平成8年10月から約1年半にわたって山陰中央新報文化欄で毎週掲載されていた人物評伝が立派な本になって刊行されました。柿本人麻呂から現在活躍中の作家や文人など81人を収録しています。
新聞では1200字前後、人物によっては⒉週掲載、されました。
原稿用紙約3枚で偉大な業績を残している作家をまとめるのはとても大変な仕事です。評価が偏ったり、普遍性がなく個人的過ぎたら、その作家に泥を塗ることになりますし、あまりにも表面的、一般的過ぎる評伝ではおもしろくありません。事実関係で間違わず、正当な評価をし、新しい独自の視点からも評価し、いかにして生涯像を浮かび上がらせるか。みなさん苦労されたにちがいありません。
執筆者は島根県内で活躍中の文学関係者35人です。新聞連載中から切り抜いて保存していますが、ほとんどの評伝が素晴らしいできばえです。コンパクトにしかも的確に人物を紹介してありますので読んでもおもしろいのですが、辞典として利用しても大いに役立ちます。
県内の書店では販売していますし、山陰中央新報関係の販売店などでも販売しています。どうしても入手できないという人はご連絡ください。10冊くらいはいつでもお送りできます。
5月1日には県民会館で文学作品や雑誌などの展示会があり多くの人が来られました。貴重な初版本などもあり大いに刺激になりました。
午後1時からは「島根の文学風土と文人たち」と題してシンポジュームが行われました。会場はほぼ満員の盛況でした。詩人の入沢康夫さんの講演が先立って行われました。先生は作品を書くときの「距離のとり方」の重要性を話されました。とても示唆に富む話でした。ここでは書く暇がありませんので、いつかどこかで紹介します。
シンポジュウムの写真だけをここでは紹介しておきます。
シンポジュームでは溝口島根県知事も来られて挨拶をされました。シンポジュームでは最後までおられ、忙しい中4時間以上も聞いておられました。トップのこういう姿勢はありがたいことです。
長いを時間かけて展示を準備され、シンポジュウムを成功させられた関係者のみなさんお疲れさまでした。毎月の話し合いや準備会があり直前には毎日準備されました。
詩の代表としてお手伝いをしなければいけなかったのですが、毎回松江へ行くのは大変で、協力できませんでした。会を引っ張っていく池野会長のような存在や、地道にこつこつと仕事を進められた小川事務局長のような人たちがおられたからこそ実現したものです。
夕方6時からは入沢康夫先生を囲んで県内の詩人6人で懇親会を開きました。以前も少人数でこういう会を開いたのですが、入沢先生はこの会をとても楽しみにしておられるようです。
参加者は田村のりこさん、光年の田中螢一さん、川辺真さん、渡辺兼直さん、洲浜昌三さんと入沢先生でした。先生の詩集にサインをしていただきました。兼直さんが安来節を歌い、洲浜さんが石見銀山巻き上げ節を歌いました。
またやりましょう、といって別れました。その夜は松江に泊まり、翌日は美術館で高句麗の壁画と浮世絵を見て帰りました。(実験中ブログ、いくぞ、えい!)