6月22日の「朗読で楽しむ郷土の作品」で、井戸平左衛門の小説二編を輪読しました。時間がなくて表題の『石見銀山物語』を取り上げられませんでしたので紹介します。
この本は長年ガイドをされている大田市の長尾英明さんが2月に出版されました。Ⅰ話から158話まであり、石見銀山ガイドの会のブログで掲載された記事を再編集して刊行されました。とても読みやすく、石見銀山の歴史や当時の状況がよく分かります。学問的な本ではありませんが、最新の資料や調査に基づいて書かれているのも特徴です。不確実なことや、伝説、作り話などは区別して説明されているのも特徴で信頼が置けます。
この本によると、平左衛門は享保16年11月に大森へ着任し,20日ばかりいて27日に江戸へ帰り、翌年の7月末まで江戸に居ました。息子の病気や死と関係があるかもしれないと推測しておられます。8月に大森へ来てから精力的に領内を巡検しています。笠岡や上下町、四国の伊予まで実に活動的です。薩摩の僧、泰永のことや、伊達金四郎を遣わして、さつま芋を鹿児島から取り寄せたという記録はなく、作り話だろうと推測しておられます。とても参考になります。
[閑話]・・・長尾さんは昭和41年大田高卒ですが、不思議なめぐり会わせで、同期の塩田さん、竹治さん、中島さん、佐々木さん、中村さん、西村さん、石田さんなどよく知っています。みな音楽や文学に精通した文化人であることも共通しています。不思議なことですね。時代的に共通するものがあるのでしょうか。
(ブログ:詩の散歩道 本の紹介 地域情報 20220625洲浜)