2/16 馬路小のみなさん、お疲れさま、練習報告です

 16日は馬路小学校の児童と保護者、琴ヶ浜盆踊り保存会の2人の指導者、それに風花の子供たち7人劇研空の数名が参加しステージを使って盆踊りを中心に練習しました。勝部さんも初参加でした。

 最初に盆踊りの場の意義を説明しました。琴ヶ浜の盆踊りは歴史と伝統がありとてもよく知られていて以前は臨時列車が出るほど多くの人が集まったこと、この場面は都から来たお琴さんが村人の中に入って楽しく暮らしている象徴的な場面だということ、楽しくみんなで踊ってほしい等々。

 踊りだけではないので途中から参加する者、上手や下手から出てくる者などを決め、はやし声は大きい声を出すようになど歌に合わせて6回くらい練習しました。同時に踊りの前の劇、踊りの後から劇へ続く場面の練習もしました。

 馬路小の皆さんにの場面は8時40分ごろに終了し、善作と子供たちの場面をすこしやりました。キヨさんがいなかったのでお種さんが代役を務めました。棒読み調が復活しているところもあり、大人を代役にしてもっともっと思い切った表現を身につける必要性を感じました。

 この日は7時から、と風花の保護者には言っていたのです。ぼくは台本を打ち込んでいて時間を忘れ保護者からTELLあり!7時と言われたのできていますが誰もいません。とんでいき7時15分ごろ着きましたが、誠に申し訳なく、やっさんにも怒られました。とうぜんです。新さんにもしっかり念を押されました。

 (馬路の風景です。いい風景ですね。なーんかのどかで、素朴で、古びて、明るくて、写し方もよくて)

 次は19日(土)の1時~4時です。3時過ぎから旅の僧がきます。邑南町へ指導へ行っての帰りです。僧がきたらすぐに3場をやります。ここも遅れているところです。僧はほぼ完成状態ですけど、お互いのからみはこれからです。高校生2人もはいりましたし。都合が悪い人もいるのでどれくらいできるかな。この日は子供はきません。

 20日(日)は9時30分からステージで大人場面をやります。子供は11時からきますので、それから子供場面を集中してやります。午後1時からはコーラス、演奏と合わせてやります。

 さきほどやっと詩を1編完成し送りました。〆切は10でした。長い時間がかかりました。これでやっと台本印刷とパンフレット原稿作成に集中できます。それだけじゃないぞチケット販売もある…さあれ、さあれ。

次は19日(土)の1時~4時です。3時過ぎから旅の僧がきます。邑南町へ指導へ行っての帰りです。僧がきたらすぐに3場をやります。ここも遅れているところです。僧はほぼ完成状態ですけど、お互いのからみはこれからです。高校生2人もはいりましたし。都合が悪い人もいるのでどれくらいできるかな。この日は子供はきません。

 20日(日)は9時30分からステージで大人場面をやります。子供は11時からきますので、それから子供場面を集中してやります。午後1時からはコーラス、演奏と合わせてやります。

 さきほどやっと詩を1編完成し送りました。〆切は10でした。長い時間がかかりました。これでやっと台本印刷とパンフレット原稿作成に集中できます。それだけじゃないぞチケット販売もある…さあれ、さあれ。

3/15 公演までの練習計画表と・『琴の鳴る浜』稽古報告です

 修正した3場の完成版台本12ページ分をメールで8人に送り、4人へ郵送し、8人分印刷して持参。発表までの練習計画表と出欠予定表を作り記入してもらいました。予定表を紹介しますが、変更や追加などもある場合もありますので心得ておいてください。不明な時は必ず問い合わせてください。

(なんで急に海が出るんやね。馬路の海です。きれいでしょう。波に圧倒されました。山育ちの小生には荒れた海はこわーい。13日に温泉津公民館で福波小学校が「経家最後の手紙」を上演し、大きな感動を観客に残しました。多くの人がナミダが出て仕方がなかったと言っておられました。脚本を担当した者としては保護者の皆々や先生、何よりも26人の児童たちに感謝のナミダです。来ていた修平さんと別れ、温泉津からの帰りに馬路の海へ寄り、撮影したナミです。ミナミナさま素敵なナミでしょう?)

 15日は2月11日からの雪や大嵐の延長で、奥部は相当雪が積もっていました。全員集合状態ではありませんでしたが、大きくなった正子さんと春さんが予定時間内にきてくれましたので3場の読み合わせをまずやりました。声が小さいのと気持ちが声に入らない所や上滑りなしゃべり方の所もあり、遠く離れた所に立ち、そこまで声が届くように声をだす訓練などを何度も繰り返してやりました。種さんや豊さんや旅の僧は代役でやりました。

 正子と春はセリフは少ないのですが、ここは緊迫した場面ですから、下手な表現や表情や間やしゃべり方があったら目立ちます。3場に出る人たち全員でこの二人の高校生をバックアップしてやってください。3場は全員が集まれる日を確認して特別に稽古をする必要があります。

 そのあとは今まであまりできなかった2場で秋さんが「われやちゃまげぇに歌うのぅ。」の場面をストップをかけながら5回やりました。

( 馬路町つくりセンターに貼ってあったポスターです。馬路では郵便局と農協の入口にも貼ってありました。温泉津や仁摩や大国や宅野では車で走っている限りどこにも見えません。その点では大田の町を車で走っていても一枚も目に飛び込んできません。150枚も印刷したそうですからどこかにあるのでしょうが、恐らくみんな室内に貼ってあるんでしょうね。町の中でどこか3,4ヶ所車からも見える所へ貼りたいものですが、いいところはありませんかね。昔と違って、町中にポスターを貼るいい場所が本当に少なくなりましたね。昔は電柱や壁にべたべた!今は禁止!逮捕!逮捕されないいい場所があったら教えてください。)

 16日はステージを使って練習します。馬路の小学生が9人、それに琴ヶ浜盆踊り保存会の皆さんもこられますので、その場面と前後のつなぎを中心に稽古をします。

 子供とお琴、善作の場面もステージではまだやっていませんから距離や位置感覚をつかむために練習したいと考えています。

2/26(土)松江の劇団Yプロ ジェームス三木作品を再演

 定評のあるプロの作家、ジェームス三木さんの作品で、笑いと涙の感動舞台『愛さずにはいられない』です。平成23年2月26日は県民会館中ホール、3月20日はメテオプラザホールで公演。スタッフや役者も多彩になり充実した劇を上演しているYプロの舞台をぜひ楽しんでください。

 Yプロはここ数年急速に役者やスタッフが充実してきています。前回の劇、坂井洋介作『ヘルメット・ダンディ』(平成22年3月)はこのブログでも紹介しましたが、とても楽しめる豊かな舞台でした。単に劇の上演だけではなく、団をどのように継続、経営していくかという点でも様々な試みや試行錯誤をしておられますし、公演のPRについても工夫がみられます。

 次はチラシの裏です。ちょっと読みにくいかもしれませんがYプロの意欲を感じます。劇の上演には費用がかかります。練習場確保も同様です。道具置き場など簡単に見つかりません。お客さんに来ていただくためには懸命なPRと働きかけが必要です。いい劇を上演することと同時に、劇団運営には、それを解決していく苦労や手腕も必要になります。大変ですがYぷろの皆さんは挑戦中です。

 このチラシは昨年12月末に送っていただきました。ところがブログで紹介しようと捜しても、見つからないのです。何度さがしたことでしょう。今日やっと偶然見つかりました。送ってもらったチラシに折り目が入っていたので椅子の下の絨毯の下に敷いて折り目を伸ばしていたのです。なつかしや!2ヶ月ぶりのさいかいです! やっとここに紹介します。  

 手紙にあった依頼のものは送りますよ。3と丸3つ分でお願いします(ひみつぶんしょう)

 

H23/3/6 きらめき弾30回公演「殺人事件の起きるまで」

 松江の演劇集団「きらめき弾」が3月6日、松江市市民活動センターで公演します。案内が演出の永江俊之さんからきましたので紹介します。もう30回になるのですね。旺盛な活動に頭が下がります。    

 観劇を希望される人は上のチラシを見て申し込んでください。 

3月6日は「琴の鳴る浜」の終日リハーサルに当たっていて、残念ながら観劇にいけません。案内お礼の返信に「琴の鳴る浜」のチラシを数枚同封して逆案内しておきました。長い間「きらめき弾」の劇は観ていませんので、次回にはぜひ観劇させていただきます。

 (「琴の鳴る浜」は3月13日(日)14:~15:30、大田市民会館です。前売り券が必要な方はメールか電話を下さればお送りするか当日受付で確保しておき、お渡しします。劇研空のメンバーもたくさん持っています。)

2/13(日)温泉津公民館祭りで福波小学校が劇を上演

 13日は温泉津公民館祭りです。9時過ぎから吉川経家について話があります。鳥取や岩国から経家の専門家がそれぞれ話しをされます。10時30分ごろから福波小学校全員26人による創作音楽劇「経家 最後の手紙ー不言城の子供たちへ-」が上演されます。

 温泉津公民館のホールです。一応照明器具なども設置されています。第2ボーダーもあり照明器具もあったそうですが、撤去されたそうです。ボーダーだけでも残しておけばいろいろ器具をつったり、スクリーンや展示のパネルなどをつることができるのにもったいない話しです。今の公民館長は河原先生です。久しぶりにお会いしました。10にはリハーサルが行われたので行きました。

 公民館のホールを紹介します。ちょっとした劇や朗読、演奏会などにはとてもよさそうなホールです。温泉津の町からかなり離れているのは残念ですが、温泉津は土地が狭いから仕方がないか。

 秋には25人でしたが転校生があったので26人になったそうです。みんなセリフを間違えることもとちることもなくしっかり覚えていて感心しました。演技などで新しくなっているところもありました。先生が、「子供たちが提案して変えたのですがいいですか」といわれました。「もちろんいいですよ。子供たちの考えをどんどん出させて変えてください。それがみんなで劇を創る面白さですから」とアイ セッド。

 朗読は声もよく聞こえました。1,2年生が一生懸命語るのは感動的でした。朗読には感情の表現はあまり必要ないけど、劇のセリフには喜怒哀楽の表現が伴っていないと、どんな気持ちでその言葉を言っているのかわからず、お客さんには何も伝わらない、という話をしました。その役の気持ちになることは劇には最低限必要な条件です。こんご練習するとすればこの点ですね。

 今日は雪交じりの嵐が吹きまくっています。三瓶のイベントも中止されたとか。あしたはどうでしょうか。少しでも穏やかな天気になってほしいものです。26人の皆さん、伸び伸びと楽しみながら演じてください。

2/10(木)「琴の鳴る浜」練習報告です

 当日いなかった人たちにお知らせする報告です。基本的に木曜日は子供とお琴さん、善作さんの場面を中心に稽古をつづけています。市民会館の第一会議室でセリフを徹底して繰りかえし身につけました。

(これはどこでしょう。そうです。無人駅の馬路駅です。琴が浜を見下ろせる高台にさびしく建っています。電車が来ましたが止まらずにさーと過ぎ去って行きました。)

 10日はハルさんとアヤさんが都合で欠席、ゆいさんは残業でしたので踊りの練習は次ぎにして、癖のあるセリフを徹底的に修正し、自然な表現を繰り返しました。山本善作さんも来ましたので一緒にやりました。

 子供たちのセリフはどうしても棒読みになりがちです。言葉や発声や呼吸法や表現法をあまり訓練していませんから意識的に表現するのは無理なところがあります。そして一人一人が言葉や声の大きさや口の開け方などに独特の個性(というより癖)を持っていますから、「新しいことを発見したうれしい気持ちになってこのセリフは喋って」と行ってもすぐにはできません。癖のない子は速くマスターしますが、独特の癖がある子はなかなかその癖という個性から出られません。じゃ、どうするか。ここが難しいところです。

 繰りかえし同じことを大声で言って自然に身体に覚えさせるーこれは一つの解決法です。この日はそうするために不自然なセリフを修正し、自然な言い回しを大きな声で5回その場で言わせました。ぼくは部屋の遠くへいて、「ここまで声が届くように大きな声で5回!はいどうぞ!」全部のセリフを読ませながら、おかしい所は5回言わせました。

 うれしかったり、発見をしたり、いいことを提案するときには、思わず言葉に勢いがあり早口になるのが人間の心理ですが、そうならずに平板な朗読口調になる場合が一番多い。セリフを言っている、という意識が抜けないのでしょうね。

 2場のお琴さんとの場面では何故か修正して5回言わせるセリフが1場よりも遙かに少なかったのは不思議な気がしました。劇のその場面が子供たちの気持ちに自然なのでしょうかね。無理に作らなくても自然な気持ちで言えるからでしょう。昨年の本番でもこの場面はとても自然でしたからね。

(平成22年の公演で馬路盆踊り保存会のみなさん4人に指導していただき本番にも参加していただきました。本番前の中ホールでお琴さん、3人の子供たちと一緒に記念写真をパチリンコン!2月16日の夜には市民会館の舞台で盆踊りの場面を中心に稽古をします。よろしくお願いいたします。…とかいてもこのなかでこれをよむひとはオンリワン!わかっています。)

次回は12日(土)19時からステージを使って練習します。大雪が降るとテレビは言っています。今日は大阪や東京で雪が降っているそうですが、この大田は曇ってはいますがやや温かく雪がふりそうなけはいはかんじられませんけどね。どうなるんでしょう。

2/8(火)「琴が鳴る浜」立ち稽古の報告です

 2月に入ってから晴れの日もあり、温かくなりました。奥部の道路の雪も消えて、昨夜は久しぶりにレイコさんの笑顔を見ることができました。風花の小島さんへお願いしていた高校生二人も初参加!楽しく勢いのある立ち稽古ができました。三場については連日頭を悩ましていましたが、やっと4ぺージ分を書き印刷して持参。説明して読み合わせをしました。次回までには最後まで印刷して持っていきます。

 (昨年の11月に写した馬路の琴ヶ浜の風景。このブログで大田の松井整司先生の新刊「鳴り砂放浪記」を紹介しましたが、琴ヶ浜のことや何故砂がなるのかという実証的な研究成果がかかれています)

 8日はお種さん、お豊さん、ハナさん、サトさん、尼僧、善作、正吉、秋、地頭、熊八、源五郎、それにニューフェイスのカンダさんコジマさんと多くの参加者がありましたので何となく華やかで充実した空気に溢れていました。一場、二場の立ち稽古を中心に練習しました。

(左は馬路の高山で499㍍あります。琴が浜から約3キロ離れたところにあります。車で登れますが途中から通行禁止になっているそうです。右の山は城上山。大森にある城上山はその昔はこの山頂にありました。1424に大内氏が大森の愛宕山へ移し、1577年に毛利氏が現在の場所へ移したそうです。大物主命(大国主命)を祭っています。「琴の鳴る浜」では歌にもでてきます。

むかしむかしのそのむかし                                              出雲の杵築 おおやしろ                                               大国主の命さま                                                     海から浜をはるかに眺め                                               うましところと のり給う                                                 うましうるわし 馬路の里                                                うましうるわし 馬路の浜

善作「お琴さん、こりゃ打歌山(たかやま)の神社のお守りじゃ。きっと守ってくださる。きっと守って…」

クライマックスの重要なセリフですが、「こりゃ城上山の神社のお守りじゃ~」に変更したほうがいいですね。たかやまの方が分かりやすいからと思ったのですが、伝統ある「きがみじんじゃ」を生かすことにしましょう。な、ヤマモト君。

次回は12日(土)19時から今年初めてですがステージで稽古をします。

今週はいろいろありまする。                                              9日は午後から温泉津公民館で福波小学校の劇「経家 最後の手紙ー不言城の子供たちへ-」の練習とリハ。夜は子供中心の稽古。                                              12日は四十九日の法要。夜はステージを使って稽古。                               13日は9時30分から温泉津で経家のシンポジュウ-ム、10時30分から福波小学校の劇上演。     15日(火)大人中心の劇稽古                                             16日(木)仁摩の盆踊りの人や子供たち9人が初めて参加してステージ練習。                17日(木)子供場面練習                                                18日(金)映画「靖国の檻」18時~あすてらす                                   19日(土)13時~19時ステージで稽古                                            20日(日)9時30~12時ステージで劇の稽古。13時~16時は合唱、演奏と劇の合同練習

台本も完全版にしてプリントせねばなりませぬ。20日までにはパンフレットの原稿を書かねばなりませぬ。詩の〆切も直前。チラシを郵送して劇へ来てもらう呼びかけもせねばだれもきてくれませぬ。

上記の稽古の日程については効率良くやるために事前に欠席者調査をし具体的に練習計画を組まねばなりません。どの日が都合が悪いかとか、何時からなら参加できるかとか、お知らせください。

なんかまたカンパ、かんぱ、寒波がくるそうですね。12日を狙ってくるそうです。たいへんです。れんしゅうもだけど、法要のため遠くから車で帰ってくる者が大雪にまた閉じ込められるかもしれませぬ。

春よこい 早くこい おうちの前の 桃の木も はよはる来いと 待っている

 むかししょうがっこういちねんのとききいたうた。

吉川経家と石見福光不言城の音楽劇のこと

 福波小学校が平成22年秋の発表会で創作音楽劇「経家 最後の手紙ー不言城の子供たちへ-」を発表し地域の人達に感動を与えたことは紹介しましたが、その後のことを紹介します。

 2月13日には温泉津公民館祭りで上演し、3月6日には鳥取の中ノ郷小学校、3月20日には福波小学校の閉校記念行事で上演する予定です。関心がある人はどうぞお越し下さい。

 次の小新聞は福波小学校が発表した後である保護者が作成されたものです。簡潔によくまとめられていますので紹介します。

 こういう小新聞を作ってくださる保護者がおられるとは最高です。普通はやりっ放しで終わるものです。このような新聞があれば記録として残り、それを見た人がまた刺激を受けて何かやろうとするでしょう。

 次の文章は「石見詩人」126号へ書いた随筆です。多少手を加えていますが、掲載してみます。石見詩人を読む人は残念ながら県内で40人くらいしかいませんが、全国の詩誌や詩の雑誌、詩人、県内の図書館、主要新聞社などに送っています。(同人になりませんか)少し長くなりますが、適当に適当な写真を入れたりして掲載します。

 「吉川広家の手紙、福光不言城の子供たちへの手紙は大田市の宝です」という鳥取の詩人の言葉が最後に出てきますが、それはぜひ記憶しておいてほしいものです。見える目を持っている人には見えないものが見えるのです。下の写真は経家と福光小次郎の墓がある墓地。大木はタブの木とか。地元の人たちが大切に守っておられます。この日は経家の430回忌記念法要の日でしたので、地元の人たちがテントを張り飲み物や食事などの接待をしておられました。左側の山は鳥取城がある山の裏側です。

            吉川経家と石見福光不言城の音楽劇   (「石見詩人」への随筆より)

 物不言城(ものいわずじよう)(今は不言城(ふげんじよう)という奇妙な言葉に本で出会ったのはずいぶん前のことだが、いつも気になっていた。何か面白い歴史があるにちがいないと思った。あるとき、古事記の神話に由来がある と石村勝郎さんが書いているのを読んで、ますます興味をそそられた。
                                                                  信長の命を受けて、秀吉が西日本へ攻めて来たとき、鳥取城を「喝え殺し作戦」で落としたことは知っていた。そのときの城主(城番)が吉川経家だと知ったのは後のことだった。経家が福光不言城の城主だったことも、その後になって知った。
                                                               7年前のある日、鳥取市歴史博物館が「天正九年鳥取城をめぐる戦い」という本を発行した記事を新聞で目にした。何かの役に立つだろうと考えて、その資料集を注文した。経家の手紙や遺書なども載っている貴重な本だった。

 昨年の五月、福波小学校のある保護者がぼくに会いたいというので、劇研「空」の会合へきてもらった。山本さんという若い夫妻が部屋に入ってこられた。「さとみさんじゃない!」奥さんは高校の時の演劇部員。昭和61年に書いた脚本「母のおくりもの」を倉敷市民会館で上演した時の主役である。
 「福波小学校が来春閉校になり、その記念に不言城の劇を全校で上演したいので、脚本を書いてほしい。」という依頼だった。地元に吉川経家の城跡があるのにほとんどの人が知らない。郷土のことを少しでも知ってもらいたい。教育的な効果も考え劇にして発表したいという。
 ぼくは不思議な感覚に襲われた。この日のために資料を集めさせられていたのではないか、という気がしたからだ。

(経家の墓地にある案内版です。このあたりは以前は田んぼでしたが、いまは住宅が建っています)
 

更に資料を集め、実地見学もして、「経家最後の手紙ー不言城の子どもたちへー」という三十ページ近い脚本を書いた。1年生を含め全校25人が楽しく参加できるように劇と群読と合唱から成る創作音楽朗読劇である。歌詞は二つ作り、作曲は仁摩の菅森容子さんと大田の長坂行博さんに頼んだ。

 経家は切腹の前日に七通の遺書を書いている。切腹直前には福光不言城にいる4人の子供たちへ書いている。子供が読めるようにひらがな書きである。鳥取城内には逃げ込んだ農民を含め四千人がいた。城山の周囲は三万の兵で取り囲まれ、城内ではあらゆる物を食べ尽くし、人肉も食べたと「信長公記」にある。経家は自分に責任があると切腹を秀吉に申し出て開城を求めた。

 9月23日に中四国詩人会大会が鳥取市で開かれ、いい機会だったので資料に出てくる地名や地理を確認した。風景が浮かばないとセリフも深まらない。井上嘉明さん、手皮小四郎さんなど現地の詩人にも詳しい話を聞くことができてうれしかった。9月23日に鳥取から不言城見学へ30人の人が来られた。24日の夜には温泉津で懇親会がありぼくも出席した。10月4日には大田からも30人近くの人が経家の430回忌記念法要が鳥取市の真教寺で行われ、参加した。

 大人が演じてもいいほどかなり高度な脚本だったが子供たちは先生や保護者の支援や指導を受け、セリフを短期間で覚え、立派に演じ、二百人の地域の人や保護者に大きな感動を与えた。小学生だから、という既成概念を持たなければ、子供たちは無限の力を発揮する。2月13日には温泉津公民館祭りで上演し、3月6日には鳥取の中ノ郷小学校で上演、3月20日には福波小学校の閉校記念行事でも上演するという。

 鳥取や岩国では吉川経家を知らない者はほとんどいない。経家は鳥取の恩人だと鳥取の人は言う。しかし大田では知る者はわずかである。脚本をお送りした鳥取の詩人、手皮小四郎さんは手紙の中で次のようなことを書いておられた。
 「脚本はすはまさんの誠実さが溢れたお仕事と拝察いました。(略)いつの間にか吉川経家は岩国中心になっているように映り、妙な感じでいました。その意味でもこのシナリオは意義深いものがあります。(略)学生時代経家の墓は田んぼの中にぽつんとありました。樹と墓は昔のままです。二基あり、一つは福光のものと記憶しています。(略)今後とも御地で経家を発信され広めてください。吉川広家の手紙、とりわけ子供たちへの手紙は御地の宝だと思います。」
 

不言城は家康が関ヶ原で勝ち天下を取ると廃城にした。人の手が加わっていないので発掘すれば貴重な山城として保存価値があるにちがいない。吉川関係の一族は全国に住んでいるので不言城へ来てみたいという人も多いにちがいない。今回は小学生用の脚本として書いたが、大人用に書いて上演したらさらに迫力がある。何よりも経家の心情は現代にも十分通じる普遍性を持っていることが強い。

 経家や不言城のことは思わぬ形で発展して行きそうな予感がする。  (以上です)

 温泉津公民館では昨年5月から今年の1月まで、温泉津いろは楽校公開講座「不言城と吉川氏に関わる歴史浪漫」を月1回の割合で開催してこられました。講師は石見銀山世界遺産センターの目次健一先生で、実地見学なども数回ありました。館長の今田善行先生をはじめ元大田高校教師の明楽文教先生など錚錚たる歴史の研究者がおられ、質問でも相当深いものが飛び出してきました。ぼくは3回しか参加できませんでしたが、それでも貴重な話を聞き資料をいただきました。

     (鳥取城址から鳥取市内を眺める。画面の右側を遠望すれば日本海が見える)

 この経家の講座と福波小学校の劇は元々関係ありませんが、まるで関係しているような結果になったのも不思議なことです。2月13日(日)の公民館祭りでは、9時30分から鳥取や岩国の専門家の話があり、10時30分から福波小学校の劇が上演されます。10日の14時から準備やリハがありますので手伝いに行こうと思いますが、このような形で公民館で一般の人たちを対象にして発表することになったのも不思議な気がします。

 この脚本が欲しい人があればお送りします。 自家印刷自家製本ですが読んでいただけるとうれしくおもいます。経家のPRになりますので。キボウサットウ!ということになれば製本だけでもたのまねばなりませんがありえないもうそうをいだくとしではありません。ちいさないんさつかいしゃをおこしたいのがむかしからのゆめですがもうあきらめています。

1/27,1/31,2/1 「琴の鳴る浜」練習報告です

遅くなりましたが、報告をします。連日寒い日でした。山間部は50㌢~1メートルくらい積もっているのではないでしょうか。27日は発声練習をして子供たちと善作さんの場面を台本を持って練習しました。ゆいさんがきてからは踊りの振り付けをしてもらいました。都合がわるくミヤさんは欠席でした。

1/31(月)は練習日ではありませんが、音楽の長坂先生と伊藤さん、事務局長、それにすはまくんで音楽と舞台進行とのすりあわせをしました。二場の終わりに新しく2分弱で演奏をいれることになりました。ここは時間の経過もありますので、それを表すこともありますが、たっぷり演奏を聞いてもらおうということです。長坂先生が新たに作曲されます。

 3場については最初の歌「うましところ」を「いろはにほへと」の曲でアカペラで歌う事になりました。仕事をしながら歌うという設定です。また人麿の歌は5,6人の子供たちが舞台の袖の中で歌う事にしました。歌の二番ではお琴さんの声も入ることにします。実際はどうなるか若干検討の余地もあります。

2/1(火)は3場と2場のを台本は持たずにやりました。地頭、琴さんは仕事で欠席、サトハナさんはインフルエンザ、豊さんは雪、種さんはカジなどのため代役でやりました。ラストシーンは若干セリフの追加変更を残していますがミカンさんがしっかりと気持ちを込めて表現し、緊迫感がでました。

次の日は舞台を使ってやる予定です。変更もあり得るのでいつも注意しておいてください。

12日19時~                                                         16日19時 仁摩から子供たちも来ますので盆踊り場面第一です                        19日13時~17時                                                    20日9時30分~16時

 どの場面を集中して練習するかについては詳細をその内プリントします。17日の夜のステージも使えるそうです。各人の都合によっては、特定場面の集中稽古も可能ですが、話しあって決めましょう。

 新年おめでとうございます。天気がよくて昨日までの天気が嘘みたいです。                                               今日は2月3日。夜は子供場面の稽古です。今日は旧正月です。

2/6大田で佐藤洋二郎さんの文章講座と講演

 大田市文化協会主催で佐藤洋二郎さんの文章講座と「沈黙する大田の神々」と題して講演があります。昨年はテノール歌手で大田市出身の田中公道さんを招いてワークショップを開いています。大田市文化協会が大田市から委託されて昨年から行っている文化事業です。興味のある人は参加してください。

 佐藤さんは今までの数回大田で講演をしておられます。一番最初は大田高校の文化祭での講演です。前の晩に歓迎会を仁万屋で開きました。しまね文芸フェスタの講演を大田で開いたときにも講演していただき前夜祭を仁万屋で開き同級生だった竹越市長にも出席していただきました。

 静間公民館での講演は神話についてでしたが、とても詳しいので驚きました。日本人のルーツを求めて全国の神社や離島をかなり訪ねたと言っておられました。それは「沈黙の神々」という本になって出版されています。大田の静間や五十猛に伝わる神話も出てきます。

 日大芸術学部の教授でもある佐藤さんには「実践小説の作法」という本もあります。これらの本は手軽に読めてとても参考になります。その他にたくさん小説があります。大田や温泉津を舞台にした小説もあり大田市にとって貴重な作家です。

 都合がつく人はぜひ参加してください。受講料は無料です。普通こういう講演や講座で無料ということは滅多にありません。ありがたいことに大田市が全面的にバックアップしているから可能なのです。あれこれといそがしいけどかかりもあるのでしゅっせきします。おおだでもしょうせつをかくひとがでてくればおもしろいですね。