山城さん、寒さの中どこを歩いていますか

 昨年の12月から寒い日がつづいています。今夜は零度以下です。この寒さの中で山城賢治さんはどこを歩いておられるのでしょう。寒々とした外の景色を見ながら、いつも山城さんのことを思います。

上の写真は平成22年11月17日に五十猛で修平さんが写したものです。山城さんはこんなスタイルで大田を出発されました。山口、九州と歩いて行かれたのでしょうけど、今どこでしょうか。九州でしょうか。もう沖縄のどこかを歩いておられるのでしょうか。

山城さんはインドへ三年半おられました。ヨガを習得されたそうです。7月に日本へ帰り、茨城からリヤカーを曳いて歩いて大田へ帰って来られました。11月の始めに電話があり、久しぶりにお会いしました。お世話になった山本くんや修平さんにも連絡して、ナゴヤで楽しく語り酒を酌み交わしました。その数日後に大田を出発されたのです。

数年前、劇研空で演劇の基礎訓練をしていただいたこともありますし、石見銀山の民話を音楽劇にした「鶴」では、演出もしていただきました大田高校の演劇部員だったそうですし、東京では演劇で役者や演出家として活躍しておられました。独特の感性や深い思考力を持っておられたので、インドへ行かれたということを聞いた時には、やっぱり、という気がしたのを覚えています。

リヤカーを曳いて野宿をしながら歩いておられるのですが、いろいろな出会いがあり楽しいことがたくさんあると言っておられました。上の写真は了解を得てここへ載せています。

次の記事は同じ日に「しまにちタイムス」の記者がインタビューして掲載したものです。うまくまとめてありますのでここで紹介させていただきます。この新聞は月刊ですが大田市の公共施設に置いてあります。とてもいい情報を載せていますのでぜひ手にとって読んでみてください。

やましろさーん!毎日毎日寒いけど大丈夫ですか?気をつけて旅をつづけてくださいね。体調に気をつけるのはもちろんのこと、交通事故などにも気をつけてくださいよ。また話を聞かせてください。

https://stagebox.sakura.ne.jp/wp/?p=1979 「おつかれさまでした、山城賢治さん」

第48回高校演劇中国大会上演日程

 今年の中国高等学校演劇協議会の事務局は広島市立沼田高校で事務局長は黒瀬貴之先生です。発表会事務局は安来高校で事務局長は細田欣一先生。上演校と演目や時間などの日程を送っていただきましたので紹介します。開場は前回書きましたが島根県民会館中ホールです。

 講師は俳優の二口大学さんと千葉県立柏の葉高校の阿部順先生。

 島根は開催県なので3校上演しますが見応えのある劇を見せてくれるでしょう。1校が代表校として来年8月の全国大会へ出場しますが、どこに決まるか楽しみですね。

高校演劇中国地区大会松江で開催12/18,19

 平成22年度の中国地区大会は松江で開かれます。今日神奈川に住む人から大会の期日問い合わせの手紙がきました。日にちしか分かりませんのでチラシかパンフを持っている人は教えてください。

 島根は三刀屋、出雲、松江商業が出ます。広島は鈴が峰女子、沼田高校です。この二つは行きましたのでわかります。山口、鳥取、岡山はわかりません。

さて、上の舞台風景写真は、平成21年度の島根県大会で最優秀になって中国大気へ出場した松江商業と下は三刀屋高校です。三刀屋はこの時点ではまだ欠点も見えましたがその後相当手を入れたのでしょう。中国地区で最優秀となり今年の夏に宮崎の全国大会へ出場しました。残念ながら全国大会を観劇に行けなかったのですが三刀屋は優秀賞を受賞し東京の国立劇場でも発表しました。全国のトップレベルを走り続けています。

 今日青年劇場の「青少年劇場通信85号」が届きました。大田高校へ赴任したときの演劇部員、福原美佳さんがここで活躍し、劇研空を応援してくれています。その福原さんのことが出ていました。「9月8日、9日’立高祭’演劇コンクール講師」を務めたそうです。以前会った時には朗読や語りなどでも頑張っているとのことでした。

 その青少年劇場通信に三刀屋高校などのことが書いてありましたので紹介します。演劇の大先輩、全国高校演劇協議会名誉会長の内木文英先生の56回高校演劇全国大会を観て講評されたものです。先生は第1回から一度も欠かさずに全国大会を観て来られました。松江で全国大会を開催したときには一緒に飲み歓談しました。高齢ながら青年のような情熱と気力があふれている人です。一部を引用させていただきます。

「ほとんどすべての作品が、レベルを超えているところがあって楽しかった。中でも目立って良かったところをあげると、島根県立三刀屋高校の「オニんぎょ」(亀尾佳宏作)、山梨県立甲府昭和高校「放課後の旅その他の旅」(中村勉作」、愛媛県立川之江高校「さようなら小宮君」(越智優・作)、青森県立弘前中央高校「あゆみ」(柴幸男作、畑澤聖悟潤色)、宮崎県立佐土原高校「銀の雨」(段正一郎作、長尾直紀潤色)群馬県立前橋南高校(黒塚SEPT、演劇部、原澤毅一作)などだ。                                                     どれを優秀賞にしてもいい舞台だったが、能の「黒塚」をもとにして、若者の飾らぬ姿をリアルに描いた前橋南が、最優秀だった。」以下略

 三刀屋、川之江、弘前中央は最優秀。三刀屋の亀尾先生に創作脚本賞が贈られた。すごい書き手がたくさんいる中での全国の創作脚本賞ですからね。たいしたものです。みんな大ベテランです。

 最後に内木先生は次のように講評を結ばれています。「すぐれたたくさんの指導者が高校演劇にあらわれてきた。これからの高校演劇に期待したい。」

 確かに以前より実力のある顧問の層が厚くなり表現手段も高校演劇の中に閉じこもらない普遍的なものが多くなった気がします。三刀屋高校の場合全国大会の写真を見ると県大会とは違います。発表する度にレベルアップしていったのでしょう。

 今年の中国地区大会がどうなるか。楽しみですね。無料です。松江へ行かれたらブラリと県民会館へ寄ってみてください。はい。

 劇研空は発足当時から高校演劇も応援してきました。ということで島根で開催される中国大会と昨年の三刀屋の劇を紹介しました。

 

千葉高演劇部「また夏がきて」を県大会で上演11/26~28

 平成22年10月31日に地区大会が千葉市の南部青少年センターで行われ「また夏がきて」を上演した千葉高校は代表に選ばれ県大会に出場することになりました。県大会は千葉県教育会館センターホールで開催されます。手紙によると26日(金)~28日(日)のどこかで上演されるそうです。

 台本を同封して丁寧な上演許可願いの手紙が届きました。最近は脚本をそのままコピーする学校が多いのですが、千葉高校演劇部はきちんとパソコンで打ち込んでプリントアウトし製本した台本を送ってこられました。劇に対する真摯な姿勢がうかがえます。この台本は「高校演劇」(高校演劇劇作研究会発行)と「高校演劇Selection 2001下」(晩成書房発行)に載っています。写真で紹介しましょう。

 どんな舞台になるかわくわくします。千葉まで飛んで行って観たい気は満々ですが、ちょっと千葉は遠い。近くにいる人!代わりに観に行ってくだされ。許可を得てビデオでも撮って見せてくだされ。in vain と木霊が返る。

 千葉高校演劇部のみなさん!感動のある舞台を創ってください。ご健闘をお祈りします。

 この劇は昨年10月11日春東京農業大学第一高校演劇部がアゴラ劇場で上演しました。20年8月には山口の田部高校が上演しています。中国大会へ出たら観に行こうと狸の皮算用をしていましたbut in vain。18年9月14日には秋田県立二ツ井高校演劇部が能代市民文化会館で上演。15年には岩手県の杜陵高校、16年には北海道の紋別北高校、東陵高校、栃木県の宇都宮南高校など。

 「母のおくりもの」や「星空の卒業式」(福野高校は県代表として中部地区大会へ)、「峠の食堂」、「ワラン・ヒアって何ですか」(松江農林高校が中国大会へ)、「僕たちの戦争」(新潟県の高田北城高校が関東大会へ)、「卒業写真」などが上演されています。記録としてまたいつかまとめてみましょう。これらの作品は大田高校の演劇部員たちが演じたも記念すべき作品です。

 ではここでその記念すべき写真を古い古いアルバムから取り出して一枚紹介しましょう。撮影者の影響を受けてピンボケ気味ですが出演した人たちにはよく分かるでしょう。いつか年度ごとにまとめてみようと考えてネガフイルムをデジタル化する機械を買いました。そのうち写真をいれて記念冊子を作っていきたいそのうち、そのうち、どっちがはやいかな。

みんなどうしているかな。ゆいさんは分かっているけどね。このときには中国大会へ行けなかったね。その代わり大田市民会館で行われた中国大会の事務局としてみんな汗を流して頑張った。SS高校演劇最後の年でした。                          

 

平22年度島根県高校演劇大会で県代表3校決定

 34回島根県高校演劇発表大会は10月30日31日の2日間加茂文化ホール ラメールで開催されました。7校が発表し三刀屋、松江商業、出雲の3校が最優秀に決まり12月18日19日に県民会館で行われる中国大会へ出場します。

 昨年につづき野村みさこ先生と講師として参加しました。審査員の先生は山本、織部、濱村の3先生でした。各校の劇を舞台風景として紹介しましょう。

 石見からは浜田高校が一校参加しましたが、大田、矢上、江津、浜商、今市分校、益田、翔陽、津和野、津和野など伝統のある学校では演劇部は廃部!浜田高校は木村先生が松江から帰って来られたので息を吹き返しましたが休火山寸前でした。浜田を中心に広がってくれるといいですね。

 浜田高校の創作劇「Deart…」。演出を担当し山田隼人役でも舞台に立った中山侑也くんの創作劇。生き生きと演じ楽しい舞台でした。メールですませ最近では書かなくなった手紙がテーマだったのですが、それをもっと一貫して追及すればよかった。作者の掌中で都合がいいように人物が操られる場面もありリアリティが希薄になるところもありました。天狗先生は一人大熱演でしたがあまりやり過ぎると一人浮き上がってしまいます。浜田は次の日には浜田地芝居大会へ出場。観劇した人からメールがありさわやかな舞台だったとのこと。往年の浜田劇が次第に復活することを期待しています。

 三刀屋高校は顧問の亀尾佳宏作「水底平家」。二年前は「みなそこへいけ」でしたが今回は手を加えての上演でした。平家の赤旗、源氏の白旗を使って照明、音響も効果的に生かした舞台は圧巻でした。舞台処理の力量はどこにも劣らないでしょう。女性がほとんどなので大声で朗唱したり力んで声をだすとどうしても上ずり言葉が明確でなくなるのは残念。男性が5,6人いたらすごい迫力が生まれるでしょう。

 少年のミカオは海に落ちて平安時代へタイムスリップ。平家一族からミカドと間違えられ、安徳天皇として遇されるのという面白い発想です。ミカオ自身がもっと主体的に行動すればさらに面白いドラマが起きるでしょうが、夢から覚め幻想の世界から戻るというラストです。舞台を縦横にそして立体的にも使い絵巻物を見るような場面が次ぎ次ぎと展開されてあっという間に終わる感じです。

 広島の県大会で篠本照明の杉原さんが国際演劇祭でこの三刀屋の劇を観てその照明の処理に感心したと顧問研修会で話しておられました。杉原さんは松江商業高校の卒業です。昌利先生から習ったと話しておられました。

松江農林高校「オーマイゴッド」村田ゆいか作。地神、蛇神、天神など神様がまったく普通の人間の姿で登場し高校生といろいろなからみかたをする。部分的に面白いところや場面として印象的なところがあるけどお互いの関係が分からない。思い切って自分たちの思うように脚色して高校生らしい舞台にすればよかったかも知れない。上の写真はラストの場面。シルエットはとても印象的です。

 松江商業高校「カラスが泣く」助演出で婦人警官の役でも素晴らしい存在感を示した佐藤愛子さんの創作。とても面白くみました。みんなの創意工夫があちこちで生きていて台本を超える豊かな表現があちこちでみられました。お婆さん役も実にうまくて感心しました。昨年もとても演技がうまく感心しましたがその伝統は受け継がれているようです。劇としては前半とおばあちゃんが出てくる後半でテーマが分裂している観があり、最初からどこかでおばあちゃんを出して一貫しておばあちゃんと子どもたちとの関係を追求すればとても思い白い劇になりそうです。劇のおしまいで安易に叙情で逃げて問題を解決した気になるのはまずい。解決しなくて問題提起で終わってもおかしくはありません。作者の都合のいい安易な解決で幕を下ろすのは劇がいっきに軽くなり嘘っぽくなります。頑張ってさらにいい劇にしてほしいですね。

 出雲高校「アン・ドゥ・トロワ」伊藤靖之作。とても素敵な舞台でした。発声が自然なので言葉がよく分かり動きも軽やかで劇にリズムがありました。数多くある場面が実に印象的で絵になっていました。しかし劇自体に発展性があまりないので場面場面を切り取った貼り絵の様な構成劇という印象が残りました。

 保育所でお母さんの迎えを待っている幼児たちが保育士の内面を演じてみたりするのは面白いのですが、次ぎ次ぎと保育園と関係のない人生ゲームを演じるのは何故か分かりません。脚本を貫く一本の骨が欲しい。演技や発声は昨年も素晴らしかったのが印象に残っています。

安来高校「ゆうたっちょの中学生絵日記」田中雄太作。遠藤祐滋、細田欣一潤色。何年も前に山県県で行われた全国大会で観た名作舞台。安来高校はこの名作に挑戦しました。力強い男性部員が6人、女性が3人いて伸び伸びと演じて楽しい劇に仕上がっていました。とてもうまかったので当然代表になる可能性も十分ありましたが、後半で場面がカットされたためか権田原先生は前半の強引な先生のままで後半には何も言及がなかったり、笑いと可笑しさは十分でていたけどその背後にある悲しさや切なさや何とも言えない思いの深さなどがあまり出なかったのではないかと思います。

 松江工業高校「あしたあなたあいたい」成井豊作。キャストが12人登場しました。部員がたくさん入ったのでこの台本を選んだとのこと。皆さんよく演じていましたが高校生の日常とはかけ離れた世界の出来事で、今から30数年後へ飛んでいくという未来の世界で話も分かりにくいところがあった。難しい劇だけど皆さんはかなりうまく演じていたと思いました。服装などはもっと人物に応じて工夫すれば劇がわかりやすくなり未来と現在との関係も理解しやすかったのではないかと思いました。

 以上舞台風景を紹介して簡単に感想などを書いてみました。あくまで僕が感じた感想ですから他の人が観れば違う感想が当然あるでしょう。そこが芸術のいいところであり奥深さでしょう。

 中国大会でまたいい舞台を見せてください。楽しみにしています。

waseda 優勝おめでとう!

 早慶戦で早稲田が優勝。早慶戦の決勝は50年ぶりだとのこと。そういえば50年前あの神宮球場で声を張り上げて肩を組み「紺碧の空」歌っていたのだ。不思議な感覚だね。あのとき何度やっても決着がつかずついに六連戦。安藤投手が連投した。

 今回の立役者は斉藤祐樹。甲子園でマー君と投げ合って優勝し、早稲田へ入って100代目の主将。早慶戦優勝。そして東海大に勝って初めての大学日本一。「一生懸命やれば神様はご褒美をくれるということ。」というコメントも並の人間じゃ言えないよね。実績がちゃんと付いてくるのだからこんな大それた言葉を吐いても謙虚に聞こえるからこれまたたいしたもんだね。

 インタビユーで話したことがまたすばらしい。「斉藤には何かがあるといわれてきました」と大きくぶち上げてみんなの興味を引きつけ、一呼吸置いて、「それはすばらしい仲間がいることです」と実にさわやかな学生らしい真摯な言葉で括る。野球だけじゃなくて言うことも一流だね。演劇の素質十分。

 斉藤が浜田高校出身の梨田監督の所へ、福井が広島カープへ、大石が西部ライオンズへそれぞれドラフト一位で入団が決まった。三人もすごいピッチャーが揃うことなど滅多にない。きっと活躍することだろう。しかし何故一人でも阪神へ来なかったのかなあああ。

 今日のニュースでは浜田高校→早稲田→ソフトバンクで活躍中の和田毅がMVPに輝いたと報道している。すごいね。おめでとう。ソフトバンクのファンじゃないけど王さんと和田さんは応援してますよ。

 劇研空の実験中のブログへ何で野球が飛び出してきたのか?げきだけがげきじゃないげきいじょうのどらまをかんじたからです。

劇団ギミック 高橋賢耳追悼公演11/21 手銭記念館で

 11/22(日)は2回公演があります。5時開演と20時です。場所は出雲大社の近くにある手銭記念館です。朗読芝居ですがどのように舞台空間を使い朗読されるか楽しみです。

 高橋賢耳さんは今年8月1日に他界されました。僕は直接のつきあいはありませんでしたが、出雲で2回劇を見ています。

 劇団「幻影舞台」の清原真さんが新聞へ追悼記を書かれたので切り抜いて保存しています。清原さんと山陰中央新報に感謝し謹んで紹介させていただきましょう。まだまだ大きな仕事が期待されていた貴重な才能の持ち主がこのように逝ってしまわれるのは無念なことです。

 この公演を聞きに行きたい空のメンバーは連絡してください。前売り券は1500円です。いろいろと勉強になることでしょう。

 

第50回広島県高校総合演劇大会11/13.14尾道で開催

 尾道のしまなみ交流館で開かれます。各地区の代表13校が参加して2日間行われます。

 島根は10月末に開催され県代表校に出雲高、三刀屋高、松江商業が決まりました。今年は12月中旬に松江で中国大会がひらかれます。県大会の様子は後日紹介しましょう。

 広島県大会ですが、演劇の伝統校はほとんど代表になって出場しています。面白い創作劇もあり楽しみです。

 13日は9:20~開会式、9:40~18:50まで8校が発表します。5分の休憩という強行軍です。

三原東、舟入、大門、広島、尾道北、基町、呉港、沼田の各校。

 14日は9:20~15:15まで次の高校が発表します。

清水ヶ丘、美鈴が丘、福山、鈴峯女子、尾道高校。

 終了後は講師講評、生徒講評、表彰式、閉会式です。17:30終了予定ですが、急いで旧石見銀山街道を飛ばして帰ります。次の日は准看の英語が待っています。

 平成17年にも広島県大会には講師・審査委員で参加しましたが、広島の高校演劇は多彩です。広島市内の高校は部員が多いので劇の作り方がどうしも似てくるところがありますが、尾道や福山や三次などはちょっと味が違います。地域や学校の特色や演劇部の伝統が生み出す個性なのでしょう。

 今から三瓶を通って、ダムがどうなっているか眺めながら三次へ出て尾道のグリーンホテル尾道へ黄砂を浴びながら直行です。19時から打ち合わせ会が待っています。尾道商業が事務局ですが、そこには大田高校出身のオキくんがいるとか、17年には中国新聞記者で大田高校卒業生がインタビューに来たのでビックリ!英語を教えていたのです。

 それにしても大田高校の演劇部がこの世から消えたのは残念無念の至り。このブログも大田高演劇部を応援するために修平さんが立ち上げてくれたのですが(ナミダ)行って来ます。

福波小の劇に温かく大きな拍手

 11月7日福波小学校体育館で、音楽朗読劇「経家最後の手紙ー不言城の子どもたちへ」の発表がありました。地域の人たちや保護者が200人くらい観劇。全校25人の子どもたちは練習の成果を立派に発表しました。

 大人が演じてもいいような劇ですから、難しいせりふもたくさんありますが、完全に覚えていたのは驚きといってもいいでしょう。朗読は台本を持ってもいいですよ、と言っておいたのですが完全に覚えて見事に次々と朗読しました。一年生もいますし日頃は声をあまり出さない内気の子もいるでしょうが、それを少しも感じさせませんでした。

 実質練習時間は約3週間。授業も他の行事もあるなかでの練習ですから3週間での集中力は相当なものです。同時に子どもたちが持っている能力の高さを教えられた気がしました。

 衣装や装置、練習で保護者のバックアップもあり先生方の指導力も十分で楽しい場面があちこちに生まれました。場面にぴったりと合った音楽もたくさん入り劇を引き締め高める効果が大いにありました。

 終わってから大きな長い拍手がつづきました。その拍手の中を子どもたちは学年別に登場し、自分たちが考えた楽しい振り付けでお礼の挨拶をしました。これがとても素敵でした。バックのスクリーンには山本さん作成の写真や名前がプロジェクターで写し出されて行くアイデアも抜群でした。

 これだけの劇を小学生が発表する例は全国的にも珍しいことです。小規模校で先生も保護者も一体となって協力したから出来た事です。僕たち劇研空はその皆さんの熱意に共感してちょっとお手伝いをしただけです。

 なによりも地元に吉川経家という全国版の有名な武将がいて見事な生き様を残していてくれたことを忘れる訳にはいきません。切腹の直前に子ども宛に書いた遺書は現代にも通じる普遍的な人間の愛を語りかけてきますし、人間の生と死の意義を問いかかけてきます。

 時間があればまだまだうまくなること間違いなしです。歌はもっと練習すれば感動的な歌になるはずです。せりふはずいぶん上達しましたが、「どういう気持ちで喋るか」をよく考え(時間があれば脚本分析や読み合わせのときにしなければいけないことですが、今回は時間がなかった)、その思いや気持ちをどのように表現するか(動きや表情や言葉の強弱など)を訓練すれば一段と感動的な舞台になるでしょう。

 しまにちタイムズと山陰中央新報の記者さんが取材にきておられました。地元のテレビ記者は残念ながら見えませんでした。(福波は江津市ですかと、訊いた人がありますが大田市です)地域の人たちの作品展示や子どもたちの作品発表、ブラスバンドの演奏、バザーなど賑やかな一日でした。編集して3分でも5分でも放映してもらうと地域のことが市内の皆さんによく分かっていいのにな、と思いました(勝手に思え!) 

今朝山陰中央新報をみたら大きく掲載されていました。地域の人たちにも子どもたちにも励ましになるでしょうしコピーなどして持っておけばいい記念になるでしょう。うまくまとめてありますので紹介させていただきます。

 不言城会の会長さんや市会議委員さんなどにとても喜んでいただきました。ある人は「これはスタートですからね」といわれました。確かにそうです。いろいろな方面に発展していくことでしょう。役者がそろい金があれば(ない)大人用の劇に書いてみたい気がしますし、PRのために小冊子にしてみたい。脚本がほしいという人もあるのであちこちへ送っていますが家内工業印刷では面倒です。

 東京のある人が次のように読後感をメールで送って下さったのがとても励みになりました。 「まず第一声、『素晴らしい』です。ストーリーの流れを見ると、ほとんど文句をつけようがないくらい歴史考証が正確です。~出典はほぼ把握できるところも好感が持てます。フィクションも程よく注入されており、既存の作家が書いた経家の小説よりも感情移入がしやすく、素晴らしいできだと思います」

 

  浄光寺墓地から真向かいに横たわる不言城を写した写真です。当初の福光城は山の左側の久根平に本城を構えた峰全体に及ぶ山城だったが、吉川氏入城後は規模を縮小し、右側の小田ヶ平の山頂へ本城を築いた。二の丸、三の丸、麓には御殿屋敷がある典型的な後期中世城郭です。二つの峰の中間に切り落としを設けている。久根平側は本来は城外だが上の丸といい、物見台や馬洗池があり実質的に城内扱いである。

 発表が終わって帰りに、不言城ふもとのりょう言寺に寄り、向かい側の浄光寺の墓地を訪ね経家の父・経安と奥方の墓碑に黙想を捧げました。前不言城会長の坪内さんが、ここには経安の切腹を不言城へ知らせた小姓萱野九良左エ門が書き残した記録が墓の墓碑銘に記してあると言われたからです。確かにありました。元の資料は大阪にあるそうですが、見てみたいものです。

 琴ヶ浜で車を止めて、綺麗な砂や波などパチパチ写しました。来年3月公演予定の「琴の鳴る浜」のためです。綺麗な砂を強調したポスターが出来ないものかな。歩き疲れて筋肉痛になり、まだ痛みがとれません。 

 みなさん、いろいろとありがとうございました。おつかれさまでした。

 

大田市立福波小学校 創作音楽劇「経家最後の手紙」を発表11/7

 福波小学校の児童25人が平成22年11月7日(日)10時から学校の体育館で写真の脚本を発表します。先生も保護者も一緒になって作った舞台です。大人が上演してもいいような脚本をみんな頑張って作り上げました。福波小学校は来年の3月で名前が消えます。その記念行事の一環でもあります。

 吉川経家は鳥取では英雄です。10月26日に鳥取市の真教寺で430周年大法要が行われ大田からも30数名参加しました。鳥取吉川顕彰会の会長は鳥取市長です。都合で副市長が出席されましたが、「経家は鳥取市民の恩人です」という言葉がありました。それほど鳥取市民には親しい経家ですが、大田で知っている人はほとんどいません。

 10月25日午前4時ごろ切腹しますが、前日から8通の遺書を書いています。最後は子どもたちへ平仮名で書いています。この手紙に触発されて脚本を書いたのです。400年以上前のことですがその人間性は今の人たちの心にも響きます。

 吉川経家がいた不言城は福光にあります。九号線を通って温泉津トンネルを抜け長い坂を下ると目の前にガソリンスタンドがあり、その背後にある標高約100メートルの山が城跡です。

 

 劇には一年生から6年生までみんな出演します。先日練習を見に行きましたが、難しい言葉があるのにみんなちゃんと覚えて大きな声で演じていました。大したもんですね。子どもだからこれくらいしか出来ないだろう、と既成概念で考えて限界を設けると、その範囲のことしか出来ませんが、限界を取っ払うと大人に負けないこともできます。舞台は群読と劇と歌で出来ています、作曲は仁万の菅森容子さんと大田の長坂行博先生です。

 今年鳥取には2回行きました。一回は9月25日に開催された中四国詩人会大会です。26日には鳥取から吉川経家顕彰会の人たちが30人くらい不言城見学に来られ、夜は温泉津で歓迎会があり出席しました。二度目は大法要です。修平さんも一緒にいきました。

 次に鳥取城がある久松山と真教寺の写真を紹介しましょう。真教寺は何度も移転していて今は市内の住宅街にありますが、経家がいたときには城内にあったようです。経家はそこで切腹したと言われています。(城内説もありますが)切腹した時の様子を山縣長茂は1644年に詳しく書いて岩国の吉川家へ提出しています。実に描写がリアルで衝撃的な覚え書きです。

 7日の発表は誰でも観られますので都合のつく人はお出かけください。東京からはるば来られる経家フアンもおられます。地域の人たちがバザーなども出されるそうです。

 次ぎに練習風景の一端を紹介しましょう。鳥取城の描き割りは保護者の手による傑作です。保護者の中には大田高校演劇部だった人もいます。「母のおくりもの」で県代表となり倉敷で行われた中国大会に出ました。そのときの母です。さとみさんと言えば知っている人だけ知っています。発声練習や劇の練習またパソコンを駆使してすてきな紹介を作って投影してくれます。

 この劇は2月ごろ閉校記念行事として再演される予定です。劇研空は修平さんと僕とでいろいろ協力しました。

一年生や二年生も一生懸命演じます。楽しい場面もあちこちにあります。明日が楽しみです。頑張ってください。みんなで観に行きます。(みんなとはどんなにたくさんのひとがいるのだ)