劇研「空」会報16号できました

不定期で会報を作つていますが、5月に16号を作りました。15ページです。自家印刷機で印刷したカラー版と店のコピー機で作った白黒コピー版の2種類あります。すでにメンバーには郵送しました。今回は詩人連合総会や文化プロデユースの会などでも紹介を兼ねて配布しました。表紙を紹介します。

H25 会報16号表紙

空のメンバー以外でも千葉の持田先生や作家の石田さん、詩人・作家の日和さんなど関係のある人にも送りました。PRなどであげたい人があれば言ってください。いつでも送ります。

記録のため、またPR用として今後も作ります。書きたいことがあれば原稿を送ってください。

H25 青原小で文化芸術体験授業

2013年6月4日、津和野町立青原小学校でワークショップをしました。これは県文化国際課の「しまねの文化芸術体験事業」です。劇研「空」は、昨年島根演劇ネットを通して企画案を提出していました。その結果、青原小学校から声がかかりました。詩の群読を通して発表力を養う、という目的です。

台本など準備に数日かかりましたが、無事に終わりました。詳しいことはまた会報などでお知らせします。写真は音楽室の風景写真です。

H25 青原小

劇研空のレイコさんがギターを抱えてはるばる来てくれ、シゲミさんが記録や介護(?)係りとして同行してくれました。

「つもった雪」はギターに合わせてみんなで歌うことを一つの目標にしていましたが、これは成功でした。ピカピカの一年生から、落ち着いて理解力もある6年まで28名です
から、どこに焦点を合わせるか難しいところです。上級生は詩の理解力も十分あります。学年で選んだ詩を群読してもらいました。今後続けるそうですから、きっと上達していきうことでしょう。楽しみです。

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最後にもう一度歌をみんなで歌いました。

終わって、「今日の感想を何か述べたい人はありますか」と先生がいわれると、7,8名の児童が勢いよく手をあげて、感想を述べてくれました。とても励まされました。

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後で聞くと、日頃はおとなしく、ほとんど発言しない子が数人、自分の感想をしっかり述べたそうで、先生も感動しておられましたが、レイコさんもぼくも、感動しました。

反省することもいろいろありますが、ひとまず終わったことを報告します。

 

 

 

H25 石見演劇フェスタの会議報告

2013/04/27、浜田の石央文化ホールで石見演劇フェステバルの第一回代表者会が午後1時から開かれました。出席団体は劇研空、ドリームカンパニー(益田)、くにびき18座、山陰久佐松竹座、今福盛り上げ隊、npo創作てんからっと、浜田高校演劇部、劇団川本塾、深山会、石央文化ホールの関係者。主なことを報告します。
H24 新聞 石見演劇フェスタ

(昨年の石見演劇フェスタを報道した山陰中央新報です。今年度のフェスタとはまったく関係ありません。読みたい人は購読するか図書感で読んでください)

大会長、岩町功先生の司会で会議が進行。最初に昨年の反省から今年度の方針を話し会いました。最初に意見を求められたので、次のようなことを述べました。

1.一日10団体上演は無理が多い。9時から5時まで昼食休憩なしの上演では観客に負担が多い。しかし2日間上演すれば経費は倍になり開催は困難。そこで一団体の上演時間は45分以内にしてどうか。
1.リハーサルでは照明や音響とのきっかけ合わせがしたい。そのためには照明の仕込みの日程や時間を事前に確保してほしい。(連続して会場確保するには10,11月は困難)

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(内容と写真はなんの関係もありません。単なる気分転換です。さてこの三瓶山はどこから写したかわかりますか。分かる人は大田のことがよく分かっている人だということが分かります)

いろいろ話し合った結果次のことが決定されました。
1.今年度開催は3月5,6,7,8,9(8ゲネ、9本番、5,6,7はリハ)
1.上演時間は45分以内。(どうしても1時間が必要な劇団は例外)
1.9月末までに各団体は上演作品、時間を報告する。
1.10月中旬に次回の会議を開催する。

以上です。劇研空は目下白紙です。川本塾の堤さんが出席されました。今年度も川本では地芝居大会を開催される計画ですが、この浜田のフェスタにも参加される予定です。

帰り際に、「11月15日に邇摩高校創立110周年記念で『石見銀山旅日記』の上演依頼を受けているんですが、都合はどうですか」と聞きました。忙しい人ですから今から予約を確実にしておかないといけません。「会報はできましたか」と聞かれ、「あと少しです」と答えましたが、待っていてくれる人がいることを知り、がんばらねば、と思った次第です。

H25 大田市民会館で「益田糸操り人形」上演

2013年4月14日、リニューアルされた大田市民会館の中ホールで、島根県無形文化財に指定されている「益田糸操り人形」の公演がありました。
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人形浄瑠璃は「手遣い、または三人遣い」「指人形」「糸操り」の三種を源流にするそうですが、「糸操り」(マリオネット)が最も少ないとか。高さ2メートルの天井に設けられた「歩み板」から10数本の糸で人形をつり下げた「手板」を動かして人形を操ります。太夫が三味線に合わせて節をつけて語り、人形はそれに合わせて動かされます。役に応じて人形の心を表現することが目標だそうです。

演目は「寿三番叟」「加賀見山旧錦絵」「傾城阿波の鳴門」「山本一流獅子の一曲」

太夫の語りが上手で、引き込まれましたが、人形は思ったより小さくて、後ろの方に座っていると人の頭が邪魔になりほとんど見えないのが残念でした。中-ホールのフロアーはフラットですから、舞台が高くないと人形も見えない。いい工夫はないものかな、と思いながら、後ろで立って見たりしましたが、後ろでは人形が小さくて遠い風景になり迫力がなくなります。移動式折りたたみ階段があればいいね。大森の交流センターには階段がありますけどね。置き場所がないしね。どうしましょう。
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上の写真は公演終了後に許可を得て写したものです。下の写真は「歩み板」から人形を操っている写真です。人形の舞台は縦横奥行きともに、思ったより短く、舞台は小さい。劇場などで上演するものではなく、小さな芝居小屋で上演したものなのでしょう。

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この益田の糸操り人形は明治20年頃、益田へ山本三之丞という人が持ち込んだそうです。彼は安政6年に山梨県大月市に生まれ、養子となり加藤を名乗り、浅草で人形芝居を興業していましたが、うまくいかず、関西へ下り、ここでもうまくいかず、大阪で知り合った益田出身の旧庄屋、斉藤善太郎を頼って益田へ来ました。当時は日本中どこでも浄瑠璃を語る人はいました。益田でも浄瑠璃愛好者集団があって、三之丞は義太夫などを教えたようです。

江戸の影響を保持した糸操り人形が益田に残っていることはとても貴重なことです。絶やさずつづけてほしいものです。

3/30 機能も充実、新装大田市民会館を見学

3月31日、新装なった大田市民会館のリニューアルセレモニーが行われました。100人以上の人たちが集まりました。
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テープカットがおわり、会館の内部を見学しました。中ホールはいままで「単なる広い部屋」でしたが、「舞台にもなる小劇場」になっていました。ホリゾント幕や袖幕は大ホールのものを再利用したとか。最新のプロジェクターもあり、音響も素敵です。
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後ろを振り向くと!なに?この人たち?!
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あなたもいる、ぼくもいる、なんと我々ではありませんか。どういうこと?。そうですmirror です。ダンスや舞踊などの練習で、自分の姿を見ながらできるのでとても便利です。その他、展示会などで展示品がすぐ吊れるようにレールも設置してあります。

次は大ホールです。久しぶりに入ってみると、「あー、広いな」と思いました。1036席の椅子がすべ新しくなっていました。座り心地も快適。
DSC04484フロアーも新しい木材です。緞帳は昔の三瓶山ですが、洗濯に出したそうです。13秒だったのが、11秒くらいで下ります。暗転幕もスピードがあり、どこでもストップできます。照明機材も新設です。LEDをたくさん導入したので電力消費も抑えられるとか。

「ここで石見銀山の劇をやってほしいね」と隣におられた元会長さんがいわれました。浜田で上演した「石見銀山旅日記」の話しをすると、「浜田で?そりゃ大田でやらにゃ、石見銀山の大久保長安でしょう」

まず、中ホールを使って、第4回「朗読を楽しむ」をやりたいという話しをしました。

1.ひとり5分前後、詩でも随筆でも歴史物でも創作でも自分の好きな素材で参加する。
1.興味がある人は誰でも参加できる。観客も朗読者も入場料は500円負担。
1.劇研空は20分くらいの創作民話などを群読する。
1.毎回テーマを変えて実施する。第4回は「三瓶山」(プロジェクターを使って三瓶山の四季の姿を投影し、詩をつけて朗読)

これは以前から抱いていた着想です。元会長に話すと「いいですね、参加します」とのこと。前夜、空の会合で修平さんと山ちゃんも賛成です。演劇が好きな大田高校生にも呼びかけたい。

帰りに中ホールの空き状況を聞いたみたら、4,5月の土日はすべて予約済み!6,7、8月にちょっとだけ空きがありました。朗読ですから場所は自由ですが、ゆっくり考えましょう。

 

H25 3/31 新装大田市民会館内覧会

平成23年4月から使用できなかった大田市民会館の耐震補強工事が終わり、3月31日10時から、利用再開のテープカットが行われます。そのあとは会館の内部を見学できます。大田市文化協会や教育委員会からも案内が来ています。誰でも参加できます。劇研空のみなさんもぜひ参加してください。DSC03959 これは工事中の会館です。

耐震工事だけではなく外装も含め大幅な改装が行われました。「広報おおだ」3月号で、ポイントを押さえ簡潔に紹介しています。そこにも書いてありますが生涯学習課の主催で市民会館のあり方について何度も利用者の会が開かれ、さまざまな要望が出されました。ほとんど出席しましたが、特に要望したのは中ホールの充実でした。どのようになっているか楽しみです。

耐震工事だけではなく大幅な改装がされました。大ホールの椅子の取り替え、音響や照明、吊り物など老朽化した機材の更新などです。最新式の機材が導入され、トップレベルの会館になるのではないでしょうか。

建物だけではなく、今まで以上に地域の文化活動支援・育成にも力を注ぐという決意が書かれています。市民の活動が活発にならなければそれは実現しません。生涯学習課主催の文化プロデユーサー養成講座がおわり、現在受講した人たちが定期的に集まって話し会いをつづけています。市民会館利用者ネットワーク構想もあるようです。ぜひ多くの文化団体や個人が集まって希望や要望を出し合い、一歩ずつ前へ進めていきたいものです。

続続「これが邑智の地芝居だぁ!」観劇記

平成25年3月17日、島根県邑智郡川本町「悠邑ふるさと会館」で行われた地芝居の観劇記のつづきです。
劇団かわもと塾「天領かわもと〜夏の名残〜」(堤 浩隆 作・演出) 昨年につづき、地元の素材を生かした歴史物の創作劇です。(ツツミさんが別れ際に、ブログに書いてください、と言われたので、ガンバッテ書きま〜す) ストリーも明快で台詞もテンポがよくラストの盆踊りへ向かって無駄なく進むので、終わったときスッキリした印象が残りました。中幕で舞台を狭めたのも効果的。少ない人数で広い舞台を使えば、劇が隙き間だらけになるからです。ホリゾント幕を使わずに、大水で流れて来た家の屋根などがらくたを並べた装置もよかったと思います。素朴でたくましいな百姓たちもリアリティがあり生きていました。

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大森銀山の代官や役人の扱いについてはちょっと都合よく作りすぎた印象です。史実に関係無く面白さや感動をねらって劇をつくるのか、史実はできるだけ重視して劇を作るのか。創作するときこの二つの違いをあいまいにしたら劇の性格もあいまいになります。

吉岡隼人は毛利時代の銀山役人で大久保長安にも仕え、伊豆や佐渡の鉱山開発にも功績があり、家康から「出雲」と拝命、吉岡出雲と名乗り1614年に死亡、大森の極楽寺境内に葬られました。

中瀬弾右衛門は1696年に朝鮮の安龍福が隠岐へ来たとき隠岐の役人で取り調べをして報告書を石見銀山代官、後藤覚右衛門へ提出しています。

天野助次郎は27代の大森銀山代官(1749〜1754)で、久利町大屋に井戸平左衛門と共に顕彰碑(天保7年に建立)が残っています。多分、この劇のように飢饉のときなどに善政を施したのでしょう。

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この劇の時代設定は天保4年の飢饉です。文政13年〜天保6年(1830〜1835)の大森銀山代官は根本善左衛門です。多分作者は天野助次郎という人物に感銘を受け、天領かわもとの水害と盆踊りを関連づけて創作されたのでしょう。いい着眼だと思いますが、他の役人も有名な歴史上の実名で登場するので、なんでここに出てくるんだろう、と違和感を抱きました。作者にはぼくの考えとは異なる計算や意図があったのかもしれません。

来年もまた地域を素材にした創作劇を楽しみにしています。 とても貴重なチャレンジです。いい作品は、時代に淘汰されながら、生き残り、またその時代の人たちによって復活再演され、人々を励ましてくれます。芸術の命は永遠です。(ハンシンタイガースモエイエンダ!)

最後は島根県邑智郡邑南町高原の「星が丘一座」の地芝居「十手 涙の取り縄」。

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結成以来15年を迎えるそうです。大いに笑わせて涙もたっぷりしぼる、これぞ地芝居!役者に余裕があり安心して見ることができる舞台でした。

人物造形もよくできていて、間抜けの目明かし、きりっとした親分、正に兄弟を思わせる怪盗小次郎と直造、年老いて軽くなった父・義造身の振る舞い等々、人物が舞台で生きていることが劇の基本ですから、その点でも安心して楽しく見ることができました。

地芝居の面白さの一つは、観客の反応を見ながらその場で出てくるアドリブです。その土地その土地の人情や土地柄、観客の反応をつかんで飛び出す即興の台詞、それに反応する観客ーこの生き生きとした交流に特徴があります。下手なアドリブは興ざめで逆効になりかねませんから、センスが必要です。この劇ではそれを楽しむことができました。観客の反応も十分でした。

クライマックスでは怪盗小次郎が自身番の父親・義造にやっと出会いますが、目明かしに追われている身。兄の直造は弟の罪をかぶろうとしてその場で切腹。それを見ながら、せめて自分の手でと我が子に綱を掛ける父。ほっとすればどんでん返し、またどんでん返し。これでもかこれでもかと人情に訴え観客の涙を絞る。終わると解放されたように大きな拍手が湧きました。

逼迫した切腹の場面でもちょっとした台詞で場を異化して笑わせ観客の心理を揺さぶる演出にも感心しました。

劇は一生懸命演じればいい、というものでもありません。懸命に演じている自分を客観的に見ている目が必要です。それがないと押しつけがましく窮屈で泥臭い印象を残します。その点でもこの劇には感銘を受けました。

地芝居は義理人情の古い劇だ、という人がいれば時代遅れです。芸になっていれば歌舞伎と同様、義理人情の世界でも立派な芸術です。

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我がふるさと、邑智郡に3つもしっかりした地芝居があるのは不思議です。多分全国的にめずらしいのではないでしょうか。大切にしたいものです。

終わってホールを出て、搬入口のそばを通ったとき、星が丘の役者さんがおられましたので、「おつかれさまでした。楽しく見させていただきました」とお礼をいい、いろいろ話しました。「今は大田に住んでいますが、田所下亀谷の洲浜の三男坊です」というと、「そうですか。去年は武ちゃんに呼ばれて大八洲神宮で上演しました。ありがとうございました。タエコさんには学校で音楽を習いました」とのこと。

昔の狭い瑞穂町のこと、さまざまな形でつながりや交流があり、苗字を聞いただけでどこの誰か分かります。高原には親戚が2軒あって、昔は秋祭りにはお互いに行き来して飲み食いをしていました。高校生のとき、父の代わりに何回か行ってご馳走になったことがあります。「高原小学校には武ちゃんの次男が昨年から勤めていますよ」「そうかな、埼玉から帰った先生がいるというのは聞いていました」。 (道草をするな!ごめんごめん)

閑話休題。その後、劇の感想など述べると、「なによりのいい土産になりました」とのこと。

自身番義造・東義正さんの最後のお礼の口上、大和小学校の忠臣蔵を賞賛して、ユーモアもありピシッと決まっていましたね。。

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いい劇をありがとうございました。みなみなさま、おつかれさまでした。

(今回は管理人・修平さんのアドバイスに従って一太郎で打ち込み、それをここへコピーして張り付けました。近日中に発行予定の劇研空・会報16号にも転載します。ああああ、オツカレ)

続 「これが邑智の地芝居だぁ!」観劇記

2013年3月17日(日)、島根県邑智郡川本町の「悠邑ふるさと会館」で表題の地芝居や舞踊などが上演されました。10時から16時までの長時間でしたが、途中で帰る人もほとんどなく最後まで舞台を楽しんでおられました。
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昼食時には、広くて長いロビーに茣蓙も敷いてあり、地元の人たちが作ったむすび、味噌汁、焼きそばなどなどを買って食べ、休息できるように整えてあったのもいい配慮でした。連続で座って観ていたら疲れてしまいます。

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案内の人たちも大変親切で席まで案内したり、細かい神経を使っておられました。久しぶりに出会ったイワマチさんが、もぎりや案内をやっておられてびっくり!「ボランティアです」とのこと。こういう人も協力されるというのはうらやましいことです。(おおだでこうこうのキョウトウセンセイがしばいのもぎりをやるなどかんがえられませぬ。演劇人はこういうところがあるから素晴らしい。裏方の苦労を知っていますからね。大蛇足)

少し遅れて行ったので、最初の吾郷清吾会の「人情吾郷の恋綴り」は終わり頃しか観られませんでした。今年で結成20周年になるとか。余裕のある地に着いたしっかりした演技はさすがです。

邑南町の日貫劇団は昭和63年に誕生したそうです。舞踊も充実していて今回もたくさん披露されました。

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地芝居「人情 春雨傘」も大変面白く、大いに笑って、ちょっぴりナミダを流す、いい舞台でした。ご隠居を演じた草村勇さんの老婆は実に自由自在、アドリブもあり演技も堂々として貫禄十分。男性が老婆を演じるから余裕や自在さが自由に出てくるのでしょう。仁兵衛の室田さんも自然で演技が達者、安心して見ておれました。最後は想定内のハッピーエンドでちょっと衝撃性がありませんでしたが、楽しい舞台でした。

観客の拍手と声援を受けて堂々と上演したのは邑智郡美郷町立大和小学校の5,6年生の「忠臣蔵〜松の廊下で育む絆」です。

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吉良上野介におみやげを持ってきた細川とその家臣、おみやげを持たずに挨拶に来た浅野内匠頭と家来たち。吉良におべっかを使う細川、浅野を差別する吉良。この対立をセリフで表し、松の廊下での遺恨の刃!

ところがここからが歴史上初の大和小学校版「松の廊下」!細川も吉良も自分たちの言動がいかに相手の心を傷つけていたかに気づき反省の弁をのべ、三者とも相手の心を考えることの大切さを述べるのです。

監督の金子正志さんはこの劇を1年間の平和学習、道徳学習で取り組んだと話されました。衣装やカツラも見事なもんですが、吉良のしゃべり方、歩き方、そしてしっかりと声を出して堂々とセリフを言うみなさんに感心しました。指導の先生の力量にも感服しました。何よりもこの児童たちは生きている限り、この取り組みで得たものを決して忘れることはないでしょう。演劇が教育に果たす役割には大きなものがあります。

劇団川本孰の「天領かわもと〜夏の名残〜」(作・演出 堤 浩隆)は創作時代劇です。
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天保の飢饉で天領かわもとも大被害を受け、村人は復興に汗水を流している。大森代官所の役人、天野助次郎も村人と一緒に復興に力を尽くしている。代官・吉岡隼人が江戸へ行っている間に責任を任された中瀬弾右衛門はそんな天野が許せず対立する。天野は中瀬を殴り、疾走する。吉岡代官の娘・澪が、かわもとの復旧現場へやってくる。彼女は天野と恋仲である。村人は飢饉の犠牲者を弔い絆を強めるために盆踊りを開催しようとしている。しかし役人の中瀬はそれを許さない。そこへ天野が出てきて中瀬と斬り合いになり中瀬は負ける。代官の吉岡も帰ってきて、村人や天野の言い分を認める。天野と娘の澪もむすばれる。太鼓や歌い手も出てきて賑やかに念願の盆踊り。

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以下、消えてしまいましたので続続で紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3/16,17 雲南で『水底平家』上演

2013年3月16日(土)17(日)雲南市のチェリヴァホールで『水底平家』が上演されます。亀尾佳宏さん作・演出です。主催は「雲南市演劇によるまちつくりプロジェクト実行委員会」。見応えのある舞台です。案内します。

H25 チラシ 「水底平家」表

この劇は三刀屋高校演劇部が『みなそこへいけ』という素敵な題で上演し、島根県代表、中国地区で最優秀、全国大会へ出場しました。このぶログのどこかで紹介しています。県大会は講師審査で見にいきました。見事な舞台です。照明音響装置の展開や処理は高校演劇レベルを超えていました。雲南市には熱心な文化プロデューサーがおられるのですね。何時も感心します。ポスターもいいですね。

チラシ 水底平氏 裏 日曜日には川本町で地芝居の公演もあります。両方いきましょう。

3/17 川本で「これが邑智の地芝居だぁ!」

2013年3月17日(日)川本の悠邑ふるさと会館で「これが邑智の地芝居だぁ!」が開催されます。昨年は2月に開かれ、大雪の中を中村さんの車で劇研空のメンバーと観劇にいきました。このブログのどこかで紹介しています。先日、堤さんからチラシを1枚いただきましたので、紹介します。ぜひ見に行ってください。
H25 チラシ 川本地芝居3・17

大和小学校の「忠臣蔵」もありますね。どんな芝居をやるんでしょうか。楽しみですね。劇団かわもと孰は「〜天領かわもと〜夏の名残」を上演します。邑南町高原の「星が丘一座」や美郷町の「吾郷青吾会」、邑南町日貫の「日貫劇団」は今まで2回みましたが、それぞれ実力のある地芝居集団です。

この日には雲南でも高校演劇の上演があるそうですね。まだチラシを見ていませんが、この夏に全国大会へ出場する出雲高校や広島の舟入高校が上演するとなれば、どうすりゃいいんでしょう。これは昨年の秋に山口の中国大会で上演され、招待を受けながら都合で行けず、残念ながら見られなかった劇です。