平成19年3月25日、松江で山陰同人誌交流会が開かれました。
島根には「山陰文藝」「蛮族」、鳥取には「米子文学」「流氷群」「断層」などの同人誌があります。
約30名出席。来賓として高橋一清氏(前文藝春秋編集長)と岡部康幸氏(山陰中央新報の論説委員・文化グループ長)が出席。高橋さんの「同人誌の可能性」という講演が最初にありました。高橋さんは全国の同人誌を大切にし、多くの芥川賞や直木賞作家を育て交流がある人で現在松江市の観光事業に大きな貢献をしておられます。有名な作家との交流があるので松江へ多くの作家を招いて講演などを開いておられます。早稲田大学を出て昭和42年に文藝春秋社へ入社してから38年間の同人誌との関わりを具体的に話されました。
最後に小説を書く際のポイントとして次のようなことを挙げられましたので参考までに記しておきます。
1.原稿用紙60枚くらいで息切れした小説が多い。100~150枚くらい書いて欲しい。人の目を気にせず思い切って書いて欲しい。
2.連載をすれば雑誌として死に体をつくることになる。最後の読もうとして結局読まれない。
3.風通しのいい文を書いて欲しい。推敲して欲しい。
4.狭い世界ではなく広い世界へでて欲しい。
5.形容詞や副詞には気をつけて欲しい。この使い方で水準がわかる。
6.一つの作品にこだわらず、次ぎにその作品を越えて行けばいい。
7.前々作を推敲し手直しすると力がつく。
質疑応答のあといろいろなことが議論されました。山陰中央新報の岡部さんからは、同人誌に若い人がいないことについて問題提起がありました。
確かにどの分野でも(詩でも俳句でも短歌でも)若い人がほとんどいません。危機的な状態です。しかも歯止め策はなくずるずると更に高齢化が進んでいます。
批評活動の弱さも指摘されました。
ぼくは大学を出て東京から島根に帰ったときには小説を書いていました。詩の同人誌にも加わり、詩の役目を果たさなければいけない状態になり、長い間小説は書いていません。しかし書いてみたいという欲求に駆られることはあります。
「山陰文藝」は池野誠さんや石丸正さん、清水義史さん、寺井敏夫さん、寺元喜徳さん、石原亮さん、村上清子さん、矢富彦二郎さんなどを中心に140名くらい同人がいます。誰でも参加自由です。小説、随筆など年に2回ぶ厚い同人誌を発行しています。僕も同人ですが作品をほとんど発表していません。
「蛮族」は野津決さん、中林明正さん、石田さん、内藤美智子さん、福島裕子さんなど少人数ですが、読み応えのある小説が掲載されています。
(たまには更新しなければ、と思って、先日出席した山陰の同人誌のことを簡単に書いてみました
前略ごめんください。小生は昨年4月に、東京から松江市に転居したものですが、市内の書店三か所で「蛮族」を求めようとしたのですが、いずれの書店でも取り扱っていませんでした。入手方法が分かればご教授願います。
5年以上前に書いた文が役に立つとは!うれしいことです。
現在の編集責任者は野津 泱さんで、住所は次のとおりです。
690-0822 松江市下東河津町266-7
連絡してみてください。2週間前に野津さんとは松江で話しました。
きっと喜ぶと思います。