イレギュラーボーナス公演「人生ゲーム2006」

人生ゲームラストDSCF0015.jpg
 亀尾佳宏作・演出でイレギュラーボーナスが旗揚げ公演で、米子と出雲(2日間)で上演しました。松江工業高校の演劇部が上演した劇を作者が手直し追加した脚本です。言葉遊びで成り立っているような面白い劇ですが
底流に「何のために勉強するのか」という真剣な問いかけがあって、ラストではそれに答える作者のキーワードも組み込まれていて、ふっと胸を突いてくる熱い劇です。とても楽しく観劇しました。


人生ゲーム
 一緒に行ったカミ様もとても面白かったと喜んでいました。皆さんとても熱演で伸び伸びと演じておられました。4人の高校生と1人の先生が登場しますが、リアルな高校生や先生ではありません。次々と繰り出される言葉遊びをするために設定された人物です。しかし基本を流れるテーマは「何故勉強するのか」という真剣で永遠の問題です。それを考えさせながら劇が進むので、単なる言葉遊びではないリアリティがあります。我がカミ様は言葉遊びのジャングルの中から、ちゃんと2つの大切な言葉を見つけて感動していました。十分観客の心に届いたということでしょう。
 
 前半では緊張もあったのか力んで早口でしゃべる時には言葉が分かりにくい時もありました。しかし力を抜いて喋るときには抵抗なく言葉が届きました。後半は無駄な緊張がなかったのでしょう、言葉を抵抗なく聞くことができました。亀尾さんの発声は歯切れがよく声量のコントロールも効いていてほれぼれとしました。

 僕が劇を作る立場になって考えたことは、前半の劇の展開の仕方です。抽象的な言葉だけで40分以上観客を引っ張って行くのはしんどい。何か具体的な物を舞台に出してそれを中心に展開するか、後半に出てくるゲーム
の前哨戦みたいなものとして場を設定するか、何かがあれば劇をみるのに「言葉疲れ」しないのではないかなどと考えたりしました。

 楽しい舞台をありがとうございました。次回も楽しみにしています。多くのスタッフの皆さんが援助しておられたのもうらやましい限りでした。写真撮影を許可していただき感謝しています。1枚の写真は万の言葉より雄弁に全てを一瞬に語ってくれます。

投稿者:

suhama

1940年、島根県邑智郡邑南町下亀谷生まれ・現在、大田市久利町行恒397在住・早稲田大学教育学部英語英文科卒・邇摩高校、川本高校、大田高校で演劇部を担当、ほぼ毎年創作脚本を執筆。県大会20回、中国大会10回出場(創作脚本賞3度受賞)主な作品「廃校式まで」「それぞれの夏」「母のおくりもの」「星空の卒業式」「僕たちの戦争」「峠の食堂」「また夏がきて」「琴の鳴る浜」「石見銀山旅日記」「吉川経家最後の手紙」「父の宝もの」など。 著作:「洲浜昌三脚本集」(門土社)、「劇作百花」(2,3巻門土社) 詩集「キャンパスの木陰へ」「ひばりよ大地で休め」など。 「邇摩高校60年誌」「川本高校70年誌」「人物しまね文学館」など共著 所属・役職など: 「石見詩人」同人、「島根文藝」会員、大田市演劇サークル劇研「空」代表、島根県文芸協会理事、大田市体育・公園・文化事業団理事、 全国高校演劇協議会顧問、日本劇作家協会会員、季刊「高校演劇」同人、日本詩人クラブ会員、中四国詩人会理事、島根県詩人連合理事長、大田市文化協会理事

コメントを残す