R6,「わたしのことばさがし」谷川俊太郎さんとの対談記録(しまね文芸フェスタ2025)

2024年11月13日、谷川さんが92歳で他界され、新聞でもテレビでも大きく報道しています。それだけ大きな影響力があった国民的詩人です。2025年に松江の県民会館で開催された文芸フェスタで対談した様子は当時ブログでも紹介しました。
「石見詩人」や「詩人連合会報」、「劇研「空」の会報に対談の内容などを書きましたが、ここでは会報の文章や新聞記事などを紹介します。10ページあります。興味がある人はどうぞ。
H27,対談「わたしのことばさがし」谷川俊太郎・洲浜昌三 48882fb565794e32716ae6fdd8ea3dfa

次の詩は、島根詩人連合の会で「松江について詩を書いていただけないだろうか」という要望が出て、直前にお願いの文書をお送りして書いていただいた詩です。冒頭に、「しまねまつえ」の音が配置されたアクロスチックです。貴重な記念になりました。当時は講師を囲んで前夜祭を開催していました。お陰で何十人という第一線で活躍中の俳人、歌人、詩人、小説家と席をともにしました。次は島根文芸協会理事や各文芸団体の役員です。谷川さんの詩を朗読した劇研「空」のメンバーと、アメリカの大学から大田へ帰っていたので、急遽お願いして調光室でPC操作し映像を投影してくれた一暁君など。唯一の貴重な写真。
当時のチラシです。文芸フェスタで会場が満員になったのは初めてです。県外からも多数来られました。さすが、です。(ブログ:詩の散歩道 島根文芸フェスタ 20241122洲浜昌三)

R6.『また夏がきて』78回福島県高校演劇大会で上演(11/30)

全国各県地区の高校演劇大会が終盤を迎えています。島根県大会は11月1,2日に県民会館で開催され、次の3校が中国地区大会(12月21,22日県民会館大ホール)へ出場します。
松江南「ヘルン先生」(演劇部作)、横田高校「サイワイはここにあり青春篇」(伊藤靖之作)、松江工業高校「お手紙かみかみ」(亀尾佳宏作)。それぞれ独自性のある舞台です。

『また夏がきて』(洲浜昌三作)は、平成11年に大田高校演劇部用に書いてラメールで上演した脚本ですが、季刊『高校演劇』や『高校演劇~セレクション2001下』に掲載され,あちの高校などで上演されました。劇研「空」でも『サクラさんの故郷』と改題して平成16年にサンレディで公演しました。数年前に日本劇作家協会が会員の脚本をデジカル化して公開。誘いがあり、少し手を入れて『また夏が来て』をPDFにして送り、デジタルアーカイブに掲載されました。それを見て数校から上演の申請がありました。その中で福島ふたば未来学園高校は地区大会で最優秀賞を受賞し11月29~12月1日に会津風雅堂で開催される福島県大会(41校演劇部加盟)へ出場が決まったと連絡がありました。
ふたば未来学園は演劇を教育の一環として取り入れて活動しているそうです。数年前には全国大会にも出場しています。皆さんの健闘を祈っています。
脚本を読みたい人は、日本劇作家協会のデジタルアーカイブを検索してみてください。たくさん脚本が閲覧できます。

これは10月13日に行われた地区大会用のチラシです。脚本から連想できる示唆に富んだイラストです。
(ブログ:高校演劇『また夏がきて』空20241118洲浜昌三)

R6,第48回島根県高校演劇発表大会(11/1,2県民会館)

今年度の島根県高校演劇発表大会は、11月1,2日、松江の県民会館中ホールで開催されます。7校が発表します。誰でも観劇できます。どうぞ各校の若々しい舞台を楽しみに来てください。
令和2年の44回大会はコロナ禍でしたので地区大会なし。12校が県大会で発表(浜田高は都合で取りやめ)しました。野村みさ子さん、坂井陽介さん、洲浜が講師で参加しました。今回は、山本さん、岩谷さん、洲浜が講師を担当することになっています。どんな舞台になるか楽しみです。今年のパンフレットはまだ見ていませんが、昨年の表紙を紹介しましょう。全国大会へ出場した三刀屋高校の舞台写真が表紙になっています。東京公演もしました。素敵な舞台ですね。今年度のチラシは届きましたので、紹介します。この写真の舞台は見ていないのですが、下の写真は松江工業の「麒麟の城」でしょうか。迫力があります。石見地区高校の演劇部がゼロになって久しいのは残念ですが、松江、出雲地区が少人数ながら頑張っています。エールを送りたいと思います。舞台を楽しみにしています!
(ブログ:高校演劇 演劇だより  20241028洲浜昌三)

R6,今年度「しまね文芸フェスタ」令和7年1/18 松江で実施

例年9月か10月に実施されていましたが、今年度の「文芸フェスタ」は来年の1月18日に県民会館で実施されます。今年度担当は俳句部門で、講師は俳人の森田純一郎氏です。

10月15日に、「島根文芸」の詩の公募作品選考会が松江で開かれ、ジュニアーの部220篇と一般の部15編の詩の選考を今年度は川辺真、山根繁樹、洲浜が担当しました。近年応募作品が減少気味で不安がありましたが、いい作品があり、3時間以上に及んだ選考が終わった後、お互いに満足感がありました。

例年表彰式は12月初旬でしたが、今年度は1月18日に開催される文芸フェスタの講演の前に10時ごろからの予定です(決定ではありません)。各部門の入選作品は「島根文芸」57号に掲載されます。
これまで9月~12月の行事でした。このチラシができたのが10月でしたので、今年はどうなるのか心配しておられた人も多いかと思います。講演と表彰式を同一日にしたのは、受賞者やその関係者にも講演へ参加してほしいという希望も一つの動機です。
(ブログ:文芸フェスタ 島根県詩人連合 20241022洲浜昌三)

R6,芥川龍之介が大田へ来た?(13回「朗読を楽しむ」10/12)

そうなんです。来たんです。大正4年8月。松江出身の友人、井川恭と一緒に。二人は第一高等学校(現在の東大)英文科で同期。芥川が恋が実らず失意の底にあったとき、松江へ招き2週間一緒に過ごしました。そのときに大社や大田の波根へ来て水月亭(今の金子旅館)へ泊まり、海で泳ぎました。写真は波根湖。山側から見た写真です(『石見の100年』より)。戦後、灌漑されて今は一面の水田です。
大正4年7月11日に波根駅は開通したばかりでした。文書を書き残したのは井川ですが、松陽新報(山陰中央新報の前身)に連載し『翡翠記』として刊行されました。

今回の朗読では、この中から大田に関係する文章を中心に朗読します。大田の民話や人麻呂の和歌、芥川の「蜘蛛の糸」なども映像を使いながら朗読します。
前売り券はなし、宣伝もあまりしていません。500円ですが28ページの冊子(朗読した文章を掲載)をお渡しします。
秋は興味深い文化行事がたくさんあります。三瓶でも大森でも魅力的なイベントがあります。どうぞ気軽におでかけください。
(ブログ:詩散歩道 劇研「空」 朗読  20241011洲浜昌三)

R6,うめのしとみ詩集『どきん どきん』第24回中四国詩人賞受賞(高知大会9/21)

9月21日、高知会館で中四国詩人会・高知大会が高知会館で開かれ、決算予算、行事報告や計画を審議。40数名の参加者がありました。開催要項を紹介します。
高知駅南口に降りると、広場にステージがありテントの中に椅子が沢山並べてありました。さすが土佐の高知。そこには坂本龍馬、武市半平太、中岡慎太郎の像と説明板がありました。
閑話休題:中四国詩人賞は7月に岡山で開いた選考会(瀬崎、橘、小野田、八木、洲浜)で、うめのしとみ詩集「どきん どきん)に決定し、この大会で表彰することになっていました。選考委員長洲浜が選考過程と詩集を紹介し、詩集の中から「彼はわたしの兄で」を朗読しました。

7月の選考会では10冊について一冊ずつ意見や感想を述べ合い最終的には投票で決めました。上位得点詩集『どきんどきん』『北浦街道』『星の子』の3詩集について話し合いをつづけた結果、『どきんどきん』を受賞候補とし、午後の理事会で承認され決定しました。以下、「中四国詩人会ニューズレター」54号に掲載された文章です。それぞれキャリアのある詩人の詩集で甲乙つけ難く、読み応えのある詩集です。3詩集の寸評を引用します。

詩集『どきん どきん』大阪市 詩游社発行2千円 うめのしとみ、山口市赤妻町在住 本名 三好征郁子 「GAN]「詩游」に所属)

『どきんどきん』(うめのしとみ):日常を素材にしながら、独自の自由な発想と冷静でリアルな観察眼で切り込み、予期しない表現で「どきん」とさせて、そこに常識を剥ぎ取った新鮮な世界が見えてくる。同時に驚きや発見、面白さ、ユーモアも生まれてくる。言葉を固定したイメージではなく、表現したいモチーフを表現するために自由に駆使する言語感覚は際立っていて注目した。著者の第一詩集だが、長いキャリアと実績のある詩人。

『北浦街道』(魚本藤子):見慣れていて、その良さや本質を忘れたり気が付かなかったものや広い世界が、力みや構えのない柔軟な表現から浮かび、慈しみを持って生を見つめてきた作者の温かい心情が伝わってくる親しみのある詩集である。詩歴の長い著者の第6詩集。

『星の子』(伊丹悦子):端的な言葉でモチーフ探り表現しようとする詩には力感や深みがある。生や死、愛、葛藤など内面世界を見つめた思索的志向が根底にあるが、歴史や時代性の中で書かれ、モチーフが現代性を帯びて生きている。著者の第7詩集です。
懇親会では、何十年ぶりにお会いした人たちと話がはずみました。次の写真は岡山の岡隆夫先生、高知の林嗣夫先生とのスナップ。林先生は米寿とか。詩の朗読もされ、詩について朗々と弁じられましたが、背筋はピンと伸び、言葉も明晰で力感に溢れ圧倒されるとともに感動しました。記念すべきスナップです。

賞状を授与される、うめのしとみさん。受賞の挨拶をされたあと、詩「野口五郎で待ち合わせ」を朗読されました。ユーモアと親しみがある味わい深い詩です。来年度は岡山で開催予定です。
(ブログ:中四国詩人会 詩集紹介  0240928洲浜昌三)

 

R6,第13回「朗読を楽しむ」紹介(10/12大田市民会館)

前回12回、第一部では、郷土の民話をテーマに、三瓶周辺の山口町や富山町、五十猛、久手、都賀行、谷住郷などの面白い民話を朗読用に潤色して発表しました。初めて知ったという人や、方言がとても懐かしかったなどという感想がたくさんありました。(写真は12回「朗読を楽しむ」の朗読シーンです)
今回は、「郷土の民話第2弾」として、「大森昔話伝説口碑集」約45話の中から劇研「空」の定例会で8篇を選び潤色しました。この「大森昔話~集」は、昭和12年に大森小学校の上橋守雄先生が児童や地域の人から集めた聞き書きを森脇太一氏が編集。2年くらい前に劇作家、佐藤万里さんがデータ化、洲浜君にも送って頂き、今回使わせ頂きました。

第二部では、芥川竜之介が大正4年に松江、大社、大田市波根町へ来ましたが、波根に来た時の様子を親友の井川恭が松陽新報に書いて本になっています。その中から波根に関する部分を朗読します。また、「蜘蛛の糸」を渡利章香さんが朗読。渡利勝信さんが「金剛流御詠歌」を朗詠します。柿本人麿の「石見相聞歌」を紹介しギターに合わせて歌います

現時点で作成した発表の知覧表を紹介します。多少の変更があるかもしれません。
R6, 一覧表,発表内容案13回「朗読を楽しむ」~ふるさとの民話特集~

チケットは発行していません。ノルマ負担から開放というわけですが、PRだけできて頂けるほど甘いものではないことは重々承知の上です。興味がある人は足を運んでください。お互いに「郷土の歴史文化の再創造と舞台化」を朗読で楽しみましょう。

(ブログ:劇研「空」 郷土の民話 朗読 20240916洲浜昌三)

R6,2024年度中四国詩人会高知大会 開催要項です(9/21)

令和6年度の中四国詩人会大会は高知市の高知会館で開催されます。事務局の川辺道雄さんから要項が届きましたので紹介します。高知会館(高知市本町 TEL:088-823-7123)は高知城の近くにあります。総会は13時から、大会は13時40分からです。最初に第24回中四国詩人賞の発表。うめのとしみ詩集『どきんどきん』を選考委員長洲浜が発表。受賞者の挨拶と詩の朗読があります。この詩集については後日紹介します。とても読み応えのある魅力的な詩集です。講演は、元高知県立文学館学芸課長、津田加須子さんと岡本彌太顕彰会会長、岡本龍太さんです。以下要項です。

会員でなくても参加できます。懇親会は18時~です。
高知市は大田市から行くのには不便です。出雲発6時半のやぐもに乗ろうと思っても、大田から電車がありませぬ。高知まで車で行きたいけど・・・。連休初日でホテルもいっぱい。写真は高知会館です。高知市へ行くのは二度目です。
(ブログ:詩の散歩道   中四国詩人会  20240909洲浜昌三)

R6, 詩「あの雲の下」「Under Those Clouds』ー8月6日の記憶

1945年8月6日午前8時15分ー広島市内に住んでいた人たちは直接被爆を体験されましたが、島根に住んでいた人であの瞬間、何か感じたことや目にしたことがありますか。中国山脈の盆地、田所村に住んでいたましたが、あの時刻のことは今もはっきり記憶に刻まれています。詩にしていましたので、日本語と英文で紹介します。

 あの雲の下       洲 浜 昌 三

さわやかな八月の朝
二人で陣取りごっこをしていた
中国山脈の盆地の小さな村の農家の庭

ドォーーーーン

大地から湧き出たような重く鈍い音

家の中へ駆け込み
二人で居間の片隅にうずくまった
五歳のぼくと 四歳のノブちゃん

雲ひとつないの上空に
灰色の雲が 滲むように広がりはじめた

「入道雲たぁ違うで」
大人も集まって 遠い雲を眺めていた

異様な音
異様な雲

あのとき見えなかったものが
今 はっきり見えてくる

雲の下に広がる生き地獄
山の彼方の無数の断末魔の叫び
戦争の構図
(詩集『春の残像』より) (この雲は原子雲ではありませぬ。普通の入道雲です)

Under Those Clouds        by Shozo Suhama

On a refreshing morning in August
We two were playing the game of Jintori
In the yard of a farmhouse in a small village
Lying in the basin of the Chugoku Mountains

Dooooon!

A heavy, dull sound, as if welling up from the earth.

Rushing back to the house,
We two cowered in the corner of the living room
Me, five years old, and Nobu, four.

Above the cloudless skies of Mt. Agehira
Gray clouds began to spread as if seeping

“They look different from thunderclouds. ”
Adults began to gather around, gazing at the clouds in the distance

Strange sounds
Strange clouds

What I couldn’t see at that time
Now I can see clearly

The living hell spreading out under the clouds,
The innumerable groans of death throes beyond the mountains
And the composition of the war

(ブログ:詩の散歩道 英文の詩 短詩 20240806洲浜昌三)

R6,第22回島根県民文化祭『島根文芸』作品募集開始(7/1~9/13)

県民文化祭の一分野・『島根文芸』の作品募集が7月1日からは始まっています。〆切は9月13日です。詩の分野でも沢山の応募を期待しています。島根出身者であれば県外も海外の人もOKです。ジュニアーの部(中学生以下)は毎年、学校単位で沢山の応募があり、生き生きとした作品が楽しみです。児童生徒が自分から応募することはないでしょうから、詩や俳句、短歌など表現活動に関心がある先生方の協力をお願いしたいと思います。入賞作品は立派な本になります。昨年の表紙です。例年表彰式は12月でしたが、島根文芸協会理事会で今年度は1月18日に決まりました。県文化団体連合会の理事会でも(今年度末まで文芸協会代表で3年間理事)活動報告、決算、予算、活動予定などが決定しました。この県文団連には県内の45団体が加盟しています。特に次世代育成事業では補助金もあり活発に活動している団体も沢山あります。文芸の分野でも活用して児童生徒の皆さんに創作の楽しさや魅力を体験してほしいけど、まだ実施したことはありません(演劇ネットでは、劇研「空」が詩の朗読のワークショップを小学校で実施したことがありますが、Yプロやあしぶえは毎年積極的に小中高などで実施しています)全県を網羅した文化組織があり県の全面的なバックアップがあるのはとてもありがたいことです。(大田市はどうなってる?)
詳しいことは県の環境生活部文化国際課のホームページを見てください。電話:0852・22・6464
(ブログ:島根県詩人連合 島根文芸フェスタ 20240718洲浜)