2005年8月21日、大田市民会館で上演された『Salome』はとてもすすばらしい舞台でした。大田高校卒業生で演劇部にもいた山田岬君も出演、大田市子供ミュージカル「風化」の子供たちもプロに混じって出演しがんばりました。舞台写真は撮影禁止なので、上演後の懇談会で写しものを掲載しました。
昨年、空の掲示板に観劇記を書きましたが、例のノマネコ事件の大波に襲われ消滅してしまいましたので、岬君との約束を果たすために、遅くなりましたがやっと掲載しました。
脚本・演出・振付は三浦克也さんで、三浦さんは長い間「風化」の指導にあたってこられました。大田市で上演した市民参加ミュージカル「学校ねずみ」で指導されたのが縁でした。有限会社・劇団シアタージャパンの代表です。
今回の作品は三浦さんの創作です。松井須磨子、川上貞奴の名前を知っている人は多いでしょうが、高木徳子という女優を知っている人はほとんどいないのではないでしょうか。ぼくも知りませんでしたが、明治24年生まれでアメリカやヨーロッパでも才能を認められた先駆的な女優です。当時は男性中心の社会で女優として活躍するのには多くのハンディがありましたが、彼女はそれを乗り越えて頑張るのです。大正7年には「カルメン」「サロメ」を有楽座で踊り人気俳優になりました。ダンスの才能がすばらしかったようです。
劇は徳子の外国生活、日本での活躍を通して彼女の波乱と障害に満ちた人生を描きますが、楽しい踊りもふんだんにあり、歌曲だけでも43曲もありました。普通のミュージカルは20曲くらいだそうです。前半の楽しい舞台やいろいろな仕掛けが後半になるに連れて複雑に絡みあいドラマが盛り上がっていきます。抱月や須磨子、貞奴との関係や夫の高木陳平などとの絡みが日本の演劇史の中で生き生きとドラマになり、当時の封建的な時代の中で女性が芸術に命を捧げる困難さと悲痛な悲劇が感動的に演じられました。
「風化」の子供たちは20人ばかり出演しましたが、さすが演出の三浦さんは子供たちをとてもうまく使ってプロの劇の邪魔にならないように、そして子供たちはまとまって事前に練習できるようにとてもいい場面を作っておられました。
山田岬君も頑張っていました。複数の役で出たのですが、他のベテラン俳優の中で違和感や異質の空気もなく、自然に溶け込んでいました。子供たちのダンス指導をしたのは岩根礼子さん(旧姓伊達)で、ぼくが邇摩高校にいた時担任した人です。いまはダンス指導で大活躍中です。実行委員会の委員長は平田久美子さんです。多くの地元の人たちの参加で成功しました。会場も満員で、大田にしては珍しいことでした。実行委員会の人たちの力のお陰です。
(舞台写真でもここへ入れて紹介すればここも生き、シスタージャパンのPRにもなるのですが、最近は舞台写真を写したり手に入れるのはほとんど困難です。いい手はありませんかね。本当なら岬君アップのすばらしい写真をここに入れて紹介したいところです。すばらしいもの、頑張っている人たち、いい作品・・・・それを多くの人に知ってもらうのがこのブログの第一の願いです。)