H28 第7回「私の町の新春コンサート」 サンレディ大田で

2016/01/10、大田市出身の若い音楽家13人のフレッシュな新春コンサートがサンレディ大田で開かれました。10人は音楽大学や高校に在学中、3人は音楽大学を卒業して演奏や指導者として活躍中です。大田市音楽協会の主催ですが、若い音楽家に地元で発表の場を提供し励ましていこうという思いが伝わってきました。
DSC07071開演前に、音楽協会の大沢さんが挨拶をされました。その中で、石見銀山世界遺産登録10周年に向けて、大屋神楽とオペラのコラボ舞台を計画中で、男性オペラユニット・LEGENDの吉田さんに脚本を依頼しているとのことです。4月から公募する予定だそうです。10周年だから強力なバックアップもあるのでしょう。

大沢さんによれば、大田市音楽協会の会員は約170人だそうです。うらやましい!大田でも音楽分野では多くの有力な指導者やそれに続く人たちもたくさんおられます。演劇などとはツキとスッポン。このコンサートもほぼ満員でした。

演奏は一部、二部に分かれていました。どんな人たちが演奏したのかいろいろなことを配慮してパンフレットから「遠い風景」として紹介させていただきます。

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舞台写真は演奏の妨げになるので禁止、というアナウンスがありましたので、終わった後の拍手の中での「お礼のあいさつ」ならいいだろうと勝手に解釈してパチリ!これも「遠い風景」です。やっぱり小さな遠景写真でも、文字だけよりは舞台の雰囲気がよく伝わります。みなさん爽やかでcostumeもとても魅力的で素敵な演奏でした。

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13人が次々と登場して演奏する発表会形式でしたが、一組でも二組でもアンサンブル形式の演奏が間にあれば、全体の構成に変化が生まれ単調さが救われたかもしれません。(スッポンの川底でのヒトリゴト。「ダマレ!スッポン!」)新春コンサートは初めて行きましたが、若手音楽家に発表の場を提供し大きく羽ばたいてもらおう、という主催者の気持ちがぼくには十分伝わってきました。みなさん、おつかれさまでした。

(劇研「空」のこのブログは地域の文化活動を広く紹介することも目標にしています。配慮しているつもりですが、なにかあればおしらせください対応します)

H28 今年もよろしくお願いします

新しい年が速くも5日過ぎました。新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。遅すぎる新年の挨拶です。
DSC07057昨年はとても忙しい年でした。
7/4、第6回「朗読を楽しむ」
8/14、瓶陵会総会で「石見銀山歴史ものがたり」上演
9/22、しまね文芸フェスタ2015で、谷川作品の朗読、対談。
9/24、全国吉川交流会で朗読劇「吉川経家最後の手紙」。
12/6,お芋博覧会、12/13,Xmasコンサートで大田市少年少女合唱団と共演。
1つの舞台を発表するためには諸々の準備が必要で、劇研「空」の少人数メンバーでは連続して発表があると大変です。でもみんな楽しんで参加していただいたので、充実した一年でもありました。市民会館の「朗読と発声の基礎」講座は11月からは発表の練習になりましたが、テキストを作成して、朗読の基礎を学びました。
DSC07059今年度の予定はまだ話し合っていませんが、次のようなことを検討しなければいけません。第7回「朗読を楽しむ」をするかどうか。石見演劇フェスティバルへの参加をどうするか(浜田で準備会が12月に開かれ、29年2月に開催予定)。あるミュージシャンから「石見銀山歴史ものがたり」を上演してはどうか、という提案をいただきました。久しぶりに新作創作劇でもやりたいものですが、現状では・む・・り・・で・・す・よ・ね。

会報18号を作らなければいけません。谷川さんとの対談記録を載せるつもりです。原稿をメールで送ってください。なんでもOKです。貴重な会報になります。

では、今年もよろしくお願いします。

H27 「お芋博覧会」で「いもだいかん」紙芝居

2015/12/6,大田市民会館で恒例の「お芋博覧会」がありました。面白い名前ですね。どんなことをする博覧会?

享保16年(1731)石見銀山代官・井戸平左衛門が大森銀山へ着任した時は飢饉の最中で、平左衛門は幕府の米倉を開いたり税を減免して庶民を助けました。さらに薩摩から芋を取り寄せて栽培させ、それが広まって石見では飢饉のとき餓死する者がいなかったといわれています。それにちなんで、サツマイモの栽培をPRし料理などでの活用を促進し町つくりに役立てようとして始まったものです。主催は中央ブロックまちづくり委員会、お芋開発プロジェクト実行委員会です。

「地域間・世代間交流」「地域おこし(活性化)」「次世代を担う地域リーダーの育成」「地域文化の伝承」を目的として開催するとチラシにあります。共催は「大田・川合・久利・大屋まちつくりセンター」、中央公民館、大田市地域振興課、大田市社会教育課。中ホールでは最初に石見神楽がありました。
DSC07026昨年,協力依頼があり、劇研「空」は参加して、詩「江戸から来た人」を朗読しました。今年は、大田市少年少女合唱団が創作曲3曲(伊藤裕子、大畑世利子、作詞作曲)を歌い、劇研空は中央公民館が作成した紙芝居「いもだいかん」を潤色して3人で朗読し、プロジェクターで絵を投影しました。短時間でしたが好評だったようです。
H27 中ホールで発表風花のみなさんも歌と踊りを披露されました。今年の夏には発表会を予定しているそうです。DSC07025

毎年このような催しが計画されていますので、どんな形で協力するか考えないといけませんね。吉川さん、田中さん、松本さん、すはまさん、おつかれさまでした。参加されたみなさんおつかれさまでした。

12/13 大田市民会館で X’mas コンサート

平成27年も残り少なくなってきました。今年もクリスマスコンサートが市民会館で開催されます。トップを切って、大田市少年少女合唱団と劇研「空」が舞台を飾ります。時間は10分。テーマは芋代官。なんで?
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実は6日には「お芋博覧会」が開催され、中ホールで10時30分から石見神楽、11:30少年少女合唱団と劇研「空」のコラボが行われます。合唱団はオリジナル曲「ありがとう芋代官」(伊藤裕子作詞・作曲)など3曲を歌い、劇研空は紙芝居「いもだいかん」を3人で朗読します。12枚の絵はプロジェクターで大きく投影します。この紙芝居は中央公民館やまちづくり委員会が作成されたものですが、劇研「空」が少し潤色して朗読します。
DSC07019楽しい歌がたくさんあります。どうぞおいでください。空のみなさん、次のような時程で行われますので、よろしくお願いします。

12日、18:00~18:40 ステージ練習
13日、11:00~11:20 リハーサル
13日、14:00~14:10 本番

※12日は13:30~浜田で石見演劇フェスタの準備会があります。
※13日は13:30~松江で県民文化祭文芸作品表彰式があります。

H27 山崎英和さん(大田高卒)短編小説集出版

10月22日の山陰中央新報文化欄の「出版話題」という囲み記事で、次のようなタイトルの文章が写真入りで紹介されました。

「大田出身の学生が短編小説 『今も僕らは歩いている』 悩み抱えつつも前へ」「大田市出身で神戸学院大学法学部3年の山崎英和さん(21)がこのほど、日常生活で悩みを抱えながらも人とのふれあいやエピソードを通して、前に向かって歩く内容の短編小説7編をまとめ短編小説集(文芸社刊)を出版した。(略)」
H27 山崎英和「今もぼくらは~」新聞のタイトルを見た瞬間、ひらめくものがありました。「2,3年前に高文連の小説で連続入選した生徒さんにちがいない!」

島根県高校文化連盟の文芸部門では毎年俳句、短歌、川柳、詩、小説、随筆作品を募集して表彰し作品集を刊行しています。ここ10年ばかり僕は小説と随筆の選考をしています。最近では小説は60編、多い時には80編くらい集まり、短期間で選考し選評を書いて提出するのは時間との闘いです。

平成23年は優秀作1位「日常」(松江北校 中村未央)、優秀作2位の1「ありがとう」(大田高 山崎英和)。平成24年は優秀作1位「視点」(大田高 山崎英和)、2位「君依存症」(大社高 藤江佳保)、3位「メリークリスマス」(大田高 山崎英和)

24年度では山崎さんの小説は2編あり迷いましたが、「良いものは良い」と割り切って上位入選にした記憶が鮮明に残っていました。

高校生の小説を読みながら、いつかこの中から文筆に係わる人が出てくればうれしいな、と思っていました。今までに書いたものを一区切りとしてまとめておくことは次の飛躍へのワンステップになります。意義あるチャレンジです。

山崎さんの小説には意表を突くような独創性はありませんが、日常生活の中での挫折や不安、悲しみ、悩み、不幸などに寄り添いながら、ふとした行為や出会いで明るいきざしが射してくる様子を自然な文体で描き、読者の心に温かいものを残してくれます。作者のヒューマニティが滲んでくるような小説です。読んでみてください。

大田ではジャスコで販売しています。昭和堂書店でも話しておきましたので今は置いてあるかも知れません。定価は1100円、文芸社です。インターネットでも購入できます。今回は内容は省略します。そのうち紹介します。

11/21,22 銀山テレビで文芸フェスタ 谷川対談放映(4)

9月22日に松江で開催された「しまね文芸フェスタ2015」のことは3回に渡って紹介しましたが、石見銀山テレビで、11月21日(土)8時~、22日(日)13時~、2回放映されます。放映時間はⅠ時間15分くらいです。
IMG_0736(開会式です。島根文芸協会会長のあいさつ。向かって右側は来賓のみなさん、左側は俳句、短歌、川柳、散文の会長と県の担当者のみなさん)

対談は、「初期の詩」、「ことばあそびの詩」、「最近の詩」と3つのパートに分けて行いました。それぞれの冒頭に劇研「空」の詩の朗読があり、途中には谷川俊太郎さん自身の朗読も数回あります。県民会館中ホールはほぼ満員で、とても楽しい雰囲気の中で対談は行われました。

IMG_0751(右から詩を朗読する谷川俊太郎さん、進行役の島根県詩人連合事務局長川辺 真さん、対談者・詩人連合理事長洲浜昌三さん、そして手話通話のみなさん)

企画のテーマは「詩の魅力を明かす対談と朗読」「わたしのことばさがし」。対談のなかで、谷川さんの詩の魅力を紹介し、谷川さんの詩のことばが生まれる源泉に迫り、谷川さんの詩に対する本心を聞くことができました。後半にはかなり難解な説明もありましたが、とても示唆に富んだこともたくさんありました。

終わりに近いところで、谷川さんが劇研「空」の朗読についてコメントをされましたが、そのことばが深く心に残りました。あんなことを言われるとは思いませんでした。どういわれたか?それは聞いてのお楽しみです。「空」の人たちには、最高のことばでした。

どうぞ銀テレが見られる人はちょことでも見てください。お客さんも熱心に聞いてくださり反応がとてもよく、とても豊穣な時間でした。(対談を文章にしておけばいいね。だれが?)谷川さん自身も、「島根の日々は私にとっても楽しく充実したものでした」と書いておられました。

掛け替えのない時間をみなさんと共にすることができました。谷川さん、ありがとうございました。

H27 劇団Yプロジェクト 稽古再開

松江で活動している劇団Yプロの練習場が10月8日早朝火災に遭い全焼しました。島根演劇ネット事務局の有田さんから、火災見舞いを演劇ネットから送りたいという連絡があって初めて知ったのですが、17日の新聞では「ファンの声援が後押し」「再び舞台を 稽古再開」という記事を写真入りので掲載しています。

劇団Yプロジェクトは1999年に発足、2008年に西津田一丁目の倉庫を改修して練習場にしていましたが今回の火災で5棟が全焼し、台本や衣裳、音響機材、道具一色をすべて失ったそうです。

一昨日、演劇ネットの有田さんを通して、代表の坂井陽介さんから礼状が劇研「空」へきました。市内の公民館を使用して11月から再び演劇スクールを開始しているとのことです。

Yプロは意欲的な創作劇や地域に密着した演劇指導や発表をつづけています。みなさん、またいい舞台を楽しみにしています。がんばってください。劇研「空」

H27,11/15 藤原紀生さん(大田高卒)オペレッタ「こうもり」で指揮

2015年11月15日、大田市民会館でオペレッタ「こうもり」の公演があります。開演は14時。前日の14日には浜田で公演予定です。大田市合併10周年記念行事としておこなわれますが、指揮者の藤原紀生さんは昭和61年3月に大田高校を卒業し国立音楽大学へ進んで現在は音楽家として活躍中です。

オペラ「こうもり」藤原紀生指揮

チラシの写真には志田尾恭子さんは浜田、浅原孝夫さんは美郷町出身とあります。藤原さんは大田高校理数科2年のとき生徒会長でした。英語の授業にもいきましたが、実に活発な生き生きとしたクラスでした。打てば響くクラスというのでしょう。そういうクラスの中心にいたのがノリオクンです。

昭和59年大田高へ赴任して演劇部を担当し、創作劇「エメラルドグリーンーおれたちのふる里-」を上演したとき、ノリオクンに頼んで劇中歌の歌詞に曲をつけてもらいました。この歌はその後の創作劇「また夏がきて」の中でも歌われ、この脚本は毎年全国でどこかの学校が上演しています。今年は盛岡スコーレ高校が12月4,5日に盛岡市の浜藤ホールで上演します。

というわけでノリオクンにはお世話になりました。父上は元大田国立病院のドクターで、今は広島におられますが、短歌の大ベテランで短歌集を出版されたとき贈呈を受けました。このブログでも紹介しています。大田高校演劇部が中国大会へ出場し、広島のアステールプラザで「星空の卒業式」を上演したとき、観劇にこられて激励していただいたことがあります。いろいろと浅からぬつながりがあるものですね。

15日には家族4人で観にいきます。颯爽としたディレクター姿を楽しみにしています。卒業生たちがどんどん活躍する時期になりましたね。実に頼もしく楽しみです。

http://wp.me/p69pEx-9F 藤原俊彦先生の歌集「命輝く」

H27 「岩谷時子・九十老を語り歌う」+「展示会」

2015年10月24,25日、大田市民会館で表題のイベントが開催されました。岩谷九十老さんは(1808~1895)大田市川合町の生まれで「石見尊徳」とも呼ばれる篤農家。岩谷時子さんはそのひ孫にあたります。作詞家として数々のヒット作を生み出されたことはよく知られています。1916年京城府の生まれですが、父親が小学校卒業まで大田で過ごしたこともあり、何度か大田を訪ねておられます。このイベントは大田市合併10周年記念として実施されました。大田市の音楽関係の団体はほとんど出演、劇研「空」は松本、山本、田中さんが時子さんの詞の朗読をしました。
DSC06961大変盛りだくさんで充実した舞台でした。ディスカッションが7回あり、対談、思い出話しなどが語られ、その間に岩谷時子さんの歌がたくさん披露されました。ゲストは元宝塚のトップスター剣 幸さん。歌は次のみなさんでした。川合小学校、花音、サウンド・コラージュ、大田市少年少女合唱団、フレンズ彩、きれんげ、アンジュ ド リュミエール、風花、ウィンドオーケストラ。

24日から26日まで中ホールで特別展が開かれました。大田市文化協会の石賀会長や事務局の縄田さんをなど資料を集め写真をとりまとめられたものです。時子さんが子ども時代に描いた絵が親戚の蔵の中から出て来たとか。3枚展示してありました。掘り出し物ですね。絵も得意で画家になる夢もあったそうです。

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26日の午後からは受付や展示品の監視役として会場にいました。九十老さんの業績は物部神社の境内に巨大な頌徳碑として建っています。物部神社へ行っても、その碑文を読んだ人はあまりいないかと思います。今度参拝したら読んでみてください。よく知れば、先見性があり実行力もある徳の高い人格者だったことが分かります。

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岩谷さんと交流があり、九十老さんの伝記を執筆中の福原さんの本もそのうち出版予定です。これは九十老さんの決定版になることでしょう。楽しみにしています。

H27 前進座『如月の華ー九條武子ものがたりー」公演

2015年10月15日、大田市民会館で前進座の公演がありました。石東地域の仏教会を中心にした実行委員会の主催で、劇研「空」は6名、場内係りとして協力しました。2008年には「法然と親鸞」の公演もありました。今回もほぼ満員で、みなさん大いに感動されました。さすがプロです。経費や動員力などを考えれば、大田の民間の力でプロの劇団を呼べる力量を持っているのはこの会くらいかもしれません。
H27 前進座 小「如月の華」九条武子劇が終わってからの風景です。雰囲気だけでもと思って記録しました。九條武子は和歌にも造詣が深く、白蓮との交遊もありました。関東大震災の直撃を受けて逃げ延びます。

十重二十重(とえはたえ)火炎の波に おはれおはれ いづちへゆくべき  わが身ともしらず

死を免れ、自分は生かされているのだ、という思いを強くして、震災被害者の救済に没頭し、印税を寄付して「あそか病院」をつくり、京都女子大の前進である女子大をつくります。全国を飛び回り、人々のために身を捧げる武子の姿が感動的でした。
DSC06962上の写真は購入した冊子の表紙で、主人公の武子を演じられた今村文美さんです。気品のある舞台姿が印象に残ります。

おわって菅原憲さんから誘われ慰労会に出ました。今村さんの隣に座って話しました。自己紹介で感想を述べました。「京都女子大は長女が卒業した大学で卒業式にも行きました。劇ではその大学とは知らずに見ていました。演劇をする者にとって、今との関係はとても重要です。この劇では、関東大震災の場面が圧巻でそれ以降はとてもインパクトと感動がありました。東北大震災に重ねながら観ていました」などと感想を述べました。

劇団の人も、今回が最後の舞台になることを惜しんでおられました。単なる過去の人物劇ではなく、今の日本にも生きる普遍性のある劇であることを考えて演出し上演しておられることが伝わってきました。

前進座のみなさん、実行委員会のみなさん、ありがとうございました。おつかれさまでした。