9月23日、出雲市のビッグハートで「しまね文芸フェスタ2013」が開かれました。開会式では出雲市長も挨拶されました。今年度は俳句が担当になっていて月森遊子さんが会長として挨拶されました。
講演は「ホトトギス」同人の会長・安原 葉先生。「花鳥諷詠のこころ」と題してとてもいい話をされました。1932年生まれですが背筋は伸びシャキッとしておられます。虚子などを実際にご存知なので、エピソードの中身も濃厚で貴重な歴史が含まれています。「虚子は寡黙な人でしたが、人の心を見据えるような力を感じた」そうです。
花鳥諷詠は単なる自然を読むことではなくもっと深いものがある。「虚子が晩年によく説いた存問とは、相手の心を深く察し、謙虚に素直に相手との心を通わせる心持ちが込められている。自身との存問、人との存問、自然との存問、宇宙との存問、超自然との存問。その存問の心を持って客観写生の技を磨き、花鳥諷詠を実践するのが俳句の道であることを虚子は示した」と語られました。例にあげられた有名な俳句の解釈はとても深く虚子の宗教観や宇宙観が背後にあることを説かれました。
前日の夜は歓迎会があり、終わって俳句の人たちと二次会へ行き大いに語り楽しい時を過ごしました。
23日の午後は分科会で、詩の参加者は少なかったのですが、京都から有馬矯さん、神戸から永井ますみさん米子の中村さんなども参加され、楽しい詩作詩朗読会になりました。
有馬さんの「せみ」は同じことばのくり返しですが、とても素敵でした。ちょっと誰も真似ができませんね。音をやリズム重視して詩をつくられる有馬さんならでは異色な詩であり朗読でした。一度聞いたら耳から離れません。
永井さんの朗読は微妙な音やリズムの変化も表現される力量があり、これまた素敵でした。きっと発声や発音の訓練も積んでおられるのでしょう。詩も深みがありました。島根の詩人の詩もそれぞれ個性的でよかったと思います。
小林さん岩田さん中村さんは都合で帰られました。有馬さん、奥さま、永井さん、中村さん、シライシさん、ありがとうございました。おつかれさまでした。
(一昨日、有馬さんの最新詩集「晩年」を拝受しました。一気に読みました。京都弁の詩、いいですね。抵抗がありません。晩年を迎えた有馬さんのとらわれのない自由な精神が印象に残りました)