2012年9月2日、大田市の市民センター4階で平家物語の朗詠と語りがありました。大田市文化協会が大田市から委託されて開催している事業で4年目(多分、去年は佐藤洋二郎さんの小説講座だった)になります。大田市出身者を招いて開催する事業です。
今年は大田市久手町出身で大田高校卒業、宇治市にお住まいの六嶋由美子さんの平家物語の語りでしたが、共演者として神戸市の川村旭芳さんが素敵な華を添えられました。
六嶋さんは親しみのある笑顔で平家物語の魅力を話し、参加者に配ったプリントの中から平家物語の有名な箇所を観客全員にも読ませるというワークショップのような時間も取り入れられました。参加型の公演?六嶋さんは平家物語の原文を語られるのかと思っていたのですが、平家物語からストリーを自分で書き、それを語られました。平家物語の解説に近いのですが、解説ではなく現代語による「語り」です。これは誰にもよく分かり、なるほど、こういう語りもありか、と納得しました。
市民センタ4階は単なる広い部屋です。舞台や照明音響の設備はないので、市民会館のスタッフが持ち込んで設置されました。150人の聴衆は予約制でした。
川村旭芳さんはきりっと引き締まった端正な顔立ちと姿で素敵な琵琶の演奏と朗詠を聞かせてくださいました。8歳から琵琶を習ったたそうです。
演奏が終わってから一枚パチリと遠くから遠慮がちに写しました。今回の公演は六嶋さんだけでなく川村さんの琵琶と朗詠のコラボだったことで両方の魅力が生きたのではないかと思いました。
実は劇研空でも数年前、平家物語の朗読をやろうと思って、本を揃え、DVDも手に入れて勉強しかけていたのです。そのDVDは松本幸四郎さんなど一流のプロが10数人、平家物語の朗読をされているものです。とても個性的でおもしろく、ぼくらも訓練して、好きな人に聞いてもらえるような小公演がしてみたい、と思ったのです。発声練習や表現練習にもなります。
その時、大田で琵琶が弾ける人はいないかな、と真剣にさがしました。朗読が好きな人がいれば、いつか平家物語の名場面を朗読するミニ公演を開いてもおもしろいでしょうね。琵琶が無理なら、ギターでもいい。
というようなことがあったものですから、今回の公演もいい企画だと楽しみに行ったのでした。六嶋さん、川村さん、おつかれさまでした。ありがとうございました。