H27 2月の「発声と朗読の基礎」大田市民会館

2015年2月の大田市民会館カルチュア-講座「発声と朗読の基礎」についてお知らせします。月に2~3回、水曜日、大田市民会館の第3会議室で実施ということになっていますが、2月は、18日と25日を予定して市民会館へ届けています。

先日、市民会館から電話がありました。2月からこの講座を受講したいと、中学生二人から、受講届が提出されたそうです。そこで、19:30~20:30までは、基礎的な発声や呼吸法、その演習、応用などを段階的に実施します。費用は会場費+資料代として1回100円です。ぼくも含め全員です。

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希望がある毎に受け入れていますので、人数が一定しない不便さがあります。毎回テキストをつくり、発展的に積み上げていきますので、当初から人数は10人とか、6人とか定まっていれば都合がいいのですが、仕方がありません。空のみなさんもできるだけ時間厳守で出席して参加してください。20:30からは空の朗読や劇の話し会いや練習をしましょう。よろしくおねがいします。

(写真はこの講座と関係ありません。青原小学校での詩の朗読です。)

H27、2 浜田でミュージカル『島村抱月』上演

浜田の石央文化ホールと実行委員会の連名で、劇研「空」へ公演の案内がきましたので紹介します。
2015年2月1日、住民参加型創作ミュージカル『島村抱月』が昼夜2回上演されます。

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脚本は浜田市出身で演出家の木島 恭さん、作曲も浜田出身の安藤由布樹さん。原案・演出は岩町 功先生です。岩町先生は、若い演出家を育てたいと手紙に書いておられましたので、岩上弘史さんも演出として加わっておられます。

今年度は、島村抱月が芸術座を創立して100年だそうです。昨年はそれを記念して東京でも講演会があり、会長の岩町先生は何度か東京へ行き講演もされました。昨年の2月に「石見演劇フェスティバル」反省会でも一緒になりましたが、80余歳にして元気溌剌、頭脳明晰。「郷土石見」の編集長、そして執筆。簡潔で的を射た文章は昔と全く変わりがありません。そして今回の上演!情熱と実行力には脱帽です。総勢100人以上、浜田の文化の総力を挙げての企画上演です。

前回の抱月も観劇に行き、このブログでも紹介しましたが、今回はかなり書き直してあるのでしょう。前回にはなかった大田の相生座が舞台として登場します。抱月は全国や海外まで公演して回りましたが、故郷の浜田では上演していません。何故?

浜田でも上演するつもりで、松江、出雲と下り、大田の相生座で上演していたとき、妹のイチがきて、浜田へ行くことを止めたのです。「浜田へ帰ると借金取りが待ち構えている」。父の一平はたたら製鉄業に従事していましたが相場に手を出し莫大な借金を負っていたからです。しかも抱月は早稲田大学教授を捨てて、演劇に没頭、松井須磨子との関係も評判になり、故郷では「あんな人間になるんじゃない」とまでいわれた人です。

実に多くの人物が出てきます。有名人もたくさん。例えば、森鴎外、島村抱月、相馬御風、中山晋平、松井須磨子、与謝野晶子、沢田正次郎、中村吉蔵・・・・。これを演じるキャストは大変ですね。でも前回は違和感なく見ましたので、大したもんです。

今回は主人公・抱月に、なんと!河村匡敏先生!名前を見たとたん、ベストチョイス!と微笑みました。松江でも、石見演劇フェスタでも、とてもシャープな演技をみせてもらいました。ぼくも大いに買っていた人です。鹿森さんは一平、イチは服部冨士美さん・・・ベテランもたくさん出演されます。

大田ではチケットを販売している所はないようです。電話をして予約してみてください。見応えのある舞台を楽しむことができること間違いなしです。

DSC06290ミュージカル「島村抱月」を観劇しました。舞台は写してはいけないとアナウンスされましたので、これならいいだろうと、パチリ。カミサマと車を運転して浜田に着き、ホールへ入ったら1階、2階ともに満席で、3階まで上るはめになりました。3階で見るのは初めてですが、雲の上から地上を見下ろす感じで、高所恐怖症患者には足が震えました。上の写真は開幕前のホールです。この高い所からは役者の顔の表情はもちろん見えません。役者も3階席までは意識して演じていませんから、声は主に天井にあるスピーカーを通して聞こえてきます。

場所としては最悪でしたが、舞台は十分堪能しました。ストリー展開に沿ってダンスや歌、合唱、詩吟など多彩な舞台が繰り広げられました。とても楽しく見ることができました。生演奏の効果が十分発揮されていました。あちこちで感動的な場面に胸を熱くしましたが、抱月の母チセが死ぬ場面は実に感動的でした。東京から抱月が汽車やバス、徒歩や走って故郷の金城へ帰ってくるのですが、その場面も工夫されていました。プロの森田麗子さんが「いのち短し、恋いせよ乙女、熱きくちびるあせぬ間に~」と松井須磨子の「ゴンドラの歌」を透き通るような声で歌われる中での無言の演技が胸に迫ってきました。演出のすばらしさですね。当時東京から浜田の奥まで帰るということは何日もかかる大変な旅程だったのです。

この劇では故郷ということを大きなテーマに作成されていました。大田の相生座まできて、明日は故郷の浜田で公演、というとき妹のイチ(大田市温泉津町の安楽寺に嫁いでいた)がきて、故郷には借金取りが待っていること、松井須磨子と帰って公演してもお客さんは来ないこと、さらに須磨子本人も厳しく叱責しました。抱月は結局中止して東京へ帰りました。妹のイチの演技や発声も光っていましたね。抱月の演技も力みがなく自然で、ことばもよく分かり、聡明で冷静な学者風の抱月の姿がよく伝わってきました。台詞も多いし歌もたくさんあるし大変だったことでしょうが、台詞についてはさすがは浜田高校演劇部で鍛えていた発声が生かされました。早口で喋っても歯切れ良くことばが分かる。訓練がなければでないことです。

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劇が終わってカーテンコールの時に、抱月は舞台奥から出てきました。父一平や母、妹、弟も出てきて、抱き合って涙を流しました。ちょっと興ざめがしました。ここまでやると完全に感動の押しつけになります。舞台奥の高い所に表れて立っているだけで十分故郷への思いは伝わったのではないかと思いました。説明し過ぎない、感動を演出しない、空想の余地を大いに残す・・・ラストは前回の方がはるかに感動的でした。

坪内逍遙は早稲田文学の象徴的存在ですが、よくがんばって逍遙を演じておられました。ぼくは大学時代に、五十嵐新治郎先生に音声学を習いました。先生は音声学の大家で、口の構造や音素を研究してマスターしておられ、アメリカやイギリスの英語の方言も自由に喋ることができ、文化放送のラジオ講座やテレビでも当時大人気でした。先生がある日授業でいわれました。「私は坪内逍遙先生に習ったのですが、先生の講義の時には町の人たちがたくさん聞きに来るので教室はいっぱいでした。先生は教室に入って来られる時から、こうゆう風に、芝居の演技をしながら入って来られました」。逍遙先生はきっと単なる学者風の人ではなかったのですね。姿や動作まで浮かんできます。

おっとととと、横道にそれました。すばらしい舞台でした。はるばる観に行った甲斐がありました。みなさん、おつかれさまでした。ありがとうございました。

(抱月の上演があったので、ブログで抱月関係の記事を多くの人が読んでおられる様子がグラフからわかります。岩町功先生の著作「島村抱月」を以前このブログで紹介していますが、それも多くの検索で読まれています。本に書いたものは、本棚にしまったらまず出すことはほとんどありませんが、ブログはこう言うときに価値を発揮するんですね。郷土の文学、演劇、文化を紹介することも目標にしている劇研空としてはうれしいことです)

抱月について検索して読む人が多いので、改めて岩町先生の名著「島村抱月」の書評を紹介します。平成21年8月3日の山陰中央新報に載ったものです。資料も豊富な上下2巻の膨大な本を原稿用紙3枚くらいにまとめるのは大変でしたが、ポイントは押さえて書いたつもりです。本を読みたい人は県内の主な図書館にはあるはずです。

書評 岩町功著「島村抱月」上下巻 (2段縦書)

 

H27, 「大田文化プロデユースネットワーク」結成準備会

2015年1月15日、大田市民会館で表記の結成準備会が開かれました。都合がつかず欠席だった人もいますので、概要と次回開催日をお知らせします。次回は2月5日19時から市民会館会議室で開かれる予定です。都合をつけ、友達を誘ってきてください。

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(写真はこの記事とまったく関係ありませぬ。淋しいので飾りに入れただけです)

ぼくは少し遅れて出席しましたが、原案文書に基づいて、目的、活動内容、参加者、今年度の予定などが話し合われました。

目的には次のように書かれています。
「ネットワークは、人と人との繋がりをつよめ大田市内・市外の個人や各団体と協力し、地域文化を高めるとともに新たな文化の創作公演を実施し、文化芸術によって元気な町づくりを推進することを目的とする」

事業:「1.文化芸術創造事業 2.文化による地域コミュニティの推進事業 3.地域の歴史・伝統文化の継承事業 4.その他目的達成に必要な事業」

質疑応答などがあり、できるだけ多くの人に声をかけて参加してもらう事になりましたが、具体的には「何を、どのようにするのか」まだ姿が見えてきません。これから煮詰める必要があります。出席者は約20人(会館側が4人を含む)。案内は二次文化プロデューサー講座の受講者だけだったそうですが、対象は広く開かれています。

H26 詩「江戸からきた人~井戸平左衛門~」群読

2014年12月7日、中央職業訓練センターで「お芋博覧会」(~みんなでやろう!代官いもでまちづくり)が開かれました。産直市がでたり、露天がでたり、ホールではいろいろなイベントがありました。
IMG_5278劇研「空」も参加して、井戸平左衛門の詩を群読しました。今までも島根文芸フェスタや大森でも朗読したことがあります。参考までに紹介していきます。興味がある人はどうぞ。

H26 詩群読2段版「江戸からきた人」縦書き2段.(お芋博覧会)jtd

H26, 「お芋博覧会」 職業訓練センターで 12/7

~みんなでやろう!「代官いもでまちづくり」~をスローガンに、12月7日(日)島根中央職業訓練センターで「お芋博覧会」が開かれます。お店もたくさん出て、面白いイベントもたくさんあって、楽しいお祭りです。

9時からオープニング、石見神楽、10時からの「芋代官まつり」では、劇研「空」も出演しま~す。詩の群読、「はるかな時を越え ー江戸からきた人ー」。芋代官・井戸平左衛門を詩で紹介します。5人で群読します。その後には歌やダンスなどなどなど、15時まで楽しい出し物があります。チラシを紹介します。どうぞ、足を運んでくださいませ。

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H26 第5回「朗読を楽しむ」好評裏に終了

2014年8月30日、大田市民会館中ホールで、第5回「朗読を楽しむ」を開催しました。お客さんを60~80名と予想して準備しましたが、約80名でした。積極的にPRしていませんでしたので妥当なところだと思います。劇研空のメンバーだけではなく、大田市少女合唱団をはじめ、地域でキャリアのある人たちに声をかけて参加していただきました。アンケートの結果も大変好評でした。ご協力ありがとうございました。舞台風景写真を中心に簡単に紹介します。

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(パンフレットより)

「本日はご来場くださり、誠にありがとうございます。どうぞごゆっくり、朗読や歌をお楽しみください。
劇研「空」は、平成12年に発足以来、劇以外に様々な朗読会を実施してきました。今回は大田市民会館の地域育成事業の支援を受けて実施します。劇研「空」が企画し、地域の人たちに呼びかけて実施する朗読会は5回目です。劇の上演もあきらめてはいませんが、時間や経費、発表場所など困難なことが多いのに比べ、朗読は気軽にできるのがいいところです。
今まで、毎回特集として、日本の詩人を取り上げてきました。今回は、2月に104歳で他界された「まど・みちおさんを偲んで」、詩の朗読と解説をします。大田市少年少女合唱団のまどさんの童謡も楽しんでください。
劇研「空」は、「地域の歴史や文化の掘り起こしと再創造」を目標の1つにして活動して来ました。この8月末の土曜日のひととき、発表する者も聞く人達も「お互いに舞台を楽しみ」、「お互いの学びの場」になり、さらに「創造への刺激」になれば幸いです。」

第Ⅰ部 まど・みちおの詩の魅力…童謡詩人といわれた詩人の平明で奥深い詩を朗読し、その業績と詩の魅力を解説します。有名な童謡を合唱で楽しんでください
1)まど・みちおの詩の朗読 …詩7編を朗読、吉川礼子 、田中和子、 山本和之、 松本領太 若狭雅子、 堤 浩隆(川本塾)
2)解説「童謡詩人 まど・みちおの詩」…劇研「空」 洲浜昌三
3)合唱 「ぞうさん」「一ねんせいになったら」「やぎさんゆうびん」 大田市少年少女合唱団17名 指揮・伊藤裕子

最初は、この春104歳で他界された、まど・みちおさんの詩を劇研空のメンバー6人が朗読し、一篇ごとにスハマくんが解説をしたのですが、記録写真がゼロでしたので、上の写真から想像してください。朗読用、詩の転載には著作権料をパシット払いました。当たり前だけど、痛かった!

大田市少年少女合唱団には「ぞうさん」など3曲を合唱していただきました。
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第2部 自由参加・朗読と語り…朗読や語りに関心がある人たちに案内して出演していただきます。郷土の民話や伝説、記録などを発掘、文にし朗読にして舞台で再創造です。
1)朗読 記録「なぜ?大田に原爆病院?」文・山尾一郎   朗読・山尾一郎
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2)語り 民話「 降露(ごおろ)坂の一つ目お化け」 『銀山(かなやま)ものがたり』より
方言・西村 巴   語り・西村 巴
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3)朗読 随筆「石銀(いしがね)からー松下貞市口伝ー」 須藤正子著(大田市在住)より                              朗読・竹下ちとせ
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4)朗読 伝説「つる女の物語」 文・和上豊子   朗読・和上豊子

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5)朗読 随筆「おれの跡を継ぐな」 山下惣一著『農から見た日本』朗読・田中安夫

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6)朗読 創作民話「姫逃池ものがたり」 文・押越幸子 絵・石田さちよ 映像・松本領太                       朗読・押越幸子

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第3部 ふるさとの創作民話 朗読劇「海を越えサヒメの山へ」…大陸でオオゲツ姫が殺  されると、腹から種が出てきて、サヒメはその種を持って赤雁に乗り、海を越えて石見へきた、という伝承があります。この伝承を劇形式で創作し、20数枚の絵を写し、音響や音楽も使って朗読劇として発表します。修正しつつ3回目の発表です。
作・洲浜昌三 原画・勝部和子  映像処理・松本領太
キャスト: 田中和子 吉川礼子 若狭雅子 堤 浩隆 山本和之 松本領太  音響、PC (劇研「空」他)12

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お客様にどのように受け止められたか。次にアンケートの一部を紹介させていただきましょう。今後の参考になることがたくさんあります。

・すばらしい時間をありがとうございました。発声がすごいです。三月に浜田での公演で「海を越えサヒメの山へ」が見られず、今回みることができました。   (60代男子)

・楽しかったですよ。(80代女子)

・画も楽しく拝見しました。石銀の温泉や姫逃池 さひめの話は若干聞いていました。伝承する事が大事と思います。大田の原爆病院のことは、もう少し話があっても良いかも。次にも是非参加します(70代男子)

・楽しい一時をありがとうございました。
(70代)
・私の知らない話もあり楽しませていただきました。孫達にも読み聞かせたいです。次回楽しみにしています。(60代女子)

・舞台のしつらえは良いと思いましたが語り手の服装は、もう少し工夫があっても良かったのでは?とも思いました。想像力かきたてられる豊かなステージでした。心が和みました。平和であることの重みも感じました。(60代女子)

・まど・みちおの詩は、先生の司会をまじえてよく理解できた。詩集を読んだだけでは深く理解できなかった。合唱はかわいくてとてもよかった
・「原爆病院」戦争体験を語り継ぐことの大事な時が今こそ急がれます。
・「降露坂の一つ目お化け」語り手の上手な口調とても良かった。
・「石銀から」知らない物語でした。
・「銀山の歴史物語」さすが和上先生ですね。 ・
・「俺の跡を継ぐな」田中さんにぴったりのお話でした。
・「姫逃池ものがたり」作者にお会いでき感激です。
・第3部・・スライドの絵、効果音楽共にとてもわかりやすかった。三瓶周辺の地名を考えさせられました。たくさんの子どもたちに見てほしいですね。ありがとうございました。次回も楽しみにしています。(60代女子)

・エアコンがちょっと熱かった。
・記録映画の上映会を開いてほしいです。(50代男子)

・1部・・あらためて深いいい詩だなと思いました。(70代女子)

・中ホールが見違えました。
・段々と詩を深くよんだりきいたりする機会がへっていると思います。改めて詩の朗読もいいなぁと思いました。(40代女子)
・手作り感いっぱいのステージ、心がほっこりしました。
「一つ目お化け」声も語り口調もすてきでした。
「石銀から」あの長い歴史物語を読むだけで引きつける・・すばらしい。
「つる女の物語」迫力満点
「俺のあとを継ぐな」個性的。
・手ずく感いっぱいのステージ、心がほっこりしました。(60代女子)

・朗読にあった舞台で雰囲気を出していた。朗読は映像以上に引き込まれた(60代男子)

・全般に良かった。1-6・・いずれも特別に良かった、感動した。 (80代男子)

・こちらに引っ越してきて三年目です。このような催し物に感動しています。でも休憩なしは疲れました。童謡は楽しめば良いのだと思います (60代女子)

・二部 朗読が終わった後直ぐに進行の言葉を入れないで。余韻を味わいたい、そして次の朗読の紹介だけした方が良い。
・会場が冷えすぎ。(60代女子)
・楽しい企画だったと思います。三部構成、各々に興味深く聴かせて頂きました。(60代女子)
・たいへんよい企画でした。ふるさとの素晴らしさを初めてかんじることができました。もっとたくさんの方々に見てほしいと思いました。州浜先生の解説でよりまどみちおさんの人柄や言葉の魅力にひたることができました。

・二部・・皆さんだれもすばらしい朗読でした、情景が目に浮かんできました。松下貞一さんのこと初めて知りました。3部・・将来へ希望をもちました、地元への愛情をありがとうございました。

・良かったと思います。久しぶりに朗読だけを聞く機会があって嬉しかったです、ありがとうございました。
・「大田に原爆病院」知らなかったので勉強になりました。・朗読や朗読劇、それぞれ面白かったです。これくらいのホールならマイクはいらないと思います。(60代女子)

・丁度良いと思いました。組み合わせが良い。(60代女子)

・今回初めて朗読を楽しむに来てみました。地元に居ても知らない事があり、とても良かったです。
・1-3部・・全て良かったです。アンケートを書くのに暗くて書きにくいし、部毎に時間があると良いと思います。(60代女子)

・1部・・声が良く言葉がハッキリしていた、感情もあり面白く聞けました。
・「大田に原爆病院」は知らないことだった。
・「一つ目お化け」・面白く聞けた、とても上手に話された。5
・「俺の跡を継ぐな」・・まどみちお なみに十分でしたよ。
・「海を越サヒメの山へ」・・会話のテンポが面白い、やさしい絵でしたね。(70代子)
・大変よかった。ありがとうございました。(70代女子)

 

みなさん、おつかれさまでした。ご協力ありがとうございました。また気楽にやりたいと思います。参加したい人は参加料500円、地域に関する文章の朗読(創作など大歓迎)、感動的な文章、名作の朗読、自作詩、自作エッセイなどなど、みんなに聞いて欲しいというものがあれば、ぜひ参加して朗読してください。

 

H26 大田市出身の南画家・西 晴雲特別典開催

2014年9月26日から28日まで、大田市文化協会創立40周年記念事業として、西 晴雲の作品展が大田市民会館で開催中です。中ホールに92展の作品が展示されています。晴雲は大田市波根町の生まれで、南画の大家。大田の宝です。これだけの作品を見ることは滅多にできません。DSC06025

初日の26日は午後から会場係りで、会場の片隅の椅子に座っていましたが、平日にもかかわらず、切れ目なくお客様がこられました。さすがですね。

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サントリーウィスキーの「寿」の字を知っている人は多いことでしょう。その字は晴雲が頼まれて書いたものです。サントリーの創始者・鳥井信次郎は晴雲をバックアップしました。詳しく知りたい人は次をどうぞ。(大田市文化協会作成パンフレットより)

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年代まで知りたい人は年表をどうぞ。(大田市文化協会作成パンフレットより)

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一点一点が貴重な宝物ですから取り外し、持ち運び、出し入れなど取扱も大変だったそうです。会場には警備員を配置し、二人の監視員がいます。

監視員をしていると、いろいろな人が話しかけて来られます。ある有名人は、「郷土資料館や美術館がないのは大田市だけです。文化の谷間です。図書館の一角に資料室を作れ、と言ったのですがだめです。かなり前のことですが晴雲の作品の寄贈を申し込まれたのに断ったのです。県立美術館は喜んで50点を購入しました。どうにかしないと大田の宝が消えてしまいます」

確かにそうですね。書籍でも美術品でも陶芸品でも歴史的に貴重なものを持っている人は市内にもおられます。子孫が後を守ればいいのですが、膨大な書籍などは価値を知らない者には粗大ゴミどころか邪魔物です。しかしそれを保管してくれるところはありません。美術品などは保存状態が悪いと虫に喰われたり、シミができたりして、価値は半減してしまいます。どうにかしなければ… どうにかしましょう。ほんとうですか。ああどうにかしましょう。

H26 「地歩璃」の素敵な「銀山巻き上げ節」

2014年8月24日、石見銀山世界遺産センターで「地歩璃」のコンサートがありました。作曲し、キーボードを担当される藤田勉さんと、ヴォーカルのいわきりれいこさんの二人で結成されたユニットで、今回が初公開でした。

結成の動機と夢が素敵です。「日本に生まれ育ったすべての人々の心の琴線に響くような、どこかなつかしく、やさしくたおやかな音楽作りを目指しています。オリジナル作品の制作とならんで、日本各地に眠る音楽を掘り起こし、新たなアレンジでよみがえらせていきたい」

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キーボードの藤田勉さんには、6年くらい前に、遺産センターで講演が会った時にお会いしました。センターに流れている静かなBGMを作曲され、センターへ来られたときでした。若くて誠実な人だな、と思いました。CDもいただきました。

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今回のコンサートを知らなかったのですが、藤田さんからメールがあり、急遽、ワイフさまとでかけました。久しぶりのなつかしい再会でした。

石見銀山の「サンヤ節」「巻き上げ節」「ゆく夏の風に乗って」は石見銀山の民謡やイメージに基づいて作曲(編曲)されたものです。いわきりさんの透き通ったなつかしい歌声が曲にあっていました。とても感動しました。

まだCDはできていないのですが、無理をお願いして、曲を送っていただきました。了解を得て、8月30に日に市民会館で行った「第5回朗読を楽しむ」の開演前に会場へ流しました。

曲を聞くと、だんだんファンが増えていくことでしょう。心に沁みてくる曲ですが、同時に思いや気持ちや情緒をelevateしてくれる歌です。

ご活躍を期待しています!!

H26,天領さん祭り 大森「大盛行列」で瓦版

平成26年(2014)の「天領さん祭り」の最後の会場は大森で8月31日に行われました。昨年は雨がふりましたが、今年は晴天。お客さんは昨年の倍以上はおられました。

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大森の古い町通りのあちこちの店が開放され、空き地には露天が並び、江戸時代のお嬢さんや飛脚に出会ったり、楽しい祭りになりました。代官が1月11日に佐毘売山神社で大盛を祈願して、代官屋敷へ帰る行列を「大盛行列」と呼んで、昨年から復活実施しています。

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劇研「空」も昨年から実行委員会に参加しています。今年も瓦版5,6号をつくり、江戸から来た劇研空の松本、山本、吉川さんが、行列の先頭を歩きながら、大声で行列を説明し、銀山の歴史を語り、瓦版1~6号を売りました。ノーノ―、売ったのではなく、欲しい人にあげました。多くの人たちが、我先に競って手を差し伸べ受けとりました。いや本当です。

今年追加した瓦版を紹介しましょう。書いていることは歴史的事実ですが、文章は語り口調で、おもしろおかしく書いています。読みにくいでしょうが、眺めてください。
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何故、銀山町の者が、大森町で乱暴狼藉を働いたのか、理由ははっきりしませんが、スハマクンの推測では、次のことが主な原因ではないかと勝手に考えています。

「初代奉行・大久保長安は山吹城の下屋敷の吉迫に代官所を置いた。銀山町は大谷・栃畑谷・昆布山・休谷・下河原・石銀の六地区からなる。外周には柵がめぐらされ「柵之内」といわれ最盛期には「石銀千軒」ともいわれた。

二代目奉行・竹村丹後守は現在の大森町に代官所を置いた。新興の大森町に対して、本家「柵之内」のプライドがあったのかもね」

井戸平左衛門の瓦版です。

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来年も楽しいお祭りになることでしょう。参加されたみなさん、おつかれさまでした。

 

 

H26,9/21 永井隆の劇「Takashi」益田で上演(観劇記)

雲南市演劇によるまちづくりプロジェクト実行委員会から、案内が来ました。チラシなど後日渡しますが、ひとまず簡単に紹介します。

9/14   18:00~
9/15    13:00~        17:00 ~ チェリヴァホール

9/21(日)14:00 ~  益田市グラントワ
DSC05930亀尾さんの創作、演出です。この初春には「ふることふみ」を雲南市まで観劇にいきましたが、すばらしい舞台でした。(このぶログのどこかで観劇記を書いています)

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永井博士は、飯石郡飯石村(今の雲南市)で育ち、旧制松江高校を卒業、長崎で医学に献身されていましたが、あの原子爆弾で被爆、それでも最後まで平和のために命を燃やしました。長崎へ行ったとき、最後の住居「如己堂」へ行きましたが、畳が3枚か、4枚くらいの狭い狭い部屋でした。ここで数々の有名な著作を書かれたのかと思うと身が引き締まる思いがしました。

その永井隆博士をどのように舞台で表現されるか、楽しみですね。

 

9/21,はるばる益田へカミサマと観劇に行ってきました。劇研空の山本君も来ていました。久しぶりに会う人たちがたくさんありました。劇が終わってこっそりパチリとしました。スミマセン。力作舞台でした。迫力がありました。以下、観劇記です。

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集まった70人以上の人たちをどのように舞台へ登場させるのか。難問題です。単なるコロスとして扱えば、参加した人たちには不満足感が残ります。脚本、演出の亀尾さんはこの難問題をうまく処理しています。さすがです。今までに高校演劇で積み上げてきた手法がみごとに生きていました。多くのキャストが次々と多くの場面を構成していくので、ある意味で劇は度々脇道にそれ、遊びが多くなり、同時に楽しく豊かになります。永井隆という一人の主人公を忘れてはいませんか、と思うころにストリーの軸は一気に展開、本筋に戻ってきます。この緩急の展開が美事でしたね。さすがです。

劇中劇形式になっていて、劇が終わると全員が舞台に集まり、演出役が客席から登場します。演出は、問いかけます。「この劇をやってどう思ったか」。沈黙のあと、二,三人が感想を述べます。

この場面は、劇を客観化することを狙うなら面白い設定です。しかし観客の目には半分、「やらせ」場面に写ります。演じた人間の視点でしか感想は述べられないからです。観客に問いかけるのは価値がありそうですが、これも「感動しました」などという絶賛の感想しか出てこないでしょう。

ぼくならどうするか?と帰りの車中で考えつづけました。結論は「沈黙」です。誰も何も言わない。いや、言えない。

最も感心したのは、永井博士の著述から、永井博士の言葉をそのまま何度も喋らせたことです。脚本家が自分の言葉で現在の時勢を激しく批判すると、観客のこころに反感も生まれる可能性もあります。プロパガンダ性の強い劇になる可能性もあります。しかし永井博士の警告は正に現在の社会を鋭く突き刺します。何十年前の永井博士の言葉を、そのまま舞台で喋っても全く色褪せない。それどころか実にリアルに迫ってきます。真実は時代を超えて具体を貫くのです。

劇が終わって、観客席には熱い思いが充満していました。客席にいるとはっきりわかります。迫力のある感動的な劇でした。

ホールをでるとき、亀尾さんの姿を見かけました。感動した人たちが次々と話しかけていましたので、邪魔をしないようにそのまま帰ろうかと思いましたが、挨拶だけでもと思い、しっかり握手をしてホールをでました。

グラントワの近くで写真店を開いているキタウラ君の家へ寄ってみました。そのむかし、県立益田工業高校が久城の丘に聳えていたころ、担任をした機械科の生徒でした。元気でがんばっていました。剣道を通した社会貢献で数々の表彰を受け、賞状が壁に掲げてありました。来年は卒業して50年になるので同窓会を開きたいと、出来上がった案内のハガキを見せてくれました。「日にちはいつがいいですか?」と聞かれました。なんかこのために久しぶりに益田へきたような感覚に襲われました。劇とは全く無関係ない脇道でした。

みなさん、おつかれさまでした。いい劇がまた島根に生まれましたね。