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1940年、島根県邑智郡邑南町下亀谷生まれ・現在、大田市久利町行恒397在住・早稲田大学教育学部英語英文科卒・邇摩高校、川本高校、大田高校で演劇部を担当、ほぼ毎年創作脚本を執筆。県大会20回、中国大会10回出場(創作脚本賞3度受賞)主な作品「廃校式まで」「それぞれの夏」「母のおくりもの」「星空の卒業式」「僕たちの戦争」「峠の食堂」「また夏がきて」「琴の鳴る浜」「石見銀山旅日記」「吉川経家最後の手紙」「父の宝もの」など。 著作:「洲浜昌三脚本集」(門土社)、「劇作百花」(2,3巻門土社) 詩集「キャンパスの木陰へ」「ひばりよ大地で休め」など。 「邇摩高校60年誌」「川本高校70年誌」「人物しまね文学館」など共著 所属・役職など: 「石見詩人」同人、「島根文藝」会員、大田市演劇サークル劇研「空」代表、島根県文芸協会理事、大田市体育・公園・文化事業団理事、 全国高校演劇協議会顧問、日本劇作家協会会員、季刊「高校演劇」同人、日本詩人クラブ会員、中四国詩人会理事、島根県詩人連合理事長、大田市文化協会理事

R4,「山陰文藝」55号紹介・ 松江で合評会開催

「山陰文藝」55号が5月初旬に発行され、29日に松江で理事会と合評会,文芸フェスタ打ち合わせ会が開かれ8名が参加しました。今号では22人の作品が載っています。席上で日本海新聞と山陰中央新報が配られ、簡潔にまとめてありましたので日本海新聞の記事を紹介させて頂きます。

「学者大名 池田冠山」(内藤丈二)鳥取の若桜藩の大名に、こんな素晴らしい人がいたことは驚きです。よく調べて書かれています。毎号、山陰の人物を取り上げ力作を発表しておられます。「布都外伝」(沢村俊介)は連載4回目ですが、古代出雲の歴史に独自の視点で肉付けをした意欲的な小説です。

「祖母のふるさと」(洲浜昌三)は短編小説。東京で不登校になった小学生の絵梨を見かねて、祖父の武留が、コロナ禍なのに両親の反対も押し切って、車に載せて故郷へ連れて行き、様々なことに出会う話です。絵梨が会いたかった「大きいばあちゃん」は入院していましたが、満州で子供を亡くしていた「大きいばあちゃん」は、感動的な短歌を農事日記張に書いていました。「魂は蘇るなり と人の言う 産声あげし子あり 関東の地で」。書いた日付けは絵梨の誕生日でした。短編を読んだ人たちから、感動した、とか涙が出た、などと感想を頂いています。(not  fake)
本は県内の書店にあります。購入したい人は次の所へ申し込んでください。
690ー0875 松江市外中原町15ー1 額 重敏
(0859ー33-7850)
作品も募集しています。どうぞエッセイでも、記録でも、小説でも書いて送ってみてください。詳細は本に書いてあります。
(ブログ:詩の散歩道 詩集や本の紹介    20220602suhama)

 

R4,島根県民文化祭 文芸作品募集要項

県民文化祭の一環の活動ですが、令和4年度の「文芸作品募集要項」ができました。例年通り、俳句、短歌、川柳、詩、散文(随筆、小説、評論)で、募集期間は7月1日~9月2日です。表彰式は12月10日(土)松江。チラシは公民館、市民会館、学校など公的な場所には置いてあります。多くの人たちの応募を期待しています。詩部門にも是非!ジュニアーの部もありますので、幼、小、中学生のみなさんも参加してください。
島根県内へ通勤、通学している人、島根出身者で海外県外在住の人も応募できます。電子メール応募もOKです。応募先、問い合わせ先はチラシの下の方にあります。島根県文化国際課(TEL 0852-22-5586)です。
(ブログ:劇研「空」詩の散歩道 島根文芸フェスタ 島根県詩人連合 詩の散歩道 20220516洲浜)

R4,「島根年刊詩集」50集発行

島根県詩人連合が結成されたのは1972年2月。その年に「島根年刊詩集」第一号が発行されました。それ以前に、斐川町の高田正七さんが個人で発行されていた5年分を引き継いだ形です。昭和40年代は、まだ詩は一般の人達にも読まれていた時代ですが、時代風潮も変わり、次第に詩の同人誌も高齢化して若い人が少なく、維持継続も困難な時代 になりました。これは 全国的な現象です。
そう中で半世紀にわたり詩作をつづけてこられた皆さんの熱意に敬意を表したいと思います。
50周年記念特集としたかったのですが、コロナ禍で理事会も総会も3年間開催できず書面承認という状態だったこともあり、巻頭に「島根年刊詩集50集刊行にあたって」と題して理事長の文章を掲載、「31集~50集の作品掲載一覧」、そして「しまね文芸フェスタ2021」の報告を載せました。事務局長・川辺 真さんの尽力です。
「島根年刊詩集」50集 目次です。
写真 「島根年刊詩集」1~50集、左上5冊は高田正七版
最近は個人書店がなくなったので、置かせてもらうところがなくなりました。欲しい人には送りますが、詩人連合では発行毎に次のようなところへ贈呈しています。
国立国会図書館始め県I内図書館など約40冊、全国の詩人協会など34冊、県内新聞マスコミ関係など8冊、詩関係の出版社16冊、詩人など12冊余(ある年度の記録より)

県内の図書館へは献呈していますので、キチンと管理保存されている図書館では読むことができるはずです。同人誌など「本」扱いされず廃棄処分されている場合も多々あります。見かけや体裁によらず、同人誌は、それぞれが貴重な時代の証言、記録です。
(ブログ:昌ちゃんの詩の散歩道 島根県詩人連合 詩集や本の紹介 地域情報 島根年刊詩集50集 20220509洲浜)

R4,二つの音楽公演、「夢育美コンサート」、田中公道リサイタル

若葉薫る5月1日、大田市民会館中ホールでコンサートが開かれました。長坂先生作詞作曲の歌を中心に、語りを挟んで2時間近く、楽しい時間を過ごしました。語りの中で歌になるきっかけや創作の過程などを聞いて歌を聞くと、歌の背景や景色の陰影が深まり、込められた思いも一段深く共感できます。いつものように、温かい心が伝わってくるのは、長坂コンサートの特徴です。
4月28日には、大畑音楽スタジオで、大田市出身のオペラ歌手・田中公道先生のコンサートを聞きました。迫力のあるテノールを間近で聴き圧倒されました。公道先生の「語り」も、とても楽しく,学ぶことが多々ありました。イタリア、フランス、ブラジルの人たちによる感情表現や恋の受けとめ方など、正にオペラの歌と一体だと思いました。85歳であの声量!40歳を超えたら衰えていく発声には、研究と工夫と練習が欠かせないとのこと。ピアノの奥様と一緒に、気軽に出かけて歌われる姿に感銘を受けます。夫婦二人だけだから、世界中どこへでも気軽に行けるのです。素敵な羨ましい稀有なペアーです。

ペアーという点では、「ながさかゆきひろ&れいこ」もおなじです。長坂先生が作詞、作曲、ギターで独唱、奥様はピアノやキーボード、今回は、「涙そうそう」では、沖縄の三線まで弾かれました。そして「ここは石見  馬路の浜」ではコーラスも。夫婦二人だから練習も修正も意見交換も自由にでき、身軽にどこへでも出かけて発表できます。若い時には一時的に出来ても、何十年も続くということはレア(稀有)ですね。見習いたい!(もう遅いわい!)

この歌は音楽劇「琴の鳴る浜」の中で歌われた長坂作曲、洲浜歌詞のオリジナルですが、いい歌ですね(・・・)。歌の前に、この劇の話もされましたが、戦争に対する話の内容も深く、歌も一段と引き立ちました。地域で生まれたいい歌や音楽、演劇、創作などは、こうして伝えていきたいものだと思いました。豊かな時間を、ありがとうございました。おつかれさまでした。
(ブログ:地域情報 詩の散歩道 観劇 20220505洲浜)

R4,動画 詩の朗読「島根の風物詩」(しまね文芸フェスタ2021)

2021年の「しまね文芸フェスタ」はコロナ禍のために無観客で行い舞台発表を動画撮影し「しまねっこCH」で発信しました。動画は「マンマ ヴォ―チェ益田」の合唱、詩の朗読、大田市演劇サークル劇研「空」の創作民話朗読「サヒメの大使命」の三部で構成されています。合唱と朗読を紹介します。

詩の朗読「島根の風物詩」16篇の詩の朗読と映像があります。
朗読しているのは作者自身(栗田好子、川辺 真、洲浜昌三)、劇研「空」(松本領太、田中和子、堤 隆浩、山本和之)、ジュニアーミュジカル風花(岩谷正枝、山内理緒)の皆さんです。

次は「マンマヴォ―チェ益田」の合唱です。島根県民歌もあり、懐かしかったという感想が多数ありました。

いろいろと手数がかかり、動画発信、DVD作製という文芸フェスタ初めての発表形式になりましたが、関係者以外の多くの人たちにも見て頂くことができ、たくさん好評の声を頂きました。参加してくださったみなさん、ご協力ありがとうございました。DVDは今後も何かの機会に活用したいと思います。
(ブログ:劇研「空」詩の散歩道 詩作品紹介 20220427洲浜)

R4,短詩「馬酔木の花」

                  馬酔木の花  洲浜昌三
牛は家族だった
夕方の餌やりは 子どもの仕事だった

散歩に連れ出すとき
父が言ったことがある
「アセビにゃ毒があるけぇ 牛に食わすなよ」

国語で「馬酔木」という短歌雑誌の名前を見たとき
「馬が酔う木?」と不思議に思ったが
その木を見たことはなかった

50年以上たって苗木を注文した
「足がしびれる」とか「悪実(あしみ)」と言われた木に
春 小さい釣鐘状の花が鈴生りになって咲いた

アセビの白い花の前に立つと 父の声が聞こえてくる
母牛の優しい眼差しが浮かんでくる

学校から帰って、牛や羊のために、草を刈りに行くのは我が家では子供の仕事でした。押切で稲わらや草を細断し米糠や煮た麦を混ぜて食べさせることや、時々散歩に連れていきました。アセビには毒があるけぇ、牛に食わすなよ、と一度父が言ったことは今も鮮明に記憶に残っています。でも馬酔木を見たことはなかった。興味や関心はいつもあったので、50年以上過ぎてどんな木か、苗木を買って植えておいたのです。日本の固有種だそうです。馬が酔っぱらったようになったことから漢字を当てたようです。アセボトキシンという毒があるので、昔はシラミ、ウジ、害虫駆除に使用されたそうです。一連の賀状短詩に手をいれました。
(ブログ: 詩の散歩道 詩作品紹介 短詩 20220328洲浜)

R4,郷土の歴史文化と創作ー詩と演劇ー(講演)

コロナ禍で1月から劇研「空」の文化活動も控えていますが、たまたま「湯里まちセン」で講演を頼まれ、表題の題で話しましたが、映像を使って地域の歴史を素材にした詩の朗読や演劇の話をしました。劇研「空」での公演は何度もありますが、一人でもうまく映像を使えば効果的に楽しんで頂けるとを体験しました。

地元を素材にして作った詩「古代へ帰った港  古龍」や「江戸から来た人ー井戸平左衛門ー」や「石見銀山街道 降路坂」など映像を投影しエピソードを話して朗読すると共感も増します。福光小学校が閉校になったとき頼まれて書いた劇「吉川経家最後の手紙」の鳥取公演前の経緯や経家、鳥取城のことを話して映像や動画を見ると、ライブ感があり効果的でした。
これこれからも映像をうまく使う方法を考えていものです。昨年は高文連で「何をどう書くか」の演題で話し浜田で「地域の演劇活動」という題で話しました。映像をうまく使えば話す方も楽ですし聞く方も飽きがこないのではないかと思います。
(ブログ:劇研「空」詩の散歩道 講演 地域活動 20220318すはま)

R3,多彩な作品「山陰文藝」54号発行(2021/11)

令和3年秋、「山陰文藝」54号が発行されました。20余名の会員が小説、エッセイ、俳句、短歌、詩を発表。個性に溢れた多彩な作品が掲載されています。
目次を紹介します。
僕は、創刊時からの会員ですが、53号に久しぶりに「オリオンは高く」という短編小説を書きました。今号の「思いは彼方に」も短編ですが、水中眼鏡で鱒を見たいという幼い時の夢を、母との関連で、ふるさを舞台に書いたものです。55号にも短編で「祖母のふるさと」を書きました。5月に発刊予定です。山陰文芸協会事務局は松江市外中原町15-1額 重敏(0859-33-7850)です。会員も募集中です。本を購入したい人は書店か事務局へどうぞ。
(ブログ:昌ちゃんの詩の散歩道 詩集や本の紹介 地域情報2022、3洲浜)

R4,北京オリンピック スキー 懐かしい張家口で

張家口(ジャンジャコウ・ちょうかこう)は、2000年5月に行ったことがあります。ツマの父が満州鉄道に勤めていて、ツマは終戦直後の7月25日にそこで生まれ、命からがら日本へ帰ってきました。退職したら是非、義母とツマを張家口へ連れて行きたいというのが長年の夢でした。大きな北京西駅から張家口南駅まで約150キロ、約3時間半、84元。汽車で、なつかしい千昌夫の「北国の春」が何度も流れてきました。中国でもヒットしていたのですね。まだ日本jから来る旅行客はあまりない時代です。写真は張家口市内です。観光客はほとんどいないので、土産物に買いたくても紹興酒くらいしかありませんでした。
人口は約400万でしたが、義母が住んでいた当時の宿舎などは見当たらず、満州鉄道病院もわずかに崩れたレンガが残っているだけでした。「あの橋を通って買い物に行ったんだけど」と義母が言う橋も新しく、昔の建物もありませんでした。
張家口は北京の北門といわれ、昔から防衛の要の町です。万里の長城の大境門があり、登ってみました。そこから見た街の風景ですが、今はビルが建っているのかもしれません。

この時にできた詩があります。「張家口の崩れたレンガ塀」
詩「張家口の崩れたレンガ塀」15,1(島根年間詩集)詩集「春の残像」

中国語も日本語も英語もペラペラの冠明さん、北京の大学で中国語を勉強していたヒロシ君も一緒でしたので、上海、北京、張家口、モンゴルの旅を何不自由なく楽しむことができました。ビデオでもしっかり撮影し義母と妻への感謝の記録にしました。(ブログ:昌ちゃんの詩の散歩道 詩作品紹介 20220202洲浜)

R3,アンソロジー『あの日から 明日へ』東日本大震災と詩歌

2021年3月、岩手県北上市にある「日本現代詩歌文学館」から、東日本大震災10年、開館30周年を記念して出版されました。俳句、短歌、川柳、詩、展示図録を284ページに収録。全国から800人以上の詩人や歌人、俳人の作品が掲載された記念すべきアンソロジーです。
未曽有の大災害に大きなショックや悲しみを受けながら、詩に書こうと思っても書けませんでした。どんな言葉も軽くなり浮き上がってしまうのです。祈りのような詩が一編でき、詩集『春の残像』へ載せました。詩歌文学館ではそれを読まれたのでしょう。掲載依頼文書がきました。「桜前線みちのく北上」です。
その後「花美術館」からも掲載の誘いがあり、11月に立派な美術書が刊行されました。
詩の解説には、東日本大震災のことは触れておられませんが、町に押し寄せた大津波、死者、原発事故・・・その痛ましい風景が背景になければ、この詩は成り立ちません。
(ブログ:昌ちゃんの詩の散歩道 本の紹介 詩の紹介202201)