Monthly Archive for 8月, 2012

方言詩 「水車」

水 車

洲浜昌三

中国山地の中の小(こ)まぁ盆地の村だったが
亀谷川が流れとって どの家にも水車があった
近くを通りゃ ばしゃばしゃばしゃばしゃ
水の音がして ギーコトン ギーコトンちゅうて
ひんごて杵(きね)の音がしよった

うちの下(しも)の井坂にゃ大きな水車があって
商売にしとりんさった 可部広屋の水車ぁ水の
勢いが強かったけぇ速かった
田んぼの中の谷田屋のはゆっくり回っとった
山裾の上新屋(うえにいや)のは道のすぐそばにあったけぇ
小屋の中ぁ見るんが楽しかった
紺屋(こうや)にゃなかったが近くの上新屋のを
使わしてもろうとりんさった
熱田屋(あつたや)は本家の袋地(ふくろじ)の大きな水車と一緒だった
富屋にも前新屋(まえにいや)にも新屋(しんや)にも
川手屋にも立派な水車があった。

なんでか知らないけど 植田屋と隣の高畦(たかぜ)にはなかったので
よその水車でついてもろうた
植田屋の子のぼくは
貧乏だけぇ水車がないんだと思うて寂しかった

石見方言です。方言は文字に書くと大事なものがほとんど消えてしまいます。
ぼくが生まれた邑智郡瑞穂町下亀谷の昔の風景を思いだしていたら、水車が
が浮かんできました。ほとんどの家に水車があったことに気がつきました。
ちょっとした工夫でまた水のエネルギーなども利用したいものです。

みどりの風景の中に 石見特有の赤瓦が映えています。田んぼの中を一本道が通っていました。
「中道路」と呼んでいました。右側の家は「谷田屋」その奥が「上新屋」です。ぼくが生まれた
「植田屋」は左側ですが、見えません。わら屋根の家は解体され協和建設の事務所と仕事場が
建っています。右の山は「二つ山」鎌倉時代の古城跡が残っています。
子どもの頃はこの集落一を週して走りっこをしたものです。

短詩  「夢のデパート」さんのあ

夢のデパート

洲 浜 昌 三

本棚を整理していると
「文集アソカ」が何冊も出てきた
四十五年間 幼稚園で発行されつづけた
親と先生と子どもたちの思い出の記録集

「夢と思い出」のページに
「行きたい所はどこですか」という質問があり
「さんのあ」
とたくさんの子どもたちが答えている

ノンちゃん
その「さんのあ」がなくなるよ

地下一階 地上四階 屋上
市内唯一の立体駐車場

大田の中心街に堂々と建っていた「さんのあ」
ぼくらがフランスのパリへ憧れるように
行ってみたい夢の場所だったんだね

昭和49年に開業以来 ピーク時には四〇億円の
売り上げに達したが 郊外型の大型ショッピング
センターができて以来 売り上げが激減 負債総
額は約十五億円

と新聞にある

子どもたちの
夢を育ててくれたアソカがなくなり
子どもたちの夢だった「さんのあ」も消えていく

大田市文化協会が発行している「きれんげ」という会報があり、俳句、短歌、川柳、行事、石見銀山の歴史、人物・サークル紹介など多彩な記事を載せています。A4版でページで年3回、約1000部発行され好評です。他市の文化人から「格調の高いいい会報だ」と言われたことがあります。

10年くらい前から編集委員会に依頼されて短詩を書いています。詩人だけが読む詩の同人誌や詩集と違い、詩なんかほとんど読んだことがなく、難しいと敬遠している人たちが大多数ですから、分かりやすくて心に響くような詩を書いてきました。もう30編以上になります。一般の人を対象にした冊子に、詩を載せてくれるような編集者はまずいません。それを思うと、この場を提供してくださる編集者に感謝し頑張って書いています。

アソカ幼稚園が発行していた卒業記念文集に、「一番行きたいところはどこですか」という質問があり、多くの園児が「さんのあ」と答えていました。それがとても印象に残っていて、この詩が生まれました。以前は「さんのあファミリーデパート」が大田市唯一の何でも売っている店でした。都会に出て行った人たちに、「さんのあが倒産したよ」といえば、きっと大田が真っ暗闇になるようなショックを受けることでしょう。

「さんのあ」は今の時点(平24,8,8)ではまだ建物は建っています。看板などが危険なので市が予算をつけて取り外す、という記事がでていました。利用の計画はないようですが、解体すれば大金がかかります。どうなるのでしょう。グロウバル化の流れで規制が緩和され、大型のショッピングセンターが郊外にでき、市内の店は崩壊していきます。同時に古い日本人の美徳や価値観も崩壊していきます。合理的、自由経済、便利、利益などを第一に優先すれば反面で失われていくものもあります。そういう批判の目も密かに隠してある詩です。

さんのあ解体中 (1)これはなんでしょう?解体中の夢のデパートです。
さんのあのあとにグッディこれは何でしょう?解体された夢のデパートの跡に誕生した「グッディ」です。(2016,3,8)

 

 

H24 三刀屋高演劇部 全国大会(富山)で上演

2012年度の高校演劇全国大会は富山市で開催されます。中国地区からは三刀屋高校が代表に選ばれて出演します。顧問の亀尾先生の創作で「ヤマタノオロチ外伝」。神話をもとにした異色作です。昨年の島根県大会で講師として審査に関わりましたが、劇作りのうまさは圧倒的でした。観客を巻き込んでいく力とでもいうのでしょう。富山大会でもきっと観客を惹きつけることでしょう。

全国高校演劇協議会(事務局長・吉田美彦 大阪府立北摂つばさ高校内)が発行している新聞・「演劇創造」124号から紹介させていただきました。

高校演劇劇作研究会(事務局長・柳本博、獨協高校内)が発行している季刊「高校演劇」も富山大会上演作品特集号を発行しています。各校の脚本を読むことができます。定期購読すれば一年分で6千円、大会 特集号だけ購入する場合は1500円です。毎年大会会場で販売しています。高校演劇に関わる人はこれを読まないと全国の様子が分かりません。

そこでPRもかねてパチリ!310ページもあります。劇作研究会は元顧問や現役の先生が中心です。モトコモはほとんど脚本を書いて載せることはありませんが、15000円の年会費を払って発行を支えています。編集委員や事務局の人たちは錚錚たる脚本家たちばかりですが、まったくボランティアでこの本の発行に献身しつづけておられます。高校演劇への愛着が為せる奉仕でしょう。継続的な雑誌の編集は時間や労力などとても大変なことです。よくやられるなぁ、と遠くにいて何もしないぼくはだだ敬服し届かない感謝の言葉をいつもつぶやくのみです。せめてPRだけでも、とコウカのない文字を打っています。

その本には上演校の地区大会での写真も掲載されています。三刀屋高校の劇が載っているページをちょっと紹介させていただきます。
各校とも独創的でおもしろそうですね。

劇作研究会の総会と懇親会も毎年開催されますし、三刀屋が上演するのではるばる富山まで行くつもりでいましたが、盆前後は俗人には世俗のつきあいもあり遠いしトマルトコモナイシ残念ながらあきらめました。現役の時のように6月頃から参加者を募り宿泊の申し込みも一任して車で一緒に行く、などという大昔の話しは遠くなりました。シカタナイカ、トシダシヒトリダシトオイイシ。はるか石見の地から健闘を祈ることにしましょう。そして例年8月末ごろNHKで放映される東京公演の4校の劇を寝転んで見ることにしましょう。

8/7 関西外語大で三刀屋高「ヤマタノオロチ」公演

2012年8月7日(火)13時30分から関西外国語大学谷本記念講堂(大阪府枚方市中宮東之町16-1)で三刀屋高校演劇部が「ヤマタノオロチ外伝」を上演します。富山で高校演劇全国大会が10,11,12日行われ、それに参加する途中、大阪で公演することになりました。考古学者・佐古和枝先生の講演や落語家・桂 九雀さんの「異伝 ヤマタノオロチ」の朗読もあります。

大阪に住んでいるみなさーん!ぜひこの劇を観に行ってください。島根から大阪に出て働いているみなさーん。あの素朴な島根の高校生がこんな本格的な劇を公演するとは!!!と島根への誇りが積乱雲のようにむくむくと湧き上がってきますよ。ぜひ友達と、家族と、恋人と、いない人は一人で出かけてくださーい。きと満足されるはずです。新鮮な感動があるはずです。


顧問の亀尾先生の手紙によると、「平日の昼間、高校生による有料公演・・・。お客さんが来ない条件はそろいますが、自分たちの主催でこんなイベントをやる恐ろしさと楽しさが同居しています。こんな無茶な演劇部があると紹介していただければ幸せです」とあります。確かに無茶!No,No。大冒険、大挑戦です。雲南大阪支部も後援していますから大丈夫!このブログを見て行く人たちもたくさん!!イルかイナイカ!イナイトオモッテイルナ!

(ところがどっこい、亀尾佳宏、三刀屋高校演劇部、ヤマタノオロチ、高校演劇、神話などで検索に引っかかりグラフがキューンと高くなるのはいつものこと。亀尾さんの創作「三月記」のブログは当初から常に読む人がいる。おもしろい現象。)

希望者は上記のところへ申し込んでください。もちろん当日不意に来られても大歓迎!!山陰中央新報は次のように報道しています。ちょっと紹介させていただきます。

ありがとうございました。きちんと大切なことを押さえて書いてあるので新聞は便利がいいですね。大いに新聞を読みましょう。

三刀屋高校演劇部のみなさーん!カメオさーん!いつもの堂々とした演技と素晴らしい舞台で浪速人の度肝を抜き、2000人の大講堂(大きい!)の屋根が吹っ飛ぶような感動と拍手を楽しみにしています。

富山の全国大会は11日の13時からが三刀屋高校の上演。がんばってください。