H26,9/21 永井隆の劇「Takashi」益田で上演(観劇記)

雲南市演劇によるまちづくりプロジェクト実行委員会から、案内が来ました。チラシなど後日渡しますが、ひとまず簡単に紹介します。

9/14   18:00~
9/15    13:00~        17:00 ~ チェリヴァホール

9/21(日)14:00 ~  益田市グラントワ
DSC05930亀尾さんの創作、演出です。この初春には「ふることふみ」を雲南市まで観劇にいきましたが、すばらしい舞台でした。(このぶログのどこかで観劇記を書いています)

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永井博士は、飯石郡飯石村(今の雲南市)で育ち、旧制松江高校を卒業、長崎で医学に献身されていましたが、あの原子爆弾で被爆、それでも最後まで平和のために命を燃やしました。長崎へ行ったとき、最後の住居「如己堂」へ行きましたが、畳が3枚か、4枚くらいの狭い狭い部屋でした。ここで数々の有名な著作を書かれたのかと思うと身が引き締まる思いがしました。

その永井隆博士をどのように舞台で表現されるか、楽しみですね。

 

9/21,はるばる益田へカミサマと観劇に行ってきました。劇研空の山本君も来ていました。久しぶりに会う人たちがたくさんありました。劇が終わってこっそりパチリとしました。スミマセン。力作舞台でした。迫力がありました。以下、観劇記です。

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集まった70人以上の人たちをどのように舞台へ登場させるのか。難問題です。単なるコロスとして扱えば、参加した人たちには不満足感が残ります。脚本、演出の亀尾さんはこの難問題をうまく処理しています。さすがです。今までに高校演劇で積み上げてきた手法がみごとに生きていました。多くのキャストが次々と多くの場面を構成していくので、ある意味で劇は度々脇道にそれ、遊びが多くなり、同時に楽しく豊かになります。永井隆という一人の主人公を忘れてはいませんか、と思うころにストリーの軸は一気に展開、本筋に戻ってきます。この緩急の展開が美事でしたね。さすがです。

劇中劇形式になっていて、劇が終わると全員が舞台に集まり、演出役が客席から登場します。演出は、問いかけます。「この劇をやってどう思ったか」。沈黙のあと、二,三人が感想を述べます。

この場面は、劇を客観化することを狙うなら面白い設定です。しかし観客の目には半分、「やらせ」場面に写ります。演じた人間の視点でしか感想は述べられないからです。観客に問いかけるのは価値がありそうですが、これも「感動しました」などという絶賛の感想しか出てこないでしょう。

ぼくならどうするか?と帰りの車中で考えつづけました。結論は「沈黙」です。誰も何も言わない。いや、言えない。

最も感心したのは、永井博士の著述から、永井博士の言葉をそのまま何度も喋らせたことです。脚本家が自分の言葉で現在の時勢を激しく批判すると、観客のこころに反感も生まれる可能性もあります。プロパガンダ性の強い劇になる可能性もあります。しかし永井博士の警告は正に現在の社会を鋭く突き刺します。何十年前の永井博士の言葉を、そのまま舞台で喋っても全く色褪せない。それどころか実にリアルに迫ってきます。真実は時代を超えて具体を貫くのです。

劇が終わって、観客席には熱い思いが充満していました。客席にいるとはっきりわかります。迫力のある感動的な劇でした。

ホールをでるとき、亀尾さんの姿を見かけました。感動した人たちが次々と話しかけていましたので、邪魔をしないようにそのまま帰ろうかと思いましたが、挨拶だけでもと思い、しっかり握手をしてホールをでました。

グラントワの近くで写真店を開いているキタウラ君の家へ寄ってみました。そのむかし、県立益田工業高校が久城の丘に聳えていたころ、担任をした機械科の生徒でした。元気でがんばっていました。剣道を通した社会貢献で数々の表彰を受け、賞状が壁に掲げてありました。来年は卒業して50年になるので同窓会を開きたいと、出来上がった案内のハガキを見せてくれました。「日にちはいつがいいですか?」と聞かれました。なんかこのために久しぶりに益田へきたような感覚に襲われました。劇とは全く無関係ない脇道でした。

みなさん、おつかれさまでした。いい劇がまた島根に生まれましたね。

 

投稿者:

suhama

1940年、島根県邑智郡邑南町下亀谷生まれ・現在、大田市久利町行恒397在住・早稲田大学教育学部英語英文科卒・邇摩高校、川本高校、大田高校で演劇部を担当、ほぼ毎年創作脚本を執筆。県大会20回、中国大会10回出場(創作脚本賞3度受賞)主な作品「廃校式まで」「それぞれの夏」「母のおくりもの」「星空の卒業式」「僕たちの戦争」「峠の食堂」「また夏がきて」「琴の鳴る浜」「石見銀山旅日記」「吉川経家最後の手紙」「父の宝もの」など。 著作:「洲浜昌三脚本集」(門土社)、「劇作百花」(2,3巻門土社) 詩集「キャンパスの木陰へ」「ひばりよ大地で休め」など。 「邇摩高校60年誌」「川本高校70年誌」「人物しまね文学館」など共著 所属・役職など: 「石見詩人」同人、「島根文藝」会員、大田市演劇サークル劇研「空」代表、島根県文芸協会理事、大田市体育・公園・文化事業団理事、 全国高校演劇協議会顧問、日本劇作家協会会員、季刊「高校演劇」同人、日本詩人クラブ会員、中四国詩人会理事、島根県詩人連合理事長、大田市文化協会理事

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