戦後の一時期(我が青春時代)、詩は混迷した精神を純化、解放し、心に安らぎや豊かさ、指針を与えてくれる存在でした。今、詩は読まれない時代です。しかし、詩が持っている力は魅力的です。長い間書いてきた200篇以上の詩から、44篇を選び、詩に関するエッセイを巻末に載せました。「分かる言葉で心に響く詩」が目下の詩への向き方です。読んで面白く、感動や発見があり、歴史や記録としての確かさ、面白さ、笑いもある。そんな作品を選びました。次のように多様な内容の詩を載せています。
Ⅰ、 共に過ごした生徒たち、我が青春のシルエット(10篇)
Ⅱ、 自然、震災、命、言葉、公害 ‥‥今を見つめて(12篇)
Ⅲ、石見銀山、三瓶山、石見の風物、方言、人物考(12篇)
Ⅳ、ふるさとの父母、子供たち、友‥暮らしの中から(10篇)
Ⅴ エッセイ(詩論)「詩とは何かを求める長い思考の旅」
表紙の絵は松江市在住の美術家・北雅行先生の版画です。仁摩町大国の龍厳山で頂上には石見城跡があり、銀山争奪戦拠点の一つでした。北先生の版画は詩集の中にたくさんありとても好評です。
詩集の「あとがき」をPDFで紹介します。
洲浜昌三詩集 「春の残像」より「あとがき」
40年前に詩集『ひばりよ 大地で休め』を出した時には大田市にも、ロマン書店、本田書店、昭和堂などあり、いろいろな本を気軽に置かせてもらったものですが、昨年最後の砦・昭和堂も、時代の荒波を浴びてついに落城!(落店?)。個人書店はゼロになりました。チェーン店「ジャスト大田店」だけですが、そこに本社の許可を得て置かせてもらっています。ネットでも紹介されていますが、ご連絡いただければ、消費税や送料なし(1500円)で、お送りします。読んでいただければ幸せです。
この詩集は、第19回中四国詩人賞を受賞し、2019年9月28日、広島で開催された中四国詩人会総会で授賞式が行われ、岡隆夫会長から賞状と副賞が授与されました。
『春の残像』は、株式会社「22世紀アート」から電子書籍として2020年6月中旬頃、出版される予定です。
(ブログ 詩の散歩道 詩集・本の紹介 20190112 すはま)