2/12 ミュージカル『我が夢は波濤の彼方に』公演

2012年2月12日(日)浜田の石央文化ホールでミュージカル『我が夢は波濤の彼方に~八右衛門と三兵衛~』が上演されます。昼は13時から、夜は18時30分からです。この劇は数年前に初演されました。とてもいい舞台でした。届いたチラシを見る限り今回はさらにキャストやスタッフが豊富で重厚な舞台になりそうです。脚本は前回と同じ浜田出身のプロ・木島恭さん、原案・演出は岩町功先生。120人以上が参加する住民参加型のミュージカルです。地域でもこれだけのレベルの高い舞台ができるのか、と感動されるでしょう。どうぞ足を運んでください。

初演の時には依頼されて観劇記を山陰中央新報へ書きました。それはこのブログのどこかへあるはずです。(クリックすればすぐ読めるようにせよ!と言われてもどうすりゃいいのかわかりませぬドシロウト)

初演では舞台へ大きな船が登場しました。数年後に青森八戸市で高校演劇の全国大会があったとき中国地区から講師審査員として参加しましたが、プロの内山勉先生と話したとき(先生は広島出身)「浜田のミュージカルの舞台プランを頼まれて大きな船を造った」と言われて感動しました。思わぬ所で思わぬことがあるものです。内山先生は毎年年賀状に自分が作った舞台の写真を載せられますが、それがいつも実に素敵です。今回船が出るかどうか知りませんが、出たらあのざっくばらんな内山勉先生を思い出すことでしょう。「劇研空の装置プランをつくってもらえますか」といったら、いいですよ、とのこと。恐れ多くて頼んでいませんが、装置が素晴らしかったら劇の奥行きが出て多様な表現が可能になります。

2月5日にはYプロの『ケータイ・クローン』が雲南のチエリヴァシアターで14時から上演されます。まだチラシはありませんが19日には川本で演劇があります。わが劇研空の吉川礼子さんや前田美佳さん堤さんも出ます。これはどうしても行かないといけなせぬ。そのうちチラシが来たらここへ書きます。

以上、問い合わせの電話がありましたので紹介しました。

 

 

 

 

大田ミュージカルスクール参加者募集

「歌って踊って、舞台に立ってみたい方、プロが振り付け、演技指導を行います」と書いたチラシが大田市民会館の入口にありましたので紹介します。対象は小学校3~6年・中学生・高校生です。〆切は平成24年1月20日です。

子どもの精神的な成長にも大いに役立つこと間違いなしです。どうぞ参加して貴重な体験をしてみてください。指導者は「風花」を長い間指導しておられる三浦克也さんです。

H24 新年おめでとうございます

新たな年が扉を開きました。平成24年です。今年もよろしくお願いいたします。

(おだやかな正月です。大田のシンボル三瓶山です。シンガポールから大田へ来た少年が三瓶山を眺めています。初めて雪を見た時には大喜びしました。シンガポールでは雪とはどんなものか想像もできません。おとぎ話の世界です。みやげに友達へ持って帰りたいといっていました。三瓶山には今はもう少し積もっています)

昨年は3月13日の創作音楽劇『琴の鳴る浜』の再演(大田市民会館)と朗読用に手直しした音楽と朗読による『琴の鳴る浜』(旧馬路小学校体育館)が大きな公演でした。福波小学校全児童による『経家最後の手紙~石見福光不言城の子供たちへ~』の脚本書きと子供たちの4回の公演も貴重な取り組みでした。その様子は会報14号に掲載しています。希望者には送りますが、まだ送るべき人に数人送っていません。そのうち送ります。まず表紙だけでもどうぞ。

今年度の活動ですが、年末に浜田の石央ホールから10月に演劇フェスティヴァルをやりたいので出演して欲しいという依頼がきました。3月中に報告しなければいけません。昨年当初から定例会合で(中止もありますが修平さんと開いています)「経家最後の手紙」の「空ヴァージョン」をつくりたいという話しはでています。いいアイデアがあれば教えてください。

では今年もよろしくお願いします。

 

 

 

「風花」公演「学校ネズミのコンサート」

2011年12月4日、大田市民会館中ホールで大田市のジュニアミュージカル「風花」の「学校ネズミのコンサート」が上演され、成功裏に終わりました。原作は岡田淳・作「放課後の時間割」脚本・作詞は佐藤万里、作曲は川崎絵都夫、演出振付、三浦克也。15年前に第6回島根音楽祭大田公演として、キャスト、スタッフを公募して大々的に上演され好評を博しました。それをきっかけに風花は誕生しましたが、今回はその短縮版です。12名の子供たちと10人の大人が出演しましたが、伸び伸びと演じ楽しい公演となりました。

市民会館の大ホールは耐震工事で使用できないため中ホールで2回公演されました。ここには舞台も照明設備もありませんので、スタッフが総て準備しました。上と下にタワーが持ち込まれて照明器具が釣り込まれました。大変だったことでしょう。舞台は狭くなりましたが仕方がありません。120席くらいが精一杯ですが、2回公演で240人と新聞にはでていました。

 12人の風花の子供たちは舞台になれていて怖じけることなく楽しそうに歌い踊っていました。10人の大人もほとんどが舞台経験のある人たちばかりで堂々と演じていました。楽しそうに伸び伸びと演じている姿がとてもさわやかでした。舞台は狭いのですが演出はプロの三浦さん。さすがにうまく出入りや立ち位置や動きを処理しておられました。風花の保護者や15年前に出演した人も出ておられました。劇研空の田中さん、石橋君も楽しそうに歌い踊っていました。

帰りに出口で見送りをしていたイシバシネズミをパチリ!と写しました。風花の会長、神田真弓さんは、「風花15周年を記念し、お世話になった大田市への恩返しとして、’大田文化への更なる夢’を追い求め、この公演を企画しました」とパンフレットに書いておられました。芸術文化歴史が豊かな街では人も豊かに育ちます。風花が14年も続いているのは子供たちを豊かに育てたいという保護者の皆さんの熱意があったからです。

市民会館の耐震工事に当たっては数回の説明会があり、たくさん要望もだしました。その一つが「中ホールの充実」です。中ホールに移動式舞台を設置し、天井を高くしてシーリングバーやホリゾントを設置したら、色々な団体が気軽に使用できます。発表活動も活発になることでしょう。来年3月で中ホールも使用できなくなります。2年後には蘇った使い勝手のいい中ホールと体面したいものです。

12月7日の山陰中央新報に公演の様子が出ていましたので紹介させていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

三刀屋高演劇部最優秀全国大会へ!

速報!平成23年度の高校演劇中国大会は11月26,27日に尾道で開催されました。残念ながら用事があって観にいけませんでしたが、さきほどブンメイ先生から電話があり、三刀屋高校の『ヤマタノオロチ外伝』(亀尾佳宏作)が最優秀賞になったそうです。

みなさん、おつかれさまでした。おめでとうございます!!

 (写真は島根県大会で上演された時の三刀屋高校の舞台です。抽象舞台ですがそれぞれの装置が照明や音響効果により劇の場面場面で象徴的に鋭く生きてきました。観客の想像力をうまく搔き立て単調になりかねない劇に深みや広がりをつくりだしていました。)

もう一つ速報!

審査の結果第2位に相当する賞は安来高校の『修学旅行』(畑澤聖悟作)に決定したそうです。来春に仙台で行われる春の全国大会に出場するそうです。おめでとうございます。キンチャン先生、おつかれさまでした。ヒロミセンセイ、仙台行きをよろしく!

三刀屋高校の劇は県大会の講評でもいいましたが舞台作りのうまさは圧倒的でした。また安来高校も役者がとてもうまく演じていて楽しく観ました。島根が1,2とはすごいですね。

部員のみなさん、カメオさん、イシズさん、イトウさん、おつかれさまでした。そのうち詳しい様子を紹介します。

 

 

12/8 ジュニアミュージカル「風花」公演

大田のジュニアミュージカル「風花」が平成23年12月4日(日)大田市民会館中ホールで『学校ネズミのコンサート』を上演します。「風花」は15年前に発足した子供ミュージカル劇団です。毎週青少年ホームで練習してきました。困難な中で保護者の熱意が活動を支えています。子供さんと一緒に観劇に出かけてください。同年代の児童が舞台で堂々と演じるのを見て、きっと感動しますよ。いい教育の場にもなることでしょう。

 この3月に再演した『琴の鳴る浜』に出演してくれた子供たちや石橋君、田中さんも出す。この劇は15年前に三浦克也さんの演出で公演しています。大田市も全面的にバックアップしてキャスト・スタッフは公募して大がかりな舞台でした。今回はその短縮版です。

子供たちはがんばって練習してきました。楽しみにしています。劇研空も応援しています!

舟入 沼田 誠之館中国大会へ(1)

2011年11月13、14日、51回広島県高校演劇大会が東区民センターで開かれました。2日間で13校が多彩な劇を上演しました。審査の結果、金賞は広島市立舟入高校(県知事賞)、広島市立沼田高校(県教委賞)、県立福山誠之館高校(中国放送賞)が選ばれました。今年は尾道市で11月26、27日に中国大会が開催されます。

 (閉会式で広島県高校演劇協議会会長、塚本修一舟入高等学校長から賞状授与)

3校の劇を舞台風景写真で紹介し簡単に感想を記してみます。残りの10校はそのうちゆっくりしてから紹介します。

市立舟入高校『麦っ子ゲン』中沢啓治作 須崎幸彦脚色

 装置がとても良く工夫されていていろいろな場面に使われました。ゲンが原爆ドームのてっぺんへ登って、「おーい、スズメの卵をとったぞ!」という場面では装置が原爆ドームの頂上にもなり劇を拡げ豊かにしました。その場面になると装置が劇の中で生きてきました。

中沢啓治が漫画を書く場所もよく考えられていて、平台で少し高くして劇全体を見通せる位置に設定し、複雑で濃密なこの劇を貫く視点の役割も果たしていたと思います。劇作りのセンスを感じました。

登場人物は30人、2役3役もありましたがうまくこなしていました。場面もたくさんありますが、それがバラバラにならずしっかりとまとまり統一感があったのは美事でした。(昨年の劇も大変迫力がありましたが統一感に欠けたうらみがありました)

濃密な長いセリフもたくさんあり言葉だけが先行する劇になりがちですが、劇中の動きと言葉が分離せず同時に進行するように創られていました。ややもすると言葉だけの説明が多くなり観客は疲れてくるものですが、そういうことがなく最後まで舞台に観客を引きつける力を持っていました。啓治役、父役など男性がとてもいい味を出していました。今までの舟入とはちょっとカラーが異なる地についた迫力のある劇でした。

市立沼田高校『青い月』黒瀬貴之作

 歌ではじまる楽しいオープニング。軽い身のこなしや自然な笑顔で観客をいっきに舞台へ引きつけました。今までにないメルヘン調の劇でクロセ先生の新しい挑戦を感じました。戦争で広島から疎開してきた2人の少女の話ですが、1人は病気がちで広島へ帰ったために原爆に遭います。悲惨な現実です。それをメルヘンとして受け継いでいくというテーマが最後のシーンで浮かび上がってきました。装置は大小様々な箱だけの抽象舞台でしたが、メルヘン調の劇の時には抵抗はありませんでしたが、原爆など戦争の悲惨な現実を演じる場面ではちょっと違和感がありました。疎開した田舎の装置を作るのは大変でしょうが、一工夫ほしいところでした。舞台が抽象装置で小道具など具体物がないので、ことばが先行してしまう印象が残りました。難しいところです。

福山誠之館高校『昭和みつぱん伝~浅草・橋場二丁目物語~』タカハシ ナオコ作

 登場人物は女性2人だけ。2人だけで観客を最後まで引きつけるのはとても難しいけど脚本が良くできています。前半では途中ではちょっと退屈しましたが、後半になってテーマが立ち上がってきて2人の女性の考えが衝突するあたりから引き締まってきました。

場面は戦前の東京の上流家庭。巴さんはこの家のお嬢さん。勝子さんは使用人。2人は仲がいいのですが、考えは真反対。巴は兄が歌舞伎役者になろうとしているのが許せない。軍人の家だから軍人らしく生きてほしい。戦争に招集されたことを誇りに思っている。勝子はその巴の兄に歌舞伎や落語へ連れていってもらう。戦争が激しくなり、巴の兄は戦死。見合いの相手も学徒動員で戦地へ。東京大空襲。一家は広島へ疎開。原爆投下。歴史に翻弄される人たちの悲劇がつづく。

巴と勝子は友達だけど身分は天と地。そういう関係がもっと出ていたら前半の様々な遊びの場面にも奥行きがでたでしょう。現代の女性の友達という感じでは浅い劇になるし、この劇の面白さがでてこない。装置は大きな部屋を丁寧に作っていました。大変だったろうと思います。

以上3校だけを紹介しましたが、代表にはなれなかったけど素晴らしい劇がありました。福山市立福山中・高等学校の『Piggys Bank』(新宮正一作)や美鈴が丘高校の『青空』(片山稔彦作)尾道学園の『スイッチ』など見応えがありました。そのうち紹介します。

帰りに高速道路を間違えて入り仕方がないので尾道まで行って三次から帰ってきました。4時間以上かかりました。たまには違った風景を見ながら運転しようと考えて、三次から作木を通って江川沿いに狭い道を通りました。いろいろな橋があってすてきでした。何枚か写した橋の一つをどうぞ。紅葉が進むとさらに美事な風景が見られることでしょう。

H23 高校演劇広島県大会上演校

2011年11月13日、14日、東区民センターで第51回広島県高等学校総合演劇大会が開かれます。地区代表の13校が上演します。ヴァラエティに富んだ劇がみられます。時間や上演校、演目を紹介します。無料です。どうぞおいでください。

 これからでかけます。南区西荒神町アークホテル広島。車でいきます。多分迷うことでしょう。広島は何度行っても迷います。市内に入ったら東西南北が不明になります。なんでだろう。今夜は打合会があります。

三刀屋、安来高校に最優秀賞

2011年10月29,30日の2日間、島根県民会館中ホールで第35回島根県高等学校演劇発表大会が開かれました。島根県代表校は三刀屋高校、安来高校に決まり、11月25~27日に尾道市のしまなみ交流館で開かれる49回中国地区高校演劇大会に出場します。舞台風景と7校の劇を簡単に紹介します。

 松江工業高校『正義の味方の作り方』                    八城 悠・作 舞台装置のバランスもよくできていて、男子中心の元気のある劇でした。シャワーのように言葉をしゃべるのですが、発声もよくて言葉もよく分かりました。藤原ケンヤ君は4役以上の大活躍で動作の切れも良く大奮闘でした。映像を使って舞台での表現を拡げる工夫などもよかった。問題は前半でストリーの展開が平板で発展して行かないことや、おもしろいけど底が浅くて物足りないということです。ネット脚本特有の長所と端所とでもいうのでしょうか。10人の部員が精一杯演じていたのは好感が持てました。

 三刀屋高校『ヤマタノオロチ外伝』亀尾佳宏・作               幕開きから観客を引きつけて離さない舞台作りのうまさには感心しました。じつに美事でした。照明、音響、装置、暗転処理、群衆の扱いなど感心しました。そういう点では群を抜いているといえるでしょう。神話に独特の解釈を加えて創作したものですが、オト、オロ、ヤマタをどういう人物として描くか。神話というよく知られた話しだけに、物語りとしての説得力とともに、如何に生きた人物を舞台で創造するか。注文したいところもありますが、作者はいろいろ考えってさらに深みのあるストリーや人物を創り出してくれることでしょう。高校演劇でありながら狭い世界にとどまるのではなく、地域の人達も興味を持ち、普遍的な広がりを持っている劇に仕上がっていることはすばらしいことだと思いました。

 松江商業高校『アネモネ』小笠原 梢                   女性だけの劇ですが皆さん達者な演技で楽しませてくれました。この劇も前半30分近く元気のいい女子三人組のドタバタがつづき、テーマが立ち上がってきません。主題が見えて来ない状態が長く続くと、疲れてきて意識が舞台から離れていきます。佐藤ほのかという女性をもっと早く出して、劇のバックボーン少しでも見せてほしかった。後半は松商の得意な心理劇がよく演じられていました。にぎやかな三人組の女性の扱いはもっと考える必要がありそうです。お客さんにおもしろく見せるのはいいとしても場面は病室です。それなりの配慮がみえないとリアリティが失われます。

松江農林高校『見栄っ張り家族』高場光春・作                写真がないのでパンフレットから紹介します。とても楽しく見ることができました。皆さん良く役を演じていたと思います。最後の最後まで笑わせるとてもおもしろい劇でした。舞台装置もとても良くできていて、色調も申し分なく、また部屋の出入り口を3カ所つくっていましたので、劇が自然に進みました。審査会では全員一致して舞台美術賞をおくることに決まりました。2校しか代表になれないので残念ながら最優秀にはなれませんでしたが、なってもおかしくないい舞台でした。ラストをもう少し工夫したら味が深まったでしょう。

大社高校『生徒総会』畑澤聖悟・作                     一年生が6人、2年生が3人で演じました。初めての人も多かったのですが、無理のない自然な演技で発声もよかった。この劇はやりやすようで、いざやってみると難しい劇ではないかと思います。会話だけで進み、生徒総会前日のリハーサルというあまりおもしろくない(そんなことをする学校があるのかな)場面が劇の場です。制服廃止を提案する潤一郎が劇を引っ張っていくのですが、現在、制服廃止という問題にどれだけ緊迫感があるか、という問題もあります。舞台を左右だけの動きで使うというのも劇を単調にしました。でも一年生中心によくがんばっていました。

 出雲高校『セ・ラ・ヴィ~C’est la vie~』伊藤靖之・作            「難解な現代詩を舞台化したようだ」と幕間や講評でもいいましたが、高度な抽象劇です。美術部員がたくさんの箱を使って何かを表現して行くのですが、積み上げると魔法使いに壊されてしまします。「セラヴィ セラヴィ」です。パンドラの箱も出てきます。開けていくと最後の箱から「希望」がでてきます。箱の崩壊あたりから、東北大震災を意識した劇ではないかと思い始めます。作者は非常に抽象的な舞台で東北震災へのエールを送ったのです。大震災の衝撃を受け、表現者は苦悩しています。劇で何ができるか。詩で何ができるか。出雲高校はこの舞台でしれに応えたのです。とても貴重なことだとおもいます。ヤヨイさんの言葉は歯切れがよくて印象にのこりました。

 安来高校『修学旅行』畑澤聖悟・作                    青森県八戸市の全国大会でトップに選ばれた名作です。ぼくもその席にいたのですが、見終わって控え室へ帰ると、鴻上さんはじめどの審査委員も、これが最優秀だな、という雰囲気でした。名作に取り組むと、いい劇ができる保証はありません。逆にボロが目立つものです。今回の安来の劇は、それぞれの生徒の個性をうまく出して演じていました。それぞれ達者な生徒さんたちで伸び伸びと演じていました。生徒会長のノミヤさんが劇を引っ張っていった感があります。優等生で意志が強い見栄っ張りな生徒を美事に演じて印象に残りました。班長のヒカルさんもがんばっていましたが、対立の中で調整しようとする班長の悩みをもっと出せたら、切れて枕投げが始まる場面がもっと生きてきたでしょう。

ラストで国の名前を挙げるゲームをしますが、今、「カンボジア」や「アフガニスタン」といっても、深い意味を持たないでしょう。時が過ぎればイラクもパキスタンも紛争の国というイメージは無くなります。この劇では大切なキーワードです。どうするか。工夫してほしいところです。

以上走り書き感想でした。劇研空は高校演劇を応援するという目標をもっています。今回石見地区代表がゼロだったのは残念無念ですが、どうしようもありませぬ。大田高校演劇部が無いのも残念です。このブログは大田高校演劇部を応援するために修平さんが立ち上げたものです。フレーフレーおおだ!

明日は大田高校90周年記念行事があります。案内が来ましたので出席します。体育館がどうなっているか楽しみです。

今回の劇、7校ともに一定レベル以上のいい劇でした。皆さん、おつかれさまでした。三刀屋、安来のみなさんさらに工夫して尾道ではいい舞台を見せてください。

 

大田市文化協会『きれんげ』出版

大田市文化協会は『きれんげ』を年3回発行しています。各号は8ページの会報ですが大田市の文化や歴史、文化グループ、人物、俳句、短歌、川柳、詩などを取り上げて格調のある冊子をつくり高い評価を得てきました。1号から50号はすでに合本になって発行され、今回2011年9月、51号~100号の合本が発行されました。大田の文化や歴史を知る上で欠かせない資料です。簡単に紹介しましょう。

 『きれんげ』は7名の編集委員で作成しています。高いレベルの会報をつくることを目指してきました。ある県内の文化人は、「県内で最もレベルが高い会報の一つだと思う。優れた書き手が多いのも特徴だ。」と言っていました。それぞれ立派な人たちで編集委員の見識が紙面に反映されています。

 連載ものが数本あるのも特徴です。大田に来た文化人が大田について書き残した文献を丹念に調べて連載された西村 恿先生の「大田市文学散歩」は貴重な記述です。芥川龍之介、大町桂月、斎藤茂吉、徳富蘆花、岩谷小波、松本清張、岡本かの子、森鴎外と中島範造、中村健吉、駒田信二、杉本苑子、小野十三郎、山口誓子などなど35人にもなります。「本にしてください」と数回言ったことがありますが、残念ながら昨年他界されました。派手なことが嫌いな地味で実直、責任感の強い先生でした。惜しい人を亡くしました。尊敬していた先生でした。

 石見銀山資料館館長、仲野義文さんの「石見銀山あれこれ」は38回つづきましたが、貴重な資料や文献を駆使して書かれたものです。今は藤原雄高さんが引き継いで執筆されています。

「清流」というコラムは菅原龍憲さんが担当され鋭い筆先には定評があります。400字くらいの短文ですが、全国紙にも負けないレベルです。菅原さんはこの欄の文章をまとめて『世をいとうしるし』という本にして京都の本願寺出版社から発行しておられます。300円という手頃な値段です。

 

大田市で活躍している文化人などを取り上げて1ページで紹介している欄も貴重です。

最近では詩を載せる雑誌や会報などは見あたりませんが、編集長の大場 格先生の見識で洲浜昌三さんの詩を73号から連載しています。意外と好評で、感動しました等という声を聞くことがあります。(・・・・・)

 この本は限定出版です。早い者勝ちです。2000円で販売しています。文化協会でも取り扱っていますが、すはまくんも数部抱えて苦闘しています。欲しい人には定価でお送りします。資料として今後生きてくるでしょう。