員たちがいる。

そして○○先生の学校の同好会がいつか部になり、石見の一校が2校になり、やがて3校、4校・・・そんな日を期待している。

石見が一校になったのは残念ですが、そのうち上記の○○校が参加してくれるのを楽しみにしています。

 

短詩「海のように」「つぎの一歩」

海のように                洲浜昌三

ひとつひとつ そのまま
受け入れていくんですね
海のように

かなしいことも
つらいことも

ひとつひとつ すなおに

おかあさん
あなたがそうしたように

つぎの一歩                  洲浜昌三

あの空の頂に立てば
新たな風景が眼下に広がるだろう

いつも頂上を目指して登ったが
今あの空へぼくの夢は届かない

足下に目を落とし
一歩だけを信じて
崩れた山道の瓦礫の上に
つぎの一歩を置く

(平成25年夏、川本高校普通科クラスの同窓会がありました。10年毎に実施していて、今年はは30年振りだった。幹事のオクノ君から、冊子をつくって配りたいので何か書いてください、と頼まれ文章とともに上記の短い詩を2編をメールで送りました。以前どこかに書いたものを短くしたものです。エピグラムに近い詩ですが、40歳を過ぎ、家庭でも社会でも会社でも様々な苦労を体験しているみなさんにはいいおくりものになったようです。

川本高校は現在は島根中央高校。名前が変わり新発足するとき校歌を頼まれて作詞しました。同窓会に集まった卒業生の子供たちが島根中央高校へ入学していて、入学式など校歌を聞きながらぼくのことを思い出しとてもうれしいと言っていました。30年もたつといろいろな巡り合わせがあるものです)

短詩 「たからもの」「おまえの母さん」

たからもの    洲 浜 昌 三

藤づるのバスケットに手を伸ばすと
「だめ!」
遠くから走って来て取り返し
鋭い目でアヤちゃんは僕をにらみつける

外で遊ぶときも
町へ行くときも
大切に持ち運ぶ小さなバスケット

見られたら価値がなくなるもの
そんなたからものが僕にもあった気がする

夜 ぐっすり眠っているすきに
こっそりバスケットを開けてみると
小石が五つ
もみじの葉が三枚

おまえの母さん
洲 浜 昌 三
保育所で日々新しい知恵を授かる
三歳のアヤちゃんは
今日も新しい武器を手に入れて帰る

ふとしたすきに人形を取られさっそく一撃
「おまえのかあさんでーべーそ!」
ことばで反撃できない一歳のヒロちゃんのため
おやじがケンカを買って反撃する
「おまえのかあさんでーべーそ」
「ちがう! おまえのかあさんでーべーそだ」
「おまえのかあさんがでーべそだ」
「でべそじゃない! でべそじゃない!」
叫びながら涙の小川が二筋三筋

(今までこどもの詩を意外にたくさん書いています。この詩は「きれんげ」に書いたものです。現代詩とかなんとか小難しい意識はまったくなく、こどもを見ていてふと心を動かされたことをメモしておいて、あるとき机に向かって詩にしたものです。素直に書いているので自分でも読むと素直な気持ちになり、ほのぼのとしてきます。

このブログの読者は70%以上が new visitors です。何故かここ数ヶ月前からいつもグラフで「詩」が上位を占めています。詩など読む人は詩人しかいないといわれているのですが、ここに書く詩は分かりやすいからでしょうか。詩がもっともっと一般の人に広まっていくことを願って書いているのですが、有名人のブログなら regular visitors がいて毎日多くのファンが読むのでしょうが、そうでもないこの地味なブログに立ち寄ってくださる人がいるとはうれしいことです。短くて分かりやすい詩を紹介するようにしています)

10/5 13回中四国詩人会香川大会

第13回中四国詩人会大会は2013年10月5日(土)香川県髙松市のリーガホテルゼスト髙松で13時30分から開催されます。参加費は会員も一般参加者も1000円、学生は500円。14:15まで総会ですが、そのあとは中四国詩人賞表彰式、自作詩朗読、記念講演、懇親会とつづきます。

記念講演は「韓国の歴史風土と文学事情」という演題で南 邦和さんが話されます。

中四国詩人賞は今回は2名で壷坂輝代さんの詩集「三日箸」と木村太刀子さんの詩集「ゆでたまごの木」が決まっています。当日は朗読もされます。

翌日は文化観光。源内記念館、志度寺、山頭火句碑、屋島、源平古戦場などを巡ります。一度も行ったことがないので楽しみです。14時30分、髙松駅解散です。島根から川辺さんが自作詩朗読の予定です。島根の詩人のみなさま、ぜひご参加ください。