大田市民会館中ホールで六嶋由美子さんの語りがあります。大田での公演は3年目になります。今回も筑前琵琶演奏者・川村旭芳さんも来られます。六嶋さんは大田の出身で今は宇治市に住んでおられます。語りや衣装など工夫があり楽しめます。
語り、琵琶ともにとてもすばらしいものです。平家物語は劇研空でもやりたいと以前から思っていました。参考になりますのでぜひ足を運んでください。
「しまね文芸フェスタ2014」は9月28日(日)大田市の「あすてらす」で開催されます。石見、出雲と交互に開催してきました。前回大田市で開催したのは2006年で佐藤洋二郎先生を講師に迎えました。その時の担当部門は散文部門、今回は川柳の担当で、会長は竹治ちかしさん、副会長は長谷川博子さんです。 講師は矢崎節夫先生。児童文学作家、童謡誌人、金子みすゞの研究家として有名な先生です。以前大田のサンレディで「あそか幼稚園」の記念集会で講演され、聞きに行ったことがあります。 劇研「空」も以前、「朗読を楽しむ」で金子みすゞの詩の朗読、歌を取り上げ、市民会館中ホールで披露したことがあります。大田で開かれますので、現地の実行委員会も作られます。また講師歓迎の前夜祭もある予定です。竹治さんは出雲にお住まいですが大田の出身ですから、いろいろ好都合です。関係者のみなさん、そのつもりで予定に組んでおいてください。 午前中は開会式と講演ですが、午後からは分科会です。どんなことが行われるか紹介します。 詩の部門では自作詩の朗読と合評が中心ですか、今回は、郷土の詩人・石村禎久さんの詩歴と詩を数編朗読します。今までになかったことですが、今後開催地が変われば、その土地の詩人を取りあげていきたいと思います。どなたでも参加できます。気楽に足を運んで聞いてください。 では、あすてらすの横顔を紹介しましょう。大田市駅のすぐとなりです。 チラシは公共機関においてあります。多くのみなさんの参加を期待しています。
第4回「朗読を楽しむ」ひとときを開催します。市民会館のチラシでは全戸配布され、先日の小椋佳コンサートでは全観客に配布されています。日にちが一人歩きしていました。ある人から、写真を見て、「2月2日の公演を再演するのですか?」とTELLがありました。「いえ、ええ、まあ、一部は」と意味不明なアンサー。
日にちは8月30日14:00~と決定しているのですが、内容が遅れていました。まだ未定の箇所がありますが、現時点での様子を紹介します。
名 称: 「朗読を楽しむ」-まど・みちの詩の魅力ー
日 時: 平成26年8月30日(土) 14:00 ~15:40(30分前開場)
場 所: 大田市民会館中ホール
参加料: 大人500円(資料代を含む) 高校生以下は無料
主 催: 大田市民演劇サークル 劇研「空」 大田市民会館
後 援: 大田市文化協会 島根県詩人連合 島根演劇ネット(現時点での予定を含む)
趣旨等: 大田市民会館の地域育成事業の一環として実施。劇研「空」が主体になり関係者に声をかけて出演を依頼して企画。「地域の歴史や文化の掘り起こしと再創造」を大きな目標に、地域の人達が、「気軽に発表する場」をつくり、「お互いに発表を楽しみ」、「お互いの学びの場」になることを願って実施します。
また、「ぞうさん」の詩人、まど・みちお氏が104歳で他界。それを偲んで、 まど・みちおの詩の朗読や大田少年少女合唱団による童謡の合唱を特集として 実施します。
(写真は催し物とは何の関係もありません。我が家の庭に咲いている桔梗でーす)
7.発表内容:
Ⅰ. 童謡詩人 まど・みちおの詩の魅力(30分)
1)まど・みちおの詩の朗読 (劇研「空」)
2)解説「童謡誌人 まど・みちおの詩」(劇研「空」)
3)朗読「まど・みちおのエッセイなど)(劇研「空」)
4)合唱 「そうさん」「一年生になったら」「やぎさん ゆうびん」
(大田少年少女合唱団)
Ⅱ. 朗読と語り(45分)
1)朗読 仮題「大田中学が陸軍病院に」 (山尾一郎)
2)語り 仮題「銀山ものがたり」より (西村ともえ)
3)朗読 「 」 (田中安夫)
4)朗読 「 」 (和上豊子)
5)朗読 「 」 (竹下ちとせ)
6)朗読 三瓶山の民話「姫逃池ものがたり」 (押越幸子)
文・押越ゆきこ 絵・石田さちよ 絵を投影するかどうか
Ⅲ. ふるさとの創作民話(30分)
朗読劇「海を越えサヒメの山へ」作・洲浜昌三 絵・勝部和子
キャスト6人、音響担当1人、PC担当1人(絵を投影する)
島根県民会館文化事業部や「Yプロジェクト」代表の坂井さんから、標題の養成講座案内が来ています。戯曲、舞台美術、演出、演技、伝統芸能、ワークショップ、プロデューサーなど、実に広範囲な舞台関係の養成講座です。夏休み、冬休みに、小中学生対象の養成講座もあり、行き届いた企画ですね。先ず、素敵な表紙からどうぞ。
以下、読みにくいとは思いますが、紹介します。劇研空関係で希望者があれば早めにご連絡ください。直接申し込みもOKです。7/12(土)13時から開講式で全般的な説明などもあり、18時から懇親会もあります。誰でも参加できます。
参加費、申し込み〆切、条件などは次のとおりです。秋の土、日ですから文化関係の行事がすでに入っている人も多いでしょうが、魅力的な講座です。どうぞ参加してください。
申し込みは下記の島根県民文化会館文化事業部へ。
2014年(平成26)は大田市文化協会ができてから40年になります。理事会があり、記念行事が決まりました。参考のために紹介します。
記念式典は11月2日(日)に市民会館大ホールで行われます。来賓の挨拶や表彰、アトラクションなどです。2日、3日は大田市文化祭も行われます。
記念事業は、「西晴雲特別典」です。9月26日~28日、大田市民会館中ホールで作品が展示されます。会報「きれんげ」は40周年記念号を発行予定です。
30周年記念の時には、「ふるさと伝統芸能発表会」というタイトルで、一部は大代田植え囃子、土江子供神楽、シッカク踊り、大屋神楽、多根神楽が上演し、二部では創作舞踊劇「鶴」上演しました。
「鶴」は会長の勝部義夫さんから依頼されて、石見銀山の伝説や歴史から創作しました。「早春の仙の山に立つ」など数曲の歌詞を創作し、大畑世利子さんに作曲していただきました。劇研「空」のメンバーによる語り劇、天領太鼓、合唱、日本舞踊などキャストスタッフで100人くらいの舞台でした。
この時には、昨年他界された山城賢治さんも東京から帰っておられて、勝部さんと共に演出をされました。もう10年前の大昔ですね。勝部さんはプロの演劇人でしたから、舞台への情熱があり、なんでもよく知っておられたからこそ実現した大舞台でした。
2014年6月12日から15日まで豊岡で日本劇作家大会が開催されます。実に52の多彩な企画があり盛大なお祭りです。劇作家や俳優が約300人参加、誰でも参加できます。1000円のパンフレットを購入し、それを見せればほとんどの企画に参加できます。
朗読あり劇あり演劇の講習あり、実に魅力的です。今年が6回目、9年ぶりです。ぼくも劇作家協会の会員なので、行きたい行きたい!(イケバ?)城崎国際アートセンターはこの4月にオープンしました。劇場、稽古場、宿泊などができる滞在型、芸術文化創造発信施設です。市も全面的に支援しています。
どんな企画があるか紹介しましょう。小さくて読めないでしょうが、読みたければ拡大して見てください。竹下景子、渡辺エリ、平田オリザ、佐野史郎さんはじめすばらしい講師の企画がたくさんあります。
too small to read ですね。本気で読みたい人は日本劇作家協会のサイトを開いてみてください。
2014年5月18日(日)13時30分から大田市民会館で、大田市女声コーラス「花音」の45周年コンサートが開かれました。大ホールはは久しぶりに満員。次々と歌われるなつかしい曲、美しいコーラスに大きな拍手が送られました。
(大田市民会館大ホール。なんでカラッポブタイなんだい、オモシロクモナイ。でも、サツエイキンシ!ですからねえ。ザンネン。カラブタイならいいだろうと思って。)
コンサートは3部に分かれていて、第二部ではゲストの鍵盤男子(大井健さん、中村匡宏さん)の素晴らしいピアノ連弾がありました。二人の語りもざっくばらんでとても楽しく聞きました。
当初から指導してこられた酒見佐枝子先生が途中で挨拶をされました。発足は大田第一中学校の保護者3人からだったとのこと。当時の校長先生の理解があり、練習場所に学校を使わせてくれたこと、また夜の練習なので各家庭の理解がなければ続かなかったことなど、感謝の気持ちを込めて話されました。そうですよね、みなさん家庭の主婦ですから、家族の理解がないとやっていけません。舞台は華やかですが、その過程には大変なことばかり。それを乗り越えての45年です。重みがあります。
「大田市女声コーラス花音の歴史」をチラシから紹介させていただきましょう。過去10回、全国大会へ出場という実績も光っています。
「石見銀山巻き上げ節」を鍵盤男子の中村さんが合唱用に編曲され、混声4部合唱として披露されました。大田の男性コーラスグループから10数人が賛助出演されました。男性の深味のある声が加わると一段と歌に魅力がまします。
https://stagebox.sakura.ne.jp/wp/apoetinohda/2014/05/26/詩-娘たちの「銀山巻き上げ節」/
巻き上げ節の前奏時に、わが劇研空も一役買ったのでーす。松本、山本くんが銀堀姿で、岩に鏨を当て金槌で打つ演技をしました。キーン、キーンという澄んだ音がとても効果的でした。超短時間舞台でしたが、おつかれさまでした!!
(今までに指揮者として貢献された人達に花束を贈呈。こういう指導者がたくさんおられてうらやましいですね。島根の音楽文化はレベルが高いですね。Who took above?)
実はスハマクンも超チョビット今回の記念コンサートに貢献しているのです。昨年のある日、花音のある人からある人を通して「石見銀山巻き上げ節」のCDを持っていないかと聞かれたのです。手元にありましたので、お貸ししたら、プロに編曲してもらうのだといわれました。それが今回実現したのです。
このCDの歌は大森の河村さんが歌っておられます。民謡は歌い手によって微妙な違いがあります。それが魅力でもあります。河村さんの歌はどちらかと言えば細かい変化はきれいな流れに統合され舞台発表用の魅力と気持ちのいい味があります。(例えば調子を整えるために「あら」という元にない語が入ったりします)
邇摩高校120周年記念で劇研空が上演した創作劇「石見銀山旅日記」の中で歌っていただいた高野さんの歌はどちらかといえば現場の労働から生まれたリズム感などがあり、流暢なのはおなじですが、少し素朴な味があります。
(邇摩高校で上演した時、劇中歌として「巻き上げ節」を歌っていただいた高野さん)
このコンサートで高野さんがそばの席におられたので、感想なども聞きました。「いろいろな歌い方があるから、こういう合唱曲になるのもいいですね」ということでした。
たしかにそうですね。民謡で歌え、といっても現代の若者には無理ですから、徐々に消滅していく可能性があります。合唱曲になれば、今後いろいろな場で歌われるでしょうから、現代に生きてきます。新しい命を吹き込まないと何でも衰退していきます。そういう意味でもいい仕事をされましたね。同時に、民謡自体の魅力も広く知ってもらう努力をしなければいけませんね。いつか、たくましい労働の歌として、力強いリズムの歌にして、男性コーラスで聞いてみたい気がします。
「石見銀山巻き上げ節」は、いつ頃歌われはじめたのか。ぼくが調べた限りでは明治時代に入ってから、と書いてあるのがほとんどです。それは歌の歌詞から推定したものです。「35番の立て坑」「ポンプ」などの言葉から、明治20年代だというのです。歌詞はあとから次々と付け加えられることが多いので、曲は江戸時代にさかのぼる可能性もあります。だれか研究している人はいませんか。教えてください。
45周年、おめでとうございます。これからもがんばって素敵なハーモニーを聞かせてください。
【準備段階PR。8月末に市民会館中ホールで『朗読を楽しむ』を予定しています。どのような内容にするか思案中です。一つの案は朗読者も視聴者も一律平等に場所代資料代500円を負担。朗読したい人、グループは誰でも大大歓迎。自分が聞いて欲しい物(短編、随筆、詩、童話、創作は大歓迎)を5分前後で舞台で朗読したり語る。その際音楽や効果音なども使用してもいい。大田に関係ある創作童話や詩などは大歓迎。出演は一人ではなくグループでもいい】ご意見をどうぞ。そのうち参加者募集のチラシをつくります。参加希望があればいつでもどうぞ。(劇研空)
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2014年4月19日(土)、第3回「石見演劇フェスティバル実行委員会」が浜田市石央文化ホールで開かれました。3月9日に上演した団体の代表とホールの関係スタッフが出席、決算報告、反省、今年度の計画を話し合いました。要点をお知らせします。
1.アンケートの結果:大変満足23%、満足48%を合計すると71%。いい結果だったといえるでしょう。
昨年より上演時間を短縮したのも効果があり、最後まで観劇された人が増えました。幕間の5分の時間も各団体が自由に使うことにしましたので、以前の様な研究発表的な堅苦しさもなくなり、楽しい時間になったと思います。
感想では「石見国引き18座」の戦争をテーマにした劇が大変好評でした。舞台も良かったとおもいますが、70歳以上の観客が46%、60歳台が26%(合計72%)ということを考えると、戦争を直接、関節に体験した世代に共感があるのはよくわかります。明誠高校、浜田高校の劇も好評でした。浜田高校の劇は、父親が認知症になることをテーマにした劇でしたので、さわやかな演技と共に、身近な問題を高校生が演じてくれるという共感もあったかと思います。
大田市演劇サークル劇研「空」の朗読民話劇「海を越えサヒメの山へ」の感想もありました、1,2紹介してみます。
1.「朗読時の強弱がすごく良かったです」
2.なんとなく知っていましたが、赤雁をサヒメ神社の話、益田だけではなく石見の話として広まってほしいと思いました。朗読劇でよかったと思います」
3.朗読劇の良さを感じながら観させていただき、勉強させてもらいました」
4.全てよかったですが、創作朗読民話劇はすばらしく新鮮でした。音声が抜群でした。石見の演劇このままつづいていきますよう願っています」
まとめてみると、企画が新鮮で参考になった、言葉がよくわかり発声がよかったという2つにまとめられるかと思います。不十分なことも多々あります。それは反省会で話し合いましょう。
「今福笑舞台」の舞踊と劇を最後にもってきたのはよかったと思います。お客さんにはファンが多いので、最後まで観ていただけるからです。劇は「恋は永遠に」という創作でなかなか面白く観ました。笑わせようとする意図が見え過ぎるところもあり、ちょっと鼻につくところもありましたが、お客さんには好評でした。笑いは難しいですね。お客さんの趣向は千差万別ですから、全員を笑わせようとすれば、どうしても一方的な押しつけになってしまいます。「笑いたい者はどうぞ」くらいの気持ちで演じたほうが、サラッとして風通しがいい。
今年度の石見演劇フェスティバルは休止に決まりました。石央文化ホールで、大々的に島村抱月のミュージカルを計画しているからです。両方やるのは無理です。ホールの負担は石見演劇フェスタだけでも相当なものです。
来年度は実施したいという意向でした。
2014年4月20日(日)午後2時から県民会館中ホールで音楽劇「いっぽんの木」が上演されます。劇団Yプロジェクトから案内がきていましたので紹介します。主催は「しまねの子どもの演劇体験事業実行委員会」です。脚本・演出は、Yプロ代表の坂井陽介さんです。
県内外から集まった小学生から大人まで16人の人たちが1月から練習してつくりあげた舞台です。いろいろな意味で勉強になると思います。ぜひ観劇に出かけてみてください。
劇団Yプロジェクト、島根県文化奨励賞を受賞!!
新聞にも出ていましたが、劇団Yプロジェクトが島根県文化奨励賞を受賞しました。15年に渡る活動が評価されたものです。代表の坂井さんからも文章がきていました。おめでとうございます。
第2回(通算6回)石見演劇フェスティバル観劇記の続き、( 2)です。上演側ですので観劇記というより、上演記です。「空」のみなさん、そのつもりで読んでください。
(プレリュードは幼稚園の先生と子供たちの会話です。三瓶山について先生とおもしろいやりとりをしながら、三瓶の歴史などを紹介していきます。)
大田市演劇サークル 劇研「空」 創作朗読民話劇『海を越えサヒメの山へ」(石見の伝承より)脚本、演出・洲浜昌三
パンフレットからの文章を中心に紹介しましょう。写真はショウシンさんです。ありがとうございました。(ショウシンさんはショウコさんのハズバンドです)
島根県の石見地方に伝わる伝承を朗読劇用に創作したものです。映像をホリゾント幕へ投影しながら朗読します。大人も、子どもたちでも楽しめるように、分かりやすく、テンポよく、スリリングで面白く感動もあるリーデイングになれば、と思っています。単なる朗読ではなく、劇形式の朗読用として創作した点がチャレンジングだと考えています。
[あらすじ] 「むかし、ソシモリという国にオオゲツというヒメがいた。ある日、北方から騎馬軍団が襲ってきて、国は壊滅する。ヒメは大切な穀物の種を末娘のサヒメに託し、『海を渡って平和な国へ行き、美しい山のふもとの人たちと一緒に育てなさい』と言い残して息絶える。
サヒメは赤雁に乗って旅立つ。途中、様々な苦難に遭いながら、美しい山を目指すが、上空に近づいてみると山は火山で荒れ、村人はやせこけ、村を捨てて逃げるところだった。サヒメは村人と一緒に種を播く」(絵は20枚投影しました)
益田の比礼振山(権現山)には佐比売山神社があり、乙子、種、赤雁という地名があります。大田の大森や三瓶、鳥井にも同名の神社があり、三瓶には多根、小豆原、赤雁山があります。江戸末期から明治の初期に国学が盛んだったころ、古事記などに精通していた人が地名や山の姿から着想し創作したのではないかと思います。あくまで勝手な推測です。
キャスト
語り … 田中和子
サヒメ … 吉川礼子
アカガリ … 山本和之
オオゲツのヒメ … 渡利章子
騎馬軍団大将 … 山本和之
ワシ … 松本領太
カミナガのオサ … 堤 浩隆
ヒゲナガのオサ … 松本領太
モグラのオキナ … 堤 浩隆
ヒメ村のオサ … 松本領太
村の子どもたち … 全 員
スタッフ
脚 本 … 洲浜昌三
演 出 … 洲浜昌三
原画作成 … 勝部和子
原画撮影 … 松本領太
音 響 … 洲浜昌三
PC操作 … 堤 奈穂子
この試みがどのようにお客さんへ受け止められたか。最も知りたいところですが、アンケートの結果を見ていませんので分かりません。
すべて終了してロビーにいたとき、会長さんと出会い次のように言われました。「とても面白い試みでした。今後高齢者講座などで発表するときの参考になった」。
県立大学総合政策学部教授に瓜生忠久先生は山陰中央新報文化欄の劇評で次のように書いておられます。「大田市演劇サークル 劇研「空」 創作朗読民話劇『海を越えサヒメの山へ」(石見の伝承より)も、実験的でおもしろかった。作者の洲浜昌三氏は、大田市で長年演劇活動を続ける熱血老人だが、6人の朗読者とスライドだけで構成された今回の舞台は、日ごろなかなか練習時間を持てないアマチュア演劇集団の活動に一つの可能性を示した。地域に残る民話の世界に題材を採った点も、そこで生き続ける人々のアイデンティティと重なって共感をもてた」
とても嬉しい指摘でした。芸術文学では「表現形式」(スタイル、文体)がとても重要です。新しいアイデアは新しい容器に盛らないと表現できません。形式と内実は一体のものです。今回の舞台は、「紙芝居と劇と朗読の特徴」を抽出したような表現形式です。吉川礼子さんが幕間の感想で、「劇と違ってとても安心して楽な気持ちで取り組めました」と述べたとき、今回の表現形式のメリットを思いました。しかし内容がつまらなかったら、単なる手抜きになってしまいます。瓜生先生は「そこで生き続ける人々のアイデンティティと重なって共感をもてた」と評価されました。とても嬉しい言葉です。
終わってから、詩人仲間のヤマシロさんにばったり出会いました。「いつもいろんな歴史や資料を堀り出して、新しいことをやりんさるね。この話しは随分前に石村勝郎さんの本で読んだことがあるでな」。 ヤマシロさんは昨年も来られました。
そうなんです。この話しは一般的には、益田の伝承だと思われています。そのように書かれたものがほとんどだからです。しかし石村さんはサヒメ山の伝承として書いておられます。亡くなられた民俗学者の白石昭臣先生もサヒメ山の語源を、「サヒメという姫が雁に乗って飛んできた」伝説に求めておられます。
1300年も前の「出雲国風土記」に出てくる「サヒメ山」です。 その頃に、サヒメが雁に乗ってきたという伝説があったかどうか。(「石見国風土記」には書かれていた。ええ?ウッソ!ホント?石見国風土記がどこかから出て来ないかなぁ)
(雁が羽を広げて休んでいるように見えませんか?見えない?そのつもりで見てよ。中央が赤雁山です。雁の頭です。長久の勝部さんは、この物語りを読んでから、毎朝見る三瓶山が雁のように見えると言っておられました。)
三瓶山は女性的でやさしい姿をしています。「サ」には「小さい」とか「可愛い」とか「さわやか」「鉄のサビのように小さい」とかいう意味や語感があるそうです。そうすると「かわいくてやさしい姫のような山」という意味から「サヒメ山」と呼ばれるようになった可能性があります。大国主命の正妻はスセリ姫ですが、サヒメ山も大国主命の妻だという伝承もあるそうです。
観劇記が横っちょにそれました。2月に大田市民会館で上演した時とは今回はキャストも変わっています。久しぶりに章子さんと一緒にやりました。堤さんには急遽お願いして快諾していただきました。ありがとうございました。(ネッケツセイネン?)
石見演劇フェスティバル観劇記の続きは、そのうち(3)で紹介します。