R2, 短詩「リラの花が咲くころ」

リラの花が咲くころ                洲 浜 昌 三

高校生のころ
ラジオで覚えた大好きな歌があった
「リラの花が咲くころ」

リラ リラ リラ リラ
なんという さわやかな響きなんだろう

村では 見たこともない花だったので
美しい姿だけが ふくらんだ

何十年もたって
英語ではライラック と知って
ますます美しい夢は ふくらんだ

ライラック ライラック ライラック
なんという きれいな響きなんだろう

ある時 ふとしたことで苗木が手に入り
庭に植えておいたら 初夏に花が咲いた

軽やかに風に浮んだ 薄紫の清楚な花房
ふと流れてくる さわやかで高貴な香り

どこまでも沈んで行く 悲しい日
リラは 美しい姿でそこに立っている
青春の日の あこがれの人のように

なぜ、リラを美しい花と思ったのか分かりませんが、歌った岡本敦夫の歌も好きでしたし、歌詞も印象に残ったからでしょう。今ではリラの花はあちこちで見ることができますが、ぼくの村では当時ありませんでした。だから空想が美しく膨らんだのでしょう。

リラ、という音は、ラ行の「ラリルレロ」で、舌を歯茎に当てて弾いて音を出す破裂音です。明快ではっきりしていて綺麗な澄んだ音に聞こえます。ライラックもそうです。「令和」にも通じます。そのことも影響していることでしょう。

生協から取り寄せ、庭に植えておいたら、どんどん大きくなり、ある日綺麗な花をつけました。思った通りの綺麗な花でした。
大きくなり過ぎて、少し枝を切り落としました。根が強いらしく芽があちこちから顔を出します。以前の詩に少し手を入れて紹介しています。自分の作品は、見るたびに不満が先立ち、手を入れたくなります。作品の一回性は尊重すべきなのに、だめですね。
(ブログ 詩の散歩道 詩作品紹介 20200503 洲浜)

R2, 短詩「宇宙の位置」

短詩

宇宙の位置   洲 浜 昌 三

季節を忘れて
這いずり回っている間に

あなたは 静かに
移動していたらしい

連山の新雪の上を
新緑の若葉の上を
明るい河原の小石の上を
風にゆれる秋桜の上を

ある朝 玄関を出ると
そこに 美しい姿で立っている

一輪の深紅の牡丹

自然は いつも黙って
宇宙の中の ぼくの位置を
教えてくれる

20数年前のことです。仁万屋の石田健作さんから、ダイレクトメールに詩を書いて欲しいと頼まれ、仁万屋でフランス料理を一緒に楽しみました。そのダイレクトメールには、仁万屋の懐石料理の案内と健作さんの料理に関するエッセイ、短詩、ちぎり絵(岩永和子さん)を印刷して、月に一回発行、多くの人に郵送されました。健作さんは慶応で合唱部にもおられて、歌も上手、演劇にも理解があり、文化人でした。残念なことに他界され、仁万屋も廃業されました。一緒にいろんなコラボをするつもりでした。上の短詩は少し修正していますが、そのうちの1枚です。この企画は、中国郵政省の年間賞(名前は忘れた)を受賞したそうです。

今日、庭のボタンが、知らぬ間に、とても見事な花をつけていたので、ふと思いついて、ここに紹介しました。短詩も意識的に書いてきましたので、いつか整理しておきたいと思っています。

フェイスブックに何週間も書かないと、何故か1年前、2年前の記事が自動的に出てきて、「何にゅうしとるんなら。さっさと更新せえ。くそったれが!」と無言で怒鳴られているような気がするので、短詩など紹介してみました。
(ブログ 詩の散歩道 詩作品紹介 20200429 洲浜)

 

R2, 文化行事、次々と中止です

島根、鳥取は新型コロナヴィールス罹患者ゼロ行進中でしたが、ついにカウントが始まりました。昨夜の時点で松江、出雲地区で10名と報道されていますが、石見も虎視眈々と狙われています。お互いの自覚と努力でブロックしたいものです。

書くのは久しぶりですが、関係する行事がどうなったか、お知らせします。
1.大田市民会館カルチュアー講座「朗読で楽しむ郷土の作品」。集会は中止ということで、まだ具体的に動いていません。先日仁摩の人から、参加したいという電話がありました。近日中にチラシを作成し、5月下旬ごろから始めればと思っていますがどうでしょうか。今年は、自分が読みたい作品、聞いて欲しいものを選んで朗読することにしています。
1.しまね文芸フェスタ運営委員会は27日に松江で開催予定でしたが、中止になりました。更に9月20日益田で開催予定だった「しまね文芸フェスタ」も中止。講師に荒川洋治氏をお願いしていましたが、残念です。島根県文化団体連合会発行のニュースが届きました。昨年一年間の活動がうまくまとめてあります。

1.9月12日予定の劇研「空」主催「第11回朗読を楽しむ」はどうするか、話し合わないといけません。
1.4月18日の予定だった「令和に新たに拓く石見のステージ準備会」(石央文化ホールより案内文書、来年2月初旬に舞台発表の予定)は延期になりました。
1.5月24日予定の「島根県詩人連合理事会・総会」は中止。文書で了解を得ることに来まりました。
1.5月31日三瓶山で開催予定だった「全国植樹祭」は来年に延期。(スローガンの選考委員だったので出席案内がきていました)
1.5月31日予定の「しまね演劇ネット総会」は、目下予定通りです。そのうち案内がくるでしょう。

上の写真は仁摩町公園です。2月23日に宮脇恍太さんの写真展を見に行った時に写しました。こんなに立派な滑り台があるのに、いつ行っても誰も滑っていない。もったいない。子供さんを連れて行けば、大喜びして何度も空から降りてくるでしょう。
(ブログ 劇研「空」の活動報告 お知らせ 詩の散歩道 20200415 すはま)

R2,山の内ろうほう著『銀山二世松ものがたり』紹介

2018年8月『銀山二世ものがたり』(発行所・ニッチノーマスが出版されました。著者は建具職人でもある山内芳朗さん。昭和62年に、石見銀山の枯れていく老松に出会い、その後熱心に各地の松や土地の歴史を調べ絵にも描いてこられました。そして多くの作品を社寺などに寄贈されました。この本は長年調べてこられた石見銀山や地域の伝承、人物、民話、そして自作の絵など多彩な内容で構成された314ページの集大成ともいえる著作です。

山内さんは調べたものを毎年タブロイド判の新聞にして発行しておられました。長年の熱心な継続があったので、編集のベテラン・ニッチノーマスの細田さんに出会い、今回の本になったというわけです。どんな内容か目次を紹介しましょう。

歴史的な研究とは違い、山内さん独自の見方、感じ方、解釈を率直に書かれたものです。その独自性に面白い視点や解釈があり、触発されるものがあります。研究書ではなく、一庶民が感じた石見銀山や郷土の歴史への思いとして、貴重な記録ともいえるでしょう。「発刊に寄せて」として和田秀夫さん、和上豊子さんも書いておられます。ぼくも一筆(筆?古いね、PCならどう書けばいいんだ!)書いていますので、PDFで紹介します。興味があれば開いてみてください。
著書紹介 山内朗報著『銀山二世ものがたり』 -過去を未来へ伝えていく使命2段2Pー

本については出版社か著者へお聞きください。図書館にもあります。(ブログ  詩の散歩道 詩集や本の紹介・感想 20200322 洲浜)

R2,「朗読を楽しむin静間」アンケートより

2月11日、「朗読を楽しむin静間」が好評裏に終了したことは紹介しました。主催された静間町文化協会ではアンケートをまとめ、A45枚に印刷して持参されました。グラフも使い、とても分かりやすくまとめておられて感心しました。

お客様の声は励みにもなり反省にもなり、今後に役立てていくためにとても重要です。参加者は60名、40代1、50代6、60代12、70代21、80代6、という年齢構成でした。静間町以外では、長久町10、五十猛2、鳥井1、その他11人の参加者がありました。
全体的にいえることは、初めて朗読で、詩や短歌、エッセイ、創作劇を聞かれた人がほとんどで、新鮮な感動があったようです。朗読劇『長州軍侵攻と銀山最後の代官ー鍋田三郎右衛門』も今回はかなり劇形式を多く取り入れましたので、緊迫感があったようです。地域の江戸から明治の歴史を初めて知ったという方も多く、今後の上演に参考になりました。マイクの使用、映像、音響などについては、反省すべき点があります。

アンケートの一部をPDFで紹介します。メンバーのみなさん、参考にしてください。興味のある人はどうぞ。
R2,アンケート 「朗読を楽しむin静間」スキャン_20200308 (2)

そのうち反省会を開きましょう。
※平成2年度大田市民会館カルチュアー講座「朗読で楽しむ郷土の作品」は4月下旬から予定しています。自分が読みたい作品、聞いて欲しい記録、作品、創作を持参して朗読することにしています。9月12日には中ホールで11回「朗読を楽しむ」も公演予定です。一部は参加自由です。どなたでも大歓迎します。
(ブログ 劇研「空」活動報告 演劇だより 20200311 洲浜)

R1,邑南町文芸誌「大耕」26号発行

島根県邑智郡邑南町で発行されている「大耕」という文芸誌があります。10月に26号が発行されました。事務局(日高政恵さんはじめ編集委員6名)は出羽公民館で、公民館の活動として、町の助成も受けながら、執筆者は3冊購入(3300円)という負担で継続してこらました。
現在、公的な機関がバックアップしている文芸誌がどれだけあるでしょうか。ぼくが知っている限り、島根県がバクアップし島根県文芸協会と一緒に、俳句、短歌、川柳、詩、散文を公募して入選作品を載せている「島根文芸」(52号になります)と、邑南町の「大耕」だけです。(他にあれば教えてください)公的なバックアップがあると、なんといっても強いのは、継続性があるということです。「大耕」が継続しているのも、編集委員見識や努力と共に、公的な支援があるからでしょう。これは地域の文化活動にとってとても重要なことです。この本を読んだとき、同じ文芸に関わっている者として、とても嬉しく、励みになりました。そこがぼくのふるさとでもあるからです。思わず声援を送りたくなりました。「島根文芸」の入選者が邑南町から多かったのも、このような素地があったからでしょう。

昨年、大田で音楽劇『琴の鳴る浜』を上演し、邑南町の知人にも案内して観劇していただきました。それも一つの縁で、町出身者として寄稿してほしいといわれ、僕と他に2人が詩やエッセイを送り掲載されました。寄稿者も高齢化してきて、発行も大変だそうですが、町の出身者にも書いてもらうという方針はとてもグッドアイデアだと思います。表紙は高橋文子さんが描かれた邑南町の風景ですが、素敵です。作品も短歌、俳句、詩、随筆、川柳、回想、民話など多彩です。

27号の〆切は令和2年10月1日です。邑智郡邑南町山田 出羽公民館宛てです。邑南町が故郷の人、懐かしい故郷の思い出を短歌や詩、散文にして送ってください。大変でしょうけど、どんどん消えていく文芸の火を、いろいろ工夫して守っていただきたいものです。応援しています。
(ブログ 詩の散歩道 本の紹介 20200123 すはま )

R1, 三刀屋高校演劇部最優秀賞 全国大会(高知)へ

第57回高校演劇中国地区大会は松江で12月21,22開催され各県代表11校がそれぞれ素晴らしい劇を上演しました。審査の結果、三刀屋高校が『ただ、今』(亀尾佳宏・作)で文部大臣賞を受賞、来年夏の全国大会へ出場します。完成度が高くレベルの高い大会でした。しかも個性的で作風が違う劇ばかりでしたので、本来なら優劣をつけるのは不可能です。審査は激論だったと講師の先生の劇評にありました。想像できます。どういう視点で一票を投じるか、審査員も苦慮されたことでしょう。

写真は閉会式です。三刀屋の劇には洗練された劇つくりのうまさがありました。セリフも自然、滑舌もいいし、対話に絶妙な間や面白くて新鮮なやり取りがあり、しっかりした基礎の上にセンスのいい自在な応用力が光っていて、安心して劇に没入しておれました。舞台装置も生きていました。
光丘高校、山口高校、尾道高校、明成学院もレベルの高い劇で、高校演劇を越えるほど見応えがありました。松江南、鴨方高校、松江工業も派手さはありませんでしたが、飾りのない質朴でダイレクトな舞台も高校演劇として魅力がありました。審査があれば、優劣は避けられませんが、審査員の視点の違いから生まれる差ーと言ってもいいでしょう。素晴らしい大会でした。
参加されたみなさん、素敵な舞台をありがとうございました。おつかれさまでした。
(ブログ 劇研「空」高校演劇 昌ちゃんの演劇だより 2019124 すはま )

R1,第57回高校演劇中国地区大会 松江で開催(12/21.22)

今年度は松江の県民会館で21,22日に開催、各県代表11校が上演します。誰でも観劇できます。無料です。高校生らしい溌剌とした舞台をご覧ください。各校上演時間は1時間です。上演順を紹介します。

21日 9:50~松江工業高校 11;10~岡山県鴨方高校
   13:00~広島商業高校  14:20~山口光丘高校
   15:40~米子東高校   17:00~三刀屋高校

22日 9:20~倉吉東高校   10:40~山口高校
  12:30~尾道中・高等学校
   13:50~明成学院高校  15:10~松江南高校

演目などを知りたい人は、PDFを開いてみてください。これは岡山の末安哲先生が作成されたものを送っていただきました。
「第57回高校演劇中国地区大会 各県出場校紹介」

島根は開催県なので3校出場します。県大会ではそれぞれ特徴がありましたが、高校生らしい創意工夫が生き、楽しく、しかも見応えのある劇もありました。昨年同様期待しているところです。岡山の鴨方高校は、中国大会初出場!顧問は大田高校演劇部で一緒に活動した森脇健くん(NO,先生)。岡山工業では連続出場、鴨方へ移って(多分)二年目の快挙です。これまた楽しみです。
(ブログ 劇研「空」 詩の散歩道 高校演劇 20191219 すはま)

R1,充実する石見銀山紹介書物

昨年から今年にかけて、石見銀山を紹介した本や研究成果を発表した本が次々と出版されています。とても嬉しいことです。最近出版された本を紹介してみます。劇研「空」の朗読劇の脚本を書くために、どうしても調べたいことがあり、資料として買ったものです。

『石見銀山学ことはじめ』はシリーズとして7冊刊行予定です。始、水、木、火、土、銀、結をキーワードにして、その視点から石見銀山の歴史や風土、自然、生活などを多角的に取り上げるという面白い企画です。入門書でもあり、今までの調査研究成果の総まとめでもあり、資料や絵図なども豊富です。大田市の歴史のベテランが参加して教育委員会が編集,報光社から発行、千円というのも手ごろな値段です。

『石見銀山の新たな歴史像』(ハーベスト出版、千円)は研究成果をまとめたものです。資料や原典が掲載され、その解説も丁寧で、とても参考になりました。今まで調べ、人に聞いても分からなかったことが資料付きで解説してあり、嬉しくて嬉しくて、感激しました。
『続 石見銀山を読む』(鳥谷芳雄著 報光社刊、900円)も貴重な絵図が豊富で、今までにあまり紹介されなかった紀行文などが載っていて、当時の人の考えや見方、情感などが伝わってきて貴重です。
『親子で学ぶ 世界遺産 石見銀山』(宍道正年著 山陰中央新報刊、1500円)は、親子で問答しながら石見銀山の歴史を知るという気楽に楽しく読める石見銀山入門書です。

目下、石見銀山最後の代官・鍋田三郎右衛門のその後のことを知りたいと思って、どこかにきっかけがないかと、本をさがしています。『石見銀山の新たな歴史像』で矢野健太郎先生の論文に出会ったときには、「ああ、これで朗読劇が書ける」と小躍りしました。先人の研究に感謝です。鍋田さんは江戸へ帰って、どんなことをして暮らしたのでしょう。資料でもあれば、一人で大踊りするでしょうね。
(ブログ 詩の散歩道 詩集や本の紹介 20191218 すはま)

げるという

R1,『山陰文藝』25周年記念 50号発行

平成7年に創刊された『山陰文藝』が、25周年を迎え、記念すべき50号に達しました。10月には記念行事として、『万葉集』研究の第一人者・中西進先生を招いて、松江で記念講演が開催されました。今号の巻頭随筆では、創立以来の大黒柱・池野誠さんが、「芸術は長く人生は短し」と題して、60年の文化活動を回顧して、貴重な記録を書いておられます。また、事務局を担当された石丸正さんが、25年を振り返って、苦労と喜びの足跡を振り返っておられます。現在では島根の唯一の総合文芸誌です。

会員は150名以上の時もありましたが、現在は100名弱、年二回の発行を厳守しています。小説、俳句、短歌、川柳、詩、随筆など多彩な作品があり、誰でも参加できます。年会費は4千円、執筆原稿枚数により参加費が必要です。この雑誌に連載された作品の中から、郷土を素材にした本が何冊も出版されています。

ぼくは創刊号からの会員で、合評会にも初めごろは参加していましたが、多忙や他の詩誌などに参加していることもあり、数回しか寄稿していませんでした。今回は記念すべき50号でもあり、短編小説でも書きたいという気がありましたが、詩作品で参加しました。
大田市川合町吉永に新具蘇姫命神社(にいぐそひめのみこと)があり、何十年もその由来を知りたいと思っていました。糞は現在汚い物の象徴ですが、ぼくの感覚では、神聖な物の象徴に思えます。他人の大腸菌を患者の腸に移植して病気が治ったという例を放映していましたが、サモアリナン、と嬉しくなりました。今後はますます大活躍することでしょう。

その「ニイグソヒメ」様の詩を載せましたので、興味がある人はどうぞPDFを覗いてみてください。
(ブログ 詩の散歩道 本作品雑誌紹介 0191206 すはま)

詩「生き残った新具蘇姫さま」