R7,第6回「大田とびっきり寄席」を楽しむ(11/29)

大田市民会館中ホールで落語、漫才、演芸の公演が開催されました。大森小学校と川合小学校の児童も参加して楽しい3時間を過ごしました。児童は小話ですが、どんな風に語っても拍手喝采です。大人は叶いません。一瞬に食い荒らしてしまいます。
撮影は禁止なので、照明とスピーカー、舞台をパチリ。客席は120席くらいでしょうか。トップは師匠格の文学さん。ベテランらしく登場と同時に落語家!という風格があります。昭和40年代に大田高校にあった「落ち研」のメンバーだったそうですからキャリアがあります。芸が身についているという風格です。

松江から来られた「よしこ じゅんこ」さんの漫才も小泉八雲を素材にした日本語じみた英語の掛け合いから一気に面白くなりました。じゅんじさんのエネルギッシュで元気いっぱいの質問に冷静なよしこさんの受け答えと反応のコントラストが面白かった。

新屋忖度さんは劇研「空」の所属。毎回見ていますが、進歩があります。とても早口な所も多いのですが、テンポやリズムがあり言葉もよくわかります。演劇をやっているからでしょうね。今回特に感じたのは、語りが「芸」になるつつあるということです。

花乃家おとめさんの「天狗裁き」はとても自然な語り口で地味ですが味がありました。ベテランですね。その他、おとめ組さんの演芸は見栄えがして気分を明るく転換してしてくれました。小学生の「みそ豆」も上手でした。最後の「落ち」が楽しかった。振出さんの生きのいい会話も楽しみました。

中ホールの公演のたびに思うことですが、客席はフラットでパイプ椅子がたくさん並んでいると舞台がよく見えません。前の人の頭の間から演じる人を見ようとするので集中できません。この落語の公演はサンレディーホールで行われていました。今は廃止。そばを車で通るたびに便利のいいホールだったな、中にたくさんあった照明器具や音響装置など、どうなっているんだろ。
(いつまでも過去に足を引っ張られるな!前を向け!)誰じゃ、その声は?(そのうち新しい建物の中に200席くらいの多目的ホールを作ってやるから待っとれ!)だれ?
(ブログ:演劇だより 大田市文化行事  20251129洲浜昌三)

R7, 第7回 ハイブリッドウインドオーケストラ定期演奏会(11/30)

石見西部を中心に活動し注目されているハイブリッドオーケストラの演奏会が県立大学浜田キャンパスの講堂で開催されます。
11月2日、鳥取市民会館で音楽朗読劇「鳥取城落城と吉川経家」を公演しましたが、その時「岩国ウインドアンサンブル」の指揮をとられた田中健一さんが今回の指揮者です。チラシを頂いたので紹介します。

以前から「石見音楽文化振興会」については注目していました。「石見の地でこんな素晴らしい活動を思う付く人がいるんだ。すごい!職について働きながら、同時に好きな音楽を生かして活動できる。それを制度としてバックアップする」理想です。新聞も切り抜き保存しました。

検索してみると次のような紹介文がありました。

         島根県西部「いわみ地方」を中心に音楽でまちを明るくしていくこと、人の心に少しばかりの潤いをつくることを願って私たちは活動しています。
       私たち石見音楽文化振興会は2015年11月に江津(ごうつ)で設立されました。江津という名称は語源を辿ると「港」を意味し、江の川流域から発展していったまちです。元来様々な物資や文化がここ江津市に集まっていたと考えられています。
       音楽ファンの方々や音楽プレイヤーの方々とともに、このまちに音楽文化をつくり、育てることを目標に現在活動中ですが、近年はとなりまちの浜田市にも私たちの活動の幅が拡がり、協力企業様も増えてきています。江津市という「港」から船が出港するかのごとく、音楽をこの地から発信し続けていくこと。これが私たちの役割です。
          私たちは自由なる創意の中、音楽の未知なる可能性を醸成し、自他ともの喜びを常に追求していきたいと考えています。あらゆる音楽活動と音楽教育、国際音楽交流を通して豊かな文化の創造と繁栄に貢献していきます。石見音楽文化振興会 代表理事 田中 健一

代表理事は田中さんです。H2年大田高卒、吹奏楽部員です。鳥取公演で中心になって運営した白石健一郎さんも同級で吹奏楽部員。当時ぼくも大田高にいましたが、授業は担当していませんでしたの、昨年の3月に二人が来宅されるまで知りませんでした。
素晴らしい活躍は、新聞でも紹介されました。切り抜いていました。加藤先生も受賞です。
11月30日は、集落の行事が予定されていて浜田へ行けませんが、すばらしい演奏を空想で楽しみます。みなさんの情熱と若々しい活躍は地域のエネルギーになります。

(ブログ:地域情報 詩の散歩道 20251119洲浜昌三)

R7,音楽朗読劇「鳥取城落城と吉川経家」鳥取公演 好評裏に終了(11/2)

鳥取市と岩国市姉妹都市締結30周年を記念して鳥取市民会館で開催された公演は大変好評のうちに終わりました。力強い吹奏楽(岩国ウインド・アンサンブル 指揮、田中健一)の演奏と7名の合唱(石見吉川合唱団)。そして歴史を紹介するナレーション(奈羅尾玲子)、山縣長茂の語り(小菅紘史)で構成した異色の舞台でしたが、大きな感動が客席に伝わりました。実行委員長の白石健一郎さんと田中健一さんが令和6年3月に我が家へ来られて今回の企画のために脚本を依頼されました。壮大で夢のような企画にびっくりしましたが、若い二人の夢と情熱、行動力に共鳴して乗ることにしました。これまでのレガシーがあったからです。
長茂が84歳のときに鳥取城落城前後の仔細を書いて吉川経家の子孫へ残した「覚書」を1975年頃に読んだときには感動しました。その後福波小学校の廃校記念に経家の脚本を依頼されて「吉川経家最後の手紙」を書き、劇研「空」でも朗読劇として公演していました。いつか劇として公演したいという夢はありましたが、遥か彼方の夢でした。しかし、長茂の「語り」を中心にすれば面白い舞台ができるだろうという確信はありました。しかしその「語り」には力量のある人が必要です。それが今回実現しました。「鳥の劇場」の小菅さんが見事に演じてくださいました。僕が想像した以上の表現力でした。特に、子供たちへの遺書の朗読と辞世の句の朗詠の時には涙が滲んできました。僕は演出という担当でしたが、2、3度注文をだしました。即理解し即表現されました。それはナレーションの奈羅尾さんも同様でした。深い理解と深い表現力が身についているので、即理解し即表現できるのです。お二人には感謝です。
最後の合唱(渡口公康作曲、洲浜昌三歌詞)もステキでした。痛ましい鳥取城の惨状と経家の願いや心情が広い空と悠久の歴史の中へ溶け込み広がっていくような感覚を味わいました。作曲の渡口先生にも感謝です。
現在の鳥取城です。どんな天守閣が建っていたのでしょう。ビルもない戦国時代を想像すると、広い鳥取平野の彼方に聳える久松山の頂上に立つ天守閣は「天空の城」。見事だったことでしょう。下の写真は頂上。木が伐採され石垣が見えます。再現したい!(今は空想で)
鳥取、岩国、大田の関係者のみなさん、ステキな記念公演でした。実行委員皆さんの確実な実行力と運営にお礼を申し上げます。会館スタッフの皆さんへもお礼を申し上げます。みなさんおつかれさまでした。
(ブログ:劇研「空」演劇だより 観劇 20251105洲浜昌三)

R7,大田三中文化祭全校劇は「Make Someone Smile」(11/2)

大田第三中学校の全員参加による演劇発表は2016年の「ヌチドチカラ」から10年目を迎えました。劇研「空」は当初から依頼されて演劇指導に関わってきました。今年は10回目。台本は表題の通りです。英語劇ではありません。テーマはシンプルですが、それだけにかえって表現するには難しい劇です。

10月16日の午後2時間ばかり吉川、山本、松下、洲浜の4人で行ってきました。最初に短時間で「呼吸、発声、朗読」についてプリントを配って説明し、演劇が果たす教育的な素晴らしさについて話たあと、生徒さんたちのは発表を見て質問に答え、説明、提案、具体的な演技を舞台で演じました。2,3年生は経験者なので、発声もよく、ことばもきれいで感心しました。校長先生を先頭に全職員が見守ってくださる中で、生徒さんたちも熱心に練習しました。小規模校ならではの一体感。素晴らしことです。
生徒さんは少数ですが、三中の文化祭はとても内容が充実しています。昨年も100名近い人達が観劇されました。今年の写真はないので、昨年の「ふるさと」の舞台と、劇研「空」が学校へ送った感想文を紹介します。
R6,大田三中全校劇感想.20241112 jtd
次回の訪問指導日は10月30日午後1時50分~です。今回都合で来られなかったメンバーも参加します。よろしく。
(ブログ:「空」活動報告 演劇だより 全校劇20251018洲浜)

R7,「しまね文芸フェスタ」講師は川柳、新家完司氏(1/24 パレット江津)

平成7年度の文芸フェスタは江津で開催され、講師は川柳の新家氏です。近日中に現地実行委員会が開催される予定です。
午前中は島根文芸入選者の表彰式があり、その後11時10分から講演。午後は5分野の分科会です。昨日(10月15日)松江で詩部門の選考会が開かれました。事務局長の川辺さん、理事の山根さん、理事長の洲浜が出席し時間をかけて選考しました。ジュニアーの部は357篇の応募がありました。一般の部は20篇弱でしたが、読み応えのある作品もかなりありました。1月24日には表彰式のあと、入選者と合評会を開きます。
来年度文芸フェスタの担当は詩部門です。さて、どのような全体会にするか・・・いいアイデアがあれば提案してほしいな。前回はコロナ禍で大会は開かれず、詩人連合と大田市演劇サークル劇研「空」が共同し、「しまねの風物詩」と題して益田のグラントワで動画撮影をして発信しました。今でも島根県のYouTube「しまねっこCH」で見ることができます)
以前は200~300人の文芸愛好家が集まり著名講師の講演に耳を傾けましたが、最近では若い人で詩や小説の創作をする人が少なく、高齢化とも相まって、文芸関係の講演は困難な状態です。前々回のように、谷川俊太郎さんとの対談で県民会館は満員!・・それは夢のまた夢として、100名を越える全体会にしたいけど、グッドアイデアが出るかどうか、楽しみです。
(ブログ:しまね文芸フェスタ 詩の散歩道 20251016洲浜昌三)

R7,「小泉八雲におけるポエジー」と入澤康夫の詩「ことば・ことば」

小泉八雲の怪談から7篇を取り上げて第14回「朗読を楽しむ」で発表するために、いろいろ調べていると、貴重なものが出てきました。平成16年に「小泉八雲没後百年記念」で入沢さんが八雲のポエジーについて講演されました。その時の6枚の資料の冒頭に「ことば・ことば」という詩が載っています。

ことば・ことば  入沢康夫

「愛する者同士にことばはいらない」といふ
それも ことば
「ことばよりも こころだ」といふ
それも ことば

「ことばは 神だ」といふ
「ことばなんか おぼえるんじゃなかった」といふ
それも ことば これも ことば

「これ」も ことば
「それ」も ことば 「も」も ことば
そして「ことば」も やっぱり ことば

ありとあらゆることば その向こう側に
いったい何があるか 知りたいかい

きみにだけ 教えてあげよう 内緒だよ
地霊(グノーム)みたいな黒いこびとが一人
悲しい顔をして しゃがみこんでいるのさ

入澤さんは、ハーンの「家庭の祭壇より」の一部を掲載しておられます。次はその文章の一部抜粋です。
「・・・わらわれの行為は、ことごとく、われわれの内部にある死者の行為ではないか・・・われわれの良心というもの、これだって、さまざまな善と悪を持った、無尽蔵の過去の経験の、受けつぎ受けついできた総和のほかの何者であろうか?・・・」

意識下、無意識の世界・・・そこからポエジーは生まれてくるとということです。ハーンの怪談にも言えることです。
入澤さんは、松江市北堀町の生まれで八雲とは家が近くでした。詩人の大御所とまでいわれた大詩人ですが、残念ながら、2018年10月15日に他界されました。

詩集『わが出雲 わが鎮魂』は『出雲国風土記』に基づいて書かれた名作です。いつか、この詩集の朗読をしたい、というのが夢でした。入沢先生の歓迎会で酒席を共にしたとき、「あの詩は難解だといわれています。確かに難解ですが、ぼくは朗読すれば面白いと思っています」と言ったら、なんと!!数日後に、サイン入りの詩集とテープが僕宛に届きました!

テープに録音してあったのは、「交響詩 わが出雲」(諸井誠作曲 入沢康夫詞 合唱・二期会合唱団 管弦楽・NHK交響楽団 指揮・森 正)。聞いて、圧倒されました。
(ブログ:詩の散歩道 小泉八雲 入沢康夫 20250921洲浜昌三)

R7,第14回「朗読を楽しむ」紹介記事を紹介します

9月27日(土)13:30~大田市民会館中ホールで上演予定の「朗読を楽しむ」公演は予定通り実施します。入場券はありませんか、という問い合わせがありますが、入場券は発行していません。当日の資料代を含めて500円です。

山陰中央新報が発行している「りびえーる」に渡利さんが紹介記事を書いてくれました。彼女も朗読に参加する予定でしたが不幸があり、急遽取りやめました。残念ですが、ご尊父様の御冥福をお祈りしたいと思います。
(ブログ:劇研「空」 朗読を楽しむ 小泉八雲 20250918洲浜)

R7,第23回 島根県民文化祭「文芸作品募集」あなたの作品をどうぞ〆切9/12

今年度の文芸作品募集は、7月1日から~9月12日。入賞作品は本に掲載されます。昨年の応募作品数は次の通りです。(  )内はジュニア数です)短歌365(359)俳句446(296)川柳442(134)詩15(211)散文18(7)

ジュニアーの部では小中学の先生の関心や指導が大きく左右します。学校で取り組んで応募される例が多くなりました。嬉しいことです。20年近く島根県の高文連文芸作品コンクールで小説と随筆の選考を頼まれていますが、今年は目下50篇近い作品を日々読んでいます。今日読んだ小説の中にも素晴らしい作品が数編ありました。いつも力作がたくさんあります。高校生も応募してほしいものです。昨年の作品集の表紙です。僕の担当は詩ですが、今年も選考に参加します。若い人たちで文芸活動をする人が少なくなりましたが、応募して島根の文芸活動に活を入れてほしい。高校生にも期待しています。全面が茶系統で字も読みにくいチラシですが、詳しいことは県のホームページ「島根県民文化祭」を見てください。
(ブログ島根文芸作品募集 島根詩人連合 20250815洲浜昌三)

R7, 詩「あの雲の下」~80年前8月6日の朝 不思議な雲を見た~

1940年8月6日朝8時15分・・・家の前の庭でノブちゃんと「陣取りごっこ」をしていた。幼児時代の記憶はほとんど薄れ、空白になっているが、この場面だけは、はっきりと蘇り動画のように動き始める。80年前の痕跡、アリバイ証明と平和を祈念して以前書いた詩を紹介したみたい。

    あの雲の下    洲浜 昌三

さわやかな八月の朝
二人で陣取りごっこをしていた
中国山脈の盆地の小さな村の庭

ドォ ~~~~ン
突然 大地から湧き出たような鈍い音が響いた

家の中へ駆け込み
二人で 庭の片隅にうずくまった
五歳のぼくと 四歳のノブちゃん

雲ひとつない上平山の上空に
灰色の雲が滲むように広がっていった

「入道雲たぁ違うで」
大人も集まってきて 遠い雲を眺めた
異様な音 異様な雲

あのとき見えなかったものが
日ごとにはっきり見えてくる

雲の下の生き地獄
そして 戦争の構図 (詩集「春の残像」より)

昨年の秋、簸川町の須田栄典さんから「戦争中の郷土の様子を伝える教材がほしい」という要望があり、教師の会で県内の戦争関係の記録や証言を集めている」と言われ、メールでやり取りして大田でお会いした。島根から見た原爆の証言を残したいということで「九十九の白木の箱」を紹介。僕の証言と詩も記録集に載せたいと言われた。今年1月の山陰中央新報に大きく報道された。この記録集は、「私たちのふるさとに戦争があった頃」として島根の小学校や教育委員会などに配布されるという。原爆といえば広島中心になるけど、島根からの証言や記録も貴重だ。劇研「空」は、第14回「朗読を楽しむ」(9月27日)を開催し小泉八雲の作品朗読と、創作朗読劇「あの夏 校舎は原爆病院だった」を発表する予定。興味がある方は、どうぞおいでください。
(ブログ:劇研「空」 詩の散歩道 詩紹介 20250806洲浜)

R7,松江工業高演劇部「お手紙かみかみ」全国大会上演(7/27)

7月27日が目前です。中国地区大会で最優秀賞を受賞した松工演劇部が香川県で開催される全国大会で創作劇「お手紙かみかみ」(亀尾佳宏  作)を16時10分から上演します。松工は平成15年に「笛男」で全国大会へ行っているので二度目です。「笛男」も優れた舞台で脚本は亀尾先生でした。今回の劇は島根県大会で審査員の一人として参加して観劇しましたが、過去にない視点から書かれた異色作です。優れた演出による無駄のない洗練された表現が強く印象に残っています。全国大会でどんな感想や劇評が頂けるか楽しみです。写真は県大会の舞台です。

タイミングよく山陰中央新報が松工演劇部を取り上げていました。更にグッドタイミングで、香川全国大会上演脚本を掲載した「高校演劇」(281号)が届きました。ぼくは、まだ高校演劇劇作研究会の会員です。この全国大会特集号は優れた脚本を読めるのでとてもありがたい本です。季刊も発行しています。
現職のときには全国大会へ何度か行きました。青森八戸大会では講師の一員として素晴らしい舞台を見ることができました。高校演劇もその頃より表現方法が進んでいる気がします。集団で表現するという傾向が強くなっています。
香川大会も素晴らしい舞台が目白押しです。楽しみにしています。松工演劇部のみなさん、「肩の力を抜いてのびのびと!」「おおお!!」(これはオオダコウ演劇部が上演前に輪を作って唱和する掛け声だった、イマハムカシノモノガタリ。
(ブログ:高校演劇 劇研「空」演劇だより  20250726洲浜)