H27,4,5月の市民会館講座「発声と朗読の基礎」予定です

4月、5月の大田市民会館文化講座「発声と朗読の基礎ワークショップ」の予定を紹介します。変更することもあります。

4月 - 15,22日
5月 - 13,20,27日

時間は19:30~20:30、会場は2階の第三会議室。会場費、資料代として各自毎回100円です。水曜日です。誰でも参加自由です。大歓迎です。劇研空のメンバーも一緒にやります。講座の後は21:00まで劇研空の劇や朗読の練習、話し会いを行います。

DSC06358(今年も辛夷が咲いたよ。真っ白い蕾が青空に光っている。イーシャオ君、君が生まれた時に植えた樹だよ。枝が真っ直ぐに天に伸びている。きれいだね。勇気凛々だね。)

なんでコブシが飛びだしてくるんだよ、といわれても理由はありませぬ。なんとなくきれいだったので気分転換です。横道にそれました。本題にもどります。

「どんなことをやるんですか?」
「例えば、次のように聞かれたら、どう答えますか」
「日本語の『ン』の発音には2種類あります。『がぎぐげご』の発音の仕方も2種類あります。わかりますか?」
「ええ!?うっそぅ!聞いたこともないぜよ」
「あなたがいつも話してる日本語ですよ」

日本語は無意識で喋っていますから、説明できない人がほとんどです。仕方がありませぬ。上の発音の違いは3月の講座でやったことの一部です。舌の位置や上顎に触れる位置が違うので、音も少し違うのです。

プリントに基づいて、発音の仕方や違い、舌や上顎の位置などを説明し、一緒にテキストを何度も読みながらマスターしていきます。その後、詩の朗読、アナウンス原稿の朗読、小説の朗読などを実際に行います。「理論を知ってすぐ実践」です。

次回は「朗読するときの7つのポイント」をやる予定です。知ってやれば確実で、上達も速く、応用がきき、人に教えることができます。楽しみながらやっています。

 

「思いを持った人が活躍出来る町」(銀山協働フォーラム)

112015年3月7日、市民会館会議室で石見銀山協働フォーラム「世界遺産の町に住む」が開かれました。いろいろな観点から話しが聞け、いつもいい資料をいただけるので、都合がつくときは参加していました。

今回は木本泰二郎氏の講演「保存と活用ー菅谷たたら山内地を事例に」とパネルディスカッション「世界遺産の町に住む」があり、大田市で活躍している若い人たちの声を聞くことができ、とても参考になり励みになりました。若い人たちのまとまった意見や考えを聞くのは本当に久しぶりでした。

どんな集会、会議、文化行事、映画、演劇など(何故か音楽は例外、なんでだろう)各種の催しに出かけても、older people  like meがほとんど、といってもいい状態です。それだけにとても新鮮でした。

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パネリストは東京出身2人、佐賀出身1人、大田生まれ2人の若い人たちで、現在大田市で働きながら町つくりにも尽力しておられます。コーディネーターは三瓶自然館の中村さん。

すべての発言をメモしましたが、ほんの一部を紹介します。

「・東京は文化が混じり合い平均化している・大田は空気がきれい・大森は都会的・よそ者や若者にも入りやすく排他的でない・満天の星があり闇が深い・お金がかからない・石見では普通の人や子どもが神樂をやっているので驚いた。大学を出て帰り、学んだことを生かして毎週土曜日に神樂をやっている。今は地元の協力もある・人々のふれあいがあり、温泉へ入っても知らない人にあいさつをする。大切にしたい。・・・・」その他いろいろ。

コーディネーターの中村さんが最後にコメントされました。「人と人のつながりがキーワードだったかな。この町が思いを持った人が活躍できる場になればいいですね」意味の深いそしてとてもすばらしいことばで締めくくられ、感銘を受けました。

そうです。各人各人、夢や希望はいろいろ。音楽、詩、俳句、短歌、川柳、小説、演劇、陶芸、農業、林業、漁業、スポーツ、仕事、研究、勉強、・・・・あああ、細かく書いていたら1000を越すぜよ。その人たちがそれぞれ居場所があり活躍できる町ーそういうコンセプトを持って町つくりをつづけると、少しずつそんな人が残り集まるようになるのかもしれませんね。

同じ若者ということで大畑蘭さんが仁摩のサンドミュージアムで開いたイラストの個展を思い出しました。2月のある日、カミサマと一緒に見にいきました。

H26 大畑蘭イラスト個展芸術大学を出て都会で活躍していて、大田へ帰ってきたそうです。チラシは大田の町ですが、三瓶川と山を真っ黒にしたセンスに唸りました。それによって親しみのあるちょっとなつかしい神田橋界隈が象徴的に浮かび上がってきます。

残念ながら田舎では文学や芸術などで食べて行くのは不可能です。発表の機会を持つのも大変です。周囲の理解もあまりありません。でも若い人たちなら、それを乗り越えていく情熱があります。夢があります。失敗しても立ちあがるエネルギーがあります。

そういう若い人たちに、居場所があり活躍できる町であってほしいと思った次第です。
今後も、このような若者を中心にした様々な企画をしてほしいものです。

最後に石見銀山協働フォーラムのチラシを紹介します。

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H27 第14回「おおち地芝居」公演3/28 川本(観劇記)

「魅力あふれる地芝居の郷 おおちによる第14回地芝居公演」(チラシ)が3月28日、川本町の「悠邑ふるさと会館大ホール」で行われます。14回目になります。先日チラシをいただきましたので紹介します。

DSC06346今回は「南河内万歳一座」が『青木さん家の奥さん』を上演予定です。昨年、雲南市で上演したことが新聞に出ていましたが、地元の人もキャストとして登場するそうです。

今回はプロの芝居が上演されますので、地芝居は2本です。定評のある邑南町高原の「星が丘一座」による『瞼の母』、そしてこれまた毎回創作時代劇で好評の「劇団かわもと塾」の『神無月の夜に』。我が劇研空にほぼ毎回出演してもらっている堤さんの創作で、今回はわが劇研空からも3名(4名かな?)特別出演します。大いに期待して足を運んでください。

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時間が書いてありませんので、10時からはじまっていつ頃「かわもと塾」が上演するのか分かりませんが、上のチラシで上演順に書いてあるとすれば、午後になること思われます。今回は文化庁の補助となっています。文化庁にはこんな助成もあるのですね。

川本の地芝居については、今まで数回ここで取り上げていますので、興味があればご覧ください。

これは何でしょう?どこの建物でしょう?面白い建物ですね。
DSC06381舞台写真は撮影禁止というのは、どの公演でもほぼ同じです。現在はフラッシュで撮影して劇を邪魔するような非常識な人はいませんが、デジタル時代なので、悪用される可能性もあり、原則禁止は当然です。今回はプロの公演が入っていましたので、厳しく言われました。写真は一見するだけで、どんな舞台だったかすぐに分かります。文章よりもはるかに効果的です。PRや劇評には、写真は欠かせません。文章の中に写真があれば文章も引き立ちます。

過日の高校演劇大会では、受付で次のように公示されていました。「写真を撮影したい場合は届け出て許可を得てください」。いいね、感心しました。許可証をもらって、舞台風景として、決められた場所で静かにシャッターを押しました。個人がアップにならないように、遠景写真として記録用に写したのです。

閑話休題

さてさて、川本へ観劇に行きました。受付でチケットを出して、数歩歩いたとき、後から呼び止められました。「あれ?チケットを出したはずだけどな?」。なんと、なんと、20数年ぶりのなつかしい人ではありませんか。大田高校演劇部にいたクミコさんでした。今後劇研空が公演するとき教えてください、とのこと。全く予期しない出会いだったので、一瞬、川本の狐につままれたのかと思いました。

最初に「瞼の母」を観ました。星が丘一座は、観客に楽しんでもらうことを心得て演じていて、あちこちにアドリブや笑いがありました。今年の劇は、観客の涙を絞るクライマックスと笑いのメリハリがちょっとゆるんでいた気がしましたが、楽しく観劇しました。

「神無月の夜に」は、川本の岡っ引き宗治と大森の岡っ引きが登場し、一年に一回繰り返される泥棒の犯人を突きとめるという時代劇です。いつもの源蔵の居酒屋でいっぱいやりながら話しが展開していきます。源蔵も落ち着いた貫禄のある演技ですが、宗治の手下の半吉はうまく役を演じていて印象に残りました。身分に応じた身の軽さがよく出ていました。大森の岡っ引きはちょっと貫禄不足だったけど、台詞がシャープでよく通りましたね。舞台の空気が一瞬変わりました。荒巻が刀で、チャオが空手で一騎打ちをしましたが、作者お好みのお楽しみ場面でした。荒巻もチャオも切れ味のいい動きで舞台に馴染んでいる役者だとすぐに分かりました。

DSC06380川本の岡っ引きを主人公にしたシリーズとして、とても面白い舞台設定だと思いました。今後創作して行くとき、いろいろ面白いアイデアが生まれてくることでしょう。今回のストーリーも庶民の温かい連帯があって、病気の妻を抱えた犯人を救うのですが、ちょっと組み立てが甘かったかと思いました。冒頭の宗治の台詞から、犯人の様子が観客に推測できましたので、その犯人が登場したとき、結末が見えてきました。推理小説仕立てですから、観客の予想を裏切り驚かせながら、ストーリーを展開し、ラストでは、これまた予想外のサパライズが欲しい。そのためには対立をしっかり組み立てた方がいいと思います。

この劇では、綱を掛けられた犯人が刑を受ける、と観客に思わせて、隣人たちが嘆願して刑を免れる ー この場面が最後のサパライズになりますが、観客には、そうなるぞ、という結末が何となく見えています。先が見えない組み立てができれば、舞台が引き締まって来ます。観客の心ををいかに揺さぶるか、これが書く者の楽しみです。来年も楽しみにしています。

「青木さん家の奥さん」最初は5人で同じ様な会話が何度も何度も繰り返されるので、ちょっと引けましたが、観ているうちにだんだん面白くなり楽しみました。大阪特有のお喋り舞台ですが、地元のことをうまく織り込んで、最後はタイトルの「青木さん家の奥さん」をうまく浮かび上がらせ印象に残りました。同じ様な台詞を5人が何度も繰り返すということが、この劇ではだんだん効果的にテーマやこの劇の表現法と結びついていくことがわかりました。さすがプロの脚本、演出ですね。無意識で作劇していない。

この劇では地元の人も7人くらい舞台へ出たのですが、劇団の役者たちは無理がないようにうまくリードして、伸び伸びと一緒に演じ、観客も楽しませてもらいました。この一座に入っても即通用しそうな人も何人かいましたよ!いや、ほんとです。

みなさんおつかれさまでした。来年は15周年だそうです。

 

 

 

 

 

H27,3/8 劇団Yプロ「ヘルメット ダンディ」再演

松江で活躍中の劇団「Yプロジェクト」が3月8日、県民会館中-ホールで標題の劇を上演します。案内がきましたので紹介します。初演は観劇しました。このブログでも紹介していますが、とても楽しく同時に若者の息吹が感じられる新鮮な舞台です。劇研空と共に島根演劇ネットに加盟している「今旬」の劇団です。 DSC06319 Yプロジェクトは昨年 ,島根県文化奨励賞を受賞しました。演劇活動はもちろんですが、子どもたちへの公演や学校でのワークショップなど次世代育成の取り組みも高く評価されたものです。Yプロさん作成のチラシの一部を省エネ活用(?)して劇研空の祝意を表します。 おめでとうございます。メンバーにはチラシを渡しPRしました。ますますの御活躍を楽しみにしています。

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H27、2/22 「石見神楽・創作神樂の解説と実演」 講座

2月22日に大田市観光協会主催で「石見神楽ガイド養成講座」が大田商工会議所3階ホールで開かれます。
13:00 ~「意外と知らない!?石見神楽の基礎知識」小林工房代表 小林泰三氏
14:10 ~「作家が語る、創作神楽」(劇研空代表 洲浜昌三氏)

その後、土江子ども神楽団の「金山姫銀山勧請」と大屋神楽社中の「於紅谷」の神楽があります。両方とも創作神楽です。

DSC06316伝統的な神楽は、五穀豊穣を祈り、収穫を感謝して神に捧げる「舞い」です。ぼくが子供の頃には秋祭りにしか舞われませんでした。夕方から夜明けまで神社の境内のムシロに座って見ました。ホールなどで舞われるようになり「見せる神樂」に人気があつまり、演出も工夫され、創作神樂が生まれました。現在大田市でも4~5演目の創作神楽があります。神とは関係ない歴史上の人物を素材にした神楽もたくさん生まれています。限りなく歌舞伎や芝居に近い神楽もあります。そうなると舞手の魅力が重要になります。数年前から「追っかけ」が生まれているほどです。

伝統演目もしっかり守りながら、新しい表現にも挑戦していくのはいいことです。安易なものは時代の中で淘汰され、いいものだけが残って行くことでしょう。try こそ重要です。

平成22 神楽 金山姫銀山勧請(平成22年、大田市民会館「白銀の舞」で土江子ども神楽団の「金山姫銀山勧請」)

「金山姫銀山勧請」は石見銀山世界遺産登録記念に頼まれて書いた創作神楽です。どのように考えて創ったか、小林泰三さんの後で、すはまくんが話すことになりました。この神楽は大田市神樂団有志が舞う、ということで書きました。ある神楽を見た時、和歌を歌いながら太鼓をたたいた人がとてもうまかったので感動して、その人に歌ってほしいと願いながら、たくさん和歌を取り入れました。子どもの時から意味は分からなくても、神楽で歌われる和歌が大好きでしたし、和歌の優雅さや奥深さ象徴性を意識的に取り入れて「品」のある神楽にしたいと願いました。また鬼は、単なる鬼ではなく、深山に住む「鬼神」として登場させ、開発され崩されていく大自然を守る存在として象徴させました。(こんなことを感じながらこの神楽を見た人はあるかな。ないない。そうだろうね。でも100人の内3人はおられたかもね)

22日の当日には資料として台本を用意しました。神樂の台本を読む機会は一般の人にはまずありません。参考までにここでも紹介しましょう。興味がある人はどうぞ。台本はあくまで台本ですから、演出者は台本を基に自分の考えて料理されますので、この通りに舞われるとはかぎりません。劇もおなじですが、いい演出、いい役者に出会えば、60%の台本でも90%になります。「逆も真なり」

神樂台本「金山姫銀山勧請」A4縦書き11ポ下部空白,解説後に3P

H27 第22回「サンレディフェスタ」開催 2/21,22

2015年2月21,22日、2日間サンレディフェスタが開催されます。22回にもなるんですね。サンレディを利用しておられるサークルのみなさんが、舞台発表や展示、バザー、お茶席、サロン、講演など多彩な発表を企画しておられます。記念公演は作家の落合恵子さんです。今年も案内をいただきましたので紹介します。誰でも自由に参加できます。どうぞお出かけください。お茶やコーヒーなどもあります。

DSC06320サンレディの講座はいろいろなものがあり、みなさん生き生きと活動しておられます。ホールは今まで何度も利用させていただきました。スタッフのみなさんも快く対応してくださるので、助かります。今年も8月には劇研空がお世話になります。よろしくお願いします。大田の重要な文化の拠点になっています。

一度、「表現」をテーマにした講座の講師を依頼され月に1回実施したことがありました。詩やエッセイの講座でしたから参加者がどれくらいあるか心配しましたが、毎回数人ではありましたが、詩やエッセイを書いてきて、お互いに批評しあいました。味のあるいい作品もたくさん生まれましたので、そのうち冊子でもつくればと思っていましたが、講座は一年で終わりました。積極的に参加者を誘えばよかったかな、と反省しました。書くことが好きな人が5,6人いれば意義のある講座になると思うのですが、なかなか書きたいとう希望者がいないようです。

石見銀山の講座には3年くらい出席しましたが、ある年に申し込んだら満員でだめでした。それ以来、つい足が遠くなってしまいました。とても勉強になるいい講座でした。いただいた資料は今も大切にして活用しています。仲野先生の講座は今もつづいています。あるときには、寸劇の手伝いに行ったこともありました。

 

以上フェスタに関係ない蛇足でした。「蛇足」?何じゃそれ?「蛇の絵を早く描く競争で、最初に書き上げた者が、つい足まで書き添えたために失敗した、という故事から生まれたことば、だそく、じゃそく」

つまり:「余計なもの」「なくてもよいもの」でした。

H26,12 石見銀山大森に「小さなオペラハウス」誕生

2014年12月6日、世界一小さなオペラハウス「大森座」が誕生しました。6日に完成内覧会があり劇研空のみなさんと行って来ました。

(オペラハウスという名称は新聞記事に書かれているので使用しましたが、オペラ上演用に作られたという意味ではありません。ヨーロッパの町にあるオペラハウスのように文化の拠点として使用してほしいという願いから生まれたシンボリックな名前です)

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(熊谷邸の前にあり、旧郵便局舎を改装してできました。キャパは一階、二階席合わせて約100人。椅子は特注で、とても座り心地がいいと大好評です。この建物は江戸後期の建築だそうです。歴史と伝統を感じさせる品格のある建物に改装されました。)

新聞報道によると、大森座は1915年(大正4年)に銀山経営者によって竣工し、枡席や二階席を合わせて300人くらいのキャパあり、芝居上演や小学校、地元の人たちの発表会場として賑わいましたが、1964年(昭和39年)に取り壊されました。

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(写真はステージです。奥行きが約1間半、間口が2間半くらいで、上手のドアを開けると控え室、下手にも控え室兼楽屋があります。12月13日には、大田市出身のオペラ歌手・田中公道さんたちのこけら落としがありました。)

中村ブレイスの社長・中村俊郎さんのお父さんは当時の大森町収入役で、大森座の保存に尽力されたそうです。中村さんにとっては再興は夢だったのです。「若い人たちにも大いに利用してほしい。大森の文化に役立てればうれしい」と語っておられました。当日はお祝いの言葉を述べ、会報17号と井戸平左衛門の詩の朗読台本を渡しました。完成したらいつか利用させてください、と以前話していたからです。

DSC06174完成するまでに、春と夏と秋、3回、大森に出かけたとき下見に行きました。その時にまだ着工前で、どんなものになるか分かりませんでした。裏から中を覗くと、普通の部屋が3部屋くらい見えました。どのように改装されるのだろう、と夢がふくらみました。ぼくの一番の関心は、舞台がどこになり、どのような大きさで、照明などはどの程度設置されるのか、ということでした。いろいろ勝手に想像しました。例えば:

裏庭の一部を使って舞台をつくれば客席とは向き合いになりベストです。舞台の裏には見事な竹林があり、これを背景にすれば、仲代達也さんが監修されて出来た石川県の能登演劇堂の小型版になり、すごいだろうな、と思いました。普段は戸を閉めておき、ちょっとした公演などのとき開ければ、すばらしい竹林が背後に見えそこへ夕陽が当たったりすれば最高!などと勝手に妄想が広がりました。

舞台をどの位置にするか、一番苦労されたことでしょう。奥行きと間口が狭いので劇には無理かもしれませんが、会議や研究発表などはもちろん、朗読や語り、小演奏などには使えます。

文化発展には「場」が必要です。いろいろな人が集まり個性がぶつかり触発され、刺激や勇気を与えられ、エネルギーになり更に新しいものに発展していく。少しでもそういう「場」になればいいですね。

大森座について:
「久利風土記」(95ページ)によれば、昭和4年ごろ、松代の石膏鉱山が盛んな頃、村の有志が芝居小屋建設を計画し、当時大森町にあった大森座の建物を購入して久利小学校北門の出口、赤波道路沿いに移転建設し、昭和5年盛大に初興業が行われた、と書いてあります。この共楽座は昭和30年、三瓶浮き布池湖畔の三瓶グリーンランドに売却され解体移築された、とも書かれています。

とすると、大正4年にできた大森座が解体されて昭和4年頃久利の共栄座になり最後は三瓶へ移築されたのでしょうか。そうすると、大森座はまた新築され、昭和39年に解体されたのでしょうか。どこかに資料はありませんかね。詳しい人はありませんか。大田の相生座と共に調べておく必要がありますね。相生座には島村抱月や松井須磨子もきて公演したのですから。芝居小屋は当時の文化の拠点です。

H27 2月の「発声と朗読の基礎」大田市民会館

2015年2月の大田市民会館カルチュア-講座「発声と朗読の基礎」についてお知らせします。月に2~3回、水曜日、大田市民会館の第3会議室で実施ということになっていますが、2月は、18日と25日を予定して市民会館へ届けています。

先日、市民会館から電話がありました。2月からこの講座を受講したいと、中学生二人から、受講届が提出されたそうです。そこで、19:30~20:30までは、基礎的な発声や呼吸法、その演習、応用などを段階的に実施します。費用は会場費+資料代として1回100円です。ぼくも含め全員です。

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希望がある毎に受け入れていますので、人数が一定しない不便さがあります。毎回テキストをつくり、発展的に積み上げていきますので、当初から人数は10人とか、6人とか定まっていれば都合がいいのですが、仕方がありません。空のみなさんもできるだけ時間厳守で出席して参加してください。20:30からは空の朗読や劇の話し会いや練習をしましょう。よろしくおねがいします。

(写真はこの講座と関係ありません。青原小学校での詩の朗読です。)

H27、2 浜田でミュージカル『島村抱月』上演

浜田の石央文化ホールと実行委員会の連名で、劇研「空」へ公演の案内がきましたので紹介します。
2015年2月1日、住民参加型創作ミュージカル『島村抱月』が昼夜2回上演されます。

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脚本は浜田市出身で演出家の木島 恭さん、作曲も浜田出身の安藤由布樹さん。原案・演出は岩町 功先生です。岩町先生は、若い演出家を育てたいと手紙に書いておられましたので、岩上弘史さんも演出として加わっておられます。

今年度は、島村抱月が芸術座を創立して100年だそうです。昨年はそれを記念して東京でも講演会があり、会長の岩町先生は何度か東京へ行き講演もされました。昨年の2月に「石見演劇フェスティバル」反省会でも一緒になりましたが、80余歳にして元気溌剌、頭脳明晰。「郷土石見」の編集長、そして執筆。簡潔で的を射た文章は昔と全く変わりがありません。そして今回の上演!情熱と実行力には脱帽です。総勢100人以上、浜田の文化の総力を挙げての企画上演です。

前回の抱月も観劇に行き、このブログでも紹介しましたが、今回はかなり書き直してあるのでしょう。前回にはなかった大田の相生座が舞台として登場します。抱月は全国や海外まで公演して回りましたが、故郷の浜田では上演していません。何故?

浜田でも上演するつもりで、松江、出雲と下り、大田の相生座で上演していたとき、妹のイチがきて、浜田へ行くことを止めたのです。「浜田へ帰ると借金取りが待ち構えている」。父の一平はたたら製鉄業に従事していましたが相場に手を出し莫大な借金を負っていたからです。しかも抱月は早稲田大学教授を捨てて、演劇に没頭、松井須磨子との関係も評判になり、故郷では「あんな人間になるんじゃない」とまでいわれた人です。

実に多くの人物が出てきます。有名人もたくさん。例えば、森鴎外、島村抱月、相馬御風、中山晋平、松井須磨子、与謝野晶子、沢田正次郎、中村吉蔵・・・・。これを演じるキャストは大変ですね。でも前回は違和感なく見ましたので、大したもんです。

今回は主人公・抱月に、なんと!河村匡敏先生!名前を見たとたん、ベストチョイス!と微笑みました。松江でも、石見演劇フェスタでも、とてもシャープな演技をみせてもらいました。ぼくも大いに買っていた人です。鹿森さんは一平、イチは服部冨士美さん・・・ベテランもたくさん出演されます。

大田ではチケットを販売している所はないようです。電話をして予約してみてください。見応えのある舞台を楽しむことができること間違いなしです。

DSC06290ミュージカル「島村抱月」を観劇しました。舞台は写してはいけないとアナウンスされましたので、これならいいだろうと、パチリ。カミサマと車を運転して浜田に着き、ホールへ入ったら1階、2階ともに満席で、3階まで上るはめになりました。3階で見るのは初めてですが、雲の上から地上を見下ろす感じで、高所恐怖症患者には足が震えました。上の写真は開幕前のホールです。この高い所からは役者の顔の表情はもちろん見えません。役者も3階席までは意識して演じていませんから、声は主に天井にあるスピーカーを通して聞こえてきます。

場所としては最悪でしたが、舞台は十分堪能しました。ストリー展開に沿ってダンスや歌、合唱、詩吟など多彩な舞台が繰り広げられました。とても楽しく見ることができました。生演奏の効果が十分発揮されていました。あちこちで感動的な場面に胸を熱くしましたが、抱月の母チセが死ぬ場面は実に感動的でした。東京から抱月が汽車やバス、徒歩や走って故郷の金城へ帰ってくるのですが、その場面も工夫されていました。プロの森田麗子さんが「いのち短し、恋いせよ乙女、熱きくちびるあせぬ間に~」と松井須磨子の「ゴンドラの歌」を透き通るような声で歌われる中での無言の演技が胸に迫ってきました。演出のすばらしさですね。当時東京から浜田の奥まで帰るということは何日もかかる大変な旅程だったのです。

この劇では故郷ということを大きなテーマに作成されていました。大田の相生座まできて、明日は故郷の浜田で公演、というとき妹のイチ(大田市温泉津町の安楽寺に嫁いでいた)がきて、故郷には借金取りが待っていること、松井須磨子と帰って公演してもお客さんは来ないこと、さらに須磨子本人も厳しく叱責しました。抱月は結局中止して東京へ帰りました。妹のイチの演技や発声も光っていましたね。抱月の演技も力みがなく自然で、ことばもよく分かり、聡明で冷静な学者風の抱月の姿がよく伝わってきました。台詞も多いし歌もたくさんあるし大変だったことでしょうが、台詞についてはさすがは浜田高校演劇部で鍛えていた発声が生かされました。早口で喋っても歯切れ良くことばが分かる。訓練がなければでないことです。

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劇が終わってカーテンコールの時に、抱月は舞台奥から出てきました。父一平や母、妹、弟も出てきて、抱き合って涙を流しました。ちょっと興ざめがしました。ここまでやると完全に感動の押しつけになります。舞台奥の高い所に表れて立っているだけで十分故郷への思いは伝わったのではないかと思いました。説明し過ぎない、感動を演出しない、空想の余地を大いに残す・・・ラストは前回の方がはるかに感動的でした。

坪内逍遙は早稲田文学の象徴的存在ですが、よくがんばって逍遙を演じておられました。ぼくは大学時代に、五十嵐新治郎先生に音声学を習いました。先生は音声学の大家で、口の構造や音素を研究してマスターしておられ、アメリカやイギリスの英語の方言も自由に喋ることができ、文化放送のラジオ講座やテレビでも当時大人気でした。先生がある日授業でいわれました。「私は坪内逍遙先生に習ったのですが、先生の講義の時には町の人たちがたくさん聞きに来るので教室はいっぱいでした。先生は教室に入って来られる時から、こうゆう風に、芝居の演技をしながら入って来られました」。逍遙先生はきっと単なる学者風の人ではなかったのですね。姿や動作まで浮かんできます。

おっとととと、横道にそれました。すばらしい舞台でした。はるばる観に行った甲斐がありました。みなさん、おつかれさまでした。ありがとうございました。

(抱月の上演があったので、ブログで抱月関係の記事を多くの人が読んでおられる様子がグラフからわかります。岩町功先生の著作「島村抱月」を以前このブログで紹介していますが、それも多くの検索で読まれています。本に書いたものは、本棚にしまったらまず出すことはほとんどありませんが、ブログはこう言うときに価値を発揮するんですね。郷土の文学、演劇、文化を紹介することも目標にしている劇研空としてはうれしいことです)

抱月について検索して読む人が多いので、改めて岩町先生の名著「島村抱月」の書評を紹介します。平成21年8月3日の山陰中央新報に載ったものです。資料も豊富な上下2巻の膨大な本を原稿用紙3枚くらいにまとめるのは大変でしたが、ポイントは押さえて書いたつもりです。本を読みたい人は県内の主な図書館にはあるはずです。

書評 岩町功著「島村抱月」上下巻 (2段縦書)

 

H27, 「大田文化プロデユースネットワーク」結成準備会

2015年1月15日、大田市民会館で表記の結成準備会が開かれました。都合がつかず欠席だった人もいますので、概要と次回開催日をお知らせします。次回は2月5日19時から市民会館会議室で開かれる予定です。都合をつけ、友達を誘ってきてください。

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(写真はこの記事とまったく関係ありませぬ。淋しいので飾りに入れただけです)

ぼくは少し遅れて出席しましたが、原案文書に基づいて、目的、活動内容、参加者、今年度の予定などが話し合われました。

目的には次のように書かれています。
「ネットワークは、人と人との繋がりをつよめ大田市内・市外の個人や各団体と協力し、地域文化を高めるとともに新たな文化の創作公演を実施し、文化芸術によって元気な町づくりを推進することを目的とする」

事業:「1.文化芸術創造事業 2.文化による地域コミュニティの推進事業 3.地域の歴史・伝統文化の継承事業 4.その他目的達成に必要な事業」

質疑応答などがあり、できるだけ多くの人に声をかけて参加してもらう事になりましたが、具体的には「何を、どのようにするのか」まだ姿が見えてきません。これから煮詰める必要があります。出席者は約20人(会館側が4人を含む)。案内は二次文化プロデューサー講座の受講者だけだったそうですが、対象は広く開かれています。