H26 大田市文化協会40周年記念行事案内

2014年(平成26)は大田市文化協会ができてから40年になります。理事会があり、記念行事が決まりました。参考のために紹介します。

記念式典は11月2日(日)に市民会館大ホールで行われます。来賓の挨拶や表彰、アトラクションなどです。2日、3日は大田市文化祭も行われます。

記念事業は、「西晴雲特別典」です。9月26日~28日、大田市民会館中ホールで作品が展示されます。会報「きれんげ」は40周年記念号を発行予定です。

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30周年記念の時には、「ふるさと伝統芸能発表会」というタイトルで、一部は大代田植え囃子、土江子供神楽、シッカク踊り、大屋神楽、多根神楽が上演し、二部では創作舞踊劇「鶴」上演しました。

「鶴」は会長の勝部義夫さんから依頼されて、石見銀山の伝説や歴史から創作しました。「早春の仙の山に立つ」など数曲の歌詞を創作し、大畑世利子さんに作曲していただきました。劇研「空」のメンバーによる語り劇、天領太鼓、合唱、日本舞踊などキャストスタッフで100人くらいの舞台でした。

この時には、昨年他界された山城賢治さんも東京から帰っておられて、勝部さんと共に演出をされました。もう10年前の大昔ですね。勝部さんはプロの演劇人でしたから、舞台への情熱があり、なんでもよく知っておられたからこそ実現した大舞台でした。

H26,6/12~15 豊岡市で日本劇作家大会、多彩な企画

2014年6月12日から15日まで豊岡で日本劇作家大会が開催されます。実に52の多彩な企画があり盛大なお祭りです。劇作家や俳優が約300人参加、誰でも参加できます。1000円のパンフレットを購入し、それを見せればほとんどの企画に参加できます。

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朗読あり劇あり演劇の講習あり、実に魅力的です。今年が6回目、9年ぶりです。ぼくも劇作家協会の会員なので、行きたい行きたい!(イケバ?)城崎国際アートセンターはこの4月にオープンしました。劇場、稽古場、宿泊などができる滞在型、芸術文化創造発信施設です。市も全面的に支援しています。

どんな企画があるか紹介しましょう。小さくて読めないでしょうが、読みたければ拡大して見てください。竹下景子、渡辺エリ、平田オリザ、佐野史郎さんはじめすばらしい講師の企画がたくさんあります。

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too small to read ですね。本気で読みたい人は日本劇作家協会のサイトを開いてみてください。

 

 

H26 大田市女声コーラス「花音」 45周年記念コンサート

2014年5月18日(日)13時30分から大田市民会館で、大田市女声コーラス「花音」の45周年コンサートが開かれました。大ホールはは久しぶりに満員。次々と歌われるなつかしい曲、美しいコーラスに大きな拍手が送られました。

DSC05667(大田市民会館大ホール。なんでカラッポブタイなんだい、オモシロクモナイ。でも、サツエイキンシ!ですからねえ。ザンネン。カラブタイならいいだろうと思って。)

コンサートは3部に分かれていて、第二部ではゲストの鍵盤男子(大井健さん、中村匡宏さん)の素晴らしいピアノ連弾がありました。二人の語りもざっくばらんでとても楽しく聞きました。

当初から指導してこられた酒見佐枝子先生が途中で挨拶をされました。発足は大田第一中学校の保護者3人からだったとのこと。当時の校長先生の理解があり、練習場所に学校を使わせてくれたこと、また夜の練習なので各家庭の理解がなければ続かなかったことなど、感謝の気持ちを込めて話されました。そうですよね、みなさん家庭の主婦ですから、家族の理解がないとやっていけません。舞台は華やかですが、その過程には大変なことばかり。それを乗り越えての45年です。重みがあります。

DSC05663「大田市女声コーラス花音の歴史」をチラシから紹介させていただきましょう。過去10回、全国大会へ出場という実績も光っています。

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「石見銀山巻き上げ節」を鍵盤男子の中村さんが合唱用に編曲され、混声4部合唱として披露されました。大田の男性コーラスグループから10数人が賛助出演されました。男性の深味のある声が加わると一段と歌に魅力がまします。
https://stagebox.sakura.ne.jp/wp/apoetinohda/2014/05/26/詩-娘たちの「銀山巻き上げ節」/

巻き上げ節の前奏時に、わが劇研空も一役買ったのでーす。松本、山本くんが銀堀姿で、岩に鏨を当て金槌で打つ演技をしました。キーン、キーンという澄んだ音がとても効果的でした。超短時間舞台でしたが、おつかれさまでした!!

DSC05674(今までに指揮者として貢献された人達に花束を贈呈。こういう指導者がたくさんおられてうらやましいですね。島根の音楽文化はレベルが高いですね。Who took above?)

実はスハマクンも超チョビット今回の記念コンサートに貢献しているのです。昨年のある日、花音のある人からある人を通して「石見銀山巻き上げ節」のCDを持っていないかと聞かれたのです。手元にありましたので、お貸ししたら、プロに編曲してもらうのだといわれました。それが今回実現したのです。

このCDの歌は大森の河村さんが歌っておられます。民謡は歌い手によって微妙な違いがあります。それが魅力でもあります。河村さんの歌はどちらかと言えば細かい変化はきれいな流れに統合され舞台発表用の魅力と気持ちのいい味があります。(例えば調子を整えるために「あら」という元にない語が入ったりします)

邇摩高校120周年記念で劇研空が上演した創作劇「石見銀山旅日記」の中で歌っていただいた高野さんの歌はどちらかといえば現場の労働から生まれたリズム感などがあり、流暢なのはおなじですが、少し素朴な味があります。

DSC05172(邇摩高校で上演した時、劇中歌として「巻き上げ節」を歌っていただいた高野さん)

このコンサートで高野さんがそばの席におられたので、感想なども聞きました。「いろいろな歌い方があるから、こういう合唱曲になるのもいいですね」ということでした。

たしかにそうですね。民謡で歌え、といっても現代の若者には無理ですから、徐々に消滅していく可能性があります。合唱曲になれば、今後いろいろな場で歌われるでしょうから、現代に生きてきます。新しい命を吹き込まないと何でも衰退していきます。そういう意味でもいい仕事をされましたね。同時に、民謡自体の魅力も広く知ってもらう努力をしなければいけませんね。いつか、たくましい労働の歌として、力強いリズムの歌にして、男性コーラスで聞いてみたい気がします。

「石見銀山巻き上げ節」は、いつ頃歌われはじめたのか。ぼくが調べた限りでは明治時代に入ってから、と書いてあるのがほとんどです。それは歌の歌詞から推定したものです。「35番の立て坑」「ポンプ」などの言葉から、明治20年代だというのです。歌詞はあとから次々と付け加えられることが多いので、曲は江戸時代にさかのぼる可能性もあります。だれか研究している人はいませんか。教えてください。

45周年、おめでとうございます。これからもがんばって素敵なハーモニーを聞かせてください。

【準備段階PR。8月末に市民会館中ホールで『朗読を楽しむ』を予定しています。どのような内容にするか思案中です。一つの案は朗読者も視聴者も一律平等に場所代資料代500円を負担。朗読したい人、グループは誰でも大大歓迎。自分が聞いて欲しい物(短編、随筆、詩、童話、創作は大歓迎)を5分前後で舞台で朗読したり語る。その際音楽や効果音なども使用してもいい。大田に関係ある創作童話や詩などは大歓迎。出演は一人ではなくグループでもいい】ご意見をどうぞ。そのうち参加者募集のチラシをつくります。参加希望があればいつでもどうぞ。(劇研空)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

H26,6/1(日) 島根演劇ネット総会です

今年度の島根演劇ネット総会は、2014年6月1日に松江市八雲町の「しいの実シアター」で開かれます。13時30分からです。

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(なんだなんだ?この写真?演劇ネット総会?そうかい?なんだろう。写真で見ると、落ち着いた風景だね。以外だね。意外ですよ!その場に立てば、秩序や調和もない乱雑で、建設途中に投げ出されたような殺風景な駅前風景なのに。)

21日までに出欠を報告、欠席の場合は委任状を提出。各団体の活動報告も提出。
劇研空で出席出来る人はご連絡ください。会費は3千+200+所属人数(個人会費)です。これはすはまくんが納めます。

 

H26、4,石見演劇フェスタについて(実行委報告)

2014年4月19日(土)、第3回「石見演劇フェスティバル実行委員会」が浜田市石央文化ホールで開かれました。3月9日に上演した団体の代表とホールの関係スタッフが出席、決算報告、反省、今年度の計画を話し合いました。要点をお知らせします。

1.アンケートの結果:大変満足23%、満足48%を合計すると71%。いい結果だったといえるでしょう。

昨年より上演時間を短縮したのも効果があり、最後まで観劇された人が増えました。幕間の5分の時間も各団体が自由に使うことにしましたので、以前の様な研究発表的な堅苦しさもなくなり、楽しい時間になったと思います。

感想では「石見国引き18座」の戦争をテーマにした劇が大変好評でした。舞台も良かったとおもいますが、70歳以上の観客が46%、60歳台が26%(合計72%)ということを考えると、戦争を直接、関節に体験した世代に共感があるのはよくわかります。明誠高校、浜田高校の劇も好評でした。IMG_8420浜田高校の劇は、父親が認知症になることをテーマにした劇でしたので、さわやかな演技と共に、身近な問題を高校生が演じてくれるという共感もあったかと思います。

大田市演劇サークル劇研「空」の朗読民話劇「海を越えサヒメの山へ」の感想もありました、1,2紹介してみます。
1.「朗読時の強弱がすごく良かったです」
2.なんとなく知っていましたが、赤雁をサヒメ神社の話、益田だけではなく石見の話として広まってほしいと思いました。朗読劇でよかったと思います」
3.朗読劇の良さを感じながら観させていただき、勉強させてもらいました」
4.全てよかったですが、創作朗読民話劇はすばらしく新鮮でした。音声が抜群でした。石見の演劇このままつづいていきますよう願っています」

まとめてみると、企画が新鮮で参考になった、言葉がよくわかり発声がよかったという2つにまとめられるかと思います。不十分なことも多々あります。それは反省会で話し合いましょう。

「今福笑舞台」の舞踊と劇を最後にもってきたのはよかったと思います。お客さんにはファンが多いので、最後まで観ていただけるからです。劇は「恋は永遠に」という創作でなかなか面白く観ました。笑わせようとする意図が見え過ぎるところもあり、ちょっと鼻につくところもありましたが、お客さんには好評でした。笑いは難しいですね。お客さんの趣向は千差万別ですから、全員を笑わせようとすれば、どうしても一方的な押しつけになってしまいます。「笑いたい者はどうぞ」くらいの気持ちで演じたほうが、サラッとして風通しがいい。

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今年度の石見演劇フェスティバルは休止に決まりました。石央文化ホールで、大々的に島村抱月のミュージカルを計画しているからです。両方やるのは無理です。ホールの負担は石見演劇フェスタだけでも相当なものです。

来年度は実施したいという意向でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

4/20 松江で音楽劇「いっぽんの木」上演

2014年4月20日(日)午後2時から県民会館中ホールで音楽劇「いっぽんの木」が上演されます。劇団Yプロジェクトから案内がきていましたので紹介します。主催は「しまねの子どもの演劇体験事業実行委員会」です。脚本・演出は、Yプロ代表の坂井陽介さんです。
DSC05625県内外から集まった小学生から大人まで16人の人たちが1月から練習してつくりあげた舞台です。いろいろな意味で勉強になると思います。ぜひ観劇に出かけてみてください。

劇団Yプロジェクト、島根県文化奨励賞を受賞!!
新聞にも出ていましたが、劇団Yプロジェクトが島根県文化奨励賞を受賞しました。15年に渡る活動が評価されたものです。代表の坂井さんからも文章がきていました。おめでとうございます。

H26 石見演劇フェスタで 『海を越えサヒメの山へ』上演(2)

第2回(通算6回)石見演劇フェスティバル観劇記の続き、( 2)です。上演側ですので観劇記というより、上演記です。「空」のみなさん、そのつもりで読んでください。

1508450_253664074805140_1884179390_n(プレリュードは幼稚園の先生と子供たちの会話です。三瓶山について先生とおもしろいやりとりをしながら、三瓶の歴史などを紹介していきます。)

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大田市演劇サークル 劇研「空」 創作朗読民話劇『海を越えサヒメの山へ」(石見の伝承より)脚本、演出・洲浜昌三

パンフレットからの文章を中心に紹介しましょう。写真はショウシンさんです。ありがとうございました。(ショウシンさんはショウコさんのハズバンドです)

  島根県の石見地方に伝わる伝承を朗読劇用に創作したものです。映像をホリゾント幕へ投影しながら朗読します。大人も、子どもたちでも楽しめるように、分かりやすく、テンポよく、スリリングで面白く感動もあるリーデイングになれば、と思っています。単なる朗読ではなく、劇形式の朗読用として創作した点がチャレンジングだと考えています。
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[あらすじ]   「むかし、ソシモリという国にオオゲツというヒメがいた。ある日、北方から騎馬軍団が襲ってきて、国は壊滅する。ヒメは大切な穀物の種を末娘のサヒメに託し、『海を渡って平和な国へ行き、美しい山のふもとの人たちと一緒に育てなさい』と言い残して息絶える。

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サヒメは赤雁に乗って旅立つ。途中、様々な苦難に遭いながら、美しい山を目指すが、上空に近づいてみると山は火山で荒れ、村人はやせこけ、村を捨てて逃げるところだった。サヒメは村人と一緒に種を播く」(絵は20枚投影しました)

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益田の比礼振山(権現山)には佐比売山神社があり、乙子、種、赤雁という地名があります。大田の大森や三瓶、鳥井にも同名の神社があり、三瓶には多根、小豆原、赤雁山があります。江戸末期から明治の初期に国学が盛んだったころ、古事記などに精通していた人が地名や山の姿から着想し創作したのではないかと思います。あくまで勝手な推測です。

     キャスト
語り                      … 田中和子
サヒメ          …  吉川礼子
アカガリ      …  山本和之
オオゲツのヒメ …  渡利章子
騎馬軍団大将  …  山本和之
ワシ      …  松本領太
カミナガのオサ …  堤 浩隆
ヒゲナガのオサ …  松本領太
モグラのオキナ …  堤 浩隆
ヒメ村のオサ  …  松本領太
村の子どもたち  …     全 員 

     スタッフ
脚  本 …   洲浜昌三
演  出     …  洲浜昌三
原画作成 … 勝部和子
原画撮影 … 松本領太
音  響  …   洲浜昌三
PC操作  …      堤 奈穂子

この試みがどのようにお客さんへ受け止められたか。最も知りたいところですが、アンケートの結果を見ていませんので分かりません。

すべて終了してロビーにいたとき、会長さんと出会い次のように言われました。「とても面白い試みでした。今後高齢者講座などで発表するときの参考になった」。

県立大学総合政策学部教授に瓜生忠久先生は山陰中央新報文化欄の劇評で次のように書いておられます。「大田市演劇サークル 劇研「空」 創作朗読民話劇『海を越えサヒメの山へ」(石見の伝承より)も、実験的でおもしろかった。作者の洲浜昌三氏は、大田市で長年演劇活動を続ける熱血老人だが、6人の朗読者とスライドだけで構成された今回の舞台は、日ごろなかなか練習時間を持てないアマチュア演劇集団の活動に一つの可能性を示した。地域に残る民話の世界に題材を採った点も、そこで生き続ける人々のアイデンティティと重なって共感をもてた」

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とても嬉しい指摘でした。芸術文学では「表現形式」(スタイル、文体)がとても重要です。新しいアイデアは新しい容器に盛らないと表現できません。形式と内実は一体のものです。今回の舞台は、「紙芝居と劇と朗読の特徴」を抽出したような表現形式です。吉川礼子さんが幕間の感想で、「劇と違ってとても安心して楽な気持ちで取り組めました」と述べたとき、今回の表現形式のメリットを思いました。しかし内容がつまらなかったら、単なる手抜きになってしまいます。瓜生先生は「そこで生き続ける人々のアイデンティティと重なって共感をもてた」と評価されました。とても嬉しい言葉です。

 終わってから、詩人仲間のヤマシロさんにばったり出会いました。「いつもいろんな歴史や資料を堀り出して、新しいことをやりんさるね。この話しは随分前に石村勝郎さんの本で読んだことがあるでな」。  ヤマシロさんは昨年も来られました。

そうなんです。この話しは一般的には、益田の伝承だと思われています。そのように書かれたものがほとんどだからです。しかし石村さんはサヒメ山の伝承として書いておられます。亡くなられた民俗学者の白石昭臣先生もサヒメ山の語源を、「サヒメという姫が雁に乗って飛んできた」伝説に求めておられます。

1300年も前の「出雲国風土記」に出てくる「サヒメ山」です。 その頃に、サヒメが雁に乗ってきたという伝説があったかどうか。(「石見国風土記」には書かれていた。ええ?ウッソ!ホント?石見国風土記がどこかから出て来ないかなぁ)

DSC03611(雁が羽を広げて休んでいるように見えませんか?見えない?そのつもりで見てよ。中央が赤雁山です。雁の頭です。長久の勝部さんは、この物語りを読んでから、毎朝見る三瓶山が雁のように見えると言っておられました。)

三瓶山は女性的でやさしい姿をしています。「サ」には「小さい」とか「可愛い」とか「さわやか」「鉄のサビのように小さい」とかいう意味や語感があるそうです。そうすると「かわいくてやさしい姫のような山」という意味から「サヒメ山」と呼ばれるようになった可能性があります。大国主命の正妻はスセリ姫ですが、サヒメ山も大国主命の妻だという伝承もあるそうです。

観劇記が横っちょにそれました。2月に大田市民会館で上演した時とは今回はキャストも変わっています。久しぶりに章子さんと一緒にやりました。堤さんには急遽お願いして快諾していただきました。ありがとうございました。(ネッケツセイネン?)

石見演劇フェスティバル観劇記の続きは、そのうち(3)で紹介します。

H26 「第2回石見演劇フェスタ」観劇記(1)

2014年3月9日、浜田市の石央文化ホールで「石見演劇フェスティバル」が開催され8団体が地芝居、現代劇、朗読劇、舞踊など多彩な舞台を披露しました。「石央地芝居大会」の名前で4回開催、現在の名前に変わって2回目になります。 「第6回」とするか「第2回」とするか難しいところですね。(通算第6回、っていうのはどうかな。どうでもいい?回数がないと見出しや区別に困ることがあるんです)

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  主催は「石見演劇フェスティバル実行委員会」ですが、石央文化ホールの熱意のある企画と運営によって継続されています。昨年の反省から、各団体の上演時間は40分~50分に短縮されました。見る側にとっては少し余裕が生まれました。また上演後の幕間での杓子定規な質問が、堅苦しく研究会的な空気を醸し出していましたが、各団体に任せるという方法に変わりました。

これらのこともあって、今までより余裕のある楽しい雰囲気が生まれた気がしました。「さまざまな人々が数多く参加した楽しい1日だった」と島根県立大学の瓜生忠久先生が山陰中央新報へ書いておられます。

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パンフレットも実に立派です。冒頭に久保田章一浜田市長の言葉、実行委員長・岩町功先生の挨拶があります。情熱のある核心を衝いた文章です。各団体に一ページを割き、写真も入れて紹介しています。記録としても保存する価値があります。こうゆうところにも事務局の経験豊かなセンスと熱意が感じられます。

さて、各団体の舞台を風景写真で紹介してみましょう。

IMG_8361「NPO法人創作てんからっと」(浜田)は今年も美崎理恵さんの創作で『大根畑に陽は昇る』。みなさんベテランで自然な演技に好感が持てました。岩町功先生は、大根を育てる宗方利夫の役で登場、年齢をあまり感じさせないセリフや演技はさすがでした。農村と都会、親と子、過疎などに焦点を当て、ストーリーはうまくできていましたが、それをうまくなぞったという印象が残りました。農村を舞台にしたリアリズム劇ですが、装置との関係は難しいですね。「黒い中割幕の前に平台」だけで、農村という劇の世界へ観客を誘い込むのは難しい。かといって大がかりな装置を作れば時間と経費、設置、撤去の問題が出てくる。1日に8団体も上演する場合、装置をどう工夫するかが、勝負のような気がします。

DSC05498明誠高校演劇同好会(益田)『じゅ☆げむ~明誠ver.~』脚本・明誠高校演劇同好会  多い時には10校以上にあった石見の高校演劇部ですが、浜高だけになり淋しい状態が続いていました。平成25年に明誠高校で同好会ができ喜んでいます。ハナモト先生あればこそです。現在1年3人、2年2人とか。今回は1年の男子、二人だけの舞台です。立ったままで朗読するのかな、と思っていましたが、劇形式になっていて感心しました。小道具もうまく使って楽しい舞台でした。堂々と演じていたので安心して見られました登場人物は二人だけですが、工夫して脚本を劇形式にしたのが成功しました。20分くらいでしたが、とてもさわやかでスカッとした舞台でした。
(センセイは数年前、津和野高校演劇部員で活躍、県大会、中国大会にもでました。大学を卒業して帰ってきて、意欲的に活動してくれるとはウレシイ!!)

DSC05503石見国くにびき18座(浜田・江津・益田)群読劇『クスの葉風』脚本、演出・金田サダ子
昨年の劇は、山梨県で開催された全国シニア-演劇大会に参加しました。今年も素敵な舞台でした。平均年齢は72歳ですから、動きやセリフなどは最小限になるように作られていますが、舞台全体の使い方、装置の工夫、全員の動き、劇と歌の切り替え、メリハリ、流れ等々、上手に演出され、個々の弱点が拡大しないように、うまくカバーされています。 そしてバックボーンになるテーマがしっかりしています。

山陰中央新報に寄稿された瓜生先生の劇評から一部を引用させていただきます。「~中でも、高齢者大学校くにびき学園の卒業者たちが演じた群読劇は、あの忌まわしい戦争の時代を生き抜いてきた世代が演ずるという点で秀逸であった。戦争を知る世代だからこそ表現できる創作劇は、これからの若い世代にもぜひ認識してもらいたい貴重さを内包する」
(そうですね。それだけに若い人たちが観劇にきてくれたら、ウレシイ!のですが…)

DSC05507劇団「ドリームカンパニー」(益田)『花森商店 おしまいの日』脚本、演出・大畑喜彦
「2014年結成、現在団員26名」とパンフレットにあります。石見地方の現代劇分野では、最も人数が多くキャストやスタッフも充実しているのではないかと思います。

昨年初めて、この劇団の創作劇・『生前葬リハーサル』を観たのですが、ユーモアもあり面白いだけではなく問題に突っ込んでいく鋭さもあって、見応えがありました。

今年の劇も楽しく観ました。商店街からまた1軒店舗が消えていくという町中の過疎を取り上げた身近なテーマの劇です。万引きの女子高校生が登場したり、予想外の展開があったり、どんでん返しもあり脚本もよく工夫して創られています。楽しく観たのは確かですが、今ひとつ迫力がなかったのは何故でしょう。

一つは、店舗が消える深刻な問題は単なる背景として扱われ、「明るく閉店を」に重点がありすぎたこと、細工が多く作為が見えたこと、堀り下げが浅くストーリーの枠縁を絵取った印象が残ったこと、ハッピエンドが予定調和的だったこと等々です。しかし劇創りのうまさは今年も感じました。

ー以上、前半の4劇団の観劇記です。後半はそのうちNO2として書きます

https://stagebox.sakura.ne.jp/wp/?p=2050

(これはあくまでスハマクンが感じた舞台評です。十人十色ですから、そのつもりで読んでください。地方で劇など公演しても滅多に批評にお目にかかりません。批評のないところに進歩はありません。お互いを知っているので、馴れ合いになります。その意味で、あえて書いています。「いいとこ8割建設的批評2割」精神で書いています。島根県立大学の瓜生忠久先生が山陰中央新報へ書かれた劇評はとても勉強になります。会長の岩町先生が批評の大切さを心得ておられて、毎回劇評を依頼されています。さすがですね。)

H26 3/16 川本で「地芝居」観劇

2014年3月16日、邑智郡川本町の「悠邑ふるさと会館大ホールで、今年も地芝居公演があり観劇しました。13回目になるそうです。この川本の地芝居は、演じる者と観客との間に交流があり、共に楽しむという雰囲気があるのが大きな特徴です。鶴岡さんのざっくばらんで親しみやすい司会も大きく貢献しています。

DSC05551トップは実力のある吾郷青吾会の「へちまの花」。平成24年にも見てこのブログで紹介していますので参考にしてください。観客の涙を絞る人情劇です。演技もセリフもピシッと決まっています。

DSC05557ボランティアグループ「山ゆりの会」の舞踊と歌があり、そのあと上演されたのが、邑南町の「はすみおとめ座」の「はだかの王さま」(上の写真)です。衣装やセットがうまくできているので、写真を見るとプロの舞台!?かと思わせます。演技のあちこちに隙間があるのですが、それがアマチャらしくてまた楽しい。役を形で演じているのもまたほほえましい。劇としてはうまくまとめられていました。

DSC05559 DSC05560DSC05566  邑南町の「星が丘一座」も定評のある劇団で、例年の楽しい地芝居を上演されました。
「水戸の黄門さん」です。昨年も黄門シリーズでしたが、同じ内容ではなく、誰かが脚本を書かれるのでしょう。水戸の黄門が川本村へやってきて不正をあばき、とっちめるという話しです。アドリブもあり観客とのやり取りもあり、おひねりがたくさん舞台へ飛んできて、とてもたのしい時間でした。まさに地芝居の楽しさですね。

DSC05568ラストは「劇団かわもと塾」の「天領かわもと~父娘慕情~」。劇研空の舞台にも立ってもらっている堤さんの創作、演出です。地元の歴史を背景にした時代劇です。劇研空の吉川さんも和服姿で登場!前田さんは中国人リーチャオで新体操の如く舞台へ跳ねて登場!びっくり!やるね!ハチャメチャですが大いに楽しませました。

劇としてうまく形が整っていて、ラストの嫁入り場面では、セリフは少なく、ゆっくり歩くだけですが、しんみりとさせました。前半の組み立てがうまくできているからです。動と静の組み立てがしっかりしていて人情の機微、親子の情愛をうまく仕組んでいるからでしょう。

DSC05570お客さんがほとんど最後までおられるのも川本地芝居の特徴です。義理で前売り券を買い義理で見にいく人が多いときには、関係のある芝居だけを見て帰る、という現象が起こり、最後の劇では各席でガラガラ閑古鳥が鳴いている、ということになりがちです。朝10時から午後4時という長丁場ですが、最後まで観劇する人が多いのは地域としての素朴な人のつながりがあるからでしょう。「一生懸命やっとりんさるんだけぇ最後まで見てあげにゃなぁ」という気持ち。ワカル?同じ邑智郡育ちですからよく分かります。

みなさん、おつかれさまでした。山本くん松本くん観劇おつかれさまでした。

古事記を歌劇で熱演「ふることぶみ」

2014年3月16日、雲南市のチェリヴァホールで「ふることぶみ~古事記~」が上演されました。連続2時間半の長丁場でしたが、次々と展開される古事記の世界に引き込まれ、飽きることなく観劇しました。
DSC05547上の舞台風景は劇が終わった後のフィナーレです。約100人の出演者が歌いながら乱舞する様子も圧巻でした。(キョカナクサツエイキンシ デモコレナラ イイカト カッテニ パチリ スミマセン)

2012年から始まった奈良県大和郡山市と雲南市との演劇交流事業で郡山市から20人、雲南、松江、出雲から約80人が参加して創りあげた舞台です。大田からはるばる雲南まで修平さんの車に乗って6人で出かけました。行った甲斐がありました。

次々と神々が登場し、いろいろな出来事や事件がたくさん出てくる古事記を、どのように整理し解釈し脚本にし演出されるか、興味津々で観劇しました。大和編を見ながら、かなり忠実に舞台化されていたのが印象に残りました。忠実に舞台化すると脈略がなくなりエピソードの陳列になって平板になる可能性がありますが、そうならなかったのは装置が立体的に工夫されていて、それをとてもうまく使っておられたことです。また稗田阿礼を舞台に登場させ、軽妙な進行役・解説者・証言者として、楽しく軽快に役者が演じたことです。音楽も最高でしたね。

大和編はややエピソードの陳列の印象もありましたが(古事記の内容のためでもあります)、出雲編はとても物語性が豊かなこともあり、楽しく観ることが出来ました。ここでも西藤さんが演じた稗田阿礼がとてもいい役目を果たしていました。軽妙な動きと明快な言葉で舞台を引き締め、劇が地に埋没しそうになるのを高みに引き上げ次のエピソードへ軽快に繋いでいました。何カ所か説明調のセリフになっているところがあり、その時は場面や演技の説明になってちょっと泥くさくなりましたが・・・)稗田阿礼を登場させたのは大成功でした。
DSC05544舞台のみなさんは右上を見ています。何故でしょう。音楽を担当されたサキタハジメさんが二階のギャラリーでお礼のあいさつをしておられるからです。今回の大成功の大きな要因の一つは生演奏の音楽です。池田安友子さんの太鼓やパーカッションも劇を深め、引き締めリードしました。音楽では何度も魂が救われるような安らぎを感じました。音楽は自然に劇の流れに溶け込み、ふと気がつくとその音楽に心が乗せられているのに気がつくのです。

ぼくが事前に関心をもっていた一つは劇のテーマです。場面の並列だけでは劇として物足りないし迫力がありません。数々のエピソードを貫く一本のテーマがどのように表現されるか。簡単ではありませんが注目していました。

大国主命は攻められ出雲の国を譲ります。しかし「大国主命は一度も武力で戦わなかった」と稗田阿礼が語ります。なーるほど、と納得しました。さすがです。

場面がいくつあったのでしょうか。30以上はあったかも知れません。各地に離れて住み仕事を持ち、集まって練習する100人のキャストも大変です。しかも2時間半の劇です。何度も練習し、音楽と合わせ、統一した舞台に創りあげる。気が遠くなりそうです。実行委員の人たちの陰の力も大したものです。おつかれさまでした。