再演「琴の鳴る浜」のアンケートより

平成23年3月13日の音楽創作劇「琴の鳴る浜」では多くのみなさまに来ていただきありがとうございました。簡単な反省会はありましたが、劇研空としてまだ正式な反省会はしていません。反省の参考にする資料として、アンケートの一部を紹介します。一つの文でも多角的な視点から読み取ってください。

(♪ ありがとう 忘れない 美しい海辺の村 ありがとう 温かい 笑顔の光)

(再演)創作音楽劇「琴の鳴る浜」の感想  2011.3.13

提出されたアンケートから感想を紹介します。「本日の公演はいかがでしたか」という問いに対しては、1.大変よかった127人 2.よかった37人 3.どちらとも言えない1人 4.やや不満1人 5.非常に不満0人でした。 1と2を合わせると99%になります。初演の時には424人も集まり、同じように1と2の合計が99%でした。再演なので初演ほどの熱気はありませんが、両方ともとても好評だったことがわかります。アンケートが総てではありませんが反応の一端を知ることができ、今後の参考になります。次の感想文もいろいろな観点から書かれていて勉強になります。ありがとうございました。
10代
・琴が浜がどうして琴が浜になったのかわかりました。
・とても感動した。おもしろい所もあって良かったです。
・とてもはっきりとしゃべっていて聞きやすかった。
20代
・音楽が特にすばらしいと思いました。演技もよかったですが、長坂さんのメロディーがより涙を誘いました。
・高校の時に見た退屈な演劇のイメージが一新しました。音楽との融合がすばらしい一体感を感じることができました。
・島根の話を音楽を混じえて知ることができました。本当に感動しました。これからも演劇を見て、感動していきたたい。
・すてきな歌がいっぱいでとてもステキでした。演者さんも気持ちがこもっていて引き込まれました。これからもがんばってください
・昨年以上に良かったです。最後が大幅に変わっていて感動しました。地域の人が地域の魅力を伝える試み、大変意義深いと思います。来年も是非、期待しています。
30代
・生演奏がステキでした。非常によく稽古をされていて見てて気になることはあまりありませんでした。クライマックスが別のシーンだと思いますが、その後が少し長かったような気がします。見ごたえのある舞台でした。
・音楽劇というものを初めて見ましたが音楽もよかった、歌も演技も素晴らしかったです。又やってほしいと思います。
・感動しました。涙が出ました。福波っ子も頑張ります。島根の良さを演劇で伝えていけるってステキですね。
・一年生の息子も楽しんで観られたようです。地域の民話や伝説、他にもまた見たいと思いました。皆さんの熱演、大変よかったです。
・すごくよかったです。感動しました。
・生演奏良かったです。舞台きれいでした。イメージより元気な琴姫さんでした。それはそれでよかったです。もっと鳴き砂の効果をほしかった。私も馬路に住んでいたので、このような舞台をつくっていただきうれしいです。さらにパワーアップした舞台を楽しみにしています。
・楽しかったです。1時間半があっという間にすぎました。
・合唱がとてもきれいだったと思います。

(演奏は6人ですが、それ以上の人たちが演奏しているかのように美しく豊かな演奏でした。CDが欲しいという人もあります)

40歳代
・ 劇、音楽、合唱が一体となりすばらしかった。曲もよく一回限りではもったいない。
・ 昨年よりもキャストが多く感動しました。
・ 手作り感が良い、和歌も音楽もGOOD。
・ 昨年も観ました。内容はわかっていたのですが、二度目の方が、さらに良かったです。次ぎはどんな劇をされるか楽しみです。感動をありがとうございました。
・ 言葉の一つ一つが、先日の天災を受けた方々の思いと重なってとても心に響きました。合唱との劇がとてもよかった。
50歳代
・とても感動しました。都会発ではないのに洗練された、芸術性の高い舞台だと思った。
・舞台演出がとてもよかった。
・美しい、美しい物語に涙がこぼれました。美しい歌声やことばのぬくもりが心にしみわたりました。沢山の方々のご努力が感じられ心をうたれました。ほんとうにほんとうにありがとうございました。
・東北地方は確かに大変です。今日のこの劇を見てもらう機会があれば最高に思います。
・聞き覚えのある言葉でよかったです。
・前回はステージの上から、今日は下から参加させて頂いて、私の「琴鳴る」は完結しました。森山さんの独唱は圧巻で、胸が震えました。会場の皆さんも同じ様で、自然と大きな拍手がおこりました。
・地方の公演とは思えないレベルが高かった。地方からでも何でも出来る、やろうとする気持ちが大切ですね。
・また、3回目の公演もバージョンアップしてやってほしいですね。
・前回も見ましたが、今回はさらに音楽や演出等の工夫がなされていてとてもよかったです。特にお琴さんのお父さんーお母さんの設定に変わったのが良かった。感動して涙が出そうでした。
・昨年の初演からグレードアップし、ストーリーがわかりやすくなっていました。最後のカーテンコールで演奏の方も含めて、紹介があると良かったかな。
・歌がとてもよかったです。盆踊りとても楽しそうで、いっしょに踊ってみたいとおもいました。
・琴が浜物語を始めて知りました。とてもよかったです。劇、演奏と大田にもすばらしい人、自然がありました。これからも活躍してほしいです。
・再演があれば再び観劇したいと思っていましたが、丁度知人よりチケットを購入し再び観劇することができました。また、昨年のミルキーウェイコンサートで琴の鳴る浜を合唱できたので曲についてもより身近に感じられました。音楽がすばらしかったです。
・地元でステキな舞台素敵でした。自分の生まれた土地の物語はより感動でした。脚本から御芝居、合唱みんなの力がひとつになったステージ。誇りに思います。
・皆様ひとり一人が実力があって見ごたえがありました。音楽もあれだけの少人数にうなりました。大田もステキな方がたがおられて元気づけられました。自分の役割をしっかりはたす元気と勇気が生まれた。
・出雲に比べ、石見の方は文化的にどうかと思っていましたが、なかなかよくできていました。これからも続けて欲しい。
・楽しくも、悲しくひきつけられた舞台でした。音楽もぴったりでよかったと思います。
・私自身の地元のことで大変興味深く拝見しました。

(馬路からも子供たちが9人大人が3人参加して伝統の盆踊りを踊りました)

60歳代
・すばらしい音楽、演技。
・各配役の方の熱演すばらしかった。
・とても美しい曲ばかりでした
・馬路で育ちましたので感動しました。これからもがんばってください。
・すいこまれるようで、昨年もみましたがとてもよかったです。地震があって気持ちが沈んでいましたが、来て元気がでました。一度きりではもったいない演技で次回を楽しみにしたいと思います。この演劇、他町村でもされたらよいのにと感じました。
・大変すばらしかった。昨年も感じたことですが大田の地でこんなすばらしい物が見られて感激です。歌もすばらしかった。
・今回が初めてでしたが、来年も来ます。最高涙がでた。
・すばらしいの一言です。昨年も観させていただきました。第2回目はまた演出が違い、更に感動を得ることが出来ました。
・去年は用事で行かれませんでしたが、今年は見れてよかったです。又見る機会があったら是非観たいと思います。
・馬路の浜や伝説等は人づてに見聞きしてはいましたが、このような素晴らしいまとまった形に仕上げられことに大変嬉しく有難く思います。大田周辺にはこの他にたくさんの物語が残っていると聞きます。この様な形で伝わっていくとよいのかもしれませんね。今回の演劇は、洲浜先生の創作ストーリーだそうですがとても楽しませてもらいました。音楽も和洋がうまくマッチし、長坂先生の作曲がとても効果的でした。出演された皆様ご苦労様でした。東北、関東の大地震発生のさなかでしたが悲しみを忘れるひとときでした。
・ナレーターの女性もありうる。セリフの中で御家人の使い方、郎党(地頭が御家人ならOK)
・方言が豊かで、石見地方の弁のあたたかさが演者と共に、深く伝わりました。
・劇はもちろんですが音楽がとてもすばらしかったです。演奏のバランスのよさ、大田にすばらしい音楽や文化を根付かせていただきました。大田の宝物だと感じました。男性の方のがんばりが光ました。
・語り継がれた伝説の描写がすばらしかった。合唱も演奏もほんとうによかった。大変きれいな舞台でした。
・是非、全国へ発信してください。しばらくこのホールでの催し物がないのは大変さびしく思います。今日は楽しいひとときありがとうございました。
・再々演を希望します。
・大変素晴らしかったです。又の機会を楽しみにしております。
・猛練習の後が見える見事な演技、演奏でした。ありがとうございました。
・全体を通して、琴、尺八、チェロ、ギター、シンセ、歌が内容とマッチしていて大変感動いたしました。舞台は砂浜をうまく表現し、シンプルな中に内容に集中して観ることができました。盆踊り「願成就」もよく踊られていました。
・昨年も観ました。前回以上に丁寧にすばらしかった。
・地元の民話がとても情感豊かに演じられていました。音楽もすばらしかったです。
・感動しました。いろいろな事件とか事故があるけど、今日は忘れて感動しました。ありがとうございました。
・昨年に比べて、声や歌声がよく聞こえ、聞き取り易かったです。ひとり一人の皆さんが役になりきり演技されていました。
・私は馬路で育ちました。母から聞いていた話を思いながら見せていただきました。とても感動しました。劇も音楽もとてもよかった。
・前回もみさせていただきましたが大変よかったです。
・前回にも増して感動を受けました。スタッフ、キャストの皆さん大変ご苦労様でした。大田市にもこんな市民に感動を与える劇があることを誇りに思います。
・感動しました。ありがとうございました。
・昨年よりいっそうよかった。
・昨年は都合により鑑賞することができず、その後の評判の良さに再演をたのしみにしておりました。素人とは思えない演技力に感動せざるを得ませんでした。特に主役のお琴さんの歌唱力は夢の世界と言っても過言ではありません。コーラス、演奏者の皆様方も稽古は大変でしたでしょうが、みんなみんなステキでした。
・始めて公演をみました。コーラス・演奏・劇が一体となってすばらしい音楽劇でした。出雲の観劇の会に隔月参加していましたが、大田市にもこんなにすごい劇が出来る方々がいるのだとおもいました。各パートでの練習も大変だったことと思いますが今後も是非続けて欲しいです。他県では地震で生死の不明の方がおられる中、すばらしい公演が見られたことはとても幸せなことだと思います。ほんとうにありがとうございました。
・二度目でしたが感激しました。全国にダッシュして。

(「なんてきれいな砂浜ですこと。きゅっ、きゅっ、きゅっ と琴が鳴っているようじゃありませんか!」「まことにお琴さんが琴をひいてござらっしゃるようじゃ!」

70歳以上
・素朴さがなんともいえませんでした。すばらしい舞台音楽も本当に感激でした。
・歌と音楽良かったです
・前回よりずっとずっとよかった、内容もよりわかりやすく音楽全体もよかった。照明も効果抜群。特にお琴さんの歌がとてもうまかった。前回は全国に持って出てよいと思ったが、今回は世界に出しても劣らないと久しぶりに演劇を見て感動した。1つバックの合唱団がシルエットのところ、足を揃えるか開くかこまかくやりたかった。これも演技として見えるから。とにかく美しい作品だった。パンフレットも美しかった。
・後半一部で、やや退屈な場面も見られたが、流れ、構成がよかった。
・とてもよかった。感動をありがとう。
・すばらしかったです。出来ればマイクを使用しないで。
・昨年は地域の行事の為、観劇することができませんでした。本日再演される事を知り大変うれしく、地元での行事も抜け出させていただきました。とても感動しました。
・ストーリー、音楽、劇とてもよかった。楽しく感動しました。
・地元の方たちによる本格的な演劇に感動しました。すばらしかった。長坂先生の演奏がいっそう花を添えとてもよかった。
・大田の誇れる劇だと思う。
・大変ありがとうございました。迫力があり、人情あり申し分ありません。
・琴の鳴る浜よかったが、少し長すぎて疲れました。
・前回より全体的に良かった。
・劇も合唱もすばらしかったです。
・石見弁のセリフがなめらかでよかった。セリフとセリフの間が間延びしているので音楽をいれてはどうか、きゅっきゅっと砂の音も本当の音を入れたらと思った。舞台全体が暗い。
・主役も尼さんも音楽、合唱もみんなよかった。
・全員ステキでした。スタッフの皆さんご苦労様でした。
・昨年と今年どちらも観させて頂く事が出来てとてもすばらしい劇に感動しました。又次の作品を楽しみにしております。
・感動を与えていただきありがとうございました。
・大変よかったです。拝聴させていただきうれしいです。公演を重ねられますこと願ってます。生演奏にコーラス最高です。
・大田市にこの様な演劇が出来ることが誇りです。今後も続けて活躍してください。
・昨年よりずっとグッドでした。大田市の定番にしてください。

(琴ヶ浜です。砂を強調するためにたくさん写しました。松江から観劇に来られた馬路出身の松浦さんから劇の感想の手紙をいただき、大田だけで上演するのはもったいない、と書いておられました。来年、全国の「鳴り砂サミット」が大田で開催される話しもでているとか。東北にも鳴り砂の浜はありますが、今回の大地震で全国サミットはどうなることでしょう。)

今回の舞台は音楽劇と名打つています。音楽劇はミュージカルやオペラのように確立したジャンルではありません。狭い舞台に合唱隊と演奏団と演劇とが共存するわけですから、本来なら対立します。お互いに邪魔になります。そういう点で大きな冒険であり実験でした。しかしお互いを生かす相乗効果があったのではないかと考えています。劇だけの退屈さ、演奏や合唱だけの単調さをお互いに相殺していい面を観客に伝えることができた気がします。

この「琴の鳴る浜」は音楽朗読劇として短縮版の台本を作る計画が進んでいます。4月中旬にはそのための会議が二つ予定されています。一つは中学生版ですが、これは大田一中の竹下先生から以前依頼を受けていました。また皆さんに相談しますので、よろしくお願いします。

劇「経家 最後の手紙」を見る ー 日本海新聞 潮流より

福光小学校が3月に鳥取市の中ノ郷小学校で公演したことは前回紹介しましたが、詩人の手皮小四郎(てび)さんが日本海新聞の潮流へ寄稿しておられますので紹介します。普通では願っても書いていただけない貴重な教育的文化評論です。

手皮さんにはH23年9月、中四国詩人会・鳥取大会でお世話になり、鳥取城のことなどいろいろ話を聞きました。日本海新聞も送っていただきました。

次ぎの切り抜きは山陰中央新報の投稿欄・「こだま」へ掲載された一文です。参考になりますので紹介させていただきます。

新聞の文化欄などは限られた人しか読みませんが、投稿欄は多くの人が読みますのでとてもインパクトがあり影響力があります。率直な感想が書かれていてうれしい投稿です。ありがとうございました。

創作劇「経家 最後の手紙」の脚本が欲しい人には実費でお送りします。B5版の大きさで約40ページ(歴史的な資料や上演写真、新聞記事の記録など11ページを含み、カラー印刷)500円。

脚本意外の資料11ページの一部紹介します。

歴史にはかなり忠実に脚本を書いていますが、小学生版ですから細かいことは書いていません。経家の小姓だった山縣長茂が1644年に「覚書」を書いて岩国の吉川家へ提出しています。これは実にリアルですごい記録です。山縣の語りを中心にして舞台化すれば、とても迫力のある劇になるはずす。挑戦してみたいですね。

3/22 「琴の鳴る浜」実行委員会、東北関東大震災へ義援金を送りました

平成23年3月13日に大田市民会館で「琴の鳴る浜」を上演し、東北関東大震災による大災害で苦しんでおられる人たちへ送る義援金を募りました。観客の皆さんと出演者の皆さんの協力で集まった義援金を22日に大田市役所へ確かに届けました。山陰中央新報の記事から紹介させていただきます。

「琴の鳴る浜」実行委員長の勝部さんが市長へ19万3千円の入った袋を手渡し、当日の様子を市長と話しました。劇の歌やセリフの中には、大災害で苦しんでいる人たちを励ますような言葉があちこちにあり、演じた役者もそれを意識しながら舞台に立って演じた、ということも話しました。竹腰市長にも公演の成功を共に喜んでいただきました。

観客のみなさん、出演者のみなさん、ご協力をいただき誠にありがとうございました。19万円は大きな被害に対して大海の一滴に過ぎないかも知れませんが、全国の人たちが被災者の皆さんへ心を寄せ、それぞれの場でこのように応援しています。新聞にはこのところ2面全部に義援金を寄せた人たちやグループ、企業の名前と金額がでています。みんな応援しているのです。一滴が集まれば川になり海になります。

テレビで見る度に心が痛みます。大変な中で被災者のみなさんがお互いに助け合い我慢し合って前向きに生きようとしておられる姿を見る度に申しわけない思いをし、同時に励ましを受けます。がんばってください。(洲)

 

心を痛めつつ最後のリハ 3/13「琴の鳴る浜」公演へ

東北、関東は未曾有の大地震。さらに大きな津波に襲われ、壊滅的な被害を受けています。みんな心を痛めつつ今日は終日リハーサルをしました。公演を中止して多くの人に迷惑をかけるより、頑張って公演し出演者のカンパや観客にも協力を呼びかけて志しを送ろう、ということになりました。予定通り明日は上演します。どうぞお越しください。

さあ、最後のPRです。

(馬路の小学生も参加してとても元気な声ではやし言葉をかけてくれました。未来のある若者たちの活気のある琴ヶ浜盆踊になりそうです)

(合唱団も絶好調です。伊藤さんの指揮で力感と響きのあるコーラスが楽しみです。思わず全身が揺すぶられます)

読売新聞の記者さんが取材に来られ、11日の石見版に掲載されました。的確に劇を紹介しておられます。新聞のPRもかねて紹介させていただきます。写真の場面は三場です。この日は衣装を着けずに稽古をしました。

次の文章は山陰中央の文化欄に山尾先生が寄稿されたものです。今回の劇は単なる昔話の劇ではありません。「現代感覚で琴姫伝説」というタイトルがつけてありますが、正にその通りです。どんな劇でも文学でも常に「今」が問われます。「今」この劇をする意義はどこにあるのか。

そういう点でこの一文は脚本や演出の意図を端的に読み解いて冒頭から書き出しておられて共感しました。すみませんが利用させていただきます。

さて、もう朝の4時前です。これから寝ます。9時には市民会館へ行って10時から直前のリハーサルです。

今日、とてもうれしい言葉を掛けられました。リハーサルが終わって帰り際に馬路の琴ヶ浜盆踊り保存会の会長、渡辺徳康先生が、「3場は去年よりとても良くなっていますね。鳴り砂の場面もいい。馬路の者としてうれしい。明日も観にきます」市会議員の松井東司彦さんも忙しのに来られて最後までリハを観られました。

音楽の長坂先生からも電話があり、演奏者は涙を流しながら演奏しているんですよ、と言われました。ぼく自身も、お琴さんの別れの場面から後はいつも涙が滲み出てきます。

明日はどれくらい来てくださるか。劇研空のメンバーは頑張って予定以上の券を買ってもらいました。でも全体では「ぱっとしない」そうです。4万弱の高齢者地域ですから観に来られる人にも限買いがあり、ましてや再演は厳しい。

なんと言っても大田では小学生や中学生、高校生がほとんどいつでも劇などは観にきません。今では売る方もはじめから当てにしていない状態です。これは淋しいですね。若いときに出会った舞台の感動は大きな心の栄養になるんですけどね。

グチを言わずに明日のために休みなさい。はい。

 

福波小「経家最後の手紙」鳥取公演に大きな拍手

平成23年3月6日、大田市立福波小学校の全児童が出演した創作劇「経家最後の手紙」が鳥取市円護寺の中ノ郷小学校で上演されました。約400人の市民が観劇し大きな拍手を受けました。その舞台を夫婦で観に行かれた鳥取の詩人、手皮小四郎さんが当日のチラシと撮影された写真、日本海新聞を送って来られましたので紹介します。引率で参加された保護者からも、「大成功でした」というメールと写真が届きました。

これは鳥取公演用に作られ、当日入場者に渡されたチラシです。保護者の協力による手作りですが、とても良くできていて感心しました。

これはチラシの裏です。大切なポイントを押さえて簡潔に紹介してあります。吉川経家が切腹する直前に福光の不言城にいる子どもたちに宛てて書いた遺言状の原文と現代語訳を載せてあるのもいいですね。原文には誤字があります。「ひやう二つきはて候まゝ」は「ひやうろう二つきはて」だとおもわれます。「兵糧」です。心の動揺の精でしょうか。子どもにも読めるようにひらがなで書いているところに経家の深い心情を読み取ることができます。

これは鳥取を中心に発行されている日本海新聞に掲載されたものです。新聞のPRも兼ねて紹介させていただきます。                      中ノ郷小学校の講堂はとても大きいようです。書き割りのお城が小さく見えます。福波小学校の講堂の倍くらいある感じです。

子どもたちの後ろに建っているのは吉川経家の銅像です。小学校に経家の銅像があるのですから、いかに経家が敬愛され親しまれているかがわかります。上の2枚は保護者から送られてきたものです。

上の写真は鳥取の手皮さんの奥様が写された写真の一枚です。舞台の天井がとても高いのがわかります。ホリゾント幕やバック幕ではなく、とても派手な茶色の幕がつり下がっています。おめでたい式にはいいでしょうが、劇には邪魔ですね。島根ではこんな吊り幕がある学校はないでしょう。舞台の後ろは白いホリゾント幕、その前に黒いバック幕というのが普通です。白はいろいろな映像を写しいろいろな色を染めることができます。黒は無感情、無、なし、の象徴ですから前に立つ人物を邪魔しません。第一講演や式典の時でも目が疲れません。(何を言いたいのだ!)

鳥取の詩人、手皮小四郎さんからは手紙も届きました。個人的な箇所は省略して、この劇に関する主なところだけを紹介させていただきます。さすがは教育者で詩人。深い洞察と的確で示唆に富んだ言葉がたくさんありました。

「~ きょう6日、家内と市内の中ノ郷小学校へ「経家最後の手紙」を観に行きました。感銘深い観劇となりました。                  福波小全校児童生徒は、生涯にわたる宝物を共有したと思いました。  ~ 子供たちとその地の未来にかけがえのないものを残されたと思います。これは成そうとして成せるものではなく、時と場と人との、見事な交差が造ったものでした。とにかく児童全員参加が尊いことと思います。 ~ 終わって帰るとき、新聞記者から感想を聞かれて、家内が、歌「お元気ですか、お父さん」の時涙が流れたと言っておりました。      ~  野田、山縣なども登場して史実に忠実であったこともよかったと思います。ぼくは「山縣長茂覚書」を読んだときのあの臨場感を忘れることができません。以来四百数十年昔の単なる歴史物語ではなくなりました。~ 。」

中四国詩人大会が鳥取で開かれたとき、手皮さんには翌日の市内観光で素晴らしい案内をしていただきました。文学だけではなく歴史にもとても造詣が深い人だと感銘を受けました。いろいろ経家のことや鳥取城のことなどを質問しましたが深く多角的な視点で参考になる話を聞くことができました。

手紙を読んで、ぼくの思いとまったく同じであることがうれしいと同時に、尊敬する人からこのようなありがたい手紙をいただいたことに感謝する次第です。

福光小学校の児童生徒の皆さん、そして引率指導された先生方、保護者のみなさん、おつかれさまでした。

「子供たちとその地の未来にかけがえのないものを残された」貴重な公演でした。

吉川経家と石見福光不言城の音楽劇のこと

 福波小学校が平成22年秋の発表会で創作音楽劇「経家 最後の手紙ー不言城の子供たちへ-」を発表し地域の人達に感動を与えたことは紹介しましたが、その後のことを紹介します。

 2月13日には温泉津公民館祭りで上演し、3月6日には鳥取の中ノ郷小学校、3月20日には福波小学校の閉校記念行事で上演する予定です。関心がある人はどうぞお越し下さい。

 次の小新聞は福波小学校が発表した後である保護者が作成されたものです。簡潔によくまとめられていますので紹介します。

 こういう小新聞を作ってくださる保護者がおられるとは最高です。普通はやりっ放しで終わるものです。このような新聞があれば記録として残り、それを見た人がまた刺激を受けて何かやろうとするでしょう。

 次の文章は「石見詩人」126号へ書いた随筆です。多少手を加えていますが、掲載してみます。石見詩人を読む人は残念ながら県内で40人くらいしかいませんが、全国の詩誌や詩の雑誌、詩人、県内の図書館、主要新聞社などに送っています。(同人になりませんか)少し長くなりますが、適当に適当な写真を入れたりして掲載します。

 「吉川広家の手紙、福光不言城の子供たちへの手紙は大田市の宝です」という鳥取の詩人の言葉が最後に出てきますが、それはぜひ記憶しておいてほしいものです。見える目を持っている人には見えないものが見えるのです。下の写真は経家と福光小次郎の墓がある墓地。大木はタブの木とか。地元の人たちが大切に守っておられます。この日は経家の430回忌記念法要の日でしたので、地元の人たちがテントを張り飲み物や食事などの接待をしておられました。左側の山は鳥取城がある山の裏側です。

            吉川経家と石見福光不言城の音楽劇   (「石見詩人」への随筆より)

 物不言城(ものいわずじよう)(今は不言城(ふげんじよう)という奇妙な言葉に本で出会ったのはずいぶん前のことだが、いつも気になっていた。何か面白い歴史があるにちがいないと思った。あるとき、古事記の神話に由来がある と石村勝郎さんが書いているのを読んで、ますます興味をそそられた。
                                                                  信長の命を受けて、秀吉が西日本へ攻めて来たとき、鳥取城を「喝え殺し作戦」で落としたことは知っていた。そのときの城主(城番)が吉川経家だと知ったのは後のことだった。経家が福光不言城の城主だったことも、その後になって知った。
                                                               7年前のある日、鳥取市歴史博物館が「天正九年鳥取城をめぐる戦い」という本を発行した記事を新聞で目にした。何かの役に立つだろうと考えて、その資料集を注文した。経家の手紙や遺書なども載っている貴重な本だった。

 昨年の五月、福波小学校のある保護者がぼくに会いたいというので、劇研「空」の会合へきてもらった。山本さんという若い夫妻が部屋に入ってこられた。「さとみさんじゃない!」奥さんは高校の時の演劇部員。昭和61年に書いた脚本「母のおくりもの」を倉敷市民会館で上演した時の主役である。
 「福波小学校が来春閉校になり、その記念に不言城の劇を全校で上演したいので、脚本を書いてほしい。」という依頼だった。地元に吉川経家の城跡があるのにほとんどの人が知らない。郷土のことを少しでも知ってもらいたい。教育的な効果も考え劇にして発表したいという。
 ぼくは不思議な感覚に襲われた。この日のために資料を集めさせられていたのではないか、という気がしたからだ。

(経家の墓地にある案内版です。このあたりは以前は田んぼでしたが、いまは住宅が建っています)
 

更に資料を集め、実地見学もして、「経家最後の手紙ー不言城の子どもたちへー」という三十ページ近い脚本を書いた。1年生を含め全校25人が楽しく参加できるように劇と群読と合唱から成る創作音楽朗読劇である。歌詞は二つ作り、作曲は仁摩の菅森容子さんと大田の長坂行博さんに頼んだ。

 経家は切腹の前日に七通の遺書を書いている。切腹直前には福光不言城にいる4人の子供たちへ書いている。子供が読めるようにひらがな書きである。鳥取城内には逃げ込んだ農民を含め四千人がいた。城山の周囲は三万の兵で取り囲まれ、城内ではあらゆる物を食べ尽くし、人肉も食べたと「信長公記」にある。経家は自分に責任があると切腹を秀吉に申し出て開城を求めた。

 9月23日に中四国詩人会大会が鳥取市で開かれ、いい機会だったので資料に出てくる地名や地理を確認した。風景が浮かばないとセリフも深まらない。井上嘉明さん、手皮小四郎さんなど現地の詩人にも詳しい話を聞くことができてうれしかった。9月23日に鳥取から不言城見学へ30人の人が来られた。24日の夜には温泉津で懇親会がありぼくも出席した。10月4日には大田からも30人近くの人が経家の430回忌記念法要が鳥取市の真教寺で行われ、参加した。

 大人が演じてもいいほどかなり高度な脚本だったが子供たちは先生や保護者の支援や指導を受け、セリフを短期間で覚え、立派に演じ、二百人の地域の人や保護者に大きな感動を与えた。小学生だから、という既成概念を持たなければ、子供たちは無限の力を発揮する。2月13日には温泉津公民館祭りで上演し、3月6日には鳥取の中ノ郷小学校で上演、3月20日には福波小学校の閉校記念行事でも上演するという。

 鳥取や岩国では吉川経家を知らない者はほとんどいない。経家は鳥取の恩人だと鳥取の人は言う。しかし大田では知る者はわずかである。脚本をお送りした鳥取の詩人、手皮小四郎さんは手紙の中で次のようなことを書いておられた。
 「脚本はすはまさんの誠実さが溢れたお仕事と拝察いました。(略)いつの間にか吉川経家は岩国中心になっているように映り、妙な感じでいました。その意味でもこのシナリオは意義深いものがあります。(略)学生時代経家の墓は田んぼの中にぽつんとありました。樹と墓は昔のままです。二基あり、一つは福光のものと記憶しています。(略)今後とも御地で経家を発信され広めてください。吉川広家の手紙、とりわけ子供たちへの手紙は御地の宝だと思います。」
 

不言城は家康が関ヶ原で勝ち天下を取ると廃城にした。人の手が加わっていないので発掘すれば貴重な山城として保存価値があるにちがいない。吉川関係の一族は全国に住んでいるので不言城へ来てみたいという人も多いにちがいない。今回は小学生用の脚本として書いたが、大人用に書いて上演したらさらに迫力がある。何よりも経家の心情は現代にも十分通じる普遍性を持っていることが強い。

 経家や不言城のことは思わぬ形で発展して行きそうな予感がする。  (以上です)

 温泉津公民館では昨年5月から今年の1月まで、温泉津いろは楽校公開講座「不言城と吉川氏に関わる歴史浪漫」を月1回の割合で開催してこられました。講師は石見銀山世界遺産センターの目次健一先生で、実地見学なども数回ありました。館長の今田善行先生をはじめ元大田高校教師の明楽文教先生など錚錚たる歴史の研究者がおられ、質問でも相当深いものが飛び出してきました。ぼくは3回しか参加できませんでしたが、それでも貴重な話を聞き資料をいただきました。

     (鳥取城址から鳥取市内を眺める。画面の右側を遠望すれば日本海が見える)

 この経家の講座と福波小学校の劇は元々関係ありませんが、まるで関係しているような結果になったのも不思議なことです。2月13日(日)の公民館祭りでは、9時30分から鳥取や岩国の専門家の話があり、10時30分から福波小学校の劇が上演されます。10日の14時から準備やリハがありますので手伝いに行こうと思いますが、このような形で公民館で一般の人たちを対象にして発表することになったのも不思議な気がします。

 この脚本が欲しい人があればお送りします。 自家印刷自家製本ですが読んでいただけるとうれしくおもいます。経家のPRになりますので。キボウサットウ!ということになれば製本だけでもたのまねばなりませんがありえないもうそうをいだくとしではありません。ちいさないんさつかいしゃをおこしたいのがむかしからのゆめですがもうあきらめています。

「琴の鳴る浜」練習報告です1/24,1/25

 寒さは依然として続いています。大田市内では雪はすぐ溶けますし連続して降らないので路上に積もることはありませんが、2度前後の寒い日が続いています。山間部では積もっているでしょう。

(写真は馬路の琴が浜です。曇っていたので関係のない近景の植物ばかり目立って街や浜辺は煙がかかったような写真になりました。電柱は引き抜きたいけどそんな力も罰金を払う金もありません)

 25日(木)は2場の立ち稽古を第一会議室でやりました。インフエンザ罹患中のハナさんや雪に閉じ込められている豊さんやカジで手が抜けないお種さんの役はオコトサンが代役で務めました。地頭と家来と村人の場面を2,3回やりました。ヤッサンは衣装を着けてきました。さーすが。台本も持たずに気合いをいれてやりました。ヤマネさんが元気のいいお茶目な百姓女を面白く表現して演じてくれました。面白くなりそうです。

 台本を手放さないと身体の表現はでてきませんし目線による表現ができませんので、劇として一番大切な練習ができないということになりますが、もう少し台本を持って立ち稽古をつづけましょう。

 1/24(月)はスタッフとの会議がありました。修平さんも出席してくれて助かりました。キンチャンはじめ二人の女性スタッフ、ハヤシタムラサンです。やっさんが作成してくれた舞台の模型図を見ながら台本を確認し検討していきました。

 昨年の12月の空の会議では上手に小屋の一部をつくり、下手に船をつくろうと話し合いました。吊り物の飾りではなく実際の立体的な船と小屋です。それを受けてやっさんが考えて、模型をつくってきてくれたのです。しかしSSが使えない。上手の袖から出入りができない。上手の観客には小屋が見えない。と反対が出て、賛成する声もなく、最後には引っ込めました。しかし舞台の道具は飾りではなく使うものだという基本的な考えは劇を演じ創り演出する者には譲れないところがあります。難しいところですね。空だけでやっている訳じゃないので。

 ステージを使って練習する日にちも話し合いました。次を予定しています。

2/12(土)19時~、                              2/16(水)19時~、                              2/19(土)13時~17時、                              2/20(日)9時30分~16時(これは渡した予定表に記入済みです)

 

山城さん、寒さの中どこを歩いていますか

 昨年の12月から寒い日がつづいています。今夜は零度以下です。この寒さの中で山城賢治さんはどこを歩いておられるのでしょう。寒々とした外の景色を見ながら、いつも山城さんのことを思います。

上の写真は平成22年11月17日に五十猛で修平さんが写したものです。山城さんはこんなスタイルで大田を出発されました。山口、九州と歩いて行かれたのでしょうけど、今どこでしょうか。九州でしょうか。もう沖縄のどこかを歩いておられるのでしょうか。

山城さんはインドへ三年半おられました。ヨガを習得されたそうです。7月に日本へ帰り、茨城からリヤカーを曳いて歩いて大田へ帰って来られました。11月の始めに電話があり、久しぶりにお会いしました。お世話になった山本くんや修平さんにも連絡して、ナゴヤで楽しく語り酒を酌み交わしました。その数日後に大田を出発されたのです。

数年前、劇研空で演劇の基礎訓練をしていただいたこともありますし、石見銀山の民話を音楽劇にした「鶴」では、演出もしていただきました大田高校の演劇部員だったそうですし、東京では演劇で役者や演出家として活躍しておられました。独特の感性や深い思考力を持っておられたので、インドへ行かれたということを聞いた時には、やっぱり、という気がしたのを覚えています。

リヤカーを曳いて野宿をしながら歩いておられるのですが、いろいろな出会いがあり楽しいことがたくさんあると言っておられました。上の写真は了解を得てここへ載せています。

次の記事は同じ日に「しまにちタイムス」の記者がインタビューして掲載したものです。うまくまとめてありますのでここで紹介させていただきます。この新聞は月刊ですが大田市の公共施設に置いてあります。とてもいい情報を載せていますのでぜひ手にとって読んでみてください。

やましろさーん!毎日毎日寒いけど大丈夫ですか?気をつけて旅をつづけてくださいね。体調に気をつけるのはもちろんのこと、交通事故などにも気をつけてくださいよ。また話を聞かせてください。

https://stagebox.sakura.ne.jp/wp/?p=1979 「おつかれさまでした、山城賢治さん」

第48回高校演劇中国大会上演日程

 今年の中国高等学校演劇協議会の事務局は広島市立沼田高校で事務局長は黒瀬貴之先生です。発表会事務局は安来高校で事務局長は細田欣一先生。上演校と演目や時間などの日程を送っていただきましたので紹介します。開場は前回書きましたが島根県民会館中ホールです。

 講師は俳優の二口大学さんと千葉県立柏の葉高校の阿部順先生。

 島根は開催県なので3校上演しますが見応えのある劇を見せてくれるでしょう。1校が代表校として来年8月の全国大会へ出場しますが、どこに決まるか楽しみですね。

高校演劇中国地区大会松江で開催12/18,19

 平成22年度の中国地区大会は松江で開かれます。今日神奈川に住む人から大会の期日問い合わせの手紙がきました。日にちしか分かりませんのでチラシかパンフを持っている人は教えてください。

 島根は三刀屋、出雲、松江商業が出ます。広島は鈴が峰女子、沼田高校です。この二つは行きましたのでわかります。山口、鳥取、岡山はわかりません。

さて、上の舞台風景写真は、平成21年度の島根県大会で最優秀になって中国大気へ出場した松江商業と下は三刀屋高校です。三刀屋はこの時点ではまだ欠点も見えましたがその後相当手を入れたのでしょう。中国地区で最優秀となり今年の夏に宮崎の全国大会へ出場しました。残念ながら全国大会を観劇に行けなかったのですが三刀屋は優秀賞を受賞し東京の国立劇場でも発表しました。全国のトップレベルを走り続けています。

 今日青年劇場の「青少年劇場通信85号」が届きました。大田高校へ赴任したときの演劇部員、福原美佳さんがここで活躍し、劇研空を応援してくれています。その福原さんのことが出ていました。「9月8日、9日’立高祭’演劇コンクール講師」を務めたそうです。以前会った時には朗読や語りなどでも頑張っているとのことでした。

 その青少年劇場通信に三刀屋高校などのことが書いてありましたので紹介します。演劇の大先輩、全国高校演劇協議会名誉会長の内木文英先生の56回高校演劇全国大会を観て講評されたものです。先生は第1回から一度も欠かさずに全国大会を観て来られました。松江で全国大会を開催したときには一緒に飲み歓談しました。高齢ながら青年のような情熱と気力があふれている人です。一部を引用させていただきます。

「ほとんどすべての作品が、レベルを超えているところがあって楽しかった。中でも目立って良かったところをあげると、島根県立三刀屋高校の「オニんぎょ」(亀尾佳宏作)、山梨県立甲府昭和高校「放課後の旅その他の旅」(中村勉作」、愛媛県立川之江高校「さようなら小宮君」(越智優・作)、青森県立弘前中央高校「あゆみ」(柴幸男作、畑澤聖悟潤色)、宮崎県立佐土原高校「銀の雨」(段正一郎作、長尾直紀潤色)群馬県立前橋南高校(黒塚SEPT、演劇部、原澤毅一作)などだ。                                                     どれを優秀賞にしてもいい舞台だったが、能の「黒塚」をもとにして、若者の飾らぬ姿をリアルに描いた前橋南が、最優秀だった。」以下略

 三刀屋、川之江、弘前中央は最優秀。三刀屋の亀尾先生に創作脚本賞が贈られた。すごい書き手がたくさんいる中での全国の創作脚本賞ですからね。たいしたものです。みんな大ベテランです。

 最後に内木先生は次のように講評を結ばれています。「すぐれたたくさんの指導者が高校演劇にあらわれてきた。これからの高校演劇に期待したい。」

 確かに以前より実力のある顧問の層が厚くなり表現手段も高校演劇の中に閉じこもらない普遍的なものが多くなった気がします。三刀屋高校の場合全国大会の写真を見ると県大会とは違います。発表する度にレベルアップしていったのでしょう。

 今年の中国地区大会がどうなるか。楽しみですね。無料です。松江へ行かれたらブラリと県民会館へ寄ってみてください。はい。

 劇研空は発足当時から高校演劇も応援してきました。ということで島根で開催される中国大会と昨年の三刀屋の劇を紹介しました。