鳥取市と岩国市は姉妹都市縁組を結んでいます。2つの市を結ぶ糸になったのは大田市福光の不言城城主・吉川経家です。今回大田出身で熱心に音楽活動をしている若い二人が、大きな夢を着実に具体化し実現へこぎつけました。
関係者の様々な意見を聞き、脚本も第3稿版が完成しました。鳥取城落城の渦中にいた山縣長茂が、80歳過ぎて書き残した回想記を読んで感動を受け、脚本を書く動機になったのですが、今回は「長茂の語り」と「吹奏楽、BGM、合唱」という形で進行します。ぼくには、しっくりとする形式です。「語り」の力量が求められますが、素晴らしい役者に喜んで承諾して頂き、とても楽しみです。参考までに脚本の裏に書いた文章を紹介します。
「鳥取城落城と吉川経家」執筆にあたって
令和6年3月末、思わぬ来訪を受けた。白石健一郎さん、田中健一さんー未知の二人だったが、話していると、共に大田高卒。現在は熱心に高校や地域の音楽活動に携わっておられることが分かった。文化活動の話をしていると昔からの旧知のように思えてきた。
二人の来訪の意図はー「鳥取と岩国は姉妹都市縁組を結んでいて、来年十一月に30周年記念に音楽朗読劇を公演したい」という夢のような企画。僕は、経家の朗読脚本を書いて公演していたので、「それを基に音楽朗読劇として書いて欲しい」という要望だった。
昭和50年頃、「不言城」という不思議な名前に出会って資料を集め始め、山縣長茂の「回想記」に出会って感動したことがあった。そんな経験があったので。平成22年の初夏、福波小学校の保護者から、閉校記念に地元の不言城の劇を子どもたちに発表させたい、という依頼を受けた時には、不思議な縁を感じた。
保護者の熱意に共感して、更に資料を集めて書いた。先生や保護者のバックアップ、熱心な児童の皆さんの努力が実り、、2010年に学校や地域の文化祭でも発表。要望があり鳥取市立中之郷小学校でも公演した。鳥取の詩人が地元の新聞に劇評を書いてくれた。劇研「空」では、市民会館中ホール、温泉津の「吉川全国交流会」で大畑音楽教室の演奏もお願いして上演。浜田でも公演した。その度に台本はかなり手を入れた。
今回の脚本は、吹奏楽と合唱と山縣長茂の「語り」をメインにして構成されている。視点を変え客観性持たせるために「朗読」を3場面取り入れた。更に、プロジェクターで映像をホリゾント幕に投影して観客の視覚を通しても想像を広げ豊かにしたい。
脚本の初稿は関係者には読んで頂き、貴重な感想も頂いた。吉川史料館の原田さんには時代考証の立場で数回御助言を頂いた。「朗読や語り」でも経験豊かな御方が引き受けてくださり、どんな舞台になるかとても楽しみである。
皆さんの意見を受け、本番までには、セリフの微修正や映像の追加、変更などあるかと思うが、この第3稿版は、ほぼ最終稿に近い脚本として受け止めて欲しい(20250602洲浜昌三)6月22日には午後から鳥取市民会館で打合せがあります。実行委員には大田市の関係者も入っておられます。大田も大いに応援しましょう。
(ブログ:お知らせ 吉川経家 不言城 演劇だより 20250613洲浜)