2015年10月15日、大田市民会館で前進座の公演がありました。石東地域の仏教会を中心にした実行委員会の主催で、劇研「空」は6名、場内係りとして協力しました。2008年には「法然と親鸞」の公演もありました。今回もほぼ満員で、みなさん大いに感動されました。さすがプロです。経費や動員力などを考えれば、大田の民間の力でプロの劇団を呼べる力量を持っているのはこの会くらいかもしれません。
劇が終わってからの風景です。雰囲気だけでもと思って記録しました。九條武子は和歌にも造詣が深く、白蓮との交遊もありました。関東大震災の直撃を受けて逃げ延びます。
十重二十重(とえはたえ)火炎の波に おはれおはれ いづちへゆくべき わが身ともしらず
死を免れ、自分は生かされているのだ、という思いを強くして、震災被害者の救済に没頭し、印税を寄付して「あそか病院」をつくり、京都女子大の前進である女子大をつくります。全国を飛び回り、人々のために身を捧げる武子の姿が感動的でした。
上の写真は購入した冊子の表紙で、主人公の武子を演じられた今村文美さんです。気品のある舞台姿が印象に残ります。
おわって菅原憲さんから誘われ慰労会に出ました。今村さんの隣に座って話しました。自己紹介で感想を述べました。「京都女子大は長女が卒業した大学で卒業式にも行きました。劇ではその大学とは知らずに見ていました。演劇をする者にとって、今との関係はとても重要です。この劇では、関東大震災の場面が圧巻でそれ以降はとてもインパクトと感動がありました。東北大震災に重ねながら観ていました」などと感想を述べました。
劇団の人も、今回が最後の舞台になることを惜しんでおられました。単なる過去の人物劇ではなく、今の日本にも生きる普遍性のある劇であることを考えて演出し上演しておられることが伝わってきました。
前進座のみなさん、実行委員会のみなさん、ありがとうございました。おつかれさまでした。