「昌ちゃんの演劇だより」カテゴリーアーカイブ

H28 第40回島根県高校演劇大会ラメールで(10/29,30)

開会式が終わって、10時からはじまります。今年は9校が上演。石見部からは益田の明誠高校が出ます。今年も大島先生とすはまくんは講師ということで参加します。中国地区大会を突破できるような劇が出てくるかどうか、楽しみです。参加校を上演順に紹介します。(写真は演劇と無関係です。淋しいので入れただけ。関係あるとすればラメールへ行く途中の農村風景と劇のような素晴らしい夕陽)
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10/29日 横田高『眠れる森の少女』、松江農林『めろん』、松江商業『Canon~大きな桜の樹の下で~』、三刀屋高『笛男~フエオトコ~』、松江北高『桶屋はどうなる』
10/30    松江工業『僕と先生』、情報科学高『トシドンの放課後』、明誠高校『修学旅行』、出雲高『カケル』(9:40~開始です。)

伊藤作品が横田、松商、松工と3校、亀尾作品が三刀屋です。『トシドン』と『修学旅行』は平成17年八戸市で行われた全国大会で上演され『修学旅行』は最優秀賞を受賞しました。おもしろくしかも素晴らしい舞台でした。審査員で参加したのですが圧倒的でした。その後もあちこちで上演され、青年劇場も手を入れて上演しています。作者の畑澤聖悟さんは今年の広島県大会でも素晴らしい劇を上演されました。
さて、今度の大会はどうでしょう。楽しみです。入場無料です。気楽に観劇にきてください。

29日には大田三中が文化祭で全校生参加劇『ヌチドチカラ』を上演します。劇研「空」のメンバーで2回指導に出かけました。生徒さんたちは大変がんばっています。応援してください。沖縄の戦争を描いた意欲的な劇です。

 

H28 全国高校演劇 広島大会の観劇と・結果

第62回高校演劇全国大会は広島のアステールプラザで、8月1日~3日開催されます。全国高演協事務局から案内が来ましたのでお知らせします。

広島は近いのでぜひ行きたい!という人も多いことでしょう。でもそのまま行っても入場できません。観劇希望者が多いので、申し込みが必要です。往復葉書で6月24日が必着〆切になっています。詳細は「2016ひろしま総文Webサイト(hiroshima-soubun.jp)で調べてみてください。往復葉書の書き方が説明してあります。
DSC07278すはまくんは申し込みをする予定です。中国地区からは開催県代表として沼田高校の『そらふね』(黒瀬貴之作)と中国ブロック代表で舟入高校の『八月の青い蝶』(周防柳 作、須崎幸彦 潤色)が上演します。共に高校演劇伝統高です。期待しています。

高校演劇も以前と少し違ってきている印象を受けます。それを確かめてみたいと思っています。話しはトンデ、今年の島根県大会は10月29、30、ラメールです。

・・・・・・大会がおわりました。それぞれすばらしい舞台でした・・・・・

(夜の原爆資料館です。長い間座っていました)

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久しぶりに全国大会を観劇しました。1日目の夜には劇作研究会の総会・懇親会があり、これまた久しぶりに参加し懐かしい方々にお会いしました。

                               第62回 全国高等学校演劇大会審査結果 
(優良賞以下は上演順です)

最優秀賞:『Is(あいす)』 岐阜農林高校演劇部/作 岐阜農林高校
優 秀 賞: 『アメイジング・グレイス』 畑澤聖悟/作 青森中央高校
『幕が上がらない』 伊東高校演劇部・加藤剛史/作 静岡県立伊東高校                            『解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話』
オノマリコ/作 埼玉県立芸術総合高校

優 良 賞: 『そらふね』 黒瀬貴之/作 広島市立沼田高校
『常呂からTOKORO culer 』演劇部・新井繁/作 北見北斗高校
『八月の青い蝶』 周防柳/作 須﨑幸彦/脚色 広島市立舟入高校
『その時を』 演劇部/作 北海道清水高校
『ボクの宿題 』いやどみ・こ〜せい・演劇部/作 県立佐賀東高校
『2016』 よしだあきひろ/作 徳島県立阿波高校
『扉はひらく』 出口耕士朗・藤井良平/作 和歌山県立串本古座高校
『双 眼 鏡」 河野豊仁/作 山梨県立白根高校

舞台美術賞 :『八月の青い蝶』 広島市立舟入高校
創作脚本賞 :出口耕士朗・藤井良平 『扉はひらく』
内木文英賞 :広島市立沼田高校

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浜田の岩町先生(全国高演協顧問)も来ておられましたが、「久しぶりに高校演劇を観たけど以前とは随分違うね」と言っておられました。確かにそうですね。

部屋の中でじっくり親子の葛藤を見せる ー というような劇は少数です。身体訓練や演技力はもちろんですが、舞台空間の使い方がとてもうまく、演出に工夫があり多彩で観客を惹き付けます。舞台に多数のキャストが登場しても、その動きがダイナミックで迫力があります。スポーツ感覚が生かされ、音楽や音響の使い方も的を射て洗練されています。しかも劇のテーマもしっかり押さえて演出されているので、拡散感覚と同時に凝集力もあり、感動があります。ひとことでいえば、総合力に優れています。岐阜農林、青森中央の劇を観ながら圧倒されました。

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舟入高校の劇には舞台美術賞が贈られました。光の当て方や装置の転換に職人的な技巧を感じました。ちょっと真似ができませんね。沼田高校は内木文英賞。原爆を継続して追求してきた意義を評価されたものです。

全国大会の運営は大変です。それをスムーズに運営された広島の顧問や演劇部員のみなさん、おつかれさまでした。とってもいい大会でした。(ブログ 詩の散歩道、高校演劇 すはま)

 

 

 

H28, 8/1~3 広島で全国高校演劇大会

平成28年度の全国高校演劇大会は広島のアステールプラザで開催されます。中国地区の代表校は舟入高校で「8月の青い蝶」を上演します。この作品は周防 柳氏の原作を顧問の須崎幸彦先生が脚色されたものです。

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開催県代表として沼田高校が「そらふね」を上演します。顧問の黒瀬貴之先生の創作です。全国高校演劇協議会事務局長の阿部 順先生から案内がきましたので、そのチラシから各地区の代表校を紹介しました。(見えにくいね!)

アステールプラザは平成3年に大田高校演劇部が「星空の卒業式」(洲浜作)を上演したホールです。広島で原爆劇を上演する怖さを味わいました。一瞬のうちに街が崩壊し多くの命が失われたという厳粛な現実に、劇は絵空事に思えて、「この町では告発ではなく鎮魂しかない」と思った記憶があります。

3月19~21日には北海道の伊達市で第10回春季全国高校演劇研究大会が開催され、中国地区から市立福山中学・高等学校が出場します。愛DSC07123知県立蒲郡東高校は「ぽっくりさん」を上演します。この作品は平成15年に松江工業高校が全国大会に行った時の作品で、亀尾佳宏先生の創作です。

いい作品は残っていきます。うれしいことです。黒瀬先生の創作も最近ではあちこちでよく上演されます。須崎先生は原作をうまく生かして緻密な劇に仕立て上げる力量を持っておられます。どんな舞台になるか楽しみですね。

中村 学著『笑う門にはいい介護』紹介

大田市の中村 学さんがタイムリーな本を出版されました。出版された時に贈呈を受け、その夜にすぐ読了してお礼の手紙を書いて届けました。自分を飾ることなく事実や思いが率直に語り口調で書かれていて、とても読みやすく、しかも胸を打ち参考になる言葉にあちこちで出会います。
表紙 中村学「笑う門には~}

刊行されたのは2013年11月ですが、先日大田の本屋さんへ行くと、『笑う門にはいい介護』がたくさん展示してあり、うれしくなりました。一時的なブームに乗った一過性の本ではなく、介護について基本的な心構えを書いた本ですから、本屋に長い間、置いてある価値や意味が大いにあります。

本の中でも書いてありますが、宮根誠司さんとは小学校時代からの兄弟のような友達。二人とも人を笑わせることが大好きだったとか。大田高校を卒業して学さんは演劇やお笑いの道に進みました。1994年に東京吉本興業のオーデションに合格し芸人としての道を歩き始めたとき、母親の介護のために帰省。そこから介護地獄がはじまりました。

それを克服したのが、地域で介護の話を頼まれて話したことがきっかけでした。8年間イライラを母親へぶつけてきた「反応」から一拍置いて「対応」する客観性を取り戻すことができるようになったのです。ここには学さんが、お笑い芸人として如何にして独自の種を見つけそれを表現して観客を笑わせるかという苦労と努力が、栄養を蓄えた竹の根のように生きてきた!と僕は思い感動しました。芸術である演劇が持っている「自己客観視」や「遊びの精神」です。

学さんは1913年には大森で劇研「空」の創作民話劇『出口がない』に出演していただきましたし、2014ねんにはサンレディで講演した創作劇『サクラさんんの故郷』にも出て退職した先生役を見事に好演していただきました。学さんがいると練習の雰囲気が明るくなるのがとても嬉しかった。姿勢が前向きだからです。

その後も出演をお願いしましたが、多忙を極める毎日で実現しませんでした。現在は仕事も多忙ですが、県内、県外から講演の依頼を受けて飛び回っています。笑いの絶えない楽しい講演の中で、大切なことを自然に学べるところが学さんでなければできないところです。素敵です。これからますます活躍されることでしょう。

H27 松江工業、松江南高演劇部中国大会へ

2015年11月2,3日、雲南市のラメールで第39回島根県校校演劇発表大会が行われ、松江工業高校、松江南高校演劇部が最優秀を受賞、今月21,22日に広島のアステールプラザで開催される中国大会へ出場します。

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工業は成井豊・真柴あずさ作品『すべての風景の中にあなたがいます』をテンポ良く演じ劇つくりでは一歩抜きんでていました。発声もよく言葉もよくわかり、うまくつくられた舞台でたくさんある場面を流れるようにうまく処理して展開しました。

松江南は『サチとヒカリ』(越智 優作)を熱演しました。卒業できるかできないか分からない不良少女2人をどのように演じるか、簡単なようで難しい。不良を演じたら不良にならない、とぼくは言いましたが、何になるかといえば不良の戯画化、漫画化になり、面白く笑える対象の不良になります。実際に何度も笑いが起きました。面白くて笑えるというのは現在は主流でもありますし、恐ろしさはでてきませんが、それはそれで一つの演出の仕方です。講評でそのことをいいましたが、面白く見せることが評価されたのでしょう。心を閉じて言葉が通じず行動だけが先走る不良が、生徒相談員にならされたらどういうことになるか、ぼくはそんなことを考えていました。

その他の劇についてはそのうち感想を書くかもしれませんが、忙しいのでここでは簡単な報告だけにしておきます。写真が1枚ありましたので紹介します。出雲校の『桃田廊下を走る』実にエネルギッシュなパワーのある面白い舞台でした。題からしてとても面白い。役者も達者でした。観客の意表をつく場面が次々展開され楽しい舞台でした。分かりにくい、乱雑、という批評が多く代表にはなれませんでしたが、なっていたら中国大会でパワーを爆発させ存在感を発揮したことでしょう。一定のレベル以上の劇になると順序をつけるというのは残酷ですね。

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パンフレットに書いた文章を紹介します。

「小説のことば 詩のことば 劇のことば」

全国(中国、島根)高校演劇協議会顧問
研「空」代表、日本劇作家協会会員
洲 浜 昌 三
「なぜ飽きもせず40年以上も演劇や文学に関わりつづけきたのだろう?」と、ふと考えることがあります。一つは「表現の楽しさ」にあるのかもしれません。
最愛の人を失って、「泣くこと」だけが悲しみの表現ではありません。場合によっては、「高笑い」が最高に悲しみの表現にもなり得ます。一つのことを表現する方法は実に多様です。「バカ!」は、叱責や軽蔑だけでなく、愛情表現にもなります。新鮮で最も適した表現を見つけたときの喜び。それがぼくに演劇や文学をつづけさせているのかもしれません。

先日、改めて「ことば」について考える貴重な機会がありました。9月に「しまね文芸フェスタ2015」を県民会館で開催しました。今年は悲願だった 詩人の谷川俊太郎さんを講師に招き、「わたしのことばさがし」というタイトルで1時間半舞台で対談しました。ぼくが代表になっている劇研「空」の6人も谷川さんの詩を10数編朗読しました。

対談の冒頭で、「自己紹介」という谷川さんの詩を谷川さん本人に朗読していただきました。谷川さん自身を自分でリアルに紹介した詩ですが、その中に「こうして書くとどこか嘘っぽい」とありますので、「なぜ嘘っぽいのですか」と聞きました。 要約すると答えは次の通りです。

「ことばの背後にある実態には宇宙の始まりからの長い歴史があります。しかしことばはそのほんの一部しか表現できません。自分のことを正直に書いているようでも、それはほんの一部だけです。だから嘘っぽいのです」

確かに「ことば」は実態の説明です。小説は説明(描写)が基本です。しかし詩や演劇では説明は敵です。最愛の人を失った悲しみを「ことば」で説明すればするほど、悲しみの実態から遠くなります。「ことば」の限界と宿命です。しかし詩は「ことば」で表現しなければ成立しません。谷川さんの詩の中に「詩に近づこうとしてはいけない 詩に飛び込びこまねば!」という詩句があり、とても示唆に富んだ象徴的な「ことば」です。

これを飛躍して演劇に当てはめてぼくのことばで翻訳すれば、こうなります。「ドラマに近づこうとしてドラマを説明しようとしてはいけない ドラマに跳び込まねば!」 演劇は「ことば」以外でも多彩な表現ができるところに魅力と可能性があります。それが如何に充実しているか。
今年もみなさんの創意工夫に富んだ舞台を楽しみにしています」

今回の劇は、なぜか上記のような視点から各校の劇を見ていました。そうすると今までにないものが見えてきました。特に台本についてそれを思いました。

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ちょっと重い心を抱えて、ラメールから斐伊川土手を運転して帰りながら、きれいな夕景に出会いました。車を止めてパチリ!いい風景に出会うと、心が和みます。

H27 高校演劇島根県大会11/2.3ラメールで

2015年度の高校演劇島根県大会は加茂町のラメールで、11月2日から2日間開催されます。1日は10時~19時頃まで8校のリハーサル。残る一校は2日の上演後に17時10分から三刀屋高校のリハが予定されています。どうぞ、気軽においでください。

山吹城より仁万町方面(写真は演劇とは何の関係もありません。10月中旬に石見銀山大森の山吹城(要害山)へ互助会の人たちと52人で登りました。山吹城はとても急峻です。簡単には攻められないでしょう。てっぺんは思ったより広く平らになっていました。石垣などはちょっとだけ残っています。空堀の跡はしっかり残っています。残念なのは木が邪魔をしてすばらしい景色があまり見えないことです。上の写真は登る途中で仁万方面をパチリ!としたものです。大社の日御碕も見えます。三瓶山方面の眺めも素敵です。眺めのすばらしさが石見銀山の魅力の一つですね)

11月2日(月)は9時40分~9時50分が開会式です。上演校は次の通りです。午前中2校です。
1、出雲農林高校(以前松江工業が上演した亀尾作品「お葬式」を上演します)
2.明誠高校(石見部から唯一の出場です。顧問の創作です。浜田はどうしたのでしょう)
3.松江工業高校(昼食休憩12:30~13:10の後に上演)
4.松江商業高校
5.松江農林高校

11月3日9:40~開始です。
6.三刀屋高校(TAKASHIを上演します。亀尾先生の作です)
7.情報科学高校
8.出雲高校(創作劇「桃田廊下を走る」伊藤先生の創作です。)
9.松江南高校

16:10~講評・審査発表・閉会式があります。

今年も洲浜クンと大島サンは講師として参加します。どんな舞台が展開されるか楽しみです。
誰でも自由に観劇できます。どうぞ足を運んでみてください。生徒のみなさんはみな生き生きと演じます。面白いですよ。今年も中国地区大会代表は2校です。

 

H26, 米子高最優秀、52回中国地区高校演劇大会

2014年12月20、21日、島根県民会館で第52回中国地区高校演劇発表会が行われました。それぞれの学校がレベルの高い舞台を楽しませてくれました。最優秀賞は鳥取県米子高校で、2015年、7月30日から8月1日まで滋賀県の「ひこね市文化プラザ」で開かれる第61回全国高校演劇大会へ出場します。米子高校は30日の16時40分から上演します。

中国大会が終わってから時間がたっていますので、簡単に紹介します。詳しいことは県大会、広島県大会のところで書いていますので参考にしてください。

鳥取県立米子高校
米子高校「学習図鑑」高泉淳子作、演劇部潤色
メモから引用してみます。・ものすごく早口だが無駄な力が入っていなくて言葉がとてもよく分かり強い印象を受けた。・演技も自然で生き生きしている。役者の内面を支える芯がある。装置がすばらしい。役者は壁を乗り越えて出入りするが不自然ではなく、それによって、たくさんある場面がとてもスムーズに展開された。・「お父さん、ぼく成長したよ」という最後の台詞が生きて伝わってきました。

米子校高にはベテランの大和屋かおるさんが長い間顧問としておられましたが、この春、転勤したと本人から聞きました。伝統の上に斬新な才能を持った指導者がおられるのでしょう。すばらしい装置は、劇の表現を深め広げ斬新な展開を可能にします。すばらしい舞台でした。

鳥取県が代表に選ばれたのは、ぼくの記憶では鳥取商業の「現代教育白書」以来で、1980年、第18回大会で岡山市民文化ホールで上演しています。ぼくは川本高校(現、島根中央高校)にいて「大会前二週間」という脚本を書いて上演。鳥取商業の舞台も今でも覚えています。

山口県立光丘高校

山口県立光丘高校「ぴっかり丘は大騒ぎ」緋岡 篝 作
ひおかかがり?華陵高校で全国大会に何度も出場して活躍されていたのに、名前を聞かなくなったので、どうしておられるのかと思っていたら、久しぶりにまたへんなへんめいで登場。教員は転勤があるから仕方がありませんよね。久しぶりに石田先生の伸び伸びとした広がりのある舞台を楽しみました。結果を聞くと、この劇が優秀賞にえらばれたそうです。笑いあり、現代社会への鋭い風刺もあり、地域性や普遍性も備えたいい劇でした。

岡山工業高校
岡山県立岡山工業高校「男でしょっ!」愛知県立一宮高演劇部作 岡山工業演劇部潤色
島根県立大田高校演劇部にいて、劇研「空」でも一回音響を担当、岡山大学在学中の夏休みには「朗読を楽しむ」にも出てもらった森脇 建くんが岡山の先生になり、顧問として二度目の上演。それが岡山県代表となって中国大会へ出場しました。大田から何人も応援にいきました。舞台には20名近く登場するのですが、みんなとても生き生きと動き喋り演じていました。それを見ただけでも、ここまで訓練するのは簡単じゃないと思いました。日ごろの練習の成果です。ここまで演じれば合格ですが、コンクールという視点でみれば、教室の壁がありきたりな感じを受けました。誰もが考える一般的な装置の前で演じれば、誰もが演じる普通の劇になりかねません。かえってない方が劇が広がっていく可能性があります。またよく演じられる劇は、多くの人に観られているので、それを越える舞台をつくるのは大変です。とはいえ、ここまで仕上げたのは立派です。よかったよタケルクン。

出雲高校
出雲高校「泳げ WATER BABYS」伊藤靖之作
50回、51回と連続して全国大会へ出場した出雲高校。今年の劇も見応えがあり、ラストでの感動もありました。今までの抽象的で象徴性と飛躍に富んだ劇が、この劇では少し具体性とテーマの一貫性が強くなっていました。伊藤作品を長年見てきた人たちには「一歩前進」と受け止めた人も多かったと思いますが、審査ではそうでもなかったようです。その上を行く劇があったということもあるでしょう。

講師の講評を次のようにメモしています。「上半身はだか。斬新。こうゆうのもありと思った。お客さんもよく反応していた。ラストは感動的だったが、共感はできなかった。脚本が観念的、言葉に具象性がない。5人が集まる場所とは何だろう。そこへコーチが来るとはどういう場所なのか分からかった。滑舌が少し甘い」

確かに昨年一昨年の洗練された動きや表現、滑舌から比べるとちょっとダウンした観はありますが、迫力という点ではアップしてのではないかと思います。

松江工業高校 (2)
松江工業高校「広くてすてきな宇宙じゃないか」成井 豊作
県大会の劇評で書いていますが、この劇も舞台装置を工夫してとてもうまくつくっていました。それによって劇が散漫にならず凝縮した気がします。米子高校の装置も「プロでもなかなかここまでつくれない」と講師の先生がいわれましたが、この劇にもいえるでしょう。みなさん伸び伸びと好演されました。安来高校の「逝ったり生きたり」を含め、島根の高校演劇が一定のレベル以上にあることを見せてくれました。

入場するとき係りの先生が「写真撮影許可証」を発行しておられました。とてもいいことだと思います。「撮影禁止」と杓子定規に決まり文句をくり返すより、撮影条件を厳守してもらって許可した方が、記録やPRなどに有効です。

みなさん、おつかれさまでした。米子高校のみなさん、全国の舞台でもがんばってください。

H27 松江で「そよ風コンサート」を聞く

2015.6.21、プラバホールで「そよ風コンサート」があり、大田から3人で聞きにいきました。これは松江市津田公民館の活動として平成17年に結成され、今年で10周年になり、その記念コンサートとして開催されたものです。本当にさわやかでセンスのいい舞台構成で楽しい時間を過ごしました。

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プラバホールの中に入ったのは初めてです。市立図書館が併設されていて、自由に入って閲覧でき多くの人がソファーで本を読んだり休んだりしておられました。とてもいい雰囲気で利用しやすく、本の陳列にも工夫があり、感心しました。

30分前になり、図書館から出てホールの方へ移動し、受付を通ると、パッ!鮮やかな花が飛び込んできました。思わず立ち止まり、永久保存とばかり、パチリ!

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津田公民館のコーラスの指導者の名前が書いてありました。女性らしい細やかな配慮ですね。

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パンフレットの表紙もいいですね。誰がつくったとも書いてありませんが、さわやかです。

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さすがは音楽のために作られたホール。客席のスロープの傾斜がゆるいので、見下ろす感じがなく、ほぼ平行な視線で自然に舞台の合唱を聞くことができます。残響音は大田市民会館より長い気がしましたが、音楽には長い方がいいのだと、福山市民会館で聞きました。あそこは長い。演劇では残響音が長いとことばが分かりにくくなる。(よこみちへそれるな!はい)

合唱も素敵でした。指導者と同じエリザベト音楽大学の卒業生で結成されている「エリザベトフレンズ松江」の皆さんが友情出演され、プロの力量でバックアップされたのも素敵でした。

最後には「ふるさと」を洲浜満子さんの指揮でみんなで歌いました。本当に若葉の上を流れるさわやかなそよ風のようなコンサートでしたよ。おつかれさまでした。

その手はちょうちょう

ふたつの羽でしなやかに風をすくう
ちょうちょのように
その手はぼくを乗せ
ぼくは若葉の間をひらひら舞いながら
大空へ飛んでいき
気がつくと宇宙を泳いでいる

手のしなやかな動きに乗せられて
野を越え山を越えて
青空へ舞い上がり
いつのまにかぼくは
小川のせせらぎを聞きながら
みどりの林の中を歩いている

指揮する手に乗せられて一緒に歌いながら、こんな詩のようなものが胸に浮かんでいました。
みなさん、ありがとうございました。

H26 「いま島根の高校演劇は」(記事紹介)

いま島根の高校演劇はどうですか、と聞かれも、一般の人には答えようがない。情報がないから、何もわからない。スポーツ関係は新聞でも大きく報道されるが、文化関係はたまに結果が載るくらいである。
高文連の文芸作品コンクールにはすばらしい作品が集まり、作品集も毎年発行されているが、報道されたこともない。関係者だけが一生懸命がんばっている。読んでもらう努力もしない。この中から将来有望な文筆家や作家が生まれるかもしれないのに・・・。

「身内だけの活動は衰弱していく」「いいものは多くの人に知らせて励ましたい」ーこれは基本的な考えである。

DSC06214          (さて、これはどこの写真でしょう)

島根では演劇部がある高校は数年前と比べほぼ半減した。だから少子化の中で、衰退線上を一直線に下降しているーと思っている人も多いだろう。確かに部の数は減った。しかし演劇のレベルは向上し、夏の全国大会へこの12年間で8回、数年前から始まった春の大会(中国大会で2位に相当する学校)には3校が選出されている。ぼくが顧問だった頃には山陽勢が圧倒的に優位だったことを思えば、驚異的な数字である。(何故か?いつか書きたいが、時間とスペースが必要)

顧問も生徒たちもがんばっている。
高校演劇を応援することも目標にしている劇研「空」としては、このことを知って欲しいと思っていた。たまたま、松江で「島根文藝」創立20周年講演があり、山陰中央新報の文芸担当の人と久しぶりに会い、このことを話したら、「書いてもらえますか」といわれ、寄稿した次第。

中国地区大会が松江の県民会館(上の写真は正面)で開催される前日に掲載された。大会のPRにもなればと思って書いたので、いいタイミングだった。字数は限られているので、必要最小限のことしか書けなかったが、紹介します。

H26 新聞劇評「今島根の高校演劇が輝いている」山陰中央新

H26 38回島根県高校演劇大会観劇記(9校)

平成26年度の第38回島根県校校演劇発表大会は11月1、2日、島根県民会館中ホールで開催されました。地区代表9校がそれぞれすばらしい劇を上演しました。劇を観ながら思ったのですが、演劇部は一時よりかなり減っていますが、レベルはかなり高くなってきています。そのことは、ここ数年島根県の代表が中国地区大会を突破して全国大会へ出場している回数を見てもうなずけます。この12年間で夏の全国大会へ8回中国地区代表として出ています。

今年度特筆すべきことは、三刀屋高校掛合分校が初出場して好演したことです。来年が更に楽しみです。大会の講師は津和野高校を最後に退職されたベテランの大島宏美先生と劇研空の洲浜クンです。各校の劇について観劇記を、やっとこさどっこいしょで書きましたので興味がある人は覗いて行ってください。

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第38回 島根県高等学校演劇発表大会
11/1(土)10時~
①三刀屋高校掛合分校「僕たちのTAKASHI」亀尾佳宏 作
②三刀屋高校「羽と心臓と鎧」竹内万寿 作
③松江農林高校「のうりん日和」多田佳菜子 作
④浜田高校「ごはんの時間2い」青山一也 作 浜高演劇部潤色
⑤松江商業「ホーリーナイト」杉山 恵 作 川口多加 潤色(~16時50分)
17時~17時40分講師講評(洲浜昌三、大島宏美)

11/2(日)10時~
⑥開星高校「サヨナラブライド~see you Love Lie’d~」武庫次元 作
⑦安来高校「逝ったり生きたり」東尾 咲 作 安来高演劇部潤色
⑧松江工業「広くてすてきな宇宙じゃないか」成井 豊 作
⑨出雲高校「泳げ WATER BABYS」伊藤靖之 作 15時30分終了予定。

15時40分~生徒講評委員会・審査会(大島宏美 洲浜昌三 岩成紀子 安田礼子 今岡淳子)
16時30~17時20分 講師の講評、審査発表、閉会式

今年は島根で中国地区大会(12月20,21日県民会館中ホール)が開催されるので、代表校は3校。安来、松江工業、出雲高校に決定しました。とてもすばらしい劇でした。 中国大会では他校がどんな劇を上演するかわかりませんが、楽しみです。

観劇記中の写真は舞台風景として記録係の高橋育男先生が撮影されたものを許可を得て使用させていただきました。

どうぞ、ここがエントランスです。ノックじゃなくて、クリックしてお入りください。

H26 観劇記 「38回島根県校校演劇大会9校」上下段6ページ