H26,3/16 川本で「地芝居」公演

2014年3月16日(日)川本町の悠邑ふるさと会館で今年も地芝居が上演されます。邑智郡にある劇団、「吾郷青吾会」、「はすみおとめ座」、「星が丘一座」、「劇団かわもと塾」が芝居を上演。山ゆりの会、友美会のみなさんが舞踊を披露されます。それぞれ実力のある劇団です。PRをかねてチラシを紹介します。
DSC05515劇団かわもと塾は「天領かわもと父娘慕情」。14時ごろからの上演です。堤さんの創作劇。どんな芝居か楽しみにしています。

昨年は前日の夜から雪が降ってかなり積もりました。ことしはその気配はありません。お出かけ日和です。さあ、16日は川本へどうぞ。昼食時には各種の店が出て、おいしい食べ物を用意して待っておられます。

3/15,16 雲南で歌劇「ふることふみ」上演

2014年3月15と16日、雲南市のチェリヴァホールで歌劇「ふることふみ」が上演されます。「歌劇で古事記上巻前編を演じる」とチラシにあります。意欲的なチャレンジですね。どんな舞台になるかわくわくします。
DSC05516大和編は大和郡山市の市民劇団「古事語り部座」のプロデューサーでもある松村 武さんが脚本と演出をてがけ、出雲編はわれらが亀尾佳宏さんが脚本、演出を担当。総勢100名が演じる大舞台です。
DSC05517主催は「雲南市演劇によるまちつくりプロジェクト実行委員会」。雲南(チュウゴクへイカナイヨウニ、シマネのウンナンデスヨ)も文化活動でがんばっていますね。

10日の山陰中央新報文化欄にわが大田の山尾一郎さんが、歌劇「ふることぶみ(古事記、意義深い神話の再現、出雲人と大和人 手携え」というタイトルで寄稿しておられます。ここにある程度テーマも書かれていますが、舞台を通してどのように伝わってくるか。たくさん出てくる神々やエピソードをどのように整理し舞台化し見せるか。台本や演出も楽しみです。

木次は遠いけど、劇研空も何人かで観劇に出かけます。スハマクンはその日8時から17時まで三瓶青少年交流センターで中国人研修生に日本語を教えるという身の程知らぬ大役を仰せつかっていますが、終わると三瓶から飛んで雲南へ行く予定です。

H26,3/9 浜田で「石見演劇フェスタ」

2014年3月9日(日)浜田市の石央文化ホールで第2回「石見演劇フェスティバル」が開催されます。「石央地芝居大会」として4年間つづき、昨年から石見演劇フェスティバルと名前を変えて開催されています。

DSC05460昨年につづき、ポスターとチラシの写真は森鴎外!島村抱月!(へへえ!思わず頭が下がりそうです)二人とも石見出身の大家です。鴎外は小説家としては有名ですが、演劇にも大きな功績を残しています。抱月は浜田の出身、日本の新劇の父ともいわれています。

当日の出演団体と演目は次のとおりです。

DSC05459 劇研「空」は13時35分からとなっています。前回は創作劇「石見銀山旅日記」を上演しましたが、今回はは創作朗読劇「海を越えサヒメの山へ」です。石見に伝わる伝承を基に、朗読劇に創作しました。単なる朗読ではなく、次のような特徴があります。

1.7人のキャストが劇形式で役を朗読する。
2.ホリゾント幕へ約20コマの絵を投影する。
3.音響や音楽も挿入して効果的をだす。

2月2日に大田市民会館中ホールでも上演しましたが、台本も更に修正し、音響も工夫、絵もお願いして追加しました。劇にするとたくさん時間や手間や金やかかりますが、この表現スタイルは台本さえあればかなりスムーズに上演まで進みますし、上演場所もどこでも可能です。大田市民会館で見られた人から、学校や幼稚園でやったらいいですね、といわれましたが、それも可能です。朗読者も代役をすれば人数も増減自在です。

今後この形式で郷土の民話や面白い話しを創作してみたいと思っています。そういう意味で今回は劇ではありませんが、見に来られた人の表現活動の参考になれば、と思っています。(ナントナク、ゲキガデキナイ、イイワケニ、キコエマスゾ。)そうですね。

前売り券は千円。どうぞ、どうぞ、いくらでもあります。

 

大田の貴重な「聞き書き集」3冊刊行

2014年1月、「三瓶山とともに」という本が刊行されました。三瓶山国立公園指定50周年記念実行委員会からNPO法人「緑と水の連絡会議」が委託を受けて発行したものです。和田孝夫さんの表紙も素敵で、思わず手にとってみたくなります。
DSC05383 DSC05393時代の変化は激しく70年、80年前のことでも、ある意味では別世界です。この本にもでてきますが、三瓶山はてっぺんまで草原だった、といっても実際に知っている人は少数です。あと20年たてば誰も知っている人はいなくなります。

その時代その時代の記録を残していくことは貴重です。忘れられ、歪められた過去の中に真実があり、人間の知恵や創意工夫によって蘇らすことができるヒントがそこには常にあるからです。
三瓶山1 三瓶山2松岡元気さんが書かれた「コラム」という蘭もあり、三瓶山の歴史や社会状況などを具体的に記録としてまとめておられるのも役に立ちます。

牛の放牧の年度ごとの統計などもあると最高ですが、それは求めすぎですね。聞き書きには聞き書きの長所があります。

ぼくは40年ぐらい前に行恒の自治会館で農事試験場の高橋博士の話を聞きました。「三瓶山と牛の放牧と土壌」の関係です。とても感銘を受け、詩にも書きました。そのときには放牧はされていませんでしたが、その後、今回の編集長でもある高橋泰子さんたちが意欲的に草原を取り戻す活動を開始されました。

NPO法人「緑と水の連絡会議」はとても貴重な活動をしておられるといつも思っています。行政が手を出せないところ、現場では手が届かないところ。接着剤と活性剤になってその盲点を何倍にも生かしておられます。

さて、この本以前に2冊の聞き書き集が出版されています。何か調べるときに役にたつと思いますので紹介しましょう。

この中には我が劇研空の領太君が聞き書きをしています。とても自然な大田弁にまとめています。大田弁の特徴を知るのにもとても役にたちます。今市内にある吉川食堂が明治20年以前頃には、城山から刺鹿へ抜ける街道の小高いところ(二割れ)にあった茶屋だったという。95歳の吉川ヒナ子さんの話しなどとても勉強になります。その道は昔の山陰道ですから、そこに茶屋があったのも頷けます。

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次は石見銀山についての聞き書きです。資料としても記録としてもとても充実しています。大森を愛し、大森のために尽力して来られた錚錚たる人たちの話しをまとめたものですから重みがあります。写真もたくさん載っています。
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石見銀山目次
大森座の写真も出てきます。当時はどこの村でもちょっとした芝居小屋(劇場)があり、村芝居、巡業芝居、映画上映、地域の演劇上演などなど文化の中心でもありました。有馬光栄堂には当時上演した芝居の台本が保存されているとか。いつか見せていただきたいものです。

昭和60年に発行された「久利風土記」には、この大森座が昭和4年頃に久利町へ移転建築されて共栄座となり、昭和30年ころ三瓶グリーンランドへ売却されて移築されたと書かれています。久利の共栄座を知っている人がどのくらいいるでしょうか。グリーンランドには何回も行っていますが、元は大森座だったとは!この歴史をきちんと書こうと思っても書ける人はもういないでしょうね。しかし書き残す価値は十分あります。

先日の日経新聞(2/5)には、中村ブレイスの社長さんが、大正時代の建物を改修して、コンサート、神楽、写真展、絵画展などができるオペラハウスをつくりたい、という記事がでていました。社長さんはきっと大森座で芝居を見られた経験があるのでしょう。ドイツなどで町が果たしている役割をよく見てこられたからでもあるでしょう。

大森では、20~30代を中心に他地域からの移住者が現在70人にも達し、旧大森町のうち2割近くを占める、とその新聞にでています。老朽化し空き屋となった古民家など40軒強を買い取り改修してきた、とも書かれています。大森のために献身される中村さんに、いつも感動します。そういう人がいると過疎の町に住んでいても、夢が広がって

参考までにもう一冊の貴重な本を紹介しましょう。大田市出身の有名な人物を取り上げて読み物としても楽しめるように紹介しています。
https://stagebox.sakura.ne.jp/wp/apoetinohda/2012/02/20/活躍した郷土の人々『大田市人物伝』紹介/

 

おつかれさまでした、山城賢治さん

2014,2,14、パソコンを開けてチェックしていると、迷惑メールの中に、「山城さん」というタイトルで、知らない人からメールが入っていました。

福島県の南相馬でビーニールハウスの中のテントが雪でつぶれ死亡されました、とい内容でした。すぐに賢治さんと結びつかず、イタズラかと思っていました。

IMG_7079次の日から、以前このブログで山城賢治さんのことを書いた箇所を読む人のグラフが急に増え、「山城賢治」で検索する人が急増しました。やっぱり・・・残念、無念、亡くなっておられたのです。その未知のお方は山城さんと知り合いで、わざわざ知らせてくださったのでした。ありがとうございました。

「山城さん、この寒さの中どこを歩いておられますか」というタイトルで2011年1月に書いたものです。https://stagebox.sakura.ne.jp/wp/?p=705

2月3日付けの読売新聞は概略次のように報じています。「福島県南相馬市原町区で10日雪の重みで崩れたビニールハウス内で死亡していた男性は島根県大田市、無職山城賢治(65)で胸部圧迫による窒息死亡だったことが12日、南相馬署の調べでわかった」

山城さんは大田高校演劇部にもおられ、東京でも熱心に演劇活動をされて役者としても演出家としても実績を重ねておられました。インドへ3年行かれてヨガも習得、日本へ帰ってからは北陸を通ってリヤカーを引いて大田へ帰ってこられました。大田市文化協会の主催で「鶴」を劇研空も加わって上演したとき、勝部義夫さんと一緒に演出をされました。劇研空も数回演技指導をのワークショップをお願いしました。

そして2010年の11月ごろ、またリヤカーを引いて山口、九州方面へ行かれたのでした。
その時は友人の子どもが苦しんでいた「再発性多発性軟骨炎」の難病の50万署名を訴えながらの旅でした。

まさか福島におられるとは思いもしませんでした。福島では荒れた土地をボランティアの人たちと一緒に耕して花を植えたり、ヨガを教えたりしておられたそうです。

厳しいものを持っておられましたが、やさしい笑顔が忘れられません。心が広くて深く、ぼくの尺度では測れない大きな人でした。

IMG_7070 普通はそんなに雪が降るところではないそうです。それが油断になったのでしょうか。未知の方は写真をおくってくださいました。紹介させていただきました。遺骨はそのうち東京からふるさとへ帰るそうです。

東北大震災や福島の原発事故を見かねて、ボランティアとして活動されていたのです。異境の地ですが、多くの人たちに見送られてお別れ会が開かれたそうです。みなさんに心からお礼を言いたいと思います。

賢治さん、おつかれさまでした。ありがとうございました。

 

H26 「三瓶の魅力を語りうたう」成功裏に終了(4)

2014年2月2日、大田市民会館中ホールで「三瓶の魅力を語りうたう」が開催され成功裏に終わりました。前日のリハーサル、当日午前中のゲネプロと回を重ねる毎にスムーズに進み、本番ではほぼ予定時間のⅠ時間30分で終わりました。前売り券も整理券も出していませんでしたが、用意していた椅子110席がほぼ埋まりました。

いままでこのブログで3回事前に紹介しましたので、ここでは主に舞台風景写真を中心に紹介します。
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オープニングは大田市少年少女合唱団の「三瓶小唄」。丘 灯至夫・作詞、若松正司・作曲ですから、大ベテランペアから生まれた曲です。もったいない!大田市内、出雲市の小中高校学校の校歌にも三瓶山が歌われていることが紹介されました。大田小学校校歌が誕生したエピソードも面白いですね。

IMG_7060石村勝郎さんの詩「三瓶連山の創世記」を田中安夫さんが朗読。石村さんは新聞記者で郷土史家でもありましたが、詩人でもあり、三瓶の詩は3編あります。

DSC05362  出雲国風土記から国引き神話の箇所を劇研空の松本、山本くんが朗読しました。
IMG_7194土江子供神樂団の佐藤君、佐野君には人麻呂や斎藤茂吉の和歌を神歌で詠じてもらいました。とっても魅力的な節回しで聞き応えがありました。笛は岡田さんで、二人の神歌にふさわしい華を添えていただきました。3人とも中学生です。
IMG_7199洲浜くんの詩「空にそびえる草原」の朗読です。邑智郡田所の山奥で育った者が、高校生のとき初めて三瓶を見た時の感動を詩にしたものです。昭和30年ごろでしたが、てっぺんまで草原でした。牛と大地と人間が長年かかって生み出した見事な風景でした。
IMG_7203プロジェクターで三瓶山の姿を投影し、その他の詩も朗読。写真は松本くん、弘志くん、佐々木俊和さんが撮影されたものを了解を得て使用しました。
DSC05366「三瓶キャンプの歌」「久屋小学校校歌」「大田高校校歌」「この空のもと」を男性合唱で聞きました。いいですね。力強い男声合唱。有馬さん、今田さん、木村さん、森山さん、伴奏は大畑世利子さん。

大田高校歌は日本のトップペア、山田耕筰、土井晩翠の作詞、作曲です。このエピソードを有馬さんが解説で披露されましたが、とても面白く逸話ですね。

「この空のもと」は米山道雄作曲、洲浜昌三作詞です。昭和29年ごろ、大田市連合青年団が20周年を記念して、団長だった楫さんに依頼されて作詞しました。当時は青年団の会合などで歌われていたのですが、今は大田には青年団はありません。青年団は地域の文化や社会活動の中心的な存在でしたね。島根県青年団演劇大会なども毎年開催していました。一度審査を頼まれたこともあります。
DSC05382浜田市の写真家、佐々木俊和さんが写真集「三瓶山」を出版されたのは16年前。新聞で知りすぐ注文。感動して、「スライドにして詩をつけて朗読したい」と手紙を書くと佐々木さんは大田へきてくれました。喫茶店で話しました。不完全ではありましたが、その夢がやっと実現しました。プロジェクターでホリゾント幕へ投影しました。迫力がありましたね。BGMで大田高卒のギタリスト、杉原俊範さんが作曲された「石銀の里」を使用させていただきました。

最後は朗読民話劇「海を越えサヒメの山へ」(洲浜昌三作)石見の伝承に、サヒメ、チビヒメ、種姫などで呼ばれている民話があります。それを創作して劇研空のメンバーを中心に朗読しました。
P1020976 P1020977単なる童話ではなく、劇形式にしたところが独創的といえます。絵は勝部和子さんにお願いしました。朗読したのは田中和子、山内理緒、若狭雅子、田中安夫、松本領太、山本和之のみなさんでした。

IMG_7165司会はとても重要な役でした。単なる解説ではなく、キャストとしてお客さんに話しかけ、出し物の内容を楽しく伝えるようにお願いしました。小林さん幸増さんともに、原稿をそのまま読むのではなく、更に修正追加削除などもして臨機応変にやっていただきました。ありがとうございました。

おもてなしで朝からぜんざいをつくられたみなさん、舞台の進行、照明、音響など裏方を勤められたスタッフのみなさん、おつかれさまでした。
東京から来られた講師の佐藤先生、岡本先生も二日間ずっと行動を共にされました。
おつかれさまでした。ありがとうございました。

 

 

2/2 大田市民会館発表「三瓶の魅力を語りうたう」(3)

平成26年2月2日、大田市民会館中ホールで開催する「三瓶の魅力を語りうたう」というタイトルの公演では、出雲風土記の一部を群読します。PR 、NO.3です

三瓶山の古名、佐比売山が初めて文献に登場するのは出雲風土記です。国引き神話としてよく知られていますが実際に読んだ人は少ないと思います。出雲風土記の中でも、この国引きの箇所だけは朗読に適しています。恐らく口傅で語られてきた言葉を文章にしたからでしょう。文字ではなく、朗読で聞くと一段と面白さがでてきます。

ちょっとここで原文を紹介しましょう。

所以号意宇者國引坐八束水臣津野命詔八雲立出雲國者狭布之推す國在哉初國小所作故將作縫詔而栲衾志羅紀乃三埼矣國之餘有耶見者國之餘有詔而童女鉏所取而大魚之支太衝別而波多須ニ支穂振別而三身之綱打挂而霜黒葛閒ニ耶ニ爾河船之毛ニ曽ニ呂ニ爾國ニ来ニ引来縫國者自去豆乃折絶而八穂米支豆支乃御埼以此而堅立加志者石見國與出雲國之堺有名佐比賣

なんじゃこりゃ!目が回りそうですが、当時の日本人は言葉は話せても、それを記録する文字がなく、中国の漢字を当てて表現するしか方法がなかったのですから仕方がありません。

さてさてさて、ここで大田市民会館の中ホールの舞台を参考までに紹介しておきます。今回出演する人は参考にしてください。先ず照明器具です。衝立もよく見てください。

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写真は1月18日に上演された「~新春 和楽器コンサート~ 春を呼ぶ調べ」でパチリとしたものです。土江子ども神楽や深野神楽、長久篠笛教室の皆さんの笛や太鼓の演奏を聞いて楽しいひとときを過ごしました。最後に演奏された神楽・篠笛奏者「こと」さんの笛にはしびれました。素晴らしい笛の音がダイレクトに心に入ってきて感動しました。

今年で2回目の催しですが、笛や神楽を習っている子どもたちのために、このような素晴らしい発表の場を提供された主催者に敬意を表したいと思います。また「こと」さんのような一流のプロ演奏者を呼ばれたことは、大いに子どもたちの手本や目標になったことでしょう

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2/2 公演 朗読民話劇「海を越えサヒメの山へ」(2)

2014年2月2日、大田市民会館中ホールで行われる「三瓶の魅力を語りうたう」の内容紹介、No.2 です。

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このイベントで創作民話劇を朗読します。ただの民話ではなく、朗読民話劇です。「劇」です。「ドラマ」です。  だけど朗読です。リーディングです。会話主体の劇形式と語りで台本を書きました。

「なんで?劇にすりゃええのに」。もっともです。でも、でも、劇にすると衣装、装置、多くの役者、照明、音響、大勢のスタッフ、練習場所 et cetera et cetera、人も金も時間もいりますが、いずれもないからです。

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朗読民話劇 「海を越えサヒメの山へ」について(台本より転載)

この台本は、石見地方の伝承を朗読劇用に創作したものです。語りと会話で成り立っています。映像をホリゾント幕へ投影しながら朗読するために、原画を大田市の勝部和子さんにお願いし、ご協力いただきました。

以前、創作民話劇「出口がない」を書いて、二度(大森と大田市民会館の年末余芸大会)劇研「空」で上演したことがあります。今回は朗読劇ですが、創作民話の第二弾といったところです。

この伝承の概要は次のとおりです。
「昔。ソシモリにオホゲツヒメ(大宣都比売命)というヒメがいて、気の荒い神がヒメを殺すと、死体から五穀の種がでた。チビ娘の乙子狭姫は、種を持って赤雁に乗り旅立つ。途中、高島や大島に降りようとしたところヤマツミ(山祇)の遣いである鷹や鷲に断られる。最後に益田市赤雁町の比礼振山に降り立ち、五穀の種を伝えた」

今回の台本は、基本的にはこの話しを基にしていますが、舞台の中心はサヒメ山です。

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益田市の比礼振山(権現山)には佐比売山神社があり、大田市の大森や三瓶、鳥井にも同名の神社があります。石見銀山大森の佐比売山神社は大内氏統治時代に、益田の比礼振山から勧請してきたことは記録にあります。しかし益田や大森の佐比売山神社と三瓶山の佐比売山神社との関係は、ぼくが調べている限りでは不明です。わかっている人があれば教えてください。

益田には乙子、種、赤雁という地名があります。大田の三瓶には種、小豆原、三瓶山には赤雁山があります。本や童話などの舞台はほとんど益田が中心で、三瓶山を舞台にして発行された童話や本はまだ見当たりません。あれば教えてください。

絵 縮小「海を越えてサヒメの山へ」(上の絵はこの朗読で使用する絵の1枚です。ホリゾント幕にこのような絵を投影しながら朗読します。)

この話しの元は不明ですが、ぼくの推測では江戸時代の末期から明治の初期に国学が盛んだったころ、古事記などに精通していた人が地名から着想し創作したのではないかと思います。石見は津和野、浜田など中心に国学が盛んでした。出雲の神話に対抗してだれかがつくったのかもしれません。

この台本は劇形式です。一人で10人役するのも面白いかも知れません。役を兼ねれば何人でもできます。時間は約30分です。音楽や効果音も入れたいのですが、劇研空は人手不足で間に合いそうにありませぬ。

物語りの展開の面白さ、会話の面白さ、ユーモア、人物の面白さなど、30分はあっという間に終わるのではないかと思います。数回読み合わせをしましたが、初めて劇研空と共演するサヒメ役のリオさんの朗読も楽しみです。

石見の伝承に基づく神話?、民話?ですが、単なるファンタジーではなく、現代的な意義や思いを込めて創作しました。台本は希望があれば、いつでもプリントしてお渡しします。

 

2/2 市民会館で「三瓶の魅力を語りうたう」(1)

2014年2月2日(日)、大田市民会館中ホールで「三瓶の魅力を語りうたう」というイベントが開催されます。
三瓶の魅力をみんなで話し合うのですか?違います、違います!

三瓶山に関して、歴史書や和歌、詩、歌、などに歌われた作品の朗読や語り、合唱を聞いて楽しむイベントです。三瓶山の魅力を文学、芸術、写真など文化的な面からアプローチしてみようというわけです。一昨年から続いた大田市の「文化プロデユーサー養成講座」の締めくくりとして、机上の勉強だけではなく、実際にやってみよう、というプランから生まれたものです。
12月末からポスターやチラシが市内のあちこちにあります。まずチラシをどうぞ。

三瓶の魅力チラシ・大田少年少女合唱団には「三瓶小唄」「大田小学校校歌」を歌っていただきます。大田小の校歌に三瓶山が出てくるからです。三瓶山は校歌でどう歌われたのでしょう。

朗読 詩「山の創世記」は石村勝郎さんが三瓶山のことを書かれた詩です。劇研空の田中安夫が朗読します。三瓶山が詩になっている。ほとんどの人が知らないはずです。貴重な文学財産です。

群読「出雲風土記」より「国引き」サヒメ山が最初に出てくる文献は出雲風土記です。国引き神話は知っている人も、実際にそれを読んだ人はいないのではないかと思います。劇研空の松本、山本が群読します。出雲風土記の中でも、この国引きのところだけは異質です。単なる地名や由来、産物などの記録ではなく、実際の語りを記録したかのようです。恐らく当時の人が、口で語り伝えていたのでしょう。リズム、ピッチ、語調、音などなど、正に「語り」から生まれたとしか思えません。

神歌「和歌六首」柿本人麻呂の和歌ではないかといわれている和歌3首、斎藤茂吉が三瓶山を読んだ和歌などを土江神樂団の佐野、福間君が朗詠されます。

詩朗 読「空にそびえる草原」他、洲浜昌三が以前書いた詩を朗読します。三瓶を写した素晴らしい写真の数々をプロジェクターで紹介します。

男声合唱「さんべキャンプの歌」他、大田高、久屋小の校歌、大田連合青年団の歌・「この空のもと」などを男性コーラスで聞きます。みな三瓶山が歌われています。

朗読民話劇「海を越えサヒメの山へ」これは劇研空、洲浜の創作です。石見に伝わっているサヒメの伝承を素材に創作し、語りと劇形式で発表します。朗読形式ですが、ホリゾント幕にプロジェクターで次々と絵を投影します。この原画は目下勝部先生に描いていただいているところです。

昨日15日には先生の家へ行き、原画についてじっくり話し会い、夜には台本の読み合わせをしました。斬新な面白いものになりそうです。(ミタヒトガヒョウカスルジャ!)は、はい、そうです。

ひとまず、大まかな紹介をしました。またそのうちつづきを紹介します。

今年もよろしくお願いします

劇研空のメンバーのみなさま、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
「地元に発表の場がある喜び」を消さないように、細々とですがもう少し火を守りつづけたいと思います。
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年末から寒い日が続き、大田市内でも雪が積もりました。市内はすぐ溶けますが、三瓶周辺では1メートル以上は積もっている、と12月31日に倉敷から三次を通って三瓶を超えて帰ってきた娘たちがいっていました。狭い我が家は年末から15人にふくれ上がりはち切れそうです。食事係は大変です。子供たちの元気の良さには圧倒されます。

今日1月2日は太陽も時々顔を出し、穏やかな正月です。

昨年の劇研空の主な活動の一つは島根文化芸術体験事業の一環として津和野町立青原小学校へ吉川礼子さんと洲浜クンが詩の朗読や群読の指導で行ったことです。

11月に島根県の環境生活文化国際課文化振興室へ事業報告書を提出しました。
「モデルになる発声方法や教材の扱い方等について指導を受けたことで、児童の意欲や関心が高まると共に、発声方法を習い声がよくでるようになり、群読が上手にできるようになった。学習発表会では一人一人が自信を持って発表することができた」という学校側のコメントがありました。児童も素直でよくがんばってくれました。同時に現場の先生方の日頃の熱心な指導があったからこそうまくできたということも実感しました。
このことについてはいつかそのうち会報17号で報告します。

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もう一つの活動は邇摩高校創立110周年記念文化祭に招かれて、邇摩高校体育館で創作劇『石見銀山旅日記』を上演したことです。劇研空以外の人たちにも出演していただいて楽しい劇になりました。「とてもおもしろかった」という感想がある女性徒から間接的に届いています。生徒たちはとても熱心に観劇してくれました。このことについてもそのうち会報で紹介します。(そのうちとはいつのことだ!わからぬ!)
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劇研空の活動ではありませんが、文化プロデユーサー養成ステップアップ講座へ山本くん、松本くん、洲浜くんが昨年9月から出席していました。その会の数回にわたる話し会いで、2月2日に「三瓶の魅力を語りうたう」というイベントを市民会館中ホールで計画しました。この中の出し物の大部分は劇研空が創作し演じなければいけません。時間がないので大変ですが、決まった以上やらねばなりません。そのうち連絡しますのでよろしくお願いします。(そのうち?)

3月9日には浜田で「第2回石見演劇フェスティバル」が開催されます。チラシやポスターもあります。チケットも販売もあります。これもたいへんですが、やらねばなりませぬ。そのうち連絡しますのでよろしくお願いいたします。(そのうち?はい、そのうちです)

宿題を山のように抱えて大晦日の大峠を越えました。今年もよろしくお願い致します。