『琴の鳴る浜』馬路公演 その2

10月8日の馬路公演については手短報告しましたが、パンフレットが手に入りましたのでその中に書いたことを紹介します。

音楽と朗読による
創作劇『琴の鳴る浜』  脚本・作詞 洲浜昌三 作曲 長坂行博

守り伝えられた琴姫伝説 
劇研「空」代表 洲浜昌三
琴姫の伝説が生まれた地元の馬路で、『琴の鳴る浜』を上演できるとは思ってもいませんでした。大田市民会館の企画と地元のみなさまのご協力により実現できたことをうれしく思います。
この劇が誕生したのは昭和52年です。当時、邇摩高校演劇部の顧問をしていたとき、琴姫伝説に感銘を受けて『琴の鳴る浜』という脚本を書きました。部員たちは熱心に練習し、地区大会で代表になり、松江で行われた県大会へ出場しました。秋には地元で公演して欲しいと頼まれて、この馬路小学校体育館で上演しました。34年振りに同じ体育館で成長した『琴の鳴る浜』を上演できるとは不思議な縁です。琴姫さんが呼んでくれたのかも知れません。

(上の写真は当時邇摩高校演劇部が上演したときのものです。)

医者であり音楽家としても活躍中の長坂行博先生の作曲という大きな力を得て、元の脚本を大幅に書き換え、合唱指導の伊藤裕子さんはじめ多くのみなさまのご協力により、平成22年3月に創作音楽劇『琴の鳴る浜』を大田市民会館で上演しました。


初演が大変好評でしたので、さらに脚本を手直しして、この3月13日に再演しました。盆踊りのシーンでは地元の琴ヶ浜盆踊り保存会の皆さまや、馬路地区の小学生の皆さんにも出演したいただいて華を添えていただきました。初演にもまして好評でした。「コーラス、演奏、劇が一体となって素晴らしい舞台でした。大田でもこのように洗練された芸術性の高い舞台ができるとは感激です」「大田の誇れる財産です」など観客のアンケートは励みになるものがたくさんありました。これも琴姫さんの力です。


今回の舞台は音楽を中心にした朗読劇用に脚本を直しています。動きはなく言葉だけで物語を展開していきます。言葉の持つ力をどれだけ発揮できるか挑戦です。劇は大がかりですから上演する場所が限られます。しかし朗読劇ならどこでもできます。1人でも2人でも数人でも可能です。
田畑や山林は数年放置しておくと原野にもどります。人の手が加わった田畑や土手や山林には「照り」があります。「照りのある里山」などといいます。「照り」はつやであり光沢であり人の営みであり人の手であり心です。


文化も同様です。放置しておくとゼロになり忘れられてしまいます。800年も前の伝説が今も受け継がれ舞台芸術になってよみがえる。それは守り伝えてこられた皆さんの文化の力です。

朗 読 : 大田市演劇サークル 劇研「空」
山本和之 松本領太 田中安夫 吉川礼子 森山ゆい 田中和子
松本由香里 前田美佳 洲浜昌三
スタッフ(記録など)中村隆美 石橋昇悟

演 奏 : 琴・合原三令 尺八・森山重富 ギター、チェロ・長坂行博           ヴァイオリン・長坂拓巳 キーボード・長坂玲子 シンセサイザー・長坂響子   合唱指揮:伊藤裕子                            合唱:馬路地区小学生13名、大田少年少女合唱団9名、フレンズ彩、サウンドコラージュのみなさん21人のみなさん。照明や音響などは大田市民会館のスタッフと補助員のみなさん。

主催:大田市民会館 馬路まちつくりセンター 大田市文化協会 琴の鳴る浜実行    委員会                                  後援:大田市教育委員会

感動を残し馬路公演終わる

2011年10月8日(土)音楽と朗読による創作劇『琴の鳴る浜』が旧馬路小学校体育館で行われ深い感動を観客の心に残して終わりました。劇では2度上演していますが、1時間に短縮して朗読用に書き直してからの上演は初めてです。新形式への挑戦でしたがとても好評でした。そのうちアンケートなどのまとめが出ると思いますが、ひとまずお礼をかねて舞台風景写真を中心に報告します。

 天井や十文字幕の上の白壁にこのような照明がエフェクトマシーンで投射されていたことを出演者は知らなかったのではないでしょうか。ホリゾント幕はありませんし照明も困難ですからタムラさんはこの広い空間を利用されたのでしょう。観客には思わぬ効果を与えたのではないかと思います。

市民会館から椅子を持ち運び客席は150席用意してありましたが満員でした。パンフレットもなくなって、出演した劇研空のメンバーにもありませんでした(うれしざんねん)。

会場準備が大変だったことでしょう。照明器具50基ばから、太いケーブルを10数本、平台、スタンド、カーペト、照明や音響の操作卓、大きな衝立などなど運搬し設置し、解体し運搬し格納し・・・・・。

終わると数人の人たちが話しかけてこられました。言葉だけというのは想像力が働いてとてもよかった、とか、感動しました、とか、すっきりしてよかった、他でもぜひ上演して欲しいとかいろいろでした。

終了してから後片付けをしましたが、トラックに積んで市民会館へ5回運ぶという大仕事でした。終わったら12時を過ぎていました。

合唱のみなさん、演奏されたみなさん、劇研空のみなさん、そしてスタッフのみなさん、地元の馬路のみなさん、本当におつかれさまでした。ありがとうございました。

 

『その後の耳なし芳一』幻影舞台公演

松江市の劇団・幻影舞台が結成30周年を迎え、記念公演として『その後の耳なし芳一』を上演します。作・演出は幻影舞台の清原 眞さん。おもしろそうです。場所は2011年10月22,23日、松江市千鳥町宍道湖しじみ館3階の名産ホールです。

名産ホールのキャパは308人です。前売券は一般2000円、当日2500円、学生は1000円、当日券は1500円。幻影舞台の事務所の電話は0852-22-7886です。

『耳なし芳一』は小泉八雲(ラフカディオ ハーン)の『怪談』に出てくる有名な話しです。芳一は琵琶を弾いていて耳を切られますが、よい医者のお陰で治ります。この奇怪なできごとは世間へ広まり芳一は有名になり多くの人が芳一の琵琶を聞きに赤間ヶ関へやってきてたくさんの金品が送られ、芳一は裕福になります。

今回の劇は清原さんが、その後の芳一を書かれました。金とくれば酒とオンナがオキマリですが、さーて、清原さんはどんな妄想を舞台で具体化されることでしょう。楽しみです。

22日は20時、23日は14時開演です。どうぞ松江へ足を運んでみてください。

幻影舞台が結成30周年。あしぶえが45周年。共に重い歴史があり存在感があります。おめでとうございます。ますます充実した舞台を楽しみにしています。

馬路公演の合同練習順調

 馬路小学校体育館で上演される音楽と朗読による『琴の鳴る浜』の合同練習が9月25日13時から大田市民会館中ホールで行われました。初めての合唱、演奏、朗読の合同練習でしたが、とてもスムーズにいき好評でした。大田少年少女合唱団や馬路地区の小学生たちもしっかりと声を出してがんばってくれました。

 劇用の脚本を大幅に朗読用に手を加えましたが、2度舞台で演じているだけに中断することはほとんどなくスムーズに終了しました。予測していた時間は1時間10分でしたが、終了したら係の人が「1時間8分でした」とのこと。すごーい!勝部義夫さんも指導にきておられましたが、「テンポがゆったりのところがるので、修正したら1時間ですむ」といわれました。

 終わって、長坂先生に感想を聞くと、「とてもすっきりしていいですね。演奏していても朗読に合わせていけばいいのでとてもやりやすい」とのことでした。「劇用を三分の一カットしていますが、初めての観客にストーリーがわかるでしょうか」と聞いたら、「十分わかるんじゃないの」という答え。

 あちこちチェックしたところがありますし、劇と違って言葉だけでイメージを喚起するわけですから、話し方に微妙な変化や工夫が必要です。マイクの使い方も重要です。それらを今後修正していきます。さっそく26日夜は定例練習日でしたので青少年ホームで話し合いながら練習しました。

 前売り券は500円です。好評発売中(!?なんか聞いたような常套句!)ならいいのですが、昨日券を預かりましたので一枚も売れていません。欲しい人は市民会館にもありますが、劇研空のメンバーも持っています。

 朗読と音楽による『琴の鳴る浜』は劇と違う魅力があります。朗読や読み聞かせをやっている人はたくさんいます。是非参考までに旧馬路小学校体育館へきてください。当夜は乙見神社のお祭りの前夜祭として行われます。

 劇と違って朗読は1人でも2,3人でも、5,6人でもできます。場所もどこでもできます。その点が魅力です。

 次の練習日は3日(月)です。SSSは28日から遠い旅に出ます。四国の南端、四万十市。そこで中四国詩人会大会が開催されます。現在会長という長を汚染中ですので欠席するわけにはいきません。それにしても四万十は遠い!

H23 浜田の地芝居大会観劇記

2011年8月7日、浜田市の石央文化ホールで第4回「石央地芝居大会」が開かれました。6団体が劇を上演、約600人の観客が楽しみました。観劇記を依頼されていたので朝から5時頃まで椅子に座りづめでしたが、楽しく観劇しました。

次の観劇記は8月25日山陰中央新報の文化欄に掲載されたものに加筆したものですが新聞など読まない人がほとんどですから、大会の応援を込めてここで紹介します。写真は自分で撮ったものですが、舞台風景として紹介します。

第4回石央地芝居大会

豊穣な時間が流れる/多様な現代劇と地芝居                            <洲浜 昌三>

新生浜田市を記念してはじまった「地芝居大会」が4回を迎え8月7日、石央文化ホールで6団体が参加して開かれた。現代を反映した創作劇、自分探しの若者の劇、舞踊、日本人の心を揺さぶる地芝居が上演された。舞台が終わる毎に浜田高校放送部員の司会で劇作りの苦労が披露され、バラエティーに富んだ舞台だった。

地芝居という言葉は現在あまり使われない。地元の人たちが演じる芝居が地芝居だと誤解している人もいるかもしれないので、簡単に説明しておきたい。

江戸から明治にかけて、芝居といえば都会の歌舞伎を指した。農村の有志が江戸や上方から招く芝居は「旅芝居」とか「買芝居」といわれ、その影響を受けて地元の人たちが真似て演じたものは「地芝居」とか「村芝居」「農村歌舞伎」などと呼ばれた。昭和10年前後に黄金期があり、敗戦後に第2次黄金期、昭和50年代からマスコミも取り上げ梅沢富美男に代表される「大衆演劇」の名前でブームになった。地芝居は農村歌舞伎を指したが、明治、大正、昭和の時代を経て新派劇や剣劇の影響を受け、戦後は青年団が各地で上演した新劇の影響も受けて現在に至っている。「地芝居」という名前は現在では使用頻度も低いが、単なる地元の芝居という意味ではなく歴史のあるジャンル名でもある。今回の大会では『絆』だけが地芝居であり、あとは現代劇である。

創作劇『どろぼう日記』(酔族漢、田中栄二作)。認知症で寝たきりの老人宅へ3人の泥棒が侵入して展開されるハプニングで笑いを誘う。認知症も接し方次第で心がつながる-というテーマが埋没したのは、主題より周辺が目立ち過ぎたからだろう。三人の泥棒が認知症の老人と世話をする娘の家へ忍び込むことでまったく異質の人間の出会いからはじまる面白さを狙っているのだが、前半のこの泥棒と娘との奇妙なやりとりで遊び過ぎてこれが観客の印象に残ってしまい、認知症老人は単なる付け足し的な扱いになった。存在感があった老人を周辺は支え、核心を浮かび上がらせたかった。短い劇では遊び過ぎるとテーマがぼける。10分以内にテーマを暗示してテーマの主流に巻き込んでいかなければ観客の緊張感を持続できない。

群読劇『花子がやってきた』(金田サダ子作)。平均年齢が70歳を超える「くにびき学園社会文化18会」の16人が出演。朗読と歌、映像、劇で構成した舞台で、戦争中に上野動物園の象などが飼育員の手によって銃殺されたり毒殺された。そういうことがあった数年後、タイから象の花子が神戸へ送られてきた。一連の実話をもとに作られた。群読劇となっていたが、構成劇に近いと思った。個人の朗読や群読もあるが、飼育員が出てきたりプラカードに絵を描いた像やキリンや蛇などたくさん動物も出てきて舞台を広くつかって劇に近い場面も多い。それらの場面がうまく構成されていた。観客には高齢者が多く、舞台で歌われた数々の戦中戦後の歌は胸に迫るものがあっただろう。観客あって成り立つのが演劇であることを考えれば、作者の金田さんのセンスに軍配をあげたい。力まず自然体からうまれた素朴な演技(というより動き)から自由な風が舞台に流れていてさわやかだった。戦争中に動物園の像などを殺した悲劇はいろいろ脚本もある。『像の死』などは今でもよく上演されて迫力がある。今回の台本では冒頭でパンダの話が出てきたが、観客はパンダが主題かと思って見始める。また上野動物園の像の飢え殺しと神戸へ花子がやってくる場面が同じ比重で扱われているので焦点が散漫になった。焦点を絞って整理すると、さらに印象の強い舞台になるだろう。焦点を絞るということはそれぞれの場面を均等に扱うのではなく、時間や強弱の比重を考えて台本を整理し演出するということだと思う。しかし高齢者でもこれだけの舞台ができると言うことは台本を書かれた金田さんや指導をされた人たちの絶大な力の賜である。

創作劇『られた族の人々』(「創作てんからっと」美崎理恵作)。ドラマツルギーを心得た座付き作家(作者は現在東京在住)と達者な役者が創り上げた舞台で、テンポのいい進行と意外な展開が観客を引きつけて離さない。ホテルの前に捨てられた赤ん坊を育てる支配人夫妻と宿泊客たちの過去が暴かれていく。「息子に裏切られた支配人」「出版社に干された作家」「男に見捨てられた女」「母親に捨てられた赤ん坊」。「られた族」の間に奇妙な連帯が芽生えていく。装置もバランスがよくて安定していたし、奥行きを出し効果的で、何よりも役者が演じる空間がよく計算されていた。プログラムによると舞台デザインは岩町功先生、演出は岩上弘史さん、怪しげな作家は岩町大先生。劇の冒頭は赤ん坊を乳母車のまま捨てていく母親。まずここから引きつける。次々とお客さんが来るが、みな個性があり、その過去や人物が徐々に暴かれていく。引っ張っていけるように観客の心理をよく計算して脚本が作られている。発声や演技もしっかりしていて最後まで安心して楽しく見ることができた。

 現代的なテーマや人物設定もあり、最後には希望もある残る終わり方だったが、あえて難を捜せばそれぞれの人物がみな重いものを抱えていることが分かるのだが、その中でも比重の軽重はもっとあった方が劇としての印象は強くなる。誰が主人公になってもおかしくないほど一人一人に重さがある。それは同時に劇を作るためにうまく設定して書いたという印象をかすかに僕の心にす。欲張り男の注文。

創作劇『二人三脚』(浜高演劇部、肥後万結子とDCF作)。同じ学校に通う教師である母の言動に娘が悩み、不登校になる話。さすがに伝統のある浜田高校演劇部。発声も一つ一つの言葉もきれいで気持ちがいい。劇作りとしては暗転の多用で劇が細切れになってしまった。紙の上で脚本を書く立場でいえば、場面を何度も展開して書いてた方が楽である。しかし舞台は紙の上とはまったく違う。学校、家、受業、学校、家、教室、職員室、購買、運動会、それを暗転で処理したら劇は細切れになり暗転毎にお客さんは現実に返る。暗転を最少にして劇をつくるためにはどのように構成すればいいかを考えたら絶対に解決法は見つかる。この劇では学校でも家と同じに振る舞う母という設定だった。これには違和感があった。同じ学校で我が子を教えなければ行けない状態になった先生はたくさんいる。多分100%の先生が、学校では他の生徒と平等に扱うか、又は冷たく扱うだろう。学校でも家と同じように私的感情で対する先生はいないと思う。先生の体面から我が子に過大な期待をかけ過ぎ、その重圧で反発し不登校になるのなら十分わかる。この点は大いに議論してほしい。石見部でただ一つの演劇部として遺跡のような宝になった浜田高校演劇部のみなさん、おつかれさまでした。秋にはまた松江の県大会でがんばってください。今年も行きます。

今福の地芝居がはじまる前に、前座として多邨一雄さんと梶原光朝さん(上の写真)の舞踊『長良川艶歌』があり会場を沸かせました。いやぁ、見事でした!宮本美保子さんと岡千鶴さんお舞踊『佐渡の舞姫』もみごとな舞でした。

『絆』(今福「盛り上げ隊」、元「いまふく劇団」)。伝統の厚みがある地芝居を熱演した。アドリブで客席を沸かせながら自然に芝居へ引き入れていく術も掌中のものである。幼時に父と離別、母も他界、罪を犯しお尋ね者となった和太郎が、そば屋を営む父と出会い、恨み憎しみを超え親子の絆を取り戻す。時にじっくり語り、熱く演じた。何度も客席から拍手が湧き、声が飛んだ。現代演劇の冷めた自我や理知が生み出す世界と対極ともいえる役者と観客が創り出す陶酔の世界があった。地芝居は義理人情をじっくり演じるのが特徴ですが、そんなのは古い!という人もいるかもしれません。しかし戦後のアメリカナイズされた合理化、効率化、個人主義、功利主義のが空気を支配している時代には「古くさい!」と排除すべきものとして嫌われました。しかし時代が変化していくと日本人心の核として評価されるでしょう。日本の芝居はもともと役者と観客が一緒に楽しみ一緒に創っていく芸能です。石見神楽のようなもんです。そういう意味で石見の浜田や邑智郡や益田、隠岐などにまだ残っている地芝居を大切に育てて行きたいものです。「いまふく劇団」は20周年を期に解散し、今は有志だけで上演しているそうです。しかし伝統の厚みをあちこちで感じました。観光客に石見神楽を見せることは力をいれて盛んに行われていますが、何かの催しにこのような伝統のある地芝居を呼んで上演してもらうというのもいいですね。

一つ気になったのは芝居のクライマックスで西洋音楽がずーっとBGとして流れていました。不必要だと思いました。BGなんかない方がはるかにセリフが引き立ち言葉が素朴に観客の心に入ってきます。少なくとも和楽器でないとお互いにバッティングを起こします。

『夢の中のユメ』(島根県立大演劇サークル、神崎逢風作)。1人の死者と死の淵を歩いている2人の若者の間で交わされる会話劇。死の世界から生を見るという面白い着想だが、抽象的で会話の堂々巡りが多い。抽象劇は視覚化し具体化していかないと観客は疲れる。

上の写真は浜田高校放送部員の司会で上演後に劇について語っている演出の新宮さんです。新宮さんは香川県、キャストの千葉さんは佐渡の出身だそうです。こういう人たち参加してくれるとは素敵ですね。

各地で行われる余芸大会はいざ知らず、6本もの劇を上演できる地域はまずないだろう。高校生、大学生にも場を与え育てようとする主催者の姿勢を思いながら、豊饒(ほうじょう)な時間が流れた「演劇祭」会場をあとにした。

(劇研「空」代表、日本劇作家協会会員)

新聞を紹介します。読みたい人は買って読むか図書館でどうぞ。

H23 山口華陵高校全国大会で最優秀

2011年8月5~7日、香川県丸亀市で開かれた57回全国高校演劇大会で山口県立華陵高校の『カツっ!』が最優秀に選ばれました。中国地区からの最優秀です。おめでとうございます!とてもすばらしい劇だったそうです。

優秀賞3校は次の通りです。津曲学園鹿児島高校、大谷高校、北海道北見北斗高校。

創作脚本賞は大谷高校、舞台芸術賞は埼玉県立秩父農工科学高校。

上位4校は東京の国立劇場で8月末に上演します。その舞台は9月4日(日)15:00~17:00にNHK教育テレビで放映されます。ぜひ見てください。

華陵高校といっても島根県では知らない人がたくさんいます。歴史のある学校はほとんど土地の名前をつけていますのですぐに場所が分かります。新設校は抽象的な漢字をつけるので見当がつきません。華陵高校は山口の下松市にあり昭和62年に新設された高校す。英語科と普通科があります。野球部も甲子園へでました。

華陵高校では演劇部は演劇部といわず舞台芸術部です。創立後から中国地区大会へ出ましたが、とてもセンスのいい舞台をつくり劇も洗練されていて「すごいな」と思ったことがあります。

先日浜田で地芝居大会があり、高校演劇の大先輩岩町功先生に会いました。「石見では浜田高校しか演劇部がないとは残念でたまらん」と嘆いておられました。まったく同感です。演劇部の卒業生たちが社会人となり地域の舞台芸術活動を引っ張っているのです。岩町先生も、山口は活発にやっているようだね、と華陵高校の活躍を喜んでおられました。華陵のみなさん、東京でもがんばってください。

 

 

8/5~7 丸亀市で高校演劇全国大会

2011年8月5,6,7日、香川県丸亀市の綾歌総合文化会館で第57回全国高校演劇大会が開かれます。今年は福島県が会場でしたが、東北大震災と福島原発の事故により急遽変更されました。福島を予定して準備が進んでいただけに大変だったこととおもいます。

 全国高校演劇協議会(事務局長 大阪府立北摂つばさ高校 吉田美彦先生)で発行している「演劇創造」121号から大会出場校を紹介させていただきました。

中国地区は伝統のある山口の華陵高校、四国地区はこれまた伝統がある高松工芸高校です。九州はベテラン谷崎淳子先生の脚本です。秩父農工科学高校も楽しみですね。きっとテレビでは見られるでしょう。近くだから観劇に行きたいところです。劇作研究会の総会、懇親会もありますが、今年は浜田の地芝居大会です。

全国大会で推薦された優秀賞4校(+東京の特別上演)はの劇は8月27日28日に国立劇場で上演されます。それはNHK教育テレビで9月に放映されますが、日時は未定です。本物の舞台を見に行けない人も、これだけはぜひウオッチしてほしいですね。すばらしい高校演劇は下手な大人やプロの劇よりはるかにおもしろくて感動的です(SSS)

8/7 浜田で第4回地芝居大会

2011年8月7日(日)浜田の石央文化ホールで第4回石央地芝居大会が開かれます。浜田市にある6団体が出演します。様々な劇を楽しむことができます。

 地芝居?なじみのない言葉ですが、ちゃんとした江戸時代からの言葉です。江戸や明治の初めころまでは芝居といえば歌舞伎しかありませんでした。その歌舞伎に影響されてそれぞれの地方で演じられた芝居は村芝居とか地芝居とか村歌舞伎とかいわれたのです。10年前に結成された全国地芝居連絡協議会もあり活発な活動をしています。

島根では出雲の「むらくも座」が本来の意味での正当な地芝居にあたると思います。今回の浜田の大会ではほとんどが現代劇で、創作劇が中心です。内容が看板と変わってきているので、知らない人は何の大会かと思うかも知れません。唯一地芝居に近いのが今福の「盛り上げ隊」が演じる『絆』です。一昨年は観劇しましたが、今福はとても演出が効いたいい芝居を上演しました。細かい動きにも神経が行き届き心理の流れを切らずじっくりと見せてくれました。まさに伝統を感じました。しかしそれは地芝居の流れは受けてはいますが新派に近い芝居です。石見にこういう芝居が残っていることをとてもうれしく思ったものです。子供のころに見に行った旅芝居(これも地芝居や新派に近い)を思い出しました。

 浜田高校、県立大学など若い人たちの演劇をみることができるのも楽しみです。「くにびき社文18会」(なんの省略?)は『花子がやってきた』を16人で群読します。花子というのは象の名前です。どのような群読になるか楽しみです。

一昨年は見にいきました。昨年は高校演劇島根県大会と重なって行けませんでした。今年は早くからイワマチ大先生から案内を受け観劇記を依頼されていますので優先していきます。都合がつく人はぜひ見に行って芝居を楽しいんでください。

8月5,6,7日は香川県丸亀市で高校演劇の全国大会があり、年1回の劇作研究会総会もあり案内がきています。近くだし参加したいなと思っていましたが、両方行けば股割き。はいそれまでよ。まだいやです。

H23 7/24 四国高校演劇祭で『また夏きて』上演

2011/07/24(日)香川県の四国中央市民会館で第12回四国高等学校演劇祭が開かれます。5校が上演しますが、14:50から『また夏がきて』(洲浜昌三作)を丸亀高校演劇部が上演します。上演校は次の通りです。都合がつく人はぜひ観劇にでかけてください。

第12回四国高等学校演劇祭  7月24日 (日)
会場:四国中央市民会館川之江館 大ホール10:40~ 開会式
11:00~ 土佐女子高等学校 「お泊り会議」竹内真穂・浜口寛子
12:30~ 徳島県立海部高等学校「murmurcasebook」吉田道雄
13:40~ 愛媛県立東温高等学校「最終試験場の九人」畑澤聖悟
14:50~ 香川県立丸亀高等学校「また夏がきて」洲浜昌三
16:00~ 愛媛県立川之江高等学校「心ここに在らず」(仮) 越智優
17:10~ 閉会式

この台本は1999年に大田高校演劇部が上演し、季刊誌『高校演劇』に掲載され晩成書房の『高校演劇selection2001下』に収録されて出版されました。毎年数校から許可願いがきますのでどこかに魅力があるのでしょう。昨年は千葉の高校が地区代表になりその上の大会へこの脚本で出ています。成人劇用に大幅に書き換えて『サクラさんのふるさと』とし、数年前に劇研空がサンレディで上演し好評でした。

大田高校で上演した時はぼくの最後の年で中国大会事務局も担当していて大田市民会館で中国大会を開いたチョータボーな年でした。そして演劇部員が少ないときでした。男性がどうしても必要なので森谷くんを口説き落とすのにあの手この手の心理作戦を使ったものです。いまどうしているかなぁ。劇で全国や外国も飛び回っていたミサキ君は昨年大田へ帰りました。そのうちやりますよ。ユイさんはこのときの部長。今も一緒に劇研空で一緒にやっています。上の本には扉に舞台写真があります。なにがなんだかわかるひとにしかわかりませぬが、パチリ!

晩成書房からでているこの本は定価2000円です。買い置きが残っていますので欲しい人には二分のいちでおゆずりします。

中四国高校演劇祭からそれてしまいました。どのように演出され、どのように演じられ、どんな反応があるか知りたい!のですがいけませぬ。感想を聞かせてくれる人はいないけどいれば(?)うれしいですね。

丸亀高校演劇部のみなさーん!頑張らなくてもいいので、肩の力を抜いて伸び伸びと楽しんでくださーい!(あっ?あのこえは!)大会の成功をお祈りします。

 

大田高出身の福原美佳さん『キュリーキュリー』へ出演

2011/07/16、東京の青年劇場にいる福原美佳さんから青年劇場のニュースや上演チラシ、「みか月だより」が届きました。美佳さんも出演しますので紹介します。

この劇は青年劇場が長期間全国で公演している人気のある感動的な舞台です。美佳さんはすはま君が大田高校へ川本高校から転任してきて演劇部顧問になったとき3年生で演劇部員でした。卒業して青年劇場へ入り活躍しています。

チラシには美佳さんの写真も出ています。なんかだんだん若返っているんじゃない?美佳さんは隠れ劇研空メンバーです。いつか朗読などを一緒にやりたいと話したこともあります。平成7年(1995)8月10,11日に島根県高文連高校演劇部門の夏期講習会を大田のサンレデ-で開いたとき青年劇場の西沢由朗さんを講師にお願いしましたが、助手として美佳さんにも来てもらい実際の演技指導などをしてもらったこともあります。あのときは2日で90人以上の演劇部員が参加してくれました。

あのごろは大田高校にも邇摩高校にも、川本、矢上、江津、など石東地区にも演劇部があったよなぁ。大昔の話しだよね。もうとっくに廃部!ああ寂しい言葉だね!

東京近辺に住んでいる美佳さんの同級生や大田の出身者はこの劇を観にいってほしいですね。そういう人がいればぜひ勧めてください。

おーい、がんばれよ、みかさーん!かくれげきけんそらめんばーの力を舞台でみせてやってくれ!