R3,短詩 「桜の老木」

桜の老木

庭の桜が今年も満開になった
あたたかい春の陽射を浴びて
真珠のように輝いている

近づくと
根もとの樹皮は朽ち
幹には大きな空洞が巣くっている

年と共に傾き
いま50度の姿勢を維持しながら
いつ急に土の角度になるか桜も知らない

それでも毎年無数の新芽を出し
若枝を空に伸ばして
純白のきれいな花を咲かせる

根もとは朽ち
空洞は広がっても
強靭な意志が満開を支えている

桜の季節も終わりました。この老木は、毎年きれいな花を咲かせます。入学式がおわると、毎年この桜の木の下で子供たちの写真を撮ったものです。
(ブログ 詩の散歩道 詩作品紹介 劇研「空」 短詩20210403すはま)

R3, 映画「東北の新月」(山城賢治さん登場)5日20時まで上映

劇研「空」もお世話になった山城賢治さんが登場される「東北の新月」が今夜8時まで観られるそうです。東京在住のある人から、山城賢治を検索したら、劇研「空」のホームページで見つかった、といって先ほど知らせていただきました。インターネットで「カナダ大使館 東北の新月」を検索すれば、でてくるそうです。この映画は昨年、大田市民会館でも上映予定でしたが、コロナのために中止になりました。
以下、山城さんを紹介した最後のブログです。ほかにも何回か紹介しています。

おつかれさまでした、山城賢治さん


(ブログ 劇研「空」お知らせ 詩の散歩道20,210,305すはま)

R3, 劇団8CH第1公演『推薦裁判』観劇(2/6)

劇団8チャンネルが大田で初めて公演しました。『推薦裁判』(深野敦史 作、坂根陽介 演出)は、机3台と白板、出演者3名というシンプルな会話劇ですが、スピード感あふれたハイテンポの爽やかな劇でした。コロナ禍で50名限定でしたが、大田市民会館中ホール(ホールと言っても広い部屋に特設舞台設置)で2月6日、7日に開催。大田で若い人の溌剌とした現代劇を観るのは久しぶりです。写真は許可を得て劇終了後にパチリした3名の出演者です。
劇にはいろいろなタイプがありますが、この劇の狙いと演出は、明快ですっきりしています。舞台で交わされる莫大な会話を楽しく面白くスピーディに展開して観客を惹きつけることです。チラシに「ドタバタシチュエーションコメディ、ここに開幕」とあります。ドタバタ劇という印象はありませんが、コメディタッチという印象は残っています。以下パンフより、あらすじです。
このストーリーを、現実として真面目にリアルに演じたら、嘘っぽくなり、劇になりません。教師間には生徒の指導をめぐって、ライバル意識があるとしても、水面下での無言のバトルです。
この劇が面白いのは、その意識下の無言のバトルを、堂々と言葉にして白昼に晒して見せたところです。しかも、とてもスピーディに会話が展開されるので、「嘘だ、そんなことはない」などと考えたり立ち止まったりする暇がなく、舞台で展開される劇を現実として受け入れながら観てしまうのです。大成功です。
ラストの場面は、「知恵を絞って一件落着」という点では、「お見事!」とも言えそうですが、もう一工夫して、真実を抉り出せれば、コメディでも深みのあるしてコメディになったでしょう。小説でも劇でも、初めと終わりは難しい。苦労します。
大田では初演とはいえ、みなさん舞台の経験者ですから、いろいろな意味で無駄がなく洗練された爽やかな舞台でした。みなさん、おつかれさまでした。次回も楽しみにしています。
(ブログ:劇研「空」 観劇 地域情報 昌ちゃんの演劇だより 20210227 すはま)

R3,母思う一筆、全国大賞に 福田さん(大田出身)

「手紙を読むのが楽しみと、笑顔を見せて言うてくれたけ、切手十枚また買うた。途中で逝くなや。」
福井県の丸岡文化財団主催の第28回「一筆啓上賞」は今年度「笑顔」がテーマで、全国から52805通の応募があり、福田さんの作品が大賞5作品に選ばれたました。1993年に始まったこの企画は「日本一短い手紙」(40字以内)として評判になりました。
福田栄紀さんは現在、盛岡在住ですが大田市久利町出身、大田高、京大を経て海外勤務、大田の中国農業試験場での勤務もあり、牧草地や土壌などの調査研究で博士号を取得。インターネットで検索すると、たくさんの論文が掲載されている研究者です。
岩手日報が大きく取り上げていましたので、紹介させていただきます。手紙を書いた人も、笑顔で読んだ人も、良く知っていますので、温かい心の交流が目に浮かびます。エイキチャン、連続ホームラン、おめでとう!!(リュウチャンの許可あり)
(ブログ:詩の散歩道 昌ちゃんの詩の散歩道 詩作品紹介 地域情報 20210215 すはま)

5月になって、母の日に山陰中央新報や朝日の「天声人語」にも取り上げられ話題になりました。読んだ人も多いと思いますが、紹介します。

R3,昭和初期の貴重な詩集・中島雷太郎詩集『磯松』復刻

昭和10年(1935)に大田市(当時は邇摩郡静間村)で出版された中島雷太郎詩集『磯松』が復刻されました。探してもどこにもなかった詩集ですが、たまたま国会図書館に保存されていて、ご子息の中島康夫さん(東京在住)が「旧漢字と老眼に苦戦しながら打ち直し」自ら一冊づつ表紙に出雲和紙を張り付けて装丁されたものです。
雷太郎さんは、3年間シベリアへ抑留され、その「シベリア抑留記」も新たに掲載されています。また雷太郎さんが昭和8年ころ発行された『山陰詩脈詩歌集』(古本屋では1万5千円近い値段)の中からも和歌など追加掲載されています。
序は安部宙之介、大島庸夫、更に跋として、山田久壽郎、岡より子、中島資喜など当時一線で活躍していた県内の文人が寄稿しておられます。

中島資喜さんは雷太郎さんの友人で、一緒に「静窟詩社」を結成し、『静窟』という同人誌を発行、小説や脚本も書き青年団活動も活発にされました。国鉄職員で不当弾圧なども受けながら本格的に文学を目指して上京、生田春月の家にも下宿していましたが、結核で帰郷、満鉄に入り現地で招集、終戦と共にシベリヤへ抑留されました。明治45年生まれ、昭和25年7月に他界されました。日記も残っているとか、いつでも閲覧OKを頂いています。
ご長男の鐵也さん(滋賀県在住)が父親の作品や記録を実に丁寧にまとめ、PDFにして送っていただきました。二人の作品や記録は昭和初期の島根の文学運動を考察するとき貴重な記録になります。昭和初期日本の地方文学運動としても貴重です。
復刻が実現するまでには不思議な出会いがありました。山陰中央新報で「人物しまね文学館」連載のために資料を捜したとき田村のり子さんの著作が貴重な手掛かりになり、経過をこのホームページに掲載していたら康信さんから、それは私の父です、とメールがあり、『径ずれ』のコピーが届き、数年後に静間町文化協会の依頼で、「朗読を楽しむin静間」を公演。地元の雷太郎さんの詩やシベリア抑留記も、劇研「空」で朗読しました。それが東京の康夫さんの耳へ届き、いろいろやり取りが始まり、今回の復刻に至ったという次第です。その経過をPDFにしました。
R2、詩集跋文 「昭和初期の貴重な詩集」復刻版『磯松』洲浜昌三(中島雷太郎著『磯松』昭和10年発行)

大田図書館には献本しています。希望があればご連絡ください。連絡をとります。(ブログ:詩の散歩道 詩集や本の紹介 島根県詩人連合 20210129 洲浜)

R3,今年最初の大田名画シアター予定通り(1/16)

コロナ禍で心配していましたが、大田名画シアター『長いお別れ』は、予定通り上映されます。関東や近畿地方はコロナで大変な状態ですが、大田市は目下感染者ゼロ行進中です。文化協会では、300名に限定し、ルールを厳守して開催します。
前回11月の『花のあとさき』は好評で、今までになく多くの人が来られました。どうぞ万全の対策をしておでかけください。
(ブログ:詩の散歩道 お知らせ 地域情報 20210112すはま)

R2,第18回県民文化祭 文芸部門『島根文芸』53号刊行

今年度の入選者表彰式が12月12日、松江で開催されました。県民や島根出身者を対象に7月から9月まで、俳句、短歌、川柳、詩、散文の作品を公募、入選作品が立派な本になり刊行されました。
表紙は県総合美術展デザイン部門で知事賞を受賞された大田敦美さんの作品です。素敵なデザインです。本が新鮮に見えます。
応募点数は短歌(一般326首、ジュニアー58首)
俳句(410句、156句)
川柳(509句、181句)
詩(20篇、8編)
散文(20篇、2編)
本には入選作品や選評、招待者作品と巻末に本年度の島根県文芸部門の「一年の歩み」が掲載されています。県内の主な図書館や学校には配布されています。どうぞ読んでみてください。購読希望者は島根県文化国際化へ申し込んでください。
表彰式での会長あいさつです。全員マスクです。今年は久しぶりに山陰中央新報が文芸欄で入賞者を紹介してくれました。応募者を増やし文芸活動を活発にするために運営委員は苦労しています。多くの人にPRすることは最大の課題です。そういう意味でありがたいことでした。切り抜きを紹介させていただきます。

表彰式後の詩の分科会では、入賞された皆さんに朗読していただき、感想などをお互いに出し合いました。事務局長で審査委員の一員だった川辺 真さんと洲浜が参加しました。知事賞の升田孝司さんの「春のゆくさき」は、視点や表現の深さや巧みさが新鮮でベテランの味のある完成度の高い作品でした。金賞の佐田光子さんの詩は女学生で神戸大空襲のとき、石門の内側と外側で生死が分かれた悲痛な体験を記録風に書かれた貴重な作品でした。左近司さんの詩は感性を生かした省略と飛躍が躍動した難解な詩でしたが、感性を生かした新鮮な現代詩で応募作品中異色でした。

来年度も詩部門が担当します。9月には益田で「文芸フェスタ2021」も予定していますが、新型コロナのこともあり、内容は未決定。次回の運営委員会で話し合います。文芸作品は次回もたくさんの人に応募してください。
(ブログ:島根県詩人連合 島根文芸フェスタ 詩の散歩道 詩集や本の紹介 20201216 すはま)

R2, 島根県民文化祭文芸部門表彰式(12/12)について

今年度の「島根文芸」入選者表彰式は、12日(土)は県職員会館で13時30分から行われます。新型コロナウィルス感染拡大防止のために、参加者を入賞者に限定して行われます。分科会(短歌、俳句、川柳、詩、散文)は14時15分から予定通りです。当日、入選作品集「島根文芸」が配布されます。購入する場合は1000円です。次の写真はこれまでの入選作品集です。
1968(昭和43)年に第一号が発行されましたが、当時は「詩歌集」という表題でした。通算52号に達する貴重な歴史を重ねています。今年度は詩部門が担当で洲浜が会長ですが、文芸フェスタや運営委員会など中止になりましたので、今回の表彰式が初仕事。来年度も詩部門が担当予定ですが、益田市で予定されている「文芸フェスタ」をどうするか、大きな課題です。
(ブログ:詩の散歩道 島根県詩人連合 島根文芸フェスタ お報らせ 地域情報 20201210すはま)

R2,横田、三刀屋高最優秀賞、高校演劇島根県大会

44回島根県高校演劇大会は10月29から3日間、県民会館で開催され13校が参加しました。今年はコロナの影響で地区大会なし、一般客なし、当日上演校だけ観劇、という形式で行われました。
(横田高校『20205678』の一場面です)
3人の審査(野村、坂井、洲浜)の結果、横田高、三刀屋高が一致して代表校に選ばれました。掛合分校の朗読劇『魔術』(芥川龍之介作、潤色、亀尾佳宏)も創意工夫に溢れた独創的な演出で見事でした。学ぶことも多く、一致して奨励賞に決まりました。

横田の創作劇(伊藤靖之作)は今までにない斬新な表現で、新しい演劇のジャンルに挑戦しているような新鮮な舞台でした。三刀屋『異説 ヤマタノオロチ』(亀尾佳宏作)は、以前上演した劇でしたが、群舞やコロスの動き構成が素晴らしく惹きつけました。

例年なら、地区大会の客観的な批評や反応を受け、更に修正し仕上げて県大会に出るのですが、それがないために不十分な箇所や盲点など多々ありましたが、どの学校もコロナ禍で練習時間が限られていたと思いますが、熱演しました。二校の中国大会での舞台が楽しみです。
当日の講評はなし、文書で講評を書き、本部校でまとめて各校へ送ることになっています。明日は、大田三中の演劇『魔術』の公演です。3、4日は大田市文化祭、準看授業、6日は矢上高で高文連文学部門入選者表彰式と講演会。Make America great ならぬ
Make time stop と魔術師に言いたい。
(ブログ :劇研「空」、観劇、高校演劇、昌ちゃんの演劇だより、20201102洲浜)

R2,第44回島根県高校演劇大会について(10/29~31)

今年の県大会事務局は松江北高ですが、文書によると地区大会は中止し、13校が無観客形式で、10月29日、30、31、県民会館で実施予定です。一般客は入場お断り、当日上演校だけが観劇できます。コロナ禍で、苦渋の決断だったと思いますが、熱いエールを送りたいと思います。
昨年の全国大会には横田高校が出場、今年も島根の三刀屋高校が最優秀賞を受賞し高知市で発表する予定でしたが、コロナ禍で中止になりました。県大会は開閉会式や講師講評なし、文書による講評を後日配布という予定です。
パンフレットは例年通り作成されます。今年は顧問審査員はなし、講師・審査員として、野村みさ子、坂井陽介、洲浜昌三、3名が参加します。コロナ禍で練習などに影響があるか、ないか、ちょっと心配ですが、がんばってください。
パンフレットの文章です:「コロナ禍で 異例の全国大会中止 無観客県大会」(洲浜昌三)
R2,パンフ原稿 「コロナ禍で全国大会中止 無観客県大会」44回」高校演劇島根県大会jtd
(★劇研「空」は高校演劇の応援も目標の一つです)