続続「これが邑智の地芝居だぁ!」観劇記

平成25年3月17日、島根県邑智郡川本町「悠邑ふるさと会館」で行われた地芝居の観劇記のつづきです。
劇団かわもと塾「天領かわもと〜夏の名残〜」(堤 浩隆 作・演出) 昨年につづき、地元の素材を生かした歴史物の創作劇です。(ツツミさんが別れ際に、ブログに書いてください、と言われたので、ガンバッテ書きま〜す) ストリーも明快で台詞もテンポがよくラストの盆踊りへ向かって無駄なく進むので、終わったときスッキリした印象が残りました。中幕で舞台を狭めたのも効果的。少ない人数で広い舞台を使えば、劇が隙き間だらけになるからです。ホリゾント幕を使わずに、大水で流れて来た家の屋根などがらくたを並べた装置もよかったと思います。素朴でたくましいな百姓たちもリアリティがあり生きていました。

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大森銀山の代官や役人の扱いについてはちょっと都合よく作りすぎた印象です。史実に関係無く面白さや感動をねらって劇をつくるのか、史実はできるだけ重視して劇を作るのか。創作するときこの二つの違いをあいまいにしたら劇の性格もあいまいになります。

吉岡隼人は毛利時代の銀山役人で大久保長安にも仕え、伊豆や佐渡の鉱山開発にも功績があり、家康から「出雲」と拝命、吉岡出雲と名乗り1614年に死亡、大森の極楽寺境内に葬られました。

中瀬弾右衛門は1696年に朝鮮の安龍福が隠岐へ来たとき隠岐の役人で取り調べをして報告書を石見銀山代官、後藤覚右衛門へ提出しています。

天野助次郎は27代の大森銀山代官(1749〜1754)で、久利町大屋に井戸平左衛門と共に顕彰碑(天保7年に建立)が残っています。多分、この劇のように飢饉のときなどに善政を施したのでしょう。

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この劇の時代設定は天保4年の飢饉です。文政13年〜天保6年(1830〜1835)の大森銀山代官は根本善左衛門です。多分作者は天野助次郎という人物に感銘を受け、天領かわもとの水害と盆踊りを関連づけて創作されたのでしょう。いい着眼だと思いますが、他の役人も有名な歴史上の実名で登場するので、なんでここに出てくるんだろう、と違和感を抱きました。作者にはぼくの考えとは異なる計算や意図があったのかもしれません。

来年もまた地域を素材にした創作劇を楽しみにしています。 とても貴重なチャレンジです。いい作品は、時代に淘汰されながら、生き残り、またその時代の人たちによって復活再演され、人々を励ましてくれます。芸術の命は永遠です。(ハンシンタイガースモエイエンダ!)

最後は島根県邑智郡邑南町高原の「星が丘一座」の地芝居「十手 涙の取り縄」。

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結成以来15年を迎えるそうです。大いに笑わせて涙もたっぷりしぼる、これぞ地芝居!役者に余裕があり安心して見ることができる舞台でした。

人物造形もよくできていて、間抜けの目明かし、きりっとした親分、正に兄弟を思わせる怪盗小次郎と直造、年老いて軽くなった父・義造身の振る舞い等々、人物が舞台で生きていることが劇の基本ですから、その点でも安心して楽しく見ることができました。

地芝居の面白さの一つは、観客の反応を見ながらその場で出てくるアドリブです。その土地その土地の人情や土地柄、観客の反応をつかんで飛び出す即興の台詞、それに反応する観客ーこの生き生きとした交流に特徴があります。下手なアドリブは興ざめで逆効になりかねませんから、センスが必要です。この劇ではそれを楽しむことができました。観客の反応も十分でした。

クライマックスでは怪盗小次郎が自身番の父親・義造にやっと出会いますが、目明かしに追われている身。兄の直造は弟の罪をかぶろうとしてその場で切腹。それを見ながら、せめて自分の手でと我が子に綱を掛ける父。ほっとすればどんでん返し、またどんでん返し。これでもかこれでもかと人情に訴え観客の涙を絞る。終わると解放されたように大きな拍手が湧きました。

逼迫した切腹の場面でもちょっとした台詞で場を異化して笑わせ観客の心理を揺さぶる演出にも感心しました。

劇は一生懸命演じればいい、というものでもありません。懸命に演じている自分を客観的に見ている目が必要です。それがないと押しつけがましく窮屈で泥臭い印象を残します。その点でもこの劇には感銘を受けました。

地芝居は義理人情の古い劇だ、という人がいれば時代遅れです。芸になっていれば歌舞伎と同様、義理人情の世界でも立派な芸術です。

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我がふるさと、邑智郡に3つもしっかりした地芝居があるのは不思議です。多分全国的にめずらしいのではないでしょうか。大切にしたいものです。

終わってホールを出て、搬入口のそばを通ったとき、星が丘の役者さんがおられましたので、「おつかれさまでした。楽しく見させていただきました」とお礼をいい、いろいろ話しました。「今は大田に住んでいますが、田所下亀谷の洲浜の三男坊です」というと、「そうですか。去年は武ちゃんに呼ばれて大八洲神宮で上演しました。ありがとうございました。タエコさんには学校で音楽を習いました」とのこと。

昔の狭い瑞穂町のこと、さまざまな形でつながりや交流があり、苗字を聞いただけでどこの誰か分かります。高原には親戚が2軒あって、昔は秋祭りにはお互いに行き来して飲み食いをしていました。高校生のとき、父の代わりに何回か行ってご馳走になったことがあります。「高原小学校には武ちゃんの次男が昨年から勤めていますよ」「そうかな、埼玉から帰った先生がいるというのは聞いていました」。 (道草をするな!ごめんごめん)

閑話休題。その後、劇の感想など述べると、「なによりのいい土産になりました」とのこと。

自身番義造・東義正さんの最後のお礼の口上、大和小学校の忠臣蔵を賞賛して、ユーモアもありピシッと決まっていましたね。。

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いい劇をありがとうございました。みなみなさま、おつかれさまでした。

(今回は管理人・修平さんのアドバイスに従って一太郎で打ち込み、それをここへコピーして張り付けました。近日中に発行予定の劇研空・会報16号にも転載します。ああああ、オツカレ)

続 「これが邑智の地芝居だぁ!」観劇記

2013年3月17日(日)、島根県邑智郡川本町の「悠邑ふるさと会館」で表題の地芝居や舞踊などが上演されました。10時から16時までの長時間でしたが、途中で帰る人もほとんどなく最後まで舞台を楽しんでおられました。
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昼食時には、広くて長いロビーに茣蓙も敷いてあり、地元の人たちが作ったむすび、味噌汁、焼きそばなどなどを買って食べ、休息できるように整えてあったのもいい配慮でした。連続で座って観ていたら疲れてしまいます。

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案内の人たちも大変親切で席まで案内したり、細かい神経を使っておられました。久しぶりに出会ったイワマチさんが、もぎりや案内をやっておられてびっくり!「ボランティアです」とのこと。こういう人も協力されるというのはうらやましいことです。(おおだでこうこうのキョウトウセンセイがしばいのもぎりをやるなどかんがえられませぬ。演劇人はこういうところがあるから素晴らしい。裏方の苦労を知っていますからね。大蛇足)

少し遅れて行ったので、最初の吾郷清吾会の「人情吾郷の恋綴り」は終わり頃しか観られませんでした。今年で結成20周年になるとか。余裕のある地に着いたしっかりした演技はさすがです。

邑南町の日貫劇団は昭和63年に誕生したそうです。舞踊も充実していて今回もたくさん披露されました。

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地芝居「人情 春雨傘」も大変面白く、大いに笑って、ちょっぴりナミダを流す、いい舞台でした。ご隠居を演じた草村勇さんの老婆は実に自由自在、アドリブもあり演技も堂々として貫禄十分。男性が老婆を演じるから余裕や自在さが自由に出てくるのでしょう。仁兵衛の室田さんも自然で演技が達者、安心して見ておれました。最後は想定内のハッピーエンドでちょっと衝撃性がありませんでしたが、楽しい舞台でした。

観客の拍手と声援を受けて堂々と上演したのは邑智郡美郷町立大和小学校の5,6年生の「忠臣蔵〜松の廊下で育む絆」です。

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吉良上野介におみやげを持ってきた細川とその家臣、おみやげを持たずに挨拶に来た浅野内匠頭と家来たち。吉良におべっかを使う細川、浅野を差別する吉良。この対立をセリフで表し、松の廊下での遺恨の刃!

ところがここからが歴史上初の大和小学校版「松の廊下」!細川も吉良も自分たちの言動がいかに相手の心を傷つけていたかに気づき反省の弁をのべ、三者とも相手の心を考えることの大切さを述べるのです。

監督の金子正志さんはこの劇を1年間の平和学習、道徳学習で取り組んだと話されました。衣装やカツラも見事なもんですが、吉良のしゃべり方、歩き方、そしてしっかりと声を出して堂々とセリフを言うみなさんに感心しました。指導の先生の力量にも感服しました。何よりもこの児童たちは生きている限り、この取り組みで得たものを決して忘れることはないでしょう。演劇が教育に果たす役割には大きなものがあります。

劇団川本孰の「天領かわもと〜夏の名残〜」(作・演出 堤 浩隆)は創作時代劇です。
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天保の飢饉で天領かわもとも大被害を受け、村人は復興に汗水を流している。大森代官所の役人、天野助次郎も村人と一緒に復興に力を尽くしている。代官・吉岡隼人が江戸へ行っている間に責任を任された中瀬弾右衛門はそんな天野が許せず対立する。天野は中瀬を殴り、疾走する。吉岡代官の娘・澪が、かわもとの復旧現場へやってくる。彼女は天野と恋仲である。村人は飢饉の犠牲者を弔い絆を強めるために盆踊りを開催しようとしている。しかし役人の中瀬はそれを許さない。そこへ天野が出てきて中瀬と斬り合いになり中瀬は負ける。代官の吉岡も帰ってきて、村人や天野の言い分を認める。天野と娘の澪もむすばれる。太鼓や歌い手も出てきて賑やかに念願の盆踊り。

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以下、消えてしまいましたので続続で紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3/16,17 雲南で『水底平家』上演

2013年3月16日(土)17(日)雲南市のチェリヴァホールで『水底平家』が上演されます。亀尾佳宏さん作・演出です。主催は「雲南市演劇によるまちつくりプロジェクト実行委員会」。見応えのある舞台です。案内します。

H25 チラシ 「水底平家」表

この劇は三刀屋高校演劇部が『みなそこへいけ』という素敵な題で上演し、島根県代表、中国地区で最優秀、全国大会へ出場しました。このぶログのどこかで紹介しています。県大会は講師審査で見にいきました。見事な舞台です。照明音響装置の展開や処理は高校演劇レベルを超えていました。雲南市には熱心な文化プロデューサーがおられるのですね。何時も感心します。ポスターもいいですね。

チラシ 水底平氏 裏 日曜日には川本町で地芝居の公演もあります。両方いきましょう。

3/17 川本で「これが邑智の地芝居だぁ!」

2013年3月17日(日)川本の悠邑ふるさと会館で「これが邑智の地芝居だぁ!」が開催されます。昨年は2月に開かれ、大雪の中を中村さんの車で劇研空のメンバーと観劇にいきました。このブログのどこかで紹介しています。先日、堤さんからチラシを1枚いただきましたので、紹介します。ぜひ見に行ってください。
H25 チラシ 川本地芝居3・17

大和小学校の「忠臣蔵」もありますね。どんな芝居をやるんでしょうか。楽しみですね。劇団かわもと孰は「〜天領かわもと〜夏の名残」を上演します。邑南町高原の「星が丘一座」や美郷町の「吾郷青吾会」、邑南町日貫の「日貫劇団」は今まで2回みましたが、それぞれ実力のある地芝居集団です。

この日には雲南でも高校演劇の上演があるそうですね。まだチラシを見ていませんが、この夏に全国大会へ出場する出雲高校や広島の舟入高校が上演するとなれば、どうすりゃいいんでしょう。これは昨年の秋に山口の中国大会で上演され、招待を受けながら都合で行けず、残念ながら見られなかった劇です。

2/10 「おおだエコ小劇場」撮影終了

2013年2月10日、「おおだエコ小劇場」の撮影が終わりました。昨年の夏から台本を書き、何度もやり取りして修正、12月に4本撮影し、残りの4本を昨日撮影しました。

2012年夏に大田市地球温暖化対策地域協議会の担当者から、地球温暖化防止のためのキャンペーンとして映像をつくり、石見銀山テレビで放映したいので協力して欲しいと劇研空へ依頼がありました。そのために台本を書き、担当者や「ぎんTV」の撮影者とも数回打ち合わせてやっと完成したものです。1本が約1分という短いものですが、ユーモラスで温かみのある映像でしかもエコ対策になるような作品にするために苦心しました。編集作業は残っていますが、多分2月下旬ごろから石見銀山テレビで放映されることでしょう。みなさんおつかれさまでした。写真と台本1本紹介します。
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ラトちゃんは大活躍。声を出していけないといわれ、台本を変更して文字で意志を表現しました。ナカミも劇研空のニンゲンです。

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撮影場所は主に長久のモデル住宅です。

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舞台劇と違い、カット、カットの連続です。テレビの画面に如何に写すか、ということが最終目標ですから、撮影の仕方や編集に大きく左右されます。そこはさすがにベテランですね。
ここで台本をⅠ編紹介します。

9 プラスチック編

保育園の親子遠足から母と子が帰っくる

母    ただいま。

子供たち 帰りました。

父    お帰り。遠足はどうだった?

子供たち    楽しかった。

父    そうか、そりゃよかったな。

ビニール袋を差し出す。

子供      はい、おみやげ。

父         ありがとう。うれしいな、おみやげがあるなんて。

何のおみやげかなー・・・なーんだ。ゴミか。

うれしそうに開けるとゴミがっぱい。

子供     先生がね、ゴミはすてないでおみやげに持ってかえりな

さいっていったの。

父      そうか、やさしい先生だな。(ゴミ箱へ捨てる)

母      ちょっと!分けて入れてよ。

父が袋から弁当や菓子などの袋を出してゴミ袋に入

れている。

子供      おとうさん、ちがうよ。                              、

母が父の所へくる。

母    どれどれ。(お菓子の外袋を出して)本当だ。これはね、

容器包装プラスチック、ここに書いてありでしょう。

(弁当箱、醤油袋、マヨ袋を取り出して)

これはね、きれいに洗って「プラスチック」へ、汚れが落

ちないこの容器は「燃えるゴミの袋」へ。

しょぼくれている父の顔。

ラトちゃん   〝捨てれば「ごみ」分ければ「資源」〟

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放映されるテレビを見てみなさんがどのように感じられるか楽しみでもあります。出演者のみなさん、担当者のみなさん、おつかれさまでした。おもしろい企画があればまたやりたいね等と話して、2月の寒風の中で解散しました。

2/9,10 ぎんざんTVで「石見銀山旅日記」放映

平成24年10月28日に浜田で開催された「石見演劇フェスティバル」では8団体が上演しました。劇研空は創作劇「石見銀山旅日記」を上演しましたが、石見銀山テレビがそのうちの3つの劇を放映するそうです。たまたまチラシを見て知りました。劇研空のみなさん、どうぞ忘れずに見てください。また浜田まで見に来られなかった人にメールか何かで紹介してあげてください。感想でも聞かせていただければうれしいですね。

2013年2月9日(土)20時〜(約55分です)  10日(日)13時〜、20時〜(2回です)

2月16日20時〜 17日13時〜  20時〜 には劇団やうね座県立大学の「うそんせ」が放映されます。やうね座は舞踊3題です。

参考までに石見演劇フェスタの冊子から、「石見銀山旅日記」を紹介しておきます。まず貴重な写真から。当日はるばる観劇にきていただいた勝部義夫さんと一緒に写したものです。楽屋まで来て激励していただきました。

この創作劇は石見銀山の歴史を尊重しながら、歴史と伝承の隙間を利用して面白おかしく、銀山最盛期の江戸初期の大森を劇にしたものです。初代奉行・大久保長安は家康に仕えた実力者で大きな功績も残していますが、亡くなると罪人とされ墓は暴かれ、子供たちもみな死罪を申しつけられます。不正があったかどうか、証拠はありません。長安の実力を恐れて一族を抹殺した可能性もあります。

歴史では勝った側の証言や記録しかのこりません。負けた側の記録は抹殺され、さらに悪者だったという伝承が伝わっていきます。そのことを知ってこの劇を見ると、「おもしろおかしさ」も増すことでしょう。東京から前日のゲネプロを見にこられたある劇団のプロデューサーが、「脚本に興味を持った」という手紙を大会長の岩町先生へ送っておられたのを読ませていただきましが、うれしくおもいました。(ゲネプロはさんざんでしたからねえ。stop、ストップの連続でした。まだ冷や汗が出てきまする)
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大田市演劇サークル 劇研「空」

 洲浜昌三 作『石見銀山旅日記』

キャスト                                  スタッフ

親 方(江戸の大道商人) … 山本和之           演  出 … 洲浜昌三

源 六(   〃    )… 三井 守                  舞台監督 … 下垣欽造

清兵衛 (大森の)   … 松本領太                             舞台装置 … 田中安夫

九郎兵衛(  〃 )   … 田中安夫                   照  明  …  (中村隆実)

京の(京都の商人)  … 吉川礼子                            音  響 …  松本由香里

神谷寿禎(博多の豪商)  … 堤 浩隆                           衣  装  … 全 員

石見の船乗り)  … 松本領太                                            道  具  … 全 員

お 菊(地元の女)    … 田中和子

銀次郎 (地元の男)    … 堤 浩隆

唄(CD)「石見銀山馬子唄」・・・藤村英苑    「銀堀り歌」・・・河村桜歳

あらすじ
     商売をしながら、名所風俗を絵日記にして出版するため、江戸から大道商人が大森銀山へやって来ます。石見は「山また山の山の中」と小馬鹿にして来ましたが、次々とびっくりすることに出会います。歴史的な事実や記録は重視しながらも、遊び心を生かし、おもしろく石見銀山を紹介するために創った劇です。初代奉行・大久保長安が治めた慶長年間、石見銀山は最盛期でした。「士稼の人数20万、一日米穀を費やすこと1500石余、車馬の往来昼夜を分たず、家は家の上に建て、軒は軒の下に連なり」と『銀山旧記』にはあります。長安が死ぬと墓は暴かれ7人の子供は打ち首に。大道芸人は得意になって長安の最後を語ります。

劇研「空」プロフィール
劇研「空」は平成12年、大田市で高校演劇経験者を中心に発足しました。現在は日頃の活動に参加できるメンバーを核に、可能な人たちに呼びかけて公演をしています。人数不足の上、体制も不十分、解体の危機を抱えていますが、「地元に発表の場がある喜び」を消さないよう、身の丈に合った活動を考えています。目標は「感動のある舞台の創造」、「地域の歴史・文化の掘り起こしと再創造」。詩の朗読や語りにも挑戦。民話などの作品化、朗読や劇の脚本作りにも挑戦し、群読「石見銀山歴史物語」、朗読劇「スーホーの白い馬」、劇「経家最後の手紙」 などを小、中学校に提供し一緒に舞台化しました。これまで30数回の大小様々な舞台発表に関わってきました。

当日は堤さんの奥様にも重要な仕事をしていただきました。ありがとうございました。この劇のDVDが欲しい人は申し出てください。劇研空としては例の実費でお渡しします。みなさんご協力ありがとうございました。関連の記事は今までに数回書いていますので読んでみてください。(PCのベテランなら関連記事をクリックすれば開くように便利なするのでしょうが、皆目分かりませぬ。)例のとは500です。

(修平さん、またグラフがでなくなりましたね。)

3/2 劇団Yプロ「トラップ一家物語」を公演

2013年3月2日、松江の劇団Yプロジェクトが鹿島文化ホールで公演します。脚本は「座・ゆでたまご」、演出は坂井陽介さん、「トラップ物語」は18年前に「座・ゆでたまご」を現在のYプロが立ち上げたときに初演した劇です。

2012年4月から開講した「Yプロ演劇スクール」の子供たちの初舞台です。誰もがよく知っている歌がたくさんでてきます。きっとたのしい舞台になることでしょう。
H25 チラシ Yプロ「トラップ家物語}

前売り券は1800円、(当日は2000円)、高校生以下は500円(当日700円)
Yプロ(電話、FAXー050-1572-5733)県民会館でも販売しています。

新年おめでとうございます

2013年がスタートしました。今年もよろしくお願いします。
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(ここで、雲の上から写した富士山の美事な写真を入れようと思い、今までと同じ操作をしたのですが、いつのまにかやり方が変わっていて、何度やってもうまくいきません。ギブアップです。・・・・しかし本日成功しました、おめでとうございます。昨年結婚式で東京へ行ったとき飛行機から写したものです。こんなにきれいに見えることはめったにないそうです。)

昨年の劇研空の活動は、10月の石見演劇フェスタで「石見銀山旅日記」上演。12月に地球温暖化防止のためのPR用映像「おおだエコ小劇場」の台本作りと撮影。それが主な活動です。

新年度になってどうするか。一つは「おおだエコ小劇場」のつづきを完成することがあります。2月には島根演劇ネット主催のワークショップが八雲村でありますが、それ以外にまだ具体的な行事や公演の案はありません。
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大田市民会館の耐震工事が終わり新装されますので、何か上演したいものです。また第2回石見演劇フェスタが開催される予定ですが、参加するかどうかその場合は何を上演するかも話し会わなければいけません。

いい案を考えておいてください。また空の構成や運営などどうするかも課題です。できるだけ負担をかけないように、規約も作らず決まりもなく空気のような団体としてやってきましたが、これでいいのかどうか。課題山積ですが、よろしくお願いします。

みんな忙しく大変ですが、マイナスを養分にしてエネルギーに変え、笑顔を忘れず前を向いて歩いて行きましょう。

(修平さんの指導でやっとこさ写真を挿入することができました。それまでに3回失敗してあきらめていましたが、今回は意外と簡単に成功しました。グラフはなくなったのですか。)

 

‘13,2/2,3 松江で演技ワークショップ

島根演劇ネット主催で2013年2月2,3日、松江の「しいの実シアター」で菊川徳之助さんの演技ワークショップを開催します。

2日(土)は16時〜18時30分までです。終わって松江市内で交流会を開きます。3日(日)は9時30分〜12時まで。都合により一日参加の場合は1500円、二日は2000円の受講料です。誰でも参加できます。めったにない機会です。どうぞ早めに申し込んでください。申し込み先は下記の島根演劇ネット事務局です。
 劇研空のメンバーで参加希望者は1月10日までにご連絡ください。知り合いなどで参加を希望される人がありましたら話してみてください。必要ならチラシをプリントアウトして送ります。

しまね映画塾2012三瓶、2019大田

今年の「しまね映画塾」は大田市の三瓶山を中心にして行われ、11月25日にサンレディ大田で最後の上映と講評が行われました。全国からも含め100名が参加して班に分かれ、12本の映画を撮影しました。作品発表会の様子を紹介します。

この時期は多くの行事があり、ぼくは参加していませんが、大田市文化協会から夏に「シナリオ集」(57本)を持ってこられて審査を依頼されました。10本選んで順位をつけて事務局へメールで送りました。一番興味があるのは、字で書かれたシナリオがどのように解釈され修正、追加され創造されて映像になるかということでした。
 (講師の先生、左から錦織良成監督、映画評論家・北川れい子さん、編集担当・日下部さん、勝部義夫さん、杉谷さん。それぞれユーモアを交え鋭い批評もされました。)

 俳優賞や12の賞が発表されました。作品賞は「世界最強の動物」、観客賞は「アグリ」でした。ストリー性があり創る人たちの創意工夫が生きたものが印象に残りました。それぞれ特徴があり、面白く最後まで見ました。

一番感じたことは、作品を創るモチベーションの問題です。その作品をどういう映像に創りあげたいかという動機や熱意や情熱です。シナリオ通りに写すというのでは作品から立ち上がってくるものがありません。舞台劇でもそうですが、演じる役者の心が伝わって来ないと共感や感動がありません。目の前の事実を写すというだけでは伝わってくるものが弱い。create する意欲や意識がないと芸術作品にならないということを改めて感じました。いい勉強になりました。錦織監督の情熱や鋭い指摘、端的な言葉に内蔵されている深い内容などにも何度も教えられ感銘を受けました。

平成21年には波根町を中心に行われ、この時も依頼されてシナリオ選考に参加、上映会の時には特別審査員という招待状がきて見に行きました。とても面白かったので今回も出かけたわけです。我らが空の修平さんと山ちゃんも映画創りに参加しました。

この時は懇親会にも出て、最後に急に挨拶をせよと言われました。こんなことを言った覚があります。「錦織監督が平田高校の時に演劇部の県大会に出られた劇を覚えています。かなり大人びた劇だったのが印象に残っています」「今回の映画を見て一番面白かったのは、普通だと思ったシナリオが監督や役者の手にかかると見違えるような素晴らしい作品になっていたことです」

錦織監督が高校の時の劇は「夕日をあびて」という劇で昭和54年です。監督にそのことを話して懐かしく当時のことを語りあいました。顧問は池野誠先生でした。

この時の作品は歴史的にも貴重なシナリオや作品が完成しています。「久手の空」は役者もベテランで普通の映画を見ているようでした。「知られざる漁師たちの戦争」は波根の漁師が船を出して戦争に参加したという貴重な記録映画でした。「池の下の帝国」はここまで素人の役者と監督でもできるのか、と思うほど冒険的なヒヤヒヤする意欲的な作品でした。

この時ほど「台本はあくまで台本だな」と思ったものです。

参加した人たちの謙虚な言葉がとても印象に残りました。映画が、如何に多くの人たちの協力によってできるかをよく知っておられるからでしょう。おつかれさまでした。