H26,8/30 大田市民会館で「朗読を楽しむ⑤」(2)

「朗読を楽しむ」⑤のチラシがやっとできました。大田市民会館には置いてあります。各地域の公民館や町つくりセンターには盆過ぎに届くはずです。表と裏を紹介します。チラシの遠景です。読める人はどうぞ。 欲しい人には送ります。DSC05774 平成12年に発足以来、劇研「空」は、劇以外に様々な朗読会を実施してきました。今回は大田市民会館の地域育成事業の支援を受けて実施します。劇研「空」が企画し、地域や県内外の人に呼びかけて実施する朗読会は5回目です。朗読や語りを舞台発表として中ホールで実施するのは3回目です。 毎回特集として、日本の詩人を取り上げてきました。今回は、2月に104歳で他界された「まど・みちおさんを偲んで」、詩の朗読と解説をします。大田市少年少女合唱団による、まどさんの童謡も楽しんでください。 「地域の歴史や文化の掘り起こしと再創造」を目標に、「気軽に発表する場」をつくり、発表者も聞く人達も「お互いに発表を楽しみ」、「お互いの学びの場」になり「創造への刺激」になれば幸いです。(下記の冒頭の文章) DSC05775 本番前の予定です。 28日(木)会館スタッフは朝から舞台つくり。19時から舞台を使って練習。その前に都合のつく人は18時過ぎから椅子など搬入。 29日(金)19時~舞台で練習。 30日(土)10時~ゲネプロ。14時~本番

H26,8/30 第4回「朗読を楽しむ」大田市民会館で(1)

第4回「朗読を楽しむ」ひとときを開催します。市民会館のチラシでは全戸配布され、先日の小椋佳コンサートでは全観客に配布されています。日にちが一人歩きしていました。ある人から、写真を見て、「2月2日の公演を再演するのですか?」とTELLがありました。「いえ、ええ、まあ、一部は」と意味不明なアンサー。

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日にちは8月30日14:00~と決定しているのですが、内容が遅れていました。まだ未定の箇所がありますが、現時点での様子を紹介します。

名 称: 「朗読を楽しむ」-まど・みちの詩の魅力ー

日 時: 平成26年8月30日(土) 14:00 ~15:40(30分前開場)

場 所: 大田市民会館中ホール

参加料: 大人500円(資料代を含む) 高校生以下は無料

主 催: 大田市民演劇サークル 劇研「空」  大田市民会館

後 援: 大田市文化協会 島根県詩人連合 島根演劇ネット(現時点での予定を含む)

 趣旨等: 大田市民会館の地域育成事業の一環として実施。劇研「空」が主体になり関係者に声をかけて出演を依頼して企画。「地域の歴史や文化の掘り起こしと再創造」を大きな目標に、地域の人達が、「気軽に発表する場」をつくり、「お互いに発表を楽しみ」、「お互いの学びの場」になることを願って実施します。

また、「ぞうさん」の詩人、まど・みちお氏が104歳で他界。それを偲んで、     まど・みちおの詩の朗読や大田少年少女合唱団による童謡の合唱を特集として     実施します。

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(写真は催し物とは何の関係もありません。我が家の庭に咲いている桔梗でーす)

7.発表内容
Ⅰ. 童謡詩人 まど・みちおの詩の魅力(30分)
1)まど・みちおの詩の朗読   (劇研「空」)
2)解説「童謡誌人 まど・みちおの詩」(劇研「空」)
3)朗読「まど・みちおのエッセイなど)(劇研「空」)
4)合唱 「そうさん」「一年生になったら」「やぎさん ゆうびん」
(大田少年少女合唱団)
  Ⅱ. 朗読と語り(45分)
1)朗読 仮題「大田中学が陸軍病院に」    (山尾一郎)
2)語り 仮題「銀山ものがたり」より                 (西村ともえ)
3)朗読   「       」       (田中安夫)
4)朗読   「       」       (和上豊子)
5)朗読   「       」       (竹下ちとせ)
6)朗読 三瓶山の民話「姫逃池ものがたり」   (押越幸子)
文・押越ゆきこ 絵・石田さちよ   絵を投影するかどうか
 Ⅲ.  ふるさとの創作民話(30分)
朗読劇「海を越えサヒメの山へ」作・洲浜昌三 絵・勝部和子
キャスト6人、音響担当1人、PC担当1人(絵を投影する)

H26 大田市女声コーラス「花音」 45周年記念コンサート

2014年5月18日(日)13時30分から大田市民会館で、大田市女声コーラス「花音」の45周年コンサートが開かれました。大ホールはは久しぶりに満員。次々と歌われるなつかしい曲、美しいコーラスに大きな拍手が送られました。

DSC05667(大田市民会館大ホール。なんでカラッポブタイなんだい、オモシロクモナイ。でも、サツエイキンシ!ですからねえ。ザンネン。カラブタイならいいだろうと思って。)

コンサートは3部に分かれていて、第二部ではゲストの鍵盤男子(大井健さん、中村匡宏さん)の素晴らしいピアノ連弾がありました。二人の語りもざっくばらんでとても楽しく聞きました。

当初から指導してこられた酒見佐枝子先生が途中で挨拶をされました。発足は大田第一中学校の保護者3人からだったとのこと。当時の校長先生の理解があり、練習場所に学校を使わせてくれたこと、また夜の練習なので各家庭の理解がなければ続かなかったことなど、感謝の気持ちを込めて話されました。そうですよね、みなさん家庭の主婦ですから、家族の理解がないとやっていけません。舞台は華やかですが、その過程には大変なことばかり。それを乗り越えての45年です。重みがあります。

DSC05663「大田市女声コーラス花音の歴史」をチラシから紹介させていただきましょう。過去10回、全国大会へ出場という実績も光っています。

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「石見銀山巻き上げ節」を鍵盤男子の中村さんが合唱用に編曲され、混声4部合唱として披露されました。大田の男性コーラスグループから10数人が賛助出演されました。男性の深味のある声が加わると一段と歌に魅力がまします。
https://stagebox.sakura.ne.jp/wp/apoetinohda/2014/05/26/詩-娘たちの「銀山巻き上げ節」/

巻き上げ節の前奏時に、わが劇研空も一役買ったのでーす。松本、山本くんが銀堀姿で、岩に鏨を当て金槌で打つ演技をしました。キーン、キーンという澄んだ音がとても効果的でした。超短時間舞台でしたが、おつかれさまでした!!

DSC05674(今までに指揮者として貢献された人達に花束を贈呈。こういう指導者がたくさんおられてうらやましいですね。島根の音楽文化はレベルが高いですね。Who took above?)

実はスハマクンも超チョビット今回の記念コンサートに貢献しているのです。昨年のある日、花音のある人からある人を通して「石見銀山巻き上げ節」のCDを持っていないかと聞かれたのです。手元にありましたので、お貸ししたら、プロに編曲してもらうのだといわれました。それが今回実現したのです。

このCDの歌は大森の河村さんが歌っておられます。民謡は歌い手によって微妙な違いがあります。それが魅力でもあります。河村さんの歌はどちらかと言えば細かい変化はきれいな流れに統合され舞台発表用の魅力と気持ちのいい味があります。(例えば調子を整えるために「あら」という元にない語が入ったりします)

邇摩高校120周年記念で劇研空が上演した創作劇「石見銀山旅日記」の中で歌っていただいた高野さんの歌はどちらかといえば現場の労働から生まれたリズム感などがあり、流暢なのはおなじですが、少し素朴な味があります。

DSC05172(邇摩高校で上演した時、劇中歌として「巻き上げ節」を歌っていただいた高野さん)

このコンサートで高野さんがそばの席におられたので、感想なども聞きました。「いろいろな歌い方があるから、こういう合唱曲になるのもいいですね」ということでした。

たしかにそうですね。民謡で歌え、といっても現代の若者には無理ですから、徐々に消滅していく可能性があります。合唱曲になれば、今後いろいろな場で歌われるでしょうから、現代に生きてきます。新しい命を吹き込まないと何でも衰退していきます。そういう意味でもいい仕事をされましたね。同時に、民謡自体の魅力も広く知ってもらう努力をしなければいけませんね。いつか、たくましい労働の歌として、力強いリズムの歌にして、男性コーラスで聞いてみたい気がします。

「石見銀山巻き上げ節」は、いつ頃歌われはじめたのか。ぼくが調べた限りでは明治時代に入ってから、と書いてあるのがほとんどです。それは歌の歌詞から推定したものです。「35番の立て坑」「ポンプ」などの言葉から、明治20年代だというのです。歌詞はあとから次々と付け加えられることが多いので、曲は江戸時代にさかのぼる可能性もあります。だれか研究している人はいませんか。教えてください。

45周年、おめでとうございます。これからもがんばって素敵なハーモニーを聞かせてください。

【準備段階PR。8月末に市民会館中ホールで『朗読を楽しむ』を予定しています。どのような内容にするか思案中です。一つの案は朗読者も視聴者も一律平等に場所代資料代500円を負担。朗読したい人、グループは誰でも大大歓迎。自分が聞いて欲しい物(短編、随筆、詩、童話、創作は大歓迎)を5分前後で舞台で朗読したり語る。その際音楽や効果音なども使用してもいい。大田に関係ある創作童話や詩などは大歓迎。出演は一人ではなくグループでもいい】ご意見をどうぞ。そのうち参加者募集のチラシをつくります。参加希望があればいつでもどうぞ。(劇研空)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

H26,6/1(日) 島根演劇ネット総会です

今年度の島根演劇ネット総会は、2014年6月1日に松江市八雲町の「しいの実シアター」で開かれます。13時30分からです。

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(なんだなんだ?この写真?演劇ネット総会?そうかい?なんだろう。写真で見ると、落ち着いた風景だね。以外だね。意外ですよ!その場に立てば、秩序や調和もない乱雑で、建設途中に投げ出されたような殺風景な駅前風景なのに。)

21日までに出欠を報告、欠席の場合は委任状を提出。各団体の活動報告も提出。
劇研空で出席出来る人はご連絡ください。会費は3千+200+所属人数(個人会費)です。これはすはまくんが納めます。

 

H26、4,石見演劇フェスタについて(実行委報告)

2014年4月19日(土)、第3回「石見演劇フェスティバル実行委員会」が浜田市石央文化ホールで開かれました。3月9日に上演した団体の代表とホールの関係スタッフが出席、決算報告、反省、今年度の計画を話し合いました。要点をお知らせします。

1.アンケートの結果:大変満足23%、満足48%を合計すると71%。いい結果だったといえるでしょう。

昨年より上演時間を短縮したのも効果があり、最後まで観劇された人が増えました。幕間の5分の時間も各団体が自由に使うことにしましたので、以前の様な研究発表的な堅苦しさもなくなり、楽しい時間になったと思います。

感想では「石見国引き18座」の戦争をテーマにした劇が大変好評でした。舞台も良かったとおもいますが、70歳以上の観客が46%、60歳台が26%(合計72%)ということを考えると、戦争を直接、関節に体験した世代に共感があるのはよくわかります。明誠高校、浜田高校の劇も好評でした。IMG_8420浜田高校の劇は、父親が認知症になることをテーマにした劇でしたので、さわやかな演技と共に、身近な問題を高校生が演じてくれるという共感もあったかと思います。

大田市演劇サークル劇研「空」の朗読民話劇「海を越えサヒメの山へ」の感想もありました、1,2紹介してみます。
1.「朗読時の強弱がすごく良かったです」
2.なんとなく知っていましたが、赤雁をサヒメ神社の話、益田だけではなく石見の話として広まってほしいと思いました。朗読劇でよかったと思います」
3.朗読劇の良さを感じながら観させていただき、勉強させてもらいました」
4.全てよかったですが、創作朗読民話劇はすばらしく新鮮でした。音声が抜群でした。石見の演劇このままつづいていきますよう願っています」

まとめてみると、企画が新鮮で参考になった、言葉がよくわかり発声がよかったという2つにまとめられるかと思います。不十分なことも多々あります。それは反省会で話し合いましょう。

「今福笑舞台」の舞踊と劇を最後にもってきたのはよかったと思います。お客さんにはファンが多いので、最後まで観ていただけるからです。劇は「恋は永遠に」という創作でなかなか面白く観ました。笑わせようとする意図が見え過ぎるところもあり、ちょっと鼻につくところもありましたが、お客さんには好評でした。笑いは難しいですね。お客さんの趣向は千差万別ですから、全員を笑わせようとすれば、どうしても一方的な押しつけになってしまいます。「笑いたい者はどうぞ」くらいの気持ちで演じたほうが、サラッとして風通しがいい。

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今年度の石見演劇フェスティバルは休止に決まりました。石央文化ホールで、大々的に島村抱月のミュージカルを計画しているからです。両方やるのは無理です。ホールの負担は石見演劇フェスタだけでも相当なものです。

来年度は実施したいという意向でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

H26 石見演劇フェスタで 『海を越えサヒメの山へ』上演(2)

第2回(通算6回)石見演劇フェスティバル観劇記の続き、( 2)です。上演側ですので観劇記というより、上演記です。「空」のみなさん、そのつもりで読んでください。

1508450_253664074805140_1884179390_n(プレリュードは幼稚園の先生と子供たちの会話です。三瓶山について先生とおもしろいやりとりをしながら、三瓶の歴史などを紹介していきます。)

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大田市演劇サークル 劇研「空」 創作朗読民話劇『海を越えサヒメの山へ」(石見の伝承より)脚本、演出・洲浜昌三

パンフレットからの文章を中心に紹介しましょう。写真はショウシンさんです。ありがとうございました。(ショウシンさんはショウコさんのハズバンドです)

  島根県の石見地方に伝わる伝承を朗読劇用に創作したものです。映像をホリゾント幕へ投影しながら朗読します。大人も、子どもたちでも楽しめるように、分かりやすく、テンポよく、スリリングで面白く感動もあるリーデイングになれば、と思っています。単なる朗読ではなく、劇形式の朗読用として創作した点がチャレンジングだと考えています。
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[あらすじ]   「むかし、ソシモリという国にオオゲツというヒメがいた。ある日、北方から騎馬軍団が襲ってきて、国は壊滅する。ヒメは大切な穀物の種を末娘のサヒメに託し、『海を渡って平和な国へ行き、美しい山のふもとの人たちと一緒に育てなさい』と言い残して息絶える。

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サヒメは赤雁に乗って旅立つ。途中、様々な苦難に遭いながら、美しい山を目指すが、上空に近づいてみると山は火山で荒れ、村人はやせこけ、村を捨てて逃げるところだった。サヒメは村人と一緒に種を播く」(絵は20枚投影しました)

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益田の比礼振山(権現山)には佐比売山神社があり、乙子、種、赤雁という地名があります。大田の大森や三瓶、鳥井にも同名の神社があり、三瓶には多根、小豆原、赤雁山があります。江戸末期から明治の初期に国学が盛んだったころ、古事記などに精通していた人が地名や山の姿から着想し創作したのではないかと思います。あくまで勝手な推測です。

     キャスト
語り                      … 田中和子
サヒメ          …  吉川礼子
アカガリ      …  山本和之
オオゲツのヒメ …  渡利章子
騎馬軍団大将  …  山本和之
ワシ      …  松本領太
カミナガのオサ …  堤 浩隆
ヒゲナガのオサ …  松本領太
モグラのオキナ …  堤 浩隆
ヒメ村のオサ  …  松本領太
村の子どもたち  …     全 員 

     スタッフ
脚  本 …   洲浜昌三
演  出     …  洲浜昌三
原画作成 … 勝部和子
原画撮影 … 松本領太
音  響  …   洲浜昌三
PC操作  …      堤 奈穂子

この試みがどのようにお客さんへ受け止められたか。最も知りたいところですが、アンケートの結果を見ていませんので分かりません。

すべて終了してロビーにいたとき、会長さんと出会い次のように言われました。「とても面白い試みでした。今後高齢者講座などで発表するときの参考になった」。

県立大学総合政策学部教授に瓜生忠久先生は山陰中央新報文化欄の劇評で次のように書いておられます。「大田市演劇サークル 劇研「空」 創作朗読民話劇『海を越えサヒメの山へ」(石見の伝承より)も、実験的でおもしろかった。作者の洲浜昌三氏は、大田市で長年演劇活動を続ける熱血老人だが、6人の朗読者とスライドだけで構成された今回の舞台は、日ごろなかなか練習時間を持てないアマチュア演劇集団の活動に一つの可能性を示した。地域に残る民話の世界に題材を採った点も、そこで生き続ける人々のアイデンティティと重なって共感をもてた」

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とても嬉しい指摘でした。芸術文学では「表現形式」(スタイル、文体)がとても重要です。新しいアイデアは新しい容器に盛らないと表現できません。形式と内実は一体のものです。今回の舞台は、「紙芝居と劇と朗読の特徴」を抽出したような表現形式です。吉川礼子さんが幕間の感想で、「劇と違ってとても安心して楽な気持ちで取り組めました」と述べたとき、今回の表現形式のメリットを思いました。しかし内容がつまらなかったら、単なる手抜きになってしまいます。瓜生先生は「そこで生き続ける人々のアイデンティティと重なって共感をもてた」と評価されました。とても嬉しい言葉です。

 終わってから、詩人仲間のヤマシロさんにばったり出会いました。「いつもいろんな歴史や資料を堀り出して、新しいことをやりんさるね。この話しは随分前に石村勝郎さんの本で読んだことがあるでな」。  ヤマシロさんは昨年も来られました。

そうなんです。この話しは一般的には、益田の伝承だと思われています。そのように書かれたものがほとんどだからです。しかし石村さんはサヒメ山の伝承として書いておられます。亡くなられた民俗学者の白石昭臣先生もサヒメ山の語源を、「サヒメという姫が雁に乗って飛んできた」伝説に求めておられます。

1300年も前の「出雲国風土記」に出てくる「サヒメ山」です。 その頃に、サヒメが雁に乗ってきたという伝説があったかどうか。(「石見国風土記」には書かれていた。ええ?ウッソ!ホント?石見国風土記がどこかから出て来ないかなぁ)

DSC03611(雁が羽を広げて休んでいるように見えませんか?見えない?そのつもりで見てよ。中央が赤雁山です。雁の頭です。長久の勝部さんは、この物語りを読んでから、毎朝見る三瓶山が雁のように見えると言っておられました。)

三瓶山は女性的でやさしい姿をしています。「サ」には「小さい」とか「可愛い」とか「さわやか」「鉄のサビのように小さい」とかいう意味や語感があるそうです。そうすると「かわいくてやさしい姫のような山」という意味から「サヒメ山」と呼ばれるようになった可能性があります。大国主命の正妻はスセリ姫ですが、サヒメ山も大国主命の妻だという伝承もあるそうです。

観劇記が横っちょにそれました。2月に大田市民会館で上演した時とは今回はキャストも変わっています。久しぶりに章子さんと一緒にやりました。堤さんには急遽お願いして快諾していただきました。ありがとうございました。(ネッケツセイネン?)

石見演劇フェスティバル観劇記の続きは、そのうち(3)で紹介します。

H26,3/9 浜田で「石見演劇フェスタ」

2014年3月9日(日)浜田市の石央文化ホールで第2回「石見演劇フェスティバル」が開催されます。「石央地芝居大会」として4年間つづき、昨年から石見演劇フェスティバルと名前を変えて開催されています。

DSC05460昨年につづき、ポスターとチラシの写真は森鴎外!島村抱月!(へへえ!思わず頭が下がりそうです)二人とも石見出身の大家です。鴎外は小説家としては有名ですが、演劇にも大きな功績を残しています。抱月は浜田の出身、日本の新劇の父ともいわれています。

当日の出演団体と演目は次のとおりです。

DSC05459 劇研「空」は13時35分からとなっています。前回は創作劇「石見銀山旅日記」を上演しましたが、今回はは創作朗読劇「海を越えサヒメの山へ」です。石見に伝わる伝承を基に、朗読劇に創作しました。単なる朗読ではなく、次のような特徴があります。

1.7人のキャストが劇形式で役を朗読する。
2.ホリゾント幕へ約20コマの絵を投影する。
3.音響や音楽も挿入して効果的をだす。

2月2日に大田市民会館中ホールでも上演しましたが、台本も更に修正し、音響も工夫、絵もお願いして追加しました。劇にするとたくさん時間や手間や金やかかりますが、この表現スタイルは台本さえあればかなりスムーズに上演まで進みますし、上演場所もどこでも可能です。大田市民会館で見られた人から、学校や幼稚園でやったらいいですね、といわれましたが、それも可能です。朗読者も代役をすれば人数も増減自在です。

今後この形式で郷土の民話や面白い話しを創作してみたいと思っています。そういう意味で今回は劇ではありませんが、見に来られた人の表現活動の参考になれば、と思っています。(ナントナク、ゲキガデキナイ、イイワケニ、キコエマスゾ。)そうですね。

前売り券は千円。どうぞ、どうぞ、いくらでもあります。

 

おつかれさまでした、山城賢治さん

2014,2,14、パソコンを開けてチェックしていると、迷惑メールの中に、「山城さん」というタイトルで、知らない人からメールが入っていました。

福島県の南相馬でビーニールハウスの中のテントが雪でつぶれ死亡されました、とい内容でした。すぐに賢治さんと結びつかず、イタズラかと思っていました。

IMG_7079次の日から、以前このブログで山城賢治さんのことを書いた箇所を読む人のグラフが急に増え、「山城賢治」で検索する人が急増しました。やっぱり・・・残念、無念、亡くなっておられたのです。その未知のお方は山城さんと知り合いで、わざわざ知らせてくださったのでした。ありがとうございました。

「山城さん、この寒さの中どこを歩いておられますか」というタイトルで2011年1月に書いたものです。https://stagebox.sakura.ne.jp/wp/?p=705

2月3日付けの読売新聞は概略次のように報じています。「福島県南相馬市原町区で10日雪の重みで崩れたビニールハウス内で死亡していた男性は島根県大田市、無職山城賢治(65)で胸部圧迫による窒息死亡だったことが12日、南相馬署の調べでわかった」

山城さんは大田高校演劇部にもおられ、東京でも熱心に演劇活動をされて役者としても演出家としても実績を重ねておられました。インドへ3年行かれてヨガも習得、日本へ帰ってからは北陸を通ってリヤカーを引いて大田へ帰ってこられました。大田市文化協会の主催で「鶴」を劇研空も加わって上演したとき、勝部義夫さんと一緒に演出をされました。劇研空も数回演技指導をのワークショップをお願いしました。

そして2010年の11月ごろ、またリヤカーを引いて山口、九州方面へ行かれたのでした。
その時は友人の子どもが苦しんでいた「再発性多発性軟骨炎」の難病の50万署名を訴えながらの旅でした。

まさか福島におられるとは思いもしませんでした。福島では荒れた土地をボランティアの人たちと一緒に耕して花を植えたり、ヨガを教えたりしておられたそうです。

厳しいものを持っておられましたが、やさしい笑顔が忘れられません。心が広くて深く、ぼくの尺度では測れない大きな人でした。

IMG_7070 普通はそんなに雪が降るところではないそうです。それが油断になったのでしょうか。未知の方は写真をおくってくださいました。紹介させていただきました。遺骨はそのうち東京からふるさとへ帰るそうです。

東北大震災や福島の原発事故を見かねて、ボランティアとして活動されていたのです。異境の地ですが、多くの人たちに見送られてお別れ会が開かれたそうです。みなさんに心からお礼を言いたいと思います。

賢治さん、おつかれさまでした。ありがとうございました。

 

H26 「三瓶の魅力を語りうたう」成功裏に終了(4)

2014年2月2日、大田市民会館中ホールで「三瓶の魅力を語りうたう」が開催され成功裏に終わりました。前日のリハーサル、当日午前中のゲネプロと回を重ねる毎にスムーズに進み、本番ではほぼ予定時間のⅠ時間30分で終わりました。前売り券も整理券も出していませんでしたが、用意していた椅子110席がほぼ埋まりました。

いままでこのブログで3回事前に紹介しましたので、ここでは主に舞台風景写真を中心に紹介します。
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オープニングは大田市少年少女合唱団の「三瓶小唄」。丘 灯至夫・作詞、若松正司・作曲ですから、大ベテランペアから生まれた曲です。もったいない!大田市内、出雲市の小中高校学校の校歌にも三瓶山が歌われていることが紹介されました。大田小学校校歌が誕生したエピソードも面白いですね。

IMG_7060石村勝郎さんの詩「三瓶連山の創世記」を田中安夫さんが朗読。石村さんは新聞記者で郷土史家でもありましたが、詩人でもあり、三瓶の詩は3編あります。

DSC05362  出雲国風土記から国引き神話の箇所を劇研空の松本、山本くんが朗読しました。
IMG_7194土江子供神樂団の佐藤君、佐野君には人麻呂や斎藤茂吉の和歌を神歌で詠じてもらいました。とっても魅力的な節回しで聞き応えがありました。笛は岡田さんで、二人の神歌にふさわしい華を添えていただきました。3人とも中学生です。
IMG_7199洲浜くんの詩「空にそびえる草原」の朗読です。邑智郡田所の山奥で育った者が、高校生のとき初めて三瓶を見た時の感動を詩にしたものです。昭和30年ごろでしたが、てっぺんまで草原でした。牛と大地と人間が長年かかって生み出した見事な風景でした。
IMG_7203プロジェクターで三瓶山の姿を投影し、その他の詩も朗読。写真は松本くん、弘志くん、佐々木俊和さんが撮影されたものを了解を得て使用しました。
DSC05366「三瓶キャンプの歌」「久屋小学校校歌」「大田高校校歌」「この空のもと」を男性合唱で聞きました。いいですね。力強い男声合唱。有馬さん、今田さん、木村さん、森山さん、伴奏は大畑世利子さん。

大田高校歌は日本のトップペア、山田耕筰、土井晩翠の作詞、作曲です。このエピソードを有馬さんが解説で披露されましたが、とても面白く逸話ですね。

「この空のもと」は米山道雄作曲、洲浜昌三作詞です。昭和29年ごろ、大田市連合青年団が20周年を記念して、団長だった楫さんに依頼されて作詞しました。当時は青年団の会合などで歌われていたのですが、今は大田には青年団はありません。青年団は地域の文化や社会活動の中心的な存在でしたね。島根県青年団演劇大会なども毎年開催していました。一度審査を頼まれたこともあります。
DSC05382浜田市の写真家、佐々木俊和さんが写真集「三瓶山」を出版されたのは16年前。新聞で知りすぐ注文。感動して、「スライドにして詩をつけて朗読したい」と手紙を書くと佐々木さんは大田へきてくれました。喫茶店で話しました。不完全ではありましたが、その夢がやっと実現しました。プロジェクターでホリゾント幕へ投影しました。迫力がありましたね。BGMで大田高卒のギタリスト、杉原俊範さんが作曲された「石銀の里」を使用させていただきました。

最後は朗読民話劇「海を越えサヒメの山へ」(洲浜昌三作)石見の伝承に、サヒメ、チビヒメ、種姫などで呼ばれている民話があります。それを創作して劇研空のメンバーを中心に朗読しました。
P1020976 P1020977単なる童話ではなく、劇形式にしたところが独創的といえます。絵は勝部和子さんにお願いしました。朗読したのは田中和子、山内理緒、若狭雅子、田中安夫、松本領太、山本和之のみなさんでした。

IMG_7165司会はとても重要な役でした。単なる解説ではなく、キャストとしてお客さんに話しかけ、出し物の内容を楽しく伝えるようにお願いしました。小林さん幸増さんともに、原稿をそのまま読むのではなく、更に修正追加削除などもして臨機応変にやっていただきました。ありがとうございました。

おもてなしで朝からぜんざいをつくられたみなさん、舞台の進行、照明、音響など裏方を勤められたスタッフのみなさん、おつかれさまでした。
東京から来られた講師の佐藤先生、岡本先生も二日間ずっと行動を共にされました。
おつかれさまでした。ありがとうございました。

 

 

2/2 大田市民会館発表「三瓶の魅力を語りうたう」(3)

平成26年2月2日、大田市民会館中ホールで開催する「三瓶の魅力を語りうたう」というタイトルの公演では、出雲風土記の一部を群読します。PR 、NO.3です

三瓶山の古名、佐比売山が初めて文献に登場するのは出雲風土記です。国引き神話としてよく知られていますが実際に読んだ人は少ないと思います。出雲風土記の中でも、この国引きの箇所だけは朗読に適しています。恐らく口傅で語られてきた言葉を文章にしたからでしょう。文字ではなく、朗読で聞くと一段と面白さがでてきます。

ちょっとここで原文を紹介しましょう。

所以号意宇者國引坐八束水臣津野命詔八雲立出雲國者狭布之推す國在哉初國小所作故將作縫詔而栲衾志羅紀乃三埼矣國之餘有耶見者國之餘有詔而童女鉏所取而大魚之支太衝別而波多須ニ支穂振別而三身之綱打挂而霜黒葛閒ニ耶ニ爾河船之毛ニ曽ニ呂ニ爾國ニ来ニ引来縫國者自去豆乃折絶而八穂米支豆支乃御埼以此而堅立加志者石見國與出雲國之堺有名佐比賣

なんじゃこりゃ!目が回りそうですが、当時の日本人は言葉は話せても、それを記録する文字がなく、中国の漢字を当てて表現するしか方法がなかったのですから仕方がありません。

さてさてさて、ここで大田市民会館の中ホールの舞台を参考までに紹介しておきます。今回出演する人は参考にしてください。先ず照明器具です。衝立もよく見てください。

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写真は1月18日に上演された「~新春 和楽器コンサート~ 春を呼ぶ調べ」でパチリとしたものです。土江子ども神楽や深野神楽、長久篠笛教室の皆さんの笛や太鼓の演奏を聞いて楽しいひとときを過ごしました。最後に演奏された神楽・篠笛奏者「こと」さんの笛にはしびれました。素晴らしい笛の音がダイレクトに心に入ってきて感動しました。

今年で2回目の催しですが、笛や神楽を習っている子どもたちのために、このような素晴らしい発表の場を提供された主催者に敬意を表したいと思います。また「こと」さんのような一流のプロ演奏者を呼ばれたことは、大いに子どもたちの手本や目標になったことでしょう

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