平成21年度 三刀屋高校演劇部島根大会最優秀、中国地区大会最優秀 2009年夏の全国大会へ!

三刀屋高校
 2009年の第33回島根県大会は10月30、31日、加茂町のラメールで開かれ、三刀屋高校と松江商業が県代表に選ばれました。中国地区大会は11月末に開催され三刀屋高校は最優秀賞を受賞して来年夏の全国大会へ出場が決まりました。
大健闘ですね。おつかれさまでした。おめでとうございます!!!


 島根県大会では7校が参加しました。今年の講師は野村みさ子先生と洲浜昌三の二人。松江地区から原田先生、出雲地区から福間先生が顧問審査委員。4人で話し合いました。

 もう一校の代表は松江商業の『超 正義の人(大垣ヤスシ作)でした。とても発声がよく演技も達者でよく練習した成果が舞台に出た劇でした。元の台本は男役だった生徒と先生を女性にかえたために当初の問題提起が曖昧になったり無理になったのが残念でした。でも久しぶりに達者な演技を見て、やるな、いいぞ、と思いました。表現がしっかりしている舞台はいいですね。この演技でいい台本に出会えば最高ですね。

 松江商業

 出雲高校は顧問の伊藤先生の創作。とても斬新な着想で舞装置も立体的に工夫されていたために表現が多彩になり感心しました。時代の設定など基本的な矛盾があって未整理なところが出てきたのは残念でしたが、舞台美術賞が贈られました。

 松江農林の『サイユウキ~一夜物語~」は演劇部の創作で、とても楽しく感心して観ました。生徒さんの工夫や若い感覚が感じられてぼくは高く評価した劇でした。型にはまらない自由な発想がとても新鮮でした。

 安来は『藤岡家の人々』部員の岩田彩さんの創作でした。あちこち迫力のある場面がありましたが、劇を長い語りで何度も説明したのは残念でした。語りを入れると舞台展開は楽で助かりますが、説明ではなく劇で進めたいものです。語りを入れても最小限にするか、劇の中にうまく組み込むかすればいいと思いますが…
安来

 松江工業は舞台の装置に力を入れて作っていました。役者に個性のあるひともあり雰囲気をもっているひともあり、笑いも起こり楽しい舞台でした。壁に掛けた時計が舞台の時間と同時進行するという仕掛けがありおもしろい着想でした。
松江工業

 中国大会へ出場した三刀屋高校が最優秀を受賞したというニュースは亀尾
さんからのメールで知りました。県大会では台本の一部に注文がありましたが、それを除けば訓練されたいい舞台で、いつものように楽しく観ながら観客をいつの間にか巻き込んで感動させてくれました。こういう舞台はちょっと誰にも作れません。

 劇では童謡がたくさん歌われますが、とてもいい声でしかもそろっています。亀尾さんに聞くと、暇なときにはいつも歌を歌っているとのことでした。歌で発声練習とは素敵ですね。

 優秀賞は岡山の操山高校、米子高校、舟入高校だったそうです。

 僕らの時には広島の舟入高校、鈴峯高校、沼田高校、美鈴が丘など、広島の巨大な壁があってそれをなかなか突破できませんでしたが(浜田高校は突破したことがある)ここ数年は三刀屋が常に全国レベルの劇を上演して中学山脈の大きな峰になっています。

 ほんとうにおめでとうございました。

 県大会には浜田高校も出ましたが、今回は特別な配慮で出場したそうです。
廃部寸前だったと聞いていましたが、キムラさんが来られて復活!石見の演劇部ゼロ!などという悲惨な文化状態にならないように、石見代表として浜田高校高のみなさん!がんばってください。

 劇研空は高校演劇も応援するという当初の目標があります。そういう意味でも大会の感想を書きました。

 写真は舞台風景として使用しました。

投稿者:

suhama

1940年、島根県邑智郡邑南町下亀谷生まれ・現在、大田市久利町行恒397在住・早稲田大学教育学部英語英文科卒・邇摩高校、川本高校、大田高校で演劇部を担当、ほぼ毎年創作脚本を執筆。県大会20回、中国大会10回出場(創作脚本賞3度受賞)主な作品「廃校式まで」「それぞれの夏」「母のおくりもの」「星空の卒業式」「僕たちの戦争」「峠の食堂」「また夏がきて」「琴の鳴る浜」「石見銀山旅日記」「吉川経家最後の手紙」「父の宝もの」など。 著作:「洲浜昌三脚本集」(門土社)、「劇作百花」(2,3巻門土社) 詩集「キャンパスの木陰へ」「ひばりよ大地で休め」など。 「邇摩高校60年誌」「川本高校70年誌」「人物しまね文学館」など共著 所属・役職など: 「石見詩人」同人、「島根文藝」会員、大田市演劇サークル劇研「空」代表、島根県文芸協会理事、大田市体育・公園・文化事業団理事、 全国高校演劇協議会顧問、日本劇作家協会会員、季刊「高校演劇」同人、日本詩人クラブ会員、中四国詩人会理事、島根県詩人連合理事長、大田市文化協会理事

「平成21年度 三刀屋高校演劇部島根大会最優秀、中国地区大会最優秀 2009年夏の全国大会へ!」への2件のフィードバック

  1. 訂正でーす。
    2009年夏の全国大会はすでに三重県四日市市で終了しています。
    まともに順番でいくとすれば2009の次は、2010です。2010年の全国大会は宮崎県で開催予定です。
    ついでに2009の大会では最優秀賞は北海道の帯広柏高校の「これからごはん」でした。
    優秀賞は千葉県立松戸馬橋高校、神奈川県立大船高校、青森県立青森中央高校でした。
    中国地区代表は岡山の倉敷鷲羽高校。「ゴドーを待ちながら」を上演。「演劇創造」を読むと、講師の講評には厳しいことが書いてあります。難しい劇を十分消化せずに上演したのでしょう。
    昨年の中国地区大会で三刀屋高校の「みなそこへいけ」惜しくも2位でした。しかしその春東京で上演しましたし、3月末には県民会館で上演する機会を島根県文化振興財団から与えられ、満員の中ですばらしい劇を見せてくれました。
    僕は観にいきましたが、文化振興財団の英断に感服しました。高校演劇を全面支援し無料でしかも広くPRして満席にして上演させてくれたのです。こんなことは島根の演劇史上、いや島根の歴史上かってないことです。
    いい高校演劇は下手なプロより感動がある、というのは僕の以前からの持論ですが、それを実行してくれたのですから見直しました。「いいものはいい」と言う姿勢で大人が接して実行していかないといい文化や芸術は育ちません。(あたりまえのことをちょうしにのっていうなちゅうんだ)
    観劇し終わって駐車場へ帰ると、元澄田知事が同じ駐車場へ帰って来られました。「ああ、澄田さんだ。久しぶりだな。澄田さんまで観にきてくれたんだ」と思いました。ふっくらとしていた頬が少しやせこけて見えました。歩かれる姿は優しいジェントルマンの風格でした。
    その数ヶ月後、澄田さんは他界されました。
    やっと長い激務から解放されて、好きなことをされるはずでしたでしょうに…遅ればせながらご冥福をお祈りします。

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