亀尾佳宏作・演出でイレギュラーボーナスが旗揚げ公演で、米子と出雲(2日間)で上演しました。松江工業高校の演劇部が上演した劇を作者が手直し追加した脚本です。言葉遊びで成り立っているような面白い劇ですが
底流に「何のために勉強するのか」という真剣な問いかけがあって、ラストではそれに答える作者のキーワードも組み込まれていて、ふっと胸を突いてくる熱い劇です。とても楽しく観劇しました。
一緒に行ったカミ様もとても面白かったと喜んでいました。皆さんとても熱演で伸び伸びと演じておられました。4人の高校生と1人の先生が登場しますが、リアルな高校生や先生ではありません。次々と繰り出される言葉遊びをするために設定された人物です。しかし基本を流れるテーマは「何故勉強するのか」という真剣で永遠の問題です。それを考えさせながら劇が進むので、単なる言葉遊びではないリアリティがあります。我がカミ様は言葉遊びのジャングルの中から、ちゃんと2つの大切な言葉を見つけて感動していました。十分観客の心に届いたということでしょう。
前半では緊張もあったのか力んで早口でしゃべる時には言葉が分かりにくい時もありました。しかし力を抜いて喋るときには抵抗なく言葉が届きました。後半は無駄な緊張がなかったのでしょう、言葉を抵抗なく聞くことができました。亀尾さんの発声は歯切れがよく声量のコントロールも効いていてほれぼれとしました。
僕が劇を作る立場になって考えたことは、前半の劇の展開の仕方です。抽象的な言葉だけで40分以上観客を引っ張って行くのはしんどい。何か具体的な物を舞台に出してそれを中心に展開するか、後半に出てくるゲーム
の前哨戦みたいなものとして場を設定するか、何かがあれば劇をみるのに「言葉疲れ」しないのではないかなどと考えたりしました。
楽しい舞台をありがとうございました。次回も楽しみにしています。多くのスタッフの皆さんが援助しておられたのもうらやましい限りでした。写真撮影を許可していただき感謝しています。1枚の写真は万の言葉より雄弁に全てを一瞬に語ってくれます。