「歌って踊って、舞台に立ってみたい方、プロが振り付け、演技指導を行います」と書いたチラシが大田市民会館の入口にありましたので紹介します。対象は小学校3~6年・中学生・高校生です。〆切は平成24年1月20日です。
子どもの精神的な成長にも大いに役立つこと間違いなしです。どうぞ参加して貴重な体験をしてみてください。指導者は「風花」を長い間指導しておられる三浦克也さんです。
2011年12月4日、大田市民会館中ホールで大田市のジュニアミュージカル「風花」の「学校ネズミのコンサート」が上演され、成功裏に終わりました。原作は岡田淳・作「放課後の時間割」脚本・作詞は佐藤万里、作曲は川崎絵都夫、演出振付、三浦克也。15年前に第6回島根音楽祭大田公演として、キャスト、スタッフを公募して大々的に上演され好評を博しました。それをきっかけに風花は誕生しましたが、今回はその短縮版です。12名の子供たちと10人の大人が出演しましたが、伸び伸びと演じ楽しい公演となりました。
市民会館の大ホールは耐震工事で使用できないため中ホールで2回公演されました。ここには舞台も照明設備もありませんので、スタッフが総て準備しました。上と下にタワーが持ち込まれて照明器具が釣り込まれました。大変だったことでしょう。舞台は狭くなりましたが仕方がありません。120席くらいが精一杯ですが、2回公演で240人と新聞にはでていました。
12人の風花の子供たちは舞台になれていて怖じけることなく楽しそうに歌い踊っていました。10人の大人もほとんどが舞台経験のある人たちばかりで堂々と演じていました。楽しそうに伸び伸びと演じている姿がとてもさわやかでした。舞台は狭いのですが演出はプロの三浦さん。さすがにうまく出入りや立ち位置や動きを処理しておられました。風花の保護者や15年前に出演した人も出ておられました。劇研空の田中さん、石橋君も楽しそうに歌い踊っていました。
帰りに出口で見送りをしていたイシバシネズミをパチリ!と写しました。風花の会長、神田真弓さんは、「風花15周年を記念し、お世話になった大田市への恩返しとして、’大田文化への更なる夢’を追い求め、この公演を企画しました」とパンフレットに書いておられました。芸術文化歴史が豊かな街では人も豊かに育ちます。風花が14年も続いているのは子供たちを豊かに育てたいという保護者の皆さんの熱意があったからです。
市民会館の耐震工事に当たっては数回の説明会があり、たくさん要望もだしました。その一つが「中ホールの充実」です。中ホールに移動式舞台を設置し、天井を高くしてシーリングバーやホリゾントを設置したら、色々な団体が気軽に使用できます。発表活動も活発になることでしょう。来年3月で中ホールも使用できなくなります。2年後には蘇った使い勝手のいい中ホールと体面したいものです。
12月7日の山陰中央新報に公演の様子が出ていましたので紹介させていただきました。
大田のジュニアミュージカル「風花」が平成23年12月4日(日)大田市民会館中ホールで『学校ネズミのコンサート』を上演します。「風花」は15年前に発足した子供ミュージカル劇団です。毎週青少年ホームで練習してきました。困難な中で保護者の熱意が活動を支えています。子供さんと一緒に観劇に出かけてください。同年代の児童が舞台で堂々と演じるのを見て、きっと感動しますよ。いい教育の場にもなることでしょう。
この3月に再演した『琴の鳴る浜』に出演してくれた子供たちや石橋君、田中さんも出す。この劇は15年前に三浦克也さんの演出で公演しています。大田市も全面的にバックアップしてキャスト・スタッフは公募して大がかりな舞台でした。今回はその短縮版です。
子供たちはがんばって練習してきました。楽しみにしています。劇研空も応援しています!
大田市文化協会は『きれんげ』を年3回発行しています。各号は8ページの会報ですが大田市の文化や歴史、文化グループ、人物、俳句、短歌、川柳、詩などを取り上げて格調のある冊子をつくり高い評価を得てきました。1号から50号はすでに合本になって発行され、今回2011年9月、51号~100号の合本が発行されました。大田の文化や歴史を知る上で欠かせない資料です。簡単に紹介しましょう。
『きれんげ』は7名の編集委員で作成しています。高いレベルの会報をつくることを目指してきました。ある県内の文化人は、「県内で最もレベルが高い会報の一つだと思う。優れた書き手が多いのも特徴だ。」と言っていました。それぞれ立派な人たちで編集委員の見識が紙面に反映されています。
連載ものが数本あるのも特徴です。大田に来た文化人が大田について書き残した文献を丹念に調べて連載された西村 恿先生の「大田市文学散歩」は貴重な記述です。芥川龍之介、大町桂月、斎藤茂吉、徳富蘆花、岩谷小波、松本清張、岡本かの子、森鴎外と中島範造、中村健吉、駒田信二、杉本苑子、小野十三郎、山口誓子などなど35人にもなります。「本にしてください」と数回言ったことがありますが、残念ながら昨年他界されました。派手なことが嫌いな地味で実直、責任感の強い先生でした。惜しい人を亡くしました。尊敬していた先生でした。
石見銀山資料館館長、仲野義文さんの「石見銀山あれこれ」は38回つづきましたが、貴重な資料や文献を駆使して書かれたものです。今は藤原雄高さんが引き継いで執筆されています。
「清流」というコラムは菅原龍憲さんが担当され鋭い筆先には定評があります。400字くらいの短文ですが、全国紙にも負けないレベルです。菅原さんはこの欄の文章をまとめて『世をいとうしるし』という本にして京都の本願寺出版社から発行しておられます。300円という手頃な値段です。
大田市で活躍している文化人などを取り上げて1ページで紹介している欄も貴重です。
最近では詩を載せる雑誌や会報などは見あたりませんが、編集長の大場 格先生の見識で洲浜昌三さんの詩を73号から連載しています。意外と好評で、感動しました等という声を聞くことがあります。(・・・・・)
この本は限定出版です。早い者勝ちです。2000円で販売しています。文化協会でも取り扱っていますが、すはまくんも数部抱えて苦闘しています。欲しい人には定価でお送りします。資料として今後生きてくるでしょう。
2011年10月8日の山陰中央新報で今年の山陰中央新報社地域社会賞受賞者5名を発表しています。20日には受賞式が行われました。ちょっと紹介させていただきます。実物を読みたい人は10月20号を買ってください。
それぞれ長い間地域社会へ貢献してこられた尊敬すべき人たちです。その中に45回社会賞を受賞した北浦正信くんが載っています。むかし益田に県立益田工業高校という高校がありました。その時の機械科3期生3年3組の卒業生の一人が北浦くん。なんんと担任がすはましょうぞうくんでした。しょうしんくんおめでとう!
卒業して東京の大手企業に勤めていましたが、好きな写真はずーっと続けていました。会社をやめて写真専門家に。帰郷して写真館を開業するとき、名前をどうするかとくんちゃんと一緒に我が家へ来て相談しながらおおいに語りのみました。写真の腕も立派ですが、今回の受賞は30年近く益田市で少年剣道クラブを指導し、子供たちとヴォランティア活動をしてきたことに対して贈られたものです。
自分の仕事をし家族を養うだけでも立派なことです。その上に30年も子供たちのために尽してきたのですから頭があがりません。都会にでている同級生でこれを読む人がいたらお祝いの手紙でも書いてください。あのクラスは元気が良くとてもまとまった活発なクラスでした。学期毎に文集をだしたり、クラス内駅伝大会やスポーツ大会を開いたり・・・県工の校舎はいまどうなってるんだろう。
2003年には浜田尚くんが48回スポーツ賞を受賞しました。邇摩高校時代も水泳で大活躍しましたが、社会人になってもほぼ毎日水泳の指導をしてきました。先日も会いましたが、毎日指導しているそうです。すごいことです。たかしくんを邇摩高ではたんにんしました。これぞまさに「出藍の誉れ」ですね。
「好きなことをして、人の役に立てて、食えれば最高の人生」といいます。「食える」のは無理にしても、「人の役に立つ」ことは最高の人生です。
2011年10月29、30日の2日間、島根県民会館中ホールで第35回島根県高等学校演劇発表大会が開かれ7校が上演します。入場料は無料です。高校生たちの熱のこもった新鮮な舞台をぜひお楽しみください。
創作劇は三刀屋高校の『ヤマタノオロチ外伝』と出雲高校の『セ・ラ・ヴィ』です。三刀屋高校は顧問の亀尾佳宏先生の創作、出雲高校は木下根っ子さん、イトウ先生。二人ともベテランの書き手です。おもしろい舞台になりそうです。安来高校の『修学旅行』と大社高校の『生徒総会』は青森県の畑澤聖悟先生の作品です。7校のうち2本が同一作者というのも珍しい。両方とも全国大会で見ましたがいい作品です。
演劇部は石見地区では浜田高校だけになりました。昨年は浜田高校が石見地区代表で参加しましたが、どうしたのでしょう。残念ですね。演劇部の卒業生は社会人になって地域の演劇や文化の活動を支えていく人材になる例がたくさん見られます。当分演劇部ゼロがつづいています。まだ何年もつづくのでしょうか。大田、邇摩、川本、矢上、江津、浜商、益田、津和野各高校は消えてしまった伝統の火を復活させてほしい。興味のある生徒が2,3人で同好会として認めてもらいスタートするのが第一歩です。そういう生徒さんや先生がいないかな。(いないからつぶされたんじゃないか!)そりゃそうだよね。
今年も講師ということで参加します。大変だけど楽しみです。11月12,13日には広島県大会が広島市東区民センターで開かれ2日間で13校が発表します。昨年の尾道大会につづいて行くことになっています。各校のみなさんがんばってください。
昨年は浜田高校演劇部が石見地区の代表で参加しましたが、今年は名前が見えません。どうしたのでしょう。
10月14日(金)大田市民会館の2階第一会議室で第2回「大田市における芸術・文化振興についての具体化検討会」が19時から開かれます。第1回では多くの人が参加され意見を述べられました。都合がつく人は是非参加してください。大田市教育委員会 大国靖雄教育長の名前で劇研空にも案内が来ています。
今回は次のようなことを検討すると文書に書いてあります。 「大田市民会館などにおける芸術文化の企画(こどもを対象としたもの、質の高い鑑賞機会、市民型参加など)や文化プロデューサーの育成について検討します。」
第3回では(日にちは未定)「資金、基金の設立、連携、施設、推進体制等について検討することとしております。」と書かれています。かなり具体的な問題を検討する覚悟が覗えます。
9月6日の第1回の会議では約60人近い出席者全員からどんな要望があるか簡潔に書いて提出し、それを分類して説明が行われました。
全国公立文化施設協会で音楽評論家の佐藤克明氏、島根県民会館の柳原博館長の話もあり、それを基に意見を出しました。後半は文化プロデューサーの必要性について話しが集中しました。
アイデアを出し、企画し、交渉し、事務的なことを確実に実行し、ポスターやチラシチケットを手配し販売し、練習場所を確保しあらゆる準備をし、調整し・・・・・未経験者がそれをするのは大変です。失敗したら二度とやりたくない気持ちになります。経験豊富なベテランがいればその人を中心にして進めることができます。そんな人がこの大田にいるか。養成できるか。いるとしたらどこへ所属して活動するか。難問山積ですが今回はそれを打開しようという意気込みが何となく覗えます。
都合がつくメンバーはどうぞ、第2回「大田市における芸術・文化振興についての具体化検討会」(嗚呼いきがきれそう)へ参加し大いに意見を述べてください。
10月8日の馬路公演については手短報告しましたが、パンフレットが手に入りましたのでその中に書いたことを紹介します。
音楽と朗読による
創作劇『琴の鳴る浜』 脚本・作詞 洲浜昌三 作曲 長坂行博
守り伝えられた琴姫伝説
劇研「空」代表 洲浜昌三
琴姫の伝説が生まれた地元の馬路で、『琴の鳴る浜』を上演できるとは思ってもいませんでした。大田市民会館の企画と地元のみなさまのご協力により実現できたことをうれしく思います。
この劇が誕生したのは昭和52年です。当時、邇摩高校演劇部の顧問をしていたとき、琴姫伝説に感銘を受けて『琴の鳴る浜』という脚本を書きました。部員たちは熱心に練習し、地区大会で代表になり、松江で行われた県大会へ出場しました。秋には地元で公演して欲しいと頼まれて、この馬路小学校体育館で上演しました。34年振りに同じ体育館で成長した『琴の鳴る浜』を上演できるとは不思議な縁です。琴姫さんが呼んでくれたのかも知れません。
医者であり音楽家としても活躍中の長坂行博先生の作曲という大きな力を得て、元の脚本を大幅に書き換え、合唱指導の伊藤裕子さんはじめ多くのみなさまのご協力により、平成22年3月に創作音楽劇『琴の鳴る浜』を大田市民会館で上演しました。
初演が大変好評でしたので、さらに脚本を手直しして、この3月13日に再演しました。盆踊りのシーンでは地元の琴ヶ浜盆踊り保存会の皆さまや、馬路地区の小学生の皆さんにも出演したいただいて華を添えていただきました。初演にもまして好評でした。「コーラス、演奏、劇が一体となって素晴らしい舞台でした。大田でもこのように洗練された芸術性の高い舞台ができるとは感激です」「大田の誇れる財産です」など観客のアンケートは励みになるものがたくさんありました。これも琴姫さんの力です。
今回の舞台は音楽を中心にした朗読劇用に脚本を直しています。動きはなく言葉だけで物語を展開していきます。言葉の持つ力をどれだけ発揮できるか挑戦です。劇は大がかりですから上演する場所が限られます。しかし朗読劇ならどこでもできます。1人でも2人でも数人でも可能です。
田畑や山林は数年放置しておくと原野にもどります。人の手が加わった田畑や土手や山林には「照り」があります。「照りのある里山」などといいます。「照り」はつやであり光沢であり人の営みであり人の手であり心です。
文化も同様です。放置しておくとゼロになり忘れられてしまいます。800年も前の伝説が今も受け継がれ舞台芸術になってよみがえる。それは守り伝えてこられた皆さんの文化の力です。
朗 読 : 大田市演劇サークル 劇研「空」
山本和之 松本領太 田中安夫 吉川礼子 森山ゆい 田中和子
松本由香里 前田美佳 洲浜昌三
スタッフ(記録など)中村隆美 石橋昇悟
演 奏 : 琴・合原三令 尺八・森山重富 ギター、チェロ・長坂行博 ヴァイオリン・長坂拓巳 キーボード・長坂玲子 シンセサイザー・長坂響子 合唱指揮:伊藤裕子 合唱:馬路地区小学生13名、大田少年少女合唱団9名、フレンズ彩、サウンドコラージュのみなさん21人のみなさん。照明や音響などは大田市民会館のスタッフと補助員のみなさん。
主催:大田市民会館 馬路まちつくりセンター 大田市文化協会 琴の鳴る浜実行 委員会 後援:大田市教育委員会